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妊娠検査薬で陽性が出たらどうする?対応方法を詳しく紹介

妊娠検査薬は、自分で簡単に妊娠の可能性を調べられる便利な薬です。
とはいえ、完全な精度で検査できるわけではないため、最終的には産婦人科を受診する必要があります。

この記事では、妊娠検査薬で陽性が出たときの対応方法や、いわゆる偽陽性が出るケースについて詳しく解説しますのでチェックしておきましょう。

妊娠検査薬とは?

妊娠検査薬とは、尿に含まれるhCG(ヒト絨毛性ゴナドトロピン)というホルモンの有無を調べ、妊娠しているかどうかを検査する薬です。
妊娠すると絨毛細胞からhCGホルモンが分泌されるため、この身体の仕組みを利用して妊娠の可能性を調べます。

ドラッグストアで気軽に購入できること、自宅で検査できること、尿をかけるだけで簡単に検査できることなどが妊娠検査薬の主なメリットです。

妊娠検査薬の目的は医療機関の受診につなげること

妊娠検査薬の精度はかなり高いものの、100%ではありません。
妊娠検査薬の本来の目的は妊娠の可能性を知り、産婦人科の受診につなげることです。

正確な結果を知るためには、産婦人科を受診しなければなりません。
早い段階で産婦人科を受診して妊娠していることがわかれば、妊婦として適切な生活を送れます。

妊娠初期は薬の使用や食事にとくに注意する必要があるため、妊娠検査薬をうまく活用して適切なタイミングで産婦人科を受診しましょう。

妊娠検査薬で陽性が出るのはいつ頃から?

ドラッグストアなどで手に入る一般的な妊娠検査薬で陽性が出るのは、生理予定日から1週間後くらいからです。
生理予定日から検査できる妊娠検査薬もあります。

ただし、生理不順の人などは妊娠初期のhCGホルモンの分泌量が少なく、妊娠していても陰性という結果が出たり不明瞭な結果になったりするため、気になる場合は医師の診断を受けましょう。
生理周期が安定している人は、生理予定日の1週間後から検査できます。

妊娠検査薬で陽性が出たときの5つの対応

妊娠検査薬で陽性が出たらどうする?対応方法を詳しく紹介

妊娠検査薬で陽性という結果が出た場合、産婦人科を受診して本当に妊娠しているかを診断してもらうことが大切です。
免疫力の低下や薬の服用、激しい運動などにも注意しなければなりません。

以下、対応のポイントを紹介しますのでチェックしておきましょう。

1. 産婦人科を受診する

陽性という結果が出て、さらに予定日を1週間過ぎても生理が来ない場合は、妊娠の可能性があります。
もちろんまだ確定ではないため、産婦人科を受診して正確な診断を受けましょう。

産婦人科では、超音波検査や問診、心拍の確認などを行い、本当に妊娠しているかどうかを判断します。

産婦人科へ行くタイミングの目安は、妊娠5〜6週目です。
最後に生理が来た日を妊娠0週目として考えるため、生理予定日から1週間過ぎた日は妊娠5週目に当たります。

「生理が来ないな…」と思ったら早めに受診しましょう。

2. 産婦人科の受診を焦りすぎる必要はない

妊娠検査薬で陽性が出たからといって、受診を焦りすぎる必要はありません。
お腹の中の赤ちゃんが小さすぎると、心拍を確認できないというケースもあるからです。

先ほど紹介したとおり、妊娠5〜6週目に行くと正確な診断を受けられるでしょう。

もちろん個人差はありますし、早めに相談しに行っても問題ありません。
とくに生理が不規則で、妊娠しているかよくわからないという人は、早めに受診しておくのがおすすめです。

3. 免疫力の低下に注意する

妊娠すると、一般的に免疫力が低下します。
もちろんまだ妊娠が確定したわけではありませんが、できるだけ感染症にかからないよう注意しましょう。

感染症にかかると、自分自身がつらいだけではなく、赤ちゃんに影響を与える可能性もあります。
マスクを着用したり、手洗いやうがいを徹底したりして、不要な感染を防ぐことが大切です。

薬の服用にも注意しなければなりません。
継続して飲んでいる薬がある場合、妊娠の可能性がわかった時点で、担当の先生に相談しておきましょう。

妊娠中でも服用できる薬を処方してもらえるケースもあります。

4. 身体への負担が大きい運動は避ける

妊娠初期は母子ともに体調が安定していないため、身体への負担が大きすぎる運動は避けておきましょう。
軽い散歩や仕事などは問題ありませんが、体調面で気になることがある場合は、産婦人科で相談しておくことが大切です。

お腹を圧迫しないようにする、身体を冷やしすぎないなど、日常生活でも無理をしないよう注意しましょう。

とくに、介護職など身体の負担が大きい仕事をしている、残業が多く夜遅くまで働いている、といった人は注意が必要です。
家族の協力なども得ながら、無理なく生活できる環境を整えましょう。

5. 飲酒や喫煙を避ける

妊娠検査薬で陽性が出たら、念のため飲酒や喫煙も避けておきましょう。
まだ妊娠確定ではないものの、飲酒や喫煙は妊娠中には避けるべき行動です。

お酒を飲むと、血液中のアルコールが赤ちゃんにも送られてしまいます。

また、たばこに含まれるニコチンは血管を収縮させてしまうため、赤ちゃんに栄養や酸素が届きにくくなってしまいます。
喫煙をすると、低出生体重児の頻度が2倍近く上がるだけでなく、自然流産や周産期死亡、早産の危険性も上がるため注意が必要です。[注1]

[注1]厚生労働省「Q 妊娠中の健康への悪影響について」
www.mhlw.go.jp/topics/tobacco/qa/detail2.html

妊娠検査薬で陽性が出たら絶対に妊娠している?

妊娠検査薬で陽性が出たからといって、絶対に妊娠しているわけではありません。
陽性が出た場合、妊娠している可能性が高いのは事実ですが、正確な結果を知るためには産婦人科を受診する必要があります。

繰り返しになりますが、妊娠検査薬で陽性が出たら、早めに産婦人科を受診しましょう。

以下のようなケースでは、妊娠していなくても陽性が出る可能性もあるため注意が必要です。

1. 尿をかけすぎている

妊娠検査薬に尿をかけすぎると、いわゆる偽陽性が出やすくなります。
尿の量が少なすぎたり多すぎたりすると正確な結果が出ないため、説明書を確認のうえ正しく使用しましょう。

2. hCG注射をしている

不妊治療のなかでhCG注射を受けている場合、偽陽性が出やすいため注意しましょう。
hCGは身体の中に一定期間残るため、妊娠検査薬を使うタイミングによっては陽性反応が出てしまうケースもあります。

hCG注射を受けている人は、担当の先生とよく相談してから妊娠検査薬を使うようにしましょう。

3. hCG産生腫瘍を患っている

hCGの分泌量が増えるhCG産生腫瘍を患っている場合も、偽陽性となる可能性があります。
治療が必要な場合もあるため、気になる場合は産婦人科などで相談しておきましょう。

4. タンパクや糖が多く含まれている

尿の中にタンパクや糖が多く含まれていると、妊娠検査薬で正確な結果が出ないケースもあります。
糖尿病や膀胱炎といった疾患がある場合は、尿の中に糖やタンパクが混じりやすいため注意が必要です。

5. 閉経期にhCGが分泌されている

閉経期には妊娠していなくてもhCGが分泌されるケースもあり、偽陽性が出てしまうこともあります。
ただし、実際に妊娠している可能性もあるため、早めに産婦人科の診断を受けることが大切です。

6. 流産してしまった

妊娠したけれど流産してしまった場合、間違って陽性が出る可能性もあります。
流産した後も一定期間は、hCGが身体の中に残っているからです。

あまり考えたくはありませんが、流産の可能性も含めて早めに産婦人科の診断を受けましょう。

妊娠検査薬の結果が陰性から陽性になる可能性もある

妊娠検査薬の結果が最初は陰性だったのに、2回目に検査したら陽性に変わるというケースもあります。
とくに「フライング検査」をすると、陰性が出やすいため注意しましょう。

フライング検査とは、生理予定日から1週間も経たないうちに妊娠検査薬を使ってしまうことです。

赤ちゃんの誕生を待ちきれずに焦って使ってしまうこともありますが、hCGホルモンの分泌量があまり多くないときに検査をしても正しい結果を得られません。
判定窓の線が薄くて見えない、陽性か陰性か判断できないといったケースもよくあります。

数日後に再び検査をすると、陽性に変わることもあるため注意が必要です。
陰性という結果が出ているのに生理が遅れている、微熱などの体調不良が続いているという場合は妊娠の可能性があるため、少し間隔をあけてもう一度妊娠検査薬を使ってみましょう。

陽性が出なくても気になる症状がある場合は受診することが大切

妊娠検査薬の結果が陰性であっても、気になる症状がある場合は早めに産婦人科を受診しましょう。
生理が遅れているときはもちろん、微熱が続いている、だるさを感じるなど、風邪のような症状が出ているときは、受診してみるのがおすすめです。

食欲がなくなる、吐き気を感じる、お腹に軽い痛みを感じるといったことも妊娠初期によく見られる症状です。
産婦人科を受診して損になることはないため、早めに相談しておきましょう。

長い妊娠生活を送るうえでは、不安を解消してストレスなく過ごすことも大切です。

【まとめ】妊娠検査薬で陽性が出たら産婦人科を受診しよう

今回は、妊娠検査薬で陽性が出たときの対応方法や、偽陽性が出るパターンなどを紹介しました。
100%ではありませんが、妊娠検査薬で陽性が出たら妊娠している可能性が高いため、早めに産婦人科を受診しましょう。

妊娠している場合は、免疫力の低下や激しい運動などにも注意しなければなりません。
念のため、飲酒や喫煙も避けておきましょう。

焦って妊娠検査薬を使ってしまうフライング検査にも注意が必要です。
正しい結果が得られない可能性もあるため、妊娠検査薬は生理予定日から1週間後を目安に使うようにしましょう。

妊娠検査薬を適切な方法で使用して、産婦人科の受診につなげることが大切です。

プロフィール

この記事の筆者:仲田洋美(医師)

ミネルバクリニック院長・仲田洋美は、日本内科学会認定総合内科専門医、日本臨床腫瘍学会認定がん薬物療法専門医 、日本人類遺伝学会認定臨床遺伝専門医として従事し、患者様の心に寄り添った診療を心がけています。

仲田洋美のプロフィールはこちら

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