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赤ちゃんを授かりたいと思っているものの、生理不順で予定通りに生理がこず、妊娠検査薬をいつから使えるのかわからないという方もおられることでしょう。
生理不順(専門的には月経不順という)は、生理がこなかったり周期が不安定になったりなど、規則正しく生理がこないことをいいます。その場合、排卵の時期が通常の状態とズレてしまうなどして予測もしづらいため、パートナーとタイミングが合わず、なかなか妊娠しにくくなってしまうことも。
生理不順の方が妊娠検査薬で正しい結果を得るには、まずは排卵時期を正しく把握する必要があります。
そこでこの記事では、生理不順の原因や妊娠検査薬の使い方、生理不順でも妊活をスムーズに進めるためにできることについてご紹介します。生理不順で妊娠検査薬をいつ使ったらよいのかわからない方や、生理不順でも妊娠したい方は、ぜひ最後まで読んでみてください。
妊娠検査薬はいつから?生理不順の場合の使い方
妊娠を希望する方にとって、尿をかけるだけで妊娠しているか判定できる妊娠検査薬は身近なものです。妊娠検査薬は、生理周期が安定している方の場合、生理予定日1週間後からの使用で正しい結果を得ることができます。
しかし生理不順の方は、排卵日や生理周期が安定しないため、妊娠検査薬の説明書に記載されている通り生理予定日1週間が経過してから検査を行っても、正しい結果を得られない可能性も。
ここでまず、生理不順の原因や使い方についてご紹介します。
どこからが生理不順?
通常の生理周期は、25〜38日くらいです。普段より遅れたとしても、1週間程度の差であれば、正常な範囲内だといえます。しかし生理不順の方の場合、生理が数か月こなかったり、逆に早過ぎたりして安定しません。
では、具体的にどこからが生理不順なのかというと、生理周期が24日以内もしくは39日以上である場合です。補足すると、24日以内の周期で生理がくること「頻発月経」、39日以上あけて生理がくることを「希発月経」、排卵していないにもかかわらず生理がくることを「無排卵月経」といいます。
また、3か月以上生理がこないと、生理不順よりも深刻な「無月経」と診断されます。ほとんどの場合排卵はなく、重篤な病気が隠れている可能性もあるので、早急に受診しましょう。
生理不順だと妊娠しにくい?
生理不順に関連することとして、すぐに思いつくのは妊娠しにくいのではないかということではないでしょうか。
妊娠が可能かどうかは、基本的に排卵の有無で決まります。生理が不規則であっても、排卵されていれば妊娠は可能です。しかしその反面、排卵日を把握しにくいことから、通常よりも妊娠可能な時期がわかりづらくなってしまうのです。
また、生理不順だと排卵されたタイミングで性交渉があったとしても、子宮の環境が妊娠に適しておらず、妊娠が成立しなかったり流産してしまったりすることも。
妊娠を希望していない場合でも、将来がんになりやすくなってしまう恐れもあるので、どちらにせよ早めの受診をおすすめします。
生理不順の原因
以下は、生理不順の原因として考えられるものです。
- ホルモンバランスの乱れ
- 日常生活の疲れ
- 無理なダイエット
- 過度のストレス
- 不規則な生活
- 子宮や卵巣、甲状腺などの病気
妊娠するためには、体内で卵子が育ち子宮の中で子宮内膜を作る必要があります。そして、育った卵子が外に出て精子と出会い受精し、子宮内膜に着床すると妊娠が成立します。
ホルモンバランスの乱れや疲れ、無理なダイエットやストレス、不規則な生活によって女性ホルモンの分泌量が減少すると、卵子が育たず子宮内膜も作られません。
また、なんらかの病気が原因で排卵が起こらない場合は、子宮内膜が増殖し続けて将来がんになる可能性も高まるため注意が必要です。
生理不順の場合の妊娠検査薬の使い方
上述したように、妊娠検査薬は基本的に生理予定日の1週間後から使用可能です。しかし、生理不順の方は生理予定日がはっきりしない場合も多く、妊娠検査薬をいつから使えるのか判断しにくいことでしょう。
そのような場合は、以下を参考に妊娠検査薬を使ってみてください。
- 前回の生理開始日を基準にした予定日から1週間後頃
- 生理予定日がわからない場合は、性交渉から3週間以上経過した頃
もし、3回前までの生理開始日がわかるときは、「前回の生理予定日+その前の2〜3回前までの生理で1番短かった周期+7日」で計算します。
また、生理不順の方は排卵日がズレていることも多いため、妊娠検査薬を使用する時期が早すぎてフライング検査になりがちです。本当は妊娠しているにもかかわらず陰性と出てしまうと、薬を飲んでしまったり、レントゲン検査を受けてしまったりすることも。
そのため普段から生理が不規則な方は、1度目の妊娠検査薬の判定が陰性でも、1週間経過して生理がこない場合は再度検査をするようにしましょう。
生理不順でも妊活をスムーズに進めるためにできること
生理不順が生じる原因にはさまざまなものがあり、生理不順自体が妊娠しにくい原因にならないケースもあります。しかし、妊娠を希望しているものの、なかなか叶わないという方の中には、生理不順の方が多いのも事実です。
では、生理不順でも妊娠するためには、どのようなことができるのでしょうか。ここでは、生理不順でも妊娠するためにできることを3つご紹介します。
基礎体温をつける
排卵はあるものの生理が不規則な方が妊娠するためには、基礎体温をつけることが非常に重要です。排卵予定日がわかれば、タイミング法でもっとも妊娠しやすい時期に性交渉をもつことができます。
そもそも基礎体温とは、安静時の体温のことです。数ヶ月間毎朝起きたときに体温を測って記録しておくと、排卵時期のより正確な予測が可能です。
一般的に、排卵が起こると黄体ホルモンの分泌によって体温が上昇するといわれています。高温期に入ると、基礎体温が低温期と比べて0.3〜0.6度くらい上昇し、その後10〜14日程度継続、生理がくると低温期に移行します。
つまり排卵が起こるのは、「基礎体温が高温期に入るとき」ということです。
基礎体温は、外気温や計測する時刻、日常生活の変化などの影響を受けやすいものです。正しく記録するためには、毎朝同じ時間に起床する必要があります。
起床したら体を出来るだけ動かさず、横になったままの状態で婦人体温計やデジタル式体温計などを使い口の中で体温を測りましょう。
ちなみに、妊娠している場合は黄体ホルモンの分泌が継続し、高温期が続きます。普段から基礎体温を測っておくと、妊娠している可能性もわかるようになるため、妊娠を希望される方には非常におすすめです。
生活習慣を改善する
生理不順は、さまざまな原因によって起こることは上記でもご紹介しました。また、生理不順を放置してしまうと排卵が起こりにくくなり、結果的に妊娠しにくくなる可能性もあります。
通常、生理は女性ホルモンによってコントロールされており、女性ホルモンは脳視床下部と脳下垂体、卵巣の3つの器官の連携によって分泌されています。どれかひとつの器官でも異常が起こってしまうと、生理不順が起こりやすくなるのです。
とくに、脳視床下部はストレスの影響を受けやすいデリケートな部分です。日常生活の中で精神的なストレスを感じたり、生活習慣の乱れから体内時計が狂ったりすると、働きが低下してホルモンバランスの乱れにつながることも。
これを防いで生理不順を改善するためにも、適度な睡眠時間や運動、バランスの取れた食事などが非常に重要となります。
病院を受診する
上記でもご紹介したように、排卵日を知るためには基礎体温を測ったり、市販の排卵日検査薬を使ったりする方法があります。しかし、より正確に排卵日を把握し、効率的に妊活を行うのであれば、婦人科や産婦人科など医療機関を受診しましょう。
病院では、卵胞の成長を確認したり尿や血液を検査してホルモン値を調べたりして、正確な排卵日を予測します。排卵誘発剤によって排卵日をある程度コントロールすることもできるので、より正確にタイミングを合わせたい方におすすめです。
まとめ
生理不順の原因や妊娠検査薬の使い方、生理不順でも妊活をスムーズに進めるためにできることについてご紹介しました。
妊娠検査薬は、妊活をしているとよく使用するものです。しかし、生理不順だといつから使ってよいのかわからず、戸惑ってしまうことでしょう。
生理不順の方は、今回ご紹介したように前回の生理予定日を基準として計算したり、思い当たる性交渉の3週間後に検査をしたりといったやり方で、妊娠検査薬を使ってみてください。
ただし、生理不順というだけで妊娠できないわけではありませんが、排卵が行われていないと妊娠はできません。また、排卵時期がバラバラだと妊娠する確率も低くなってしまうので、普段の生活を整えて生理を正常な周期に戻すよう心がけることをおすすめします。
生理不順や妊娠の可能性に不安を感じている方、妊娠検査薬で陰性だったものの体調が優れないという方は早めに病院を受診し、医師に相談するようにしましょう。