目次
前駆陣痛とは?本陣痛との違い3つ
迷ったときの見分け方と目安
📍 クイックナビゲーション
妊娠後期に入り出産予定日が近づいてくると、お腹のちょっとした痛みや張りに「もしかして、陣痛…?」と敏感になることが少なくありません。陣痛は大きく「前駆陣痛」「微弱陣痛」「本陣痛」「後陣痛」の4つに分けることができ、出産が近づくと前駆陣痛を感じることがあります。
Q. 前駆陣痛とはどのような陣痛ですか?
A. 妊娠後期に感じられる痛みで、本陣痛とは異なり分娩に至ることはありません。
前駆陣痛は子宮の筋肉が収縮することで起こり、体が出産の準備段階に入っていることを知らせてくれるものともいえるでしょう。
- ➤結論 → 本陣痛との違いは「間隔・強さ・期間」の3つ
- ➤前駆陣痛 → 妊娠後期に多く、朝になると治まるケースも
- ➤対処法 → 深呼吸・体位変換・温めるなどで和らぐことがある
- ➤病院へ連絡 → 規則的な痛み、破水、激しい痛み、出血や胎動減少は相談
- ➤不安の整理 → 自己判断せず、迷ったらまず病院へ連絡
1. 【結論】前駆陣痛と本陣痛の違いは「3つ」です
自然分娩の場合、陣痛はいつやって来るかわかりません。前駆陣痛は妊娠後期に起こることが多いため、妊婦さんはお腹に痛みや張りを感じると「ひょっとして陣痛が来たのでは…?」とドキドキすることが多いものです。前駆陣痛と本陣痛にはいくつかの違いがあります。お腹の痛みや張りを感じた時には、これからご紹介するそれぞれのポイントをチェックしてみましょう。
【結論】前駆陣痛と本陣痛の違いは、①痛みの間隔 ②痛みの強さ ③痛みの期間の3つで整理できます。前駆陣痛は「不規則で、強くならず、治まることがある」のが特徴です。
陣痛は大きく「前駆陣痛」「微弱陣痛」「本陣痛」「後陣痛」の4つに分けることができます。前駆陣痛は分娩に至ることはありません。微弱陣痛は痛みが弱い・間隔が長いなどの弱い陣痛で、状況により経過観察や医療的対応が行われることがあります。本陣痛は規則的で、時間の経過とともに痛みが強くなり間隔も短くなるのが特徴です。後陣痛は出産後、子宮が元の大きさに戻る際の収縮による痛みです。
「感覚」だけで決めず、まずは時間を計ってみましょう
お腹の痛みや張りが気になったら、まずは時間を計ってみましょう。陣痛の間隔を計測するアプリなどを利用してみる方法も良いでしょう。
2. 前駆陣痛とは?起こる時期・きっかけ
前駆陣痛とは、妊娠後期にあたる妊娠28~40週頃に感じられる痛みで、出産が初めてではない場合は妊娠中期にあたる妊娠14~27週頃から感じられることもあります。本陣痛とは異なり、分娩に至ることはありません。
前駆陣痛は子宮の筋肉が収縮することで起こり、前駆陣痛が起こることで硬く閉じている子宮口や産道が柔らかくなったりなります。つまり、前駆陣痛は体が出産の準備段階に入っていることを知らせてくれるものともいえるでしょう。
前駆陣痛が起こるタイミングは妊婦さんが体をよく動かしたときや、膀胱内に尿が多く溜まっているとき、脱水傾向にあるとき、性交渉のあとなどさまざまです。夕方~夜にかけて痛みを感じ、朝になると治まるケースが多いようです。
Q. 微弱陣痛とは?
A. 痛みが弱い、間隔が長い、時間が短いなどの弱い陣痛です。微弱陣痛が起こった場合、本陣痛に移行するまで様子を見るケースもありますが、母子の状態を考慮して陣痛促進剤を投与したり、帝王切開を行うこともあります。
Q. 後陣痛とは?
A. 出産後、子宮が元の大きさに戻る収縮で感じる痛みです。子宮内の出血を抑える役割もあります。一般的に初めての出産よりも第二子以降の出産の方が痛みが強いことが多いといわれています。
3. 前駆陣痛と本陣痛の違い:間隔・強さ・期間
前駆陣痛と本陣痛の違いとしてまず挙げられることが、痛みの間隔の違いです。前駆陣痛の特徴は、痛みの間隔がバラバラなことです。たとえば、「12分→10分→11分→15分…」といったように分単位でも間隔が違うことが分かります。一方本陣痛の場合は「10分→10分→10分→9分→9分→9分…」といったように、同じ感覚の痛みが続ながらも、徐々にその間隔が短くなっていきます。
前駆陣痛の痛みの感じ方は妊婦さんによってさまざまですが、「生理痛のような痛み」「我慢できないほどではない痛み」と感じる人が多いようです。また、お腹がカチカチに張る感じや、胃の圧迫感、腰痛や便意を感じる人もいます。
① 痛みの間隔
前駆陣痛は不規則です。本陣痛は規則的に痛みがあり、出産が近づくにつれて間隔が短くなるのが特徴です。
② 痛みの強さ
本陣痛は時間の経過とともに痛みが強くなり、思わずうずくまってしまうほどの強い痛みに変わっていきますが、前駆陣痛ではそのような変化はありません。徐々に弱くなり、気付いたら痛みがなくなっているということがほとんどでしょう。
③ 痛みの期間
前駆陣痛は数日に1回や1日数時間だけ、あるいは1日数時間が数週間続くといったことがありますが、本陣痛は出産まで痛みが治まることはありません。出産まで数時間のみ本陣痛を感じることもあれば、1~2日本陣痛を感じ続けることもあります。
「痛くなったり、痛くなくなったり」なら前駆陣痛の可能性
痛みは数日間~数週間続くものの、「痛くなったり、痛くなくなったり」という状態なのであれば、前駆陣痛である可能性は高いといえます。
お腹の痛みや張りが気になったら、まずは時間を計ってみましょう。陣痛の間隔を計測するアプリなどを利用してみる方法も良いでしょう。
- ➤間隔がバラバラ:前駆陣痛の特徴
- ➤強くならない:気づくと治まることが多い
- ➤痛みが続いても波がある:「痛い/痛くない」が交互
- ➤迷うときは相談:自己判断を避ける
ただし、前駆陣痛だと思っていたらそのまま本陣痛に移行することもあります。気になる点がある場合には、病院に連絡をし、指示を仰ぎましょう。
4. 前駆陣痛が起きた時の対処法
🩺 院長メッセージ【不安なときほど、呼吸を整えて】
妊娠後期の痛みや張りは、身体が変化しているサインでもあります。
まずは深呼吸をして、姿勢を変えて、少し温めてみる。できることを一つずつ積み重ねるだけで、落ち着ける方は多いです。
それでも不安が強いときは、迷わず病院に連絡してください。相談することは、決して「大げさ」ではありません。
前駆陣痛は、体の向きを変えるなどの対処法によって痛みが消えたり和らいだりすることがあります。「前駆陣痛かな?」と思ったら、次のような対処法をとってみましょう。
体の向きを変える:仰向けの状態や同じ姿勢をとり続けると、お腹の張りや痛みをより感じやすくなります。横になりながらも意識的に寝返りをうつなど、体の向きを変えてみましょう。体の左側を下にすることで下大動脈と呼ばれる太い血管の血流が良くなり、痛みが和らぎやすくくなります。
痛む箇所をさするだけで痛みが和らぐことがあります。自分でさするのはもちろん、家族にさすってもらうのも良いでしょう。腰が重く感じる時は、テニスボールなどのほどよい弾力のあるものでグイグイと押す方法も効果的です。
体を温めることで血行がよくなり、筋肉の緊張が緩和されます。カイロや湯たんぽを使ったり、足湯に浸かるのも良いでしょう。ただし、低温やけどには注意が必要です。
適度なストレッチも血行の促進には有効です。腰を回したり、背中を伸ばすなど、心地よいと感じる形に体を動かしてみましょう。体を動かしすぎるとかえってお腹が張ってしまうこともあるため、無理のない範囲で行いましょう。
「痛いかも」「本陣痛に変わるかも」といったように、痛みに集中しすぎると、どんどん痛みが増してくるような感覚になることがあります。音楽を聴いたり誰かと会話するなど、楽しいと感じることに意識を逸らしてみるのも一つの手です。
5. 病院へ連絡するタイミングは?
痛みの感じ方は人それぞれ。前駆陣痛だと思っていたら、そのまま本陣痛に移行したり、すぐに病院を受診すべき痛みの場合もあります。次のようなケースでは、まず病院に連絡をし、病院からの指示を仰ぎましょう。
規則的に張りと痛みが来る場合は本陣痛が始まっているかもしれません。痛みの長さや間隔をメモし、病院に連絡をしましょう。
6. 破水・激しい痛み・その他の異常
破水した場合は診療時間外であってもすぐに病院に連絡しましょう。感染の恐れがあるため、お風呂やシャワーは禁物です。ナプキンやバスタオルなどで処置をしながら病院に向かいましょう。自分で車の運転はせず、誰かに運転してもらうか、タクシーを利用しましょう。
本陣痛の場合は、痛みを感じる時間と、痛みがなくなる時間が交互にやってきます。痛みのない時間がなく、激しい痛みがずっと続く場合は母子に何らかの危険が及んでいる可能性があります。すぐに病院に連絡をし、受診をしましょう。
⚠️ その他の異常:出血がある、赤ちゃんの胎動を全く感じないなど、「いつもとは違う」と感じることがある場合には病院に連絡をし、状況を伝えましょう。自己判断をすることは避けましょう。
7. 【まとめ】不安を感じたら一人で悩まず病院に連絡を
前駆陣痛は「痛みの間隔が不規則」「痛みが強くならない」など、本陣痛とは違う特徴があり、妊娠後期で前駆陣痛を感じるケースは少なくありません。しかし、前駆陣痛がそのまま本陣痛につながる可能性もあります。お腹の張りや痛みを感じた場合には痛みの程度や間隔を観察し、気になる点がある場合にはすぐに病院に連絡をしましょう。
💡 迷ったときの確認ポイント
- ➤痛みの間隔が規則的かどうか
- ➤時間とともに痛みが強くなっているか
- ➤痛みが消える時間があるか、ずっと続くか
- ➤破水・出血・胎動の異常などがないか
8. よくある誤解:ここを直すと、心が軽くなります
誤解①:前駆陣痛=必ず出産が始まる
前駆陣痛は分娩に至ることはありません。ただし、その後に本陣痛へ移行することはあるため、痛みの変化や規則性を確認することが大切です。
誤解②:我慢できる痛みなら大丈夫
痛みの強さだけで判断せず、間隔の規則性や持続性を合わせて確認しましょう。破水や出血、胎動の異常があれば早めに連絡が必要です。
誤解③:迷って連絡すると怒られる
迷う状況こそ、医療者に状況を共有することが大切です。自己判断を避け、病院の指示を仰ぎましょう。
9. 専門医からのメッセージ:不安になるのは自然です
妊娠後期の痛みや張りに敏感になるのは、赤ちゃんのことを大切に思っているからこそです。前駆陣痛は多くの方が経験し得る一方で、状況によっては早めの受診が必要なこともあります。
🩺 院長メッセージ【「迷う」を一人にしない】
「これって前駆陣痛かな」「病院に連絡していいのかな」と迷う時間が、いちばん苦しいことがあります。
その迷いを減らすために、間隔・強さ・期間の3つで整理しておくことが役に立ちます。不安を抱えたまま我慢しないでください。
よくある質問(FAQ)
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参考文献
- [1] ACOG. Labor and Delivery. [ACOG]
- [2] NHS. Signs that labour has begun. [NHS]
- [3] Mayo Clinic. Labor and delivery: Stages of labor. [Mayo Clinic]
- [4] March of Dimes. Premature rupture of membranes (PROM). [March of Dimes]

