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産休へ入る前に忘れてはいけないのが、社内外でお世話になった方たちへのご挨拶です。しかし、あいさつが必要であることは知っていても、いざ自分がするとなると具体的にどうすべきかわからないという方も多いのではないでしょうか。
もちろん、産休はこれから出産する女性の権利です。必要以上に気後れする必要はありませんが、産休に入るということは不在の間仕事に穴をあけるということでもあるため、できれば気持ちよく休暇に入れるようにしたいもの。
出産後、職場に復帰したいと思っている方であればなおさら、産休前のあいさつは重要です。最終出社日が近づき、バタバタと身の回りの整理などに追われ、あいさつをきちんとしないまま産休に突入!ということのないようにしましょう。
この記事では、産休前のあいさつのマナーとポイント、具体的な例文をご紹介します。
産休前のあいさつのマナー
産休前に限らず、挨拶は非常に大切なコミュニケーションです。とくに職場の人間関係は、復帰後も続きますので、できるだけよい印象を与えるためにきちんと行っておきたいもの。
「産休前のあいさつは、誰にいつ、どんな方法ですればいいの?」こんなお悩みをおもちの方のために、ここでは産休前のあいさつのマナーについてご紹介します。
誰にあいさつをする?
産休に入るときは、以下の方々にご挨拶をします。
- 直属の上司や同僚、先輩や後輩など社内で普段から接点が多い方
- 他の部署の上司や仕事で関わったことのある社内の方
- 取引先やお客様など社外の方
直属の上司や同僚など、同じ部署の方々は、自分が産休で休んでいる間もお世話になることも多いので、必ずきちんと挨拶をしておきます。他の部署の方々は、同じ部署よりもお世話になることも少ないですが、礼儀として産休を取得する旨を伝えておくとよいでしょう。
そして、取引先やお客様などの社外の方々にも、自分が産休を取得することや休む間の後任がどうなるかなどを伝えておきましょう。
あいさつをするタイミング
産休のあいさつをする際は、まず直属の上司に伝え、次に同僚や先輩、後輩、その次に他部署の方、そして社外の方と挨拶をする順番に気をつける必要があります。
直属の上司は、自分が産休に入った後の部署全体のスケジュールを調整し、後任の配置なども考えなければいけません。そのため、妊娠がわかり安定期に入ったら、できるだけ早めに報告するようにしましょう。
それ以外の社内の方々には、産休に入るひと月前くらいまでに挨拶を済ませておくのが基本ですが、仲のよい同僚や先輩、後輩などには早めに伝えておいてもよいかもしれません。
仕事の内容によっては引き継ぎに時間がかかることもあるため、後任を務めてくれる方の負担にならないよう、余裕をもっておきましょう。
そして社外の方々にも、産休に入るひと月前くらいには挨拶をしておくのがベストです。担当の変更は、仕事の進行にも影響します。自分が主に担当していた取引先には、とくに丁寧な対応をするように心がけましょう。
どんな方法がベスト?
産休を取得するにあたって、さまざまな申請でもお世話になる直属の上司には、もちろん口頭での報告がベストです。社内でお世話になっている方々にもそれぞれ口頭で、他部署の方々にはメールで伝えるなど、工夫して対応しましょう。
社外の方々には、直接お会いする機会があればまずはメールで状況を伝え、その上で後任者と共にご挨拶に伺います。新型コロナウイルス感染予防の観点や、体調の問題などでお会いできない場合は、電話やメールでご挨拶を行い、後任者の連絡先なども添えておくとよいでしょう。
産休前のあいさつのポイント
上記でご紹介したように、産休前のあいさつはいくつかの方法で行いますが、どのような方法であっても伝えるべきことは変わりません。
しっかりとポイントをおさえて気持ちよく産休に入れるようにしましょう。ここでは、産休前のあいさつのポイントを3つご紹介します。
感謝と復帰への意気込みを伝える
基本的に、産休のあいさつに入れるのは、産休を取らせていただくことへの感謝と、復帰への意気込みの2点です。
産休や育休は、働きながら子どもを出産する女性の権利ではありますが、長期間職場から離れてしまうと、どうしても同じ部署の方々には負担がかかります。
産休や育休は、職場の方々の協力があってこそ安心して取れるものです。復帰したいという前向きな気持ちも同時に伝えておくと、職場の方々も快く送り出してくれますし、休暇終了後も職場復帰しやすくなるでしょう。
復帰時期は明確にしない
「復帰は○年○月を予定しております」など、復帰時期については明確にしないことをおすすめします。なぜなら、産休や育休は予定通りにいかないことも多いからです。
自分の体調や子どもの健康状態、保育園に入園できるかどうかなどによって変動する恐れもあります。保育園が決まらない場合は親が見てくれるなど、必ず復帰できる場合以外は明確にしない方がよいでしょう。
また、個人的に親しい場合以外では、あえて出産予定日を伝える必要もありません。産休に入る日や、最終出社日を伝えるようにしましょう。
お菓子などのプチギフトを添える
産休や育休は、労働者の権利です。そのため必須ではありませんが、産休のあいさつではお菓子などのプチギフトを添えると、話を切り出すきっかけにもなるのでおすすめです。
このちょっとした心遣いが、「産休の間ご迷惑をおかけしますが、復帰後もよろしくお願いします」という気持ちを伝えるのに役立ち、スムーズに産休へ入るポイントにつながります。
プチギフトを渡すのは、産休に入る前の最終出勤日が一般的だといわれています。
しかし、このタイミングにこだわりすぎず、直接産休を取得することを伝える方には挨拶とともに渡し、メールで済ませた方には出勤最終日にまとめて配りにいくのもおすすめです。
上司に相談すると、時間をとってくれる可能性もありますし、タイミングが合わず会えなかった方には机の上にお菓子とメッセージを置いておくなどして対応しましょう。
お菓子を選ぶ際は、日持ちがして常温保存できるもので個包装になっているクッキーなどがおすすめです。できれば見た目にもこだわり、パッケージがかわいいものやおしゃれなものを選ぶとよいでしょう。
また、コーヒーや紅茶などが数個入ったプチギフトも、仕事の合間に楽しめるので喜ばれます。職場の雰囲気や贈る方の好みにあわせて、センスのよいものを贈りましょう。
産休前のあいさつ例文
いざ挨拶をしようとすると、どう伝えればよいのかわからず頭を悩ませている方もいることでしょう。
産休前のあいさつは、主に自分が所属する部署と社内の他部署、取引先などの社外の方々へ行います。それぞれに関係性が異なるため、伝え方にも注意が必要です。
ここでは、産休前のあいさつの例文をスピーチとメールに分けてご紹介します。
スピーチ
勤めている会社によっては、産休へ入る前に朝礼やミーティングなどでスピーチの時間をとってくれることもあるようです。大勢の前で緊張してしまいますが、きちんとした挨拶をしたいものです。
では、具体的にはどのようなことを話せばよいのでしょうか。以下は、社内で行うスピーチの例です。
私事ですが、この度出産に伴いお休みをいただくことになりました。皆様には負担をかけてしまいますが、出産と育児が落ち着いたらぜひ復帰したいと思っています。
また皆様と一緒にお仕事ができればと思っておりますので、どうぞよろしくお願いします。
この度、産休に入らせていただくことになりました。妊娠中体調がすぐれないときには、気を使っていただいたり、サポートしていただいたりして本当にありがとうございました。
ご迷惑をおかけしてしまいますが、無事出産を終えて復帰できる日が来ましたら、精一杯頑張りますのでよろしくお願いします。
ポイントは、長く話そうとしないことです。妊娠中のサポートや気遣いに対するお礼や職場への復帰意欲を簡潔に伝えるようにしましょう。
メール
他部署や社外の方々には、メールで産休のあいさつをすることも多いです。
他部署の方にはお世話になったことのお礼と復帰への意気込み、最終出社日を伝えます。業務上必要であれば新しい担当者の名前や連絡先も添えるとよいでしょう。
以下は、他部署の方に送るメールの例文です。
お世話になっております。○○部の○○です。私事ではありますが、この度○月○日より産休を取らせていただくことになりました。私の業務は、□□さんに引き継ぎをお願いしておりますので、問い合わせなどは□□さんへご連絡をお願いします。
電話番号:
アドレス:
最終出社日は△月△日となっております。ご迷惑をおかけいたしますが、復帰の際にはまたご一緒させていただければと思います。今後ともよろしくお願いいたします。
社外の方には、社内の方々よりも直接挨拶に出向くことが難しい場合もあります。そのため、さらに丁寧なメールを送ることが重要です。
以下は、社外の方に送るメールの例文です。
平素より大変お世話になっております。○○社の○○です。この度○月○日より産休を取得させていただくこととなりました。
本来であれば直接ご挨拶へ伺うべきところを、メールでお伝えすることになってしまい申し訳ございません。休暇中の業務につきましては、□□部□□が担当となりますので、連絡先を添えさせていただきます。
電話番号:
アドレス:
今後とも変わらぬお付き合いのほど、よろしくお願い申し上げます。
社外の方への挨拶には、最終出社日と後任の社員の紹介が必須です。復帰時期については必ず入れなくてもよいですが、一言添えておいてもよいでしょう。
まとめ
産休前のあいさつのマナーとポイント、具体的な例文をご紹介しました。
産休前は、職場の方々に迷惑をかけないようにこれまでの仕事の引き継ぎなどを行ったり、産休の手続きを滞りなく済ませたりと、あいさつ以外にもしなければいけないことがたくさんあります。
徐々にお腹も大きくなっていく中、ふといつあいさつをしたらよいのかと気になっている方もいるのではないでしょうか。
産休のあいさつは、謙虚な姿勢を忘れずに感謝の気持ちを込めて行えば、きっと応援してもらえるはずです。また一緒に働きたいと思ってもらえるように、丁寧な挨拶を心がけましょう。