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妊娠初期症状のチェックリストや生活上の注意点を詳しく紹介

妊活中にいつもと違う体調の変化があると「妊娠の兆候?」と気になる人も多いです。この記事では妊娠初期症状のチェックリストや、症状がある場合の生活上の注意点をご紹介します。今の症状が妊娠初期症状なのか知りたい人や、妊娠に備えて症状を知っておきたい人は、ぜひ参考にしてください。

妊娠初期症状とは?

妊娠初期症状とはその名のとおり、妊娠初期(妊娠16週未満)に表れる症状のことです。女性の体は妊娠するとホルモンの分泌が盛んになり、赤ちゃんを育てる環境を整えます。妊娠初期に分泌されるホルモンは、以下の3つです。

ホルモン名 働き
hCGホルモン(ヒト絨毛ゴナドトロンビン) 妊娠すると分泌されるホルモンです。妊娠検査薬はhCGホルモンの量で妊娠を判断しています。
卵胞ホルモン(エストロゲン) 子宮内膜を厚くするほか、子宮を大きくしたり血流を増加させたりします。出産前には陣痛を誘発するため、オキシトシンの分泌を促す働きもします。産後に備えて乳腺を発達させるなど、妊娠・出産までさまざまな働きをするホルモンです。
黄体ホルモン(プロゲステロン) 妊娠しやすくしたり、妊娠を維持したりするホルモンです。子宮内膜を厚くするほか、細菌の侵入を抑える働きもします。着床後は妊娠の維持を手助けしたり、胎盤を作ったりします。

微熱が出たりおなかが張ったりするのは、ホルモンの影響によります。ホルモンが体に大きな変化をもたらすと同時に起こる症状のことを、妊娠初期症状と呼びます。

妊娠初期症状は妊娠4〜5週頃から起こることが多い

妊娠初期症状は、3つのホルモンの分泌が盛んになることで起こります。ホルモンの分泌が盛んになり始めるタイミングは、受精卵が子宮内膜に着床したときです。排卵が起こるのが妊娠2週、着床のタイミングは妊娠3週だといわれています。妊娠4〜5週になるとホルモンの量も多くなるため、妊娠初期症状が起こりやすいと考えられます。

妊娠初期症状がない人もいる

妊娠初期症状は、全員が起こるものではありません。なかには症状がない人もいます。妊娠初期症状がなくても妊娠するので、神経質になりすぎなくて大丈夫です。

妊娠初期症状チェックリスト

女性の手の中のスマートフォン画面で月経周期を監視するためのモバイル アプリケーション。 女性は携帯電話を持ってソファに座っています。

妊娠初期症状が起こる程度は、個人差があります。よく見られる症状を以下にまとめました。

  • ・いつもと違うおりものが出ている
  • ・少量の出血がある
  • ・下腹部痛やおなかの張りがある
  • ・腰痛がある
  • ・常に眠い・十分な睡眠をとっても眠い
  • ・食欲不振、もしくは食欲旺盛
  • ・味覚が変化した
  • ・においに敏感になった
  • ・めまいや立ちくらみがする
  • ・熱っぽい
  • ・理由もなくイライラしたり不安になったりする
  • ・便秘気味である
  • ・胸の張りや痛みがある
  • ・吐き気や胃のムカつきがある
  • ・むくみがある
  • ・だるかったりやる気が出なかったりする
  • ・頭痛がする
  • ・肌トラブルが起きている
  • ・唾液や鼻水の量が増えた
  • ・トイレが近い
  • ・疲れやすい・息切れがする
  • ・生理が1週間以上遅れている
  • ・高温期が3週間以上続いている

多くの項目にチェックがついた人は、妊娠を疑いましょう。とくに生理が遅れていたり、高温期が3週間以上続いていたりする人は、妊娠の可能性が高いです。妊娠検査薬で検査したり、産婦人科を受診したりしてください。

妊娠初期症状が起きたときの生活上の注意点

妊娠初期症状のチェックリストや生活上の注意点を詳しく紹介

妊娠初期症状が起きたときは、生活習慣を見直しましょう。普段どおりの生活をすると、赤ちゃんに悪影響をおよぼす可能性があります。妊娠したときのことを考えて行動することが大切です。次から具体的な生活上の注意点をご紹介します。

飲酒をやめる

まず、飲酒をやめてください。お酒を飲むとアルコールが胎盤を介して赤ちゃんに送られてしまいます。アルコールは赤ちゃんの成長に悪影響をおよぼすため、飲酒をするのは危険です。
飲酒を続けると赤ちゃんが「胎児性アルコール症候群」になり、何らかの障害を持って生まれてくる可能性が高まります。具体的にはおなかの中での発育が遅れたり、多動症になったりするおそれがあるので、赤ちゃんのためにも飲酒はやめましょう。

たばこをやめる

たばこも赤ちゃんの発育に影響をおよぼすことで知られています。たばこを吸っている人は、妊娠初期症状が出たらすぐにやめてください。赤ちゃんに栄養が行きにくくなって低体重になったり、流産や早産になるリスクも高まったりします。
また、前置胎盤や胎盤剥離を引き起こす可能性もあります。赤ちゃんの命にかかわるので、たばこは吸わないようにしましょう。

なお、受動喫煙でも同様のリスクがあります。周囲にたばこを吸う人がいる場合は、妊娠の可能性を伝え、近くで吸わないようにお願いしてください。

カフェインの摂取を控える

カフェインを摂取しすぎると赤ちゃんの発育に影響をおよぼしたり、ママが貧血になったりするリスクがあります。また、流産の可能性も高まるといわれているため、カフェインをとりすぎないよう気をつけてください。

カフェインはコーヒーだけでなく、緑茶や紅茶を始めとしたお茶にも含まれています。カカオ含有量が高いチョコレートなど、食べ物にも含まれている場合があります。あらかじめカフェインを含む飲み物や食べ物を知り、飲みすぎたり食べすぎたりしないよう気をつけてください。

なお、マグカップ2杯程度のカフェインなら摂取しても良いといわれています。[注1]
もし誤ってカフェインを摂取した場合も少量なら問題ないため、神経質になりすぎなくても大丈夫です。

[注1]厚生労働省:食品に含まれるカフェインの過剰摂取についてQ&A ~カフェインの過剰摂取に注意しましょう~
www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000170477.html

レントゲンを撮影する際は医師に妊娠の可能性を伝える

レントゲン検査の被ばくは、胎児に影響をおよぼす可能性があります。通常のレントゲン検査なら赤ちゃんへの影響はないと考えられていますが、受ける前には医師に妊娠の可能性を伝えておきましょう。

薬やサプリメントの服用は医師に相談する

薬やサプリメントの成分は、胎盤を介して赤ちゃんに送られてしまいます。なかには赤ちゃんに影響をおよぼす成分もあるため、服用には十分な注意が必要です。とくに妊娠初期症状とかぜ症状は似ているので、誤ってかぜ薬を服用してしまう人が多いです。妊娠の可能性を考えて、自己判断で市販薬を飲むのは控えましょう。飲むなら病院を受診し、医師に妊娠の可能性を伝えてから処方してもらってください。

なお、持病があって薬を飲んでいる場合も、妊娠初期症状が表れた時点で医師に連絡し、服用の相談をするのが望ましいです。

激しい運動は避ける

妊娠初期症状を確認したら、激しい運動は避けましょう。ランニングやジムでのトレーニングなどは体への負荷が大きく、流産や切迫早産のリスクを高めます。運動をする場合は、ストレッチやウォーキングなど、軽いものにとどめてください。ただし、体調が悪くなったりおなかの張りを感じたりしたら運動をやめて、安静に過ごしましょう。

感染症対策を怠らない

妊娠中に感染症にかかると、赤ちゃんに悪影響をおよぼす場合があります。とくに気をつけたいのは、以下のような感染症です。[注2]

  • ・風しん……赤ちゃんが心疾患を起こしたり、白内障や緑内障になったりするリスクがあります。
  • ・水ぼうそう……赤ちゃんの皮膚の萎縮や目の異常が生じることがあります。
  • ・ヒトパルボウイルスB19(りんご病)……胎盤を介して赤ちゃんに感染すると、流産する場合があります。
  • ・サイトメガロウイルス……妊娠初期に感染すると、赤ちゃんの肝機能や聴力に異常が出る場合があります。
  • ・性器クラミジア感染症……感染に気づかず産道を通ると、新生児肺炎や結膜炎になるリスクがあります。
  • ・B群溶血性連鎖球菌 (GBS)……感染に気づかず産道を通ると、敗血症や髄膜炎を起こす可能性があります。

感染症にかからないよう手洗いうがいやマスクをしたり、不要な外出を避けたりと、対策をとってください。

[注2]東京都福祉保健局:母子感染について~妊娠中・これから妊娠を考えている方へ~
www.fukushihoken.metro.tokyo.lg.jp/kodomo/shussan/kenkou/boshikansen.html

体を冷やさない

妊娠中に冷えは禁物です。体が冷えると血行が悪くなります。血行が悪いと赤ちゃんに必要な栄養が運ばれにくくなり、発育状況に影響をおよぼす可能性があります。また、ママの免疫力が下がるので、感染症にかかるリスクがあがってしまうのです。感染症によっては流産を引き起こす場合もあります。

妊娠初期症状が見られたら、体を温めるよう意識してください。湯船につかったり温かい飲み物を飲んだりすると効果的です。また、レッグウォーマーや靴下で足首を温めるのもおすすめです。

食事に気を配る

妊娠の可能性があるときは、食事に気を配ってください。とくに摂取したい栄養素は、葉酸です。妊娠初期に葉酸を摂取すると、二分脊椎や無脳症を予防できるといわれています。赤ちゃんのためにも、毎日の食事に取り入れましょう。

また、感染症や食中毒のリスクを高める食べ物は控えます。避けるべき食べ物は、以下のとおりです。

【加熱が不十分な肉】
トキソプラズマにかかることがあります。赤ちゃんの運動機能や視力機能に障害が出るリスクがあります。

【生ハムなどの食肉加工品やナチュラルチーズ、スモークサーモン】
リステリア症にかかるリスクがあります。早産や死産、敗血症、髄膜脳炎を引き起こす可能性があります。

【生卵】
サルモネラ菌に感染し、食中毒を引き起こす可能性があります。下痢による子宮収縮が原因で、流産や切迫早産になるリスクがあります。

万が一のことも考えて、生ものの摂取は控えるのが望ましいです。

体に負荷がかかることはしない

重いものを持ち上げたり忙しく働いたりと体に負荷をかけると、流産や切迫流産のリスクが高まります。できるだけ体に負荷がかかることは避けてください。上の子がいる場合は、家族にも協力してもらいながら過ごします。妊娠初期は、体が大きく変化する時期です。その分疲れやすいので、意識的に休息をとりましょう。

【まとめ】妊娠初期症状のチェックリストに当てはまるなら妊娠を疑おう

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妊娠初期症状は、妊娠に関するホルモンの分泌が盛んになることで起こります。症状の種類や程度には個人差がありますが、生理が遅れたり高温期が3週間以上続いたりするのは、全員が起こる症状です。この2つにチェックが入る場合は、妊娠を疑いましょう。
妊娠初期症状が見られる場合は、日常生活にも気を配ってください。

プロフィール

この記事の筆者:仲田洋美(医師)

ミネルバクリニック院長・仲田洋美は、日本内科学会認定総合内科専門医、日本臨床腫瘍学会認定がん薬物療法専門医 、日本人類遺伝学会認定臨床遺伝専門医として従事し、患者様の心に寄り添った診療を心がけています。

仲田洋美のプロフィールはこちら

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