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胸が張る原因は?
女性が胸の張りを感じるのは、エストロゲン(卵胞ホルモン)やプロゲステロン(黄体ホルモン)などの女性ホルモンの変化によるものです。エストロゲンは生理~排卵の間(卵胞期)に分泌量が増加し、プロゲステロンは排卵から次の生理までの間(黄体期)に分泌量が増加します。これらのホルモンは約1か月で増減し、排卵を起こさせたり基礎体温を上下させたりします。普段から増減を繰り返しているものなので、その影響を感じたことがある方も多いでしょう。
妊娠すると、出産の準備に向けて女性ホルモンが急激に増加し始めます。エストロゲンは赤ちゃんの成長に合わせて子宮を大きくしたり、母乳を作る準備のために胸を大きくしたりします。一方プロゲステロンは、子宮内の状態を整えながら胎盤を形成します。さらに、流産を防ぐのもプロゲステロンの働きです。このような女性ホルモンの増減が、胸の張りに影響していると考えられます。
乳首が痛むほど張りがひどい原因
これも原因はエストロゲン(卵胞ホルモン)やプロゲステロン(黄体ホルモン)によるものです。妊娠をすると子宮を妊娠継続できるように女性ホルモンであるエストロゲンが分泌され、胸の乳管・乳腺組織の働きを活発化させます。同時にもう一つの女性ホルモンであるプロゲステロンも多く分泌されます。このホルモンは子宮内膜を厚くして赤ちゃんのベッドを作る役割を担っており、乳腺組織を活発化させる働きもあります。この二つのホルモンによって胸の張りが出て、人によっては乳首が痛むほどになってしまうのです。
しこりがある場合
胸のしこりは、妊娠によるホルモンの分泌とは無関係です。乳腺症や乳腺線維腺腫という良性のしこりや、乳がんなどの可能性がありますのですぐに病院で診察を受けてください。
女性が胸の張りを感じるのはどんなとき?
女性が胸の張りを感じるのは、生理前や妊娠超初期です。妊娠超初期とは妊娠0週~4週ごろを指すため、生理予定日の1週間前ごろに胸の張りを感じる可能性があります。
妊娠超初期の症状と生理前に心身の不調が起こる生理前症候群(PMS)の症状は、多くの共通点がみられます。
生理前症候群は生理前に起こり、生理時に消失する不快な症状が3か月以上繰り返し続き、日常生活に差し支えるほどである場合に診断される疾患です。妊娠超初期とPMSの共通した症状として、下記のものが挙げられます。
【妊娠超初期と生理前症候群(PMS)の共通した症状】
- □眠気が強い
- □頭痛、倦怠感
- □胸が張る、腹痛
- □吐き気、胃痛
生理前症候群(PMS)の症状が起こる時期は一般的に生理前3~10日で、症状が現れる時期も妊娠超初期と似ています。そのため、胸の張りだけでは妊娠と断定できません。
なお、生理前症候群(PMS)による胸の張りの場合は生理の開始とともに症状は軽くなるかなくなります。
妊娠中の胸の張りはいつからいつまで続くのか
妊娠による胸の張りの場合、早い人は受精卵の着床後すぐから始まります。その後はホルモンの影響で安定期に入る5か月ごろまで続くことが多いようです。
胸の張りが強くなるのは妊娠中期から後期にかけてです。授乳準備が始まる時期ですので乳腺や乳管の発達していくからです。同時にバストのサイズもアップし張りを感じやすくなります。授乳準備の場合、出産まで胸の張りは続きます。
途中で張りがなくなることも
妊娠超初期の症状として胸の張りがあったのに、急になくなった方もいます。妊娠中は胸の張りの原因でもある黄体ホルモンが出続けると同時に卵胞ホルモンも増え続けます。妊娠の前半は黄体ホルモンが優位に働き、後半は卵胞ホルモンの作用が表れやすいため張りが落ち着くといったケースもあるようです。
生理前症状と妊娠超初期症状の違い
また妊娠超初期から初期の胸の張りは生理前と若干異なる点があります。主に以下の症状が違う点です。
- ・胸が全体的に張ったような感じ
- ・乳首に痒みを感じる
- ・乳首に違和感を感じる
- ・衣服などでこすれるだけで痛みを感じる
胸の張りも人によっては強く感じたり、固く感じたりする場合もあります。また、少し触れただけで激痛を覚える人もいるようです。
中には胸の張りが落ち着いてしまったため「流産したのでは?」と心配になる方もいます。しかしながら、ほとんどの場合はホルモンバランスの変化によるものなので気に止む必要はありません。
胸の張りが妊娠か生理前症候群か判断するには基礎体温をチェック
胸の張りが妊娠によるものかPMSによるものかを判断する基準の一つに基礎体温があります。
健康な女性の基礎体温は、低温期と高温期の二相からなり、一定のサイクルで繰り返されます。生理が始まって約2週間は体温が下がって低温期が続き、排卵すると体温が上昇し、次の生理までの約2週間高温期が続くサイクルが一般的です。2週間以上経っても高温期が続き、生理が来なければ妊娠の可能性があります。
ただし、基礎体温はあくまで妊娠の可能性を知るための目安です。
今すぐできる対処法は
胸の張りをすぐに和らげる方法は、下記の2つが挙げられます。
【胸の張りを和らげる方法】
- □ 胸を締め付けない優しい下着を選ぶ
- □ 冷たいタオルで冷やす
胸が張っていると通常の下着ではより締め付けを感じるため、ノンワイヤータイプなど体に優しい下着を選びましょう。また、胸を温めすぎると胸の張りを感じやすくなるため、冷たいタオルで冷やすのも有効です。では、それぞれの方法について詳しく見ていきましょう。
胸を締め付けない優しい下着を選ぶ
上述のように、胸が張っていると通常のブラジャーは締め付けが強く感じることがあります。そのため、ノンワイヤーやワイヤーが柔らかいものを選ぶとよいでしょう。家の中では、就寝時やリラックスタイム用のナイトブラもおすすめです。ワイヤーが入っておらず、窮屈さを感じません。
職場などでノンワイヤーに抵抗があるなら、胸が張っている時期だけブラジャーのカップをワンサイズ上げるのも方法の一つです。また、産後に授乳ブラジャーとしても使えるため、妊娠超初期からマタニティ用ブラジャーを着用するのもよいでしょう。
冷たいタオルで冷やす
胸が張っているときは胸が熱を持っていることが多く、冷やすことで症状が緩和します。胸を冷やす際は水で濡らしたタオルを固く絞り、胸に直接当てます。保冷材を使う場合は、タオルに包んでから当てましょう。この際、冷やしすぎると血流が悪くなる原因となるため、冷たいタオルであれば約1~2分間当てるのがおすすめです。
また、胸が張って痛いときにお風呂で温める方もいますが、より張りを感じる原因となり逆効果なので注意しましょう。胸が張っているときにお風呂に入る場合は、熱いお湯や長湯を避けたりシャワーで済ませたりするのが効果的です。
もし妊娠していると思ったら
ここまで読んでみて「もしかしたら妊娠しているかも」と思った方もいるかもしれません。その場合、まずは妊娠検査薬でチェックしてみてください。
妊娠検査薬は、生理予定日の1週間後から使用でき、尿をかけるだけで終わりです。妊娠していたら検査薬にはっきりとしたラインが現れたら陽性反応です。もし妊娠していると結果が出たら早めに婦人科を受診しましょう。婦人科では、超音波検査などで妊娠や、異常妊娠でないかなどの確認をします。
まとめ
妊娠超初期症状の一つである胸の張りは女性ホルモンの分泌の増加が原因で、生理予定日の1週間前ごろから胸の張りを感じる方もいます。胸の張りは生理前のPMSによっても起こるため、妊娠によるものであるかの目安として基礎体温をチェックしましょう。胸の張りを感じた場合は、胸を締め付けないノンワイヤーやソフトワイヤーの下着を選ぶことなどで症状を緩和できます。また、胸の張りが妊娠によるものであれば、生活習慣を見直すことも大切です。
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