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化学流産とは、妊娠検査薬で陽性反応が出たにもかかわらず、その後受診した病院の超音波検査では妊娠が確認できなかった状態のことです。
ほとんどの場合、生理予定日を少しすぎたあたりで出血がある以外に自覚症状はなく、妊活をしている方以外は気がつかずに過ごしているケースが多いです。
妊活をしている方が化学流産に気付きやすい理由としては、基礎体温をしっかりとつけていることや、妊娠の成立を早く知りたいという思いから、妊娠検査薬を生理予定日1週間前よりも早く使用するケースが多いことが挙げられます。
通常、女性の基礎体温は生理前に高温期が続き、生理予定日頃には下がります。
しかし、化学流産が起こるときは少しの間であっても受精卵が子宮内膜に着床していたことから、生理予定日をすぎても高温期が1週間程度続き、徐々に下がりはじめるケースが多くみられます。
ただ基礎体温は個人差が大きく、基礎体温表をつけるとグラフがガタガタになってしまう方や綺麗な二相性になる方、じわじわと体温が移行していく方などさまざまであるため、化学流産が起こっているかを基礎体温表のみで判断することは難しい場合もあります。
そこで、この記事では、化学流産したときの基礎体温表の変化と基礎体温を安定させる3つの方法についてご紹介します。
化学流産したときの基礎体温表の変化
通常の場合、排卵後は卵巣に残った卵胞が黄体となって黄体ホルモンを分泌します。
黄体ホルモンを分泌することで体温を上昇させ、子宮内膜を着床しやすい状態にするのです。
この状態は排卵後14日間程度続き、この期間に妊娠が成立すればそのまま高温期に入り、そうでない場合は子宮内膜が剥がれて生理がはじまり、体温は徐々に下がっていきます。
では、化学流産が起こった場合はどのように変化していくのでしょうか。
ここでは、化学流産したときの基礎体温表の変化についてご紹介します。
生理予定日を過ぎてもたかいまま
化学流産は、妊娠4週目前後の妊娠超初期に起こる流産で、なんらかの原因によって受精卵が一度着床したものの、剥がれてしまったために起こります。
基礎体温表に毎日しっかりと基礎体温をつけている場合、1ヶ月の記録をグラフでみると排卵後は徐々に高温期に移行するケースが多いことがわかります。
しかし化学流産が起こっている場合は、短期間でも受精卵が子宮内膜に触れ他ことで黄体ホルモンが分泌されているため、1週間程度は基礎体温が下がらずたかいままとなります。
化学流産が起こり、妊娠が成立しない状態になると黄体ホルモンの分泌はストップし、基礎体温が徐々に下がりはじめます。
また、妊娠検査薬で陽性反応が出たあと、病院で超音波検査を受けて胎嚢がみえないにもかかわらず継続して基礎体温が高い場合は、子宮外妊娠の可能性があるため病院を受診し検査するようにしましょう。
基礎体温表のグラフがガタガタになる場合は?
化学流産は、着床直後に流産することからホルモンバランスが乱れやすく、基礎体温が安定しないため、基礎体温が上下しやすくガタガタのグラフになってしまうこともあります。
化学流産による出血がはじまっているのに基礎体温が下がらない、高温期になるはずの時期なのに基礎体温が上がっていかないなど、普段とは違うグラフになりがちです。
一度は受精卵が子宮内膜に着床して黄体ホルモンが分泌されているため、基礎体温表のグラフがガタガタになることは珍しくありません。
不調は当たり前のことだと思って基礎体温の計測を続け、次の生理が来て体調が整う時期を待ちましょう。
基礎体温を安定させる3つの方法
基礎体温とは、心身ともに安静状態であるときの体温のことです。
卵巣で黄体ホルモンがどの程度分泌されているかを反映しており、排卵時に分泌される黄体ホルモンに体が反応することで体温が0.3度〜0.5度程度上昇します。
妊活をしている場合、タイミング法などの排卵に合わせて性行為を行い妊娠の確率を高める方法に挑戦していることも多いため、基礎体温をしっかりとつけている方が大半です。
しかし、化学流産によって基礎体温が乱れてしまうケースもあることから、妊活のためにも基礎体温を安定させるように心がけましょう。
ここでは、基礎体温を安定させる3つの方法をご紹介します。
生活習慣を整える
基礎体温を安定させるためには、最初に生活習慣を整える必要があります。
とくに睡眠と食事、ストレスが大きく影響しているため、以下のことに注意して生活するようにしましょう。
睡眠
現代人は、仕事や家事などで忙しく睡眠不足になりがちです。
また、布団に入ってもなかなか寝付けない、すぐに目が覚めてしまうなど睡眠になんらかの問題を抱えている方場合は、良質な睡眠を取れるように以下のことを行ってみましょう。
- 起きたらしっかりと朝日を浴びる
- 寝る直前にお風呂に入らない
- ウォーキングなど適度な運動をする
- 寝室や寝具内が高温多湿になりすぎないようにする
寝具内は、年間を通して温度34度前後、湿度50〜60%前後になるようにすると良質な睡眠が取れるといわれています。
夏場の熱帯夜は、エアコンの冷風が直接体に当たらないように注意しながら朝までつけたままにしたほうがよいでしょう。
食事
基礎体温を整えるには、栄養バランスの整った食事をとる必要があります。
食事は基礎体温を整えるだけでなく、妊娠しやすい体づくりの基本です。食事時間が不規則になると生活リズムが整わず、ホルモンバランスの乱れを引き起こす原因にもなります。
毎日の食事を楽しみながら、基礎体温が整うような食事をとるようにしましょう。
以下は、基礎体温を整える食事のとり方です。
- 食事の時間を決める
- 朝ごはんをしっかり食べる
- ランチを多めに、ディナーは少なめに食べる
- 多くの食材を組み合わせた献立にする
- よく噛んで食べる
- 寝る前に夜食を食べない
毎日さまざまな食材から栄養を摂取するように献立を考えます。
ただ、毎食栄養バランスを考えた食事の用意をすることはなかなか難しい方も多いため、不足しがちな栄養はサプリメントを活用するなど臨機応変に対応するとよいでしょう。
ストレス
基礎体温表のグラフがガタガタになる方は、化学流産だけでなく仕事やダイエットなどのストレスが影響している可能性もあります。
この状態が長期間続くと無排卵の原因にもなるため、上手にストレスを発散するようにしましょう。
以下は、女性に人気のストレス発散方法です。
- ショッピングをする
- 友達とおしゃべりする
- 映画を観る
- 運動をする
- 旅行やドライブを楽しむ
- ぬるめの湯船にゆっくり浸かる
食べたいだけ食べる、好きなだけ眠る、お酒を飲むなどでストレスを発散する方もいますが、これらは女性にとってもっともよくない方法です。
無理に改善を急ぐとそれもストレスになりかねないので、改善できるところから少しずつ実践していきましょう。
病院を受診する
化学流産が起こると基礎体温が安定せず、高い状態と低い状態が入り乱れがちになります。
化学流産後は出血と稀に起こる腹痛により、子宮内膜などが綺麗に体外へ排出されるため、基本的には病院を受診する必要はありません。
しかし、なかなか基礎体温の乱れが治らない場合は、ホルモンの異常や無排卵などのトラブルが隠れている可能性も考えられます。気になるようであれば病院を受診してみましょう。
不妊治療を受けている方は、排卵誘発剤を用いて基礎体温を安定させる方法もありますので、担当の医師と相談してください。
漢方薬を活用する
漢方薬は、古くから不妊などにも用いられる治療法で、月経トラブルや血行不良などに有効です。
東洋医学では、基礎体温は生命エネルギーを蓄えている腎の不調や気血の不足、滞りで乱れるといわれています。
体質によって適した漢方薬も違うため、一人ひとりに合った漢方薬を選んで服用しましょう。
以下は基礎体温の特徴により体質を6つのタイプに分けたものです。
体質タイプ | 基礎体温の特徴 |
虚血タイプ | 低体温が長く高温期は短い |
気虚タイプ | 高温期への移行がゆっくり |
気滞タイプ | 体温の変動が激しくガタガタ |
腎陽虚タイプ | 高温期がなく体温も上がらない |
腎隠虚タイプ | 高温期のまま生理がはじまる |
気血両虚タイプ | 高温期と低温期の差があまりない |
基礎体温の特徴から、自分の体質を知ることができます。
自分の体の傾向を知っておくと妊娠の準備を整える際に役立ちます。ぜひ、ひとつの目安として参考にしてください。
まとめ
化学流産したときの基礎体温表の変化と基礎体温を安定させる3つの方法についてご紹介しました。
妊娠が成立すると、低温期へ移行せずに高温期がそのまま継続します。基礎体温表を見たときに高温期が2週間以上継続し、生理が1週間以上遅れている場合は、妊娠している可能性があるため妊娠検査薬を使用すべきです。
しかし、妊娠検査薬で陽性反応が出ても病院で妊娠が確定するまでは化学流産している可能性もあるため、確実に妊娠しているとはいい切れません。
化学流産した場合、出血が起きて子宮内膜が剥がれるまでは妊娠している状態と同じように黄体ホルモンが分泌されていることから、一般的に高温期が続きます。
中には基礎体温が上下して判断が難しい方もいますが、基礎体温表のグラフがガタガタでも化学流産が起こったということは、妊娠できる体である証拠でもありますので、化学流産してしまってもあまり気を落とさないようにしましょう。
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