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妊娠したかもと思っても妊娠検査薬を使ったり、産婦人科を受診したりするのはハードルが高いと感じる方も多いようです。そのため簡易的であっても妊娠しているかどうかを予測できれば、このような悩みも減るでしょう。
そこでこの記事では、以下の内容をお伝えします。
- ・妊娠検査薬以外で妊娠を見抜く方法
- ・妊娠初期に現れる症状
- ・妊娠に関する3つのホルモン
- ・妊娠初期に注意すべきこと
ただし、確定診断は産婦人科もしくは専門の医療機関でないとできません。あくまで妊娠の可能性を予測する指標として本記事を参考にしていただけると幸いです。
妊娠検査薬以外で妊娠を見抜ける?
妊娠検査薬以外で妊娠を見抜くことは可能です。
具体的には、妊娠初期症状などの妊娠兆候を見抜く方法があります。ただし、絶対的な確信を持つには妊娠検査薬で陽性反応となり、産婦人科など専門の医療機関で確定診断してもらう必要があります。
妊娠兆候とは妊娠初期に現れる症状のことです。妊娠初期症状とも言われ、受精卵が子宮内膜に着床した際に発症します。ただし、人によっては無症状であることも稀ではありません。
風邪とは違うけど体調が優れないなどの状態が長期的に続くようであれば、一度産婦人科を受診して妊娠検査を受けると良いでしょう。
【チェックリスト】妊娠の可能性がある女性に現れる妊娠初期症状
妊娠初期症状の出る時期や症状の度合いは人それぞれ違います。場合によっては無症状の方もいます。
そこでこの章では、以下の内容についての解説です。
- ・妊娠初期症状と生理の違い
- ・妊娠初期症状が現れる時期
- 【チェックリスト】妊娠初期症状15選
妊娠初期症状と月経の違いを見極め、必要時に産婦人科で受診できるようになりましょう。
妊娠初期症状と月経の違い
妊娠初期症状とは妊娠に伴う身体変化が起因となり、妊娠直後から見られる特徴的な症状のことです。風邪や月経前の不調と似た症状もあり、妊娠0〜5週に発症すると言われています。
しかし、人によっては症状自体がないという方もいます。そのため、すべての方に当てはまる症状ではないことを知っておきましょう。
一方の月経前の症状は、妊娠準備に伴う体の変化で起こる月経周期に沿ったものです。妊娠初期症状と似ており、月経と見分けるのが難しい場合があります。
妊娠初期症状と月経で迷ったら市販の妊娠検査薬で確認して、陽性反応が出たら産婦人科にて妊娠検査を受けましょう。
妊娠初期症状が現れる時期
妊娠初期症状が出始める時期には個人差がありますが、一般的には妊娠0〜5週程度で現れます。具体的には受精卵が子宮内膜に着床した時点から始まり、症状は妊娠継続をするために分泌される妊娠ホルモンが原因と言われています。
妊娠中はホルモンバランスが乱れやすく、初期症状も変わりやすいため、お母さんは心身の疲労を感じやすい状態です。無理をせず、周囲に頼ることも大切です。また、旦那さんも家事などできることは率先して参加しましょう。
【チェックリスト】妊娠初期症状15選
予定日になっても月経がなく以下の症状があるなら、妊娠の可能性が高いでしょう。
- ・基礎体温が高い(微熱が続く)
- ・おりものの色が変わった
- ・おりものの量が増えた
- ・少量出血があった(着床出血)
- ・めまいや立ちくらみがある(貧血症状)
- ・食欲にムラが出た
- ・胃がムカムカしたり、いつもよりゲップが出たりする
- ・チクチクと下腹部痛があった(着床痛)
- ・胸が張る
- ・日中眠たい
- ・体が重だるい
- ・トイレが近い
- ・むくみが出やすい
- ・情緒不安定になった
- ・生理が予定日の1週間オーバー
妊娠初期症状があれば、市販の妊娠検査薬で簡易的に確認もできます。そこで陽性反応なら妊娠の可能性が濃厚なので、産婦人科を受診して妊娠検査を受けましょう。
妊娠後に分泌される3つのホルモン
妊娠後は以下の3つのホルモンが分泌されます。
- ・hCGホルモン(ヒト絨毛ゴナドトロピン)
- ・エストロゲン(卵胞ホルモン)
- ・プロゲステロン(黄体ホルモン
これらホルモンがお母さんにどのような変化をもたらすかも解説しますので、ぜひご覧ください。
hCGホルモン(ヒト絨毛ゴナドトロピン)
hCGホルモン(ヒト絨毛ゴナドトロピン)とは、赤ちゃんを育てるために絨毛組織(胎盤の基となる)から分泌される妊婦特有の妊娠ホルモンのことです。
受精卵が子宮内膜に着床し、妊娠の準備・継続をするために分泌されます。また妊娠検査薬による妊娠判定は、尿中に排泄されるhCGホルモンの有無で見極めます。
一方受精卵が子宮内膜以外で、着床した異所性妊娠でもhCGホルモンが分泌されます。この場合、妊娠の進行はお母さんの体が危険に晒されることがあるので、妊娠検査薬で陽性を確認したら迷わず産婦人科を受診しましょう。
エストロゲン(卵胞ホルモン)
エストロゲン(卵胞ホルモン)とは、妊娠するための環境作りを目的に卵子を包み込む卵胞から分泌される女性ホルモンのことです。
排卵前に徐々に分泌量が増え、精子が卵管に向かいやすい環境を作ります。また、子宮内膜を厚くして受精卵が着床しやすくすることで、妊娠率を高める働きもあります。
思春期には妊娠をするための生殖器の発育を促したり、産後は乳腺を発達させて授乳できるような体作りをしたりします。
将来受精するための女性らしい体つくりを行うホルモンがエストロゲンなのです。
プロゲステロン(黄体ホルモン)
プロゲステロン(黄体ホルモン)とは、排卵後に卵胞が変化した結果作られる黄体から分泌される女性ホルモンです。排卵直後から分泌量が増えて基礎体温を上げたり、子宮内膜を柔らかい状態に保ったりするなど、妊娠を継続するために準備する役割があります。
また食欲増進や乳腺の発達を促し、妊娠後にお母さんが赤ちゃんを育てるための体作りを促す働きがあります。つまりエストロゲンは妊娠ができる体作りで、プロゲステロンは妊娠を継続しやすくする体作りをするイメージです。
妊娠初期に注意すべきこと
妊娠初期もしくは妊娠の可能性があるなら、以下のことに注意しましょう。
- ・飲酒・喫煙
- ・カフェインの摂取
- ・内服
- ・過度な運動
- ・レントゲンなどの放射線被曝のリスク
- ・流行り風邪や感染症
飲酒は「胎児アルコール症候群」、喫煙は「流産・早産」のリスクを高めます。また、コーヒーなどカフェインの摂取が習慣化している方は、ノンカフェインで代用するのがオススメです。
内服薬の成分は血流に乗って代謝・分解され、尿として排泄されます。そのため、胎児循環にも薬の成分が流れてしまう可能性があり、悪影響を及ぼすリスクがあるのです。妊娠中に内服が必要な状況であれば、一度産婦人科に相談しておきましょう。
妊娠検査薬を使うタイミングと正しい使い方
いざ妊娠検査薬を使おうと思っても、使用方法やタイミングがわからない方も多いと思います。とくに初産婦の方は、すべてにおいて初めてのことばかりで不安も大きいでしょう。
そこでこの章では、妊娠検査薬を使うタイミングや正しい使い方について解説します。
正しい使い方とタイミングで正確な妊娠判定ができるようになりましょう。
妊娠検査薬を使うタイミング
妊娠検査薬は生理予定日から1週間以上過ぎて使いましょう。
妊娠判定に関わるhCGホルモン(ヒト絨毛ゴナドトロピン)が、検出される分泌量に達するまでに1か月分以上かかるからです。具体的には受精卵が着床、し無事妊娠が成立しないと分泌されず、妊娠4週目頃から尿中に排泄され始めるからです。
市販の検査薬が反応するhCGホルモンの分泌量は、妊娠5週目以降になります。そのため、生理予定日の1週間後ぐらいが妊娠検査薬を使うタイミングとして適切であり、精度も安定していると考えられるからです。
その一方で、hCGホルモンの分泌は妊娠10週目がピークを迎えて、以降は徐々に減少していきます。妊娠検査薬を使う時期が遅いと正しく妊娠判定できないことに注意しましょう。
妊娠検査薬の正しい使い方
妊娠検査薬の正しい使い方として、尿をかけすぎないことが挙げられます。尿をかけすぎると偽陽性の原因になるからです。
また、他にも以下の場合で偽陽性の判定が出ることがあるので注意しましょう。
- ・不妊治療中(hCG注射をするため)
- ・hCGを産生する腫瘍病変にかかっている(卵巣がん、子宮頸がん)
- ・尿タンパク・尿糖が出る(ネフローゼ症候群や糖尿病など)
- ・流産の可能性
妊娠検査薬は、正しいタイミングと使い方をして初めて正確な妊娠判定ができます。
産婦人科を受診する前に知っておくべき3つのこと
妊娠検査薬で陽性反応が確認できたら、次は産婦人科の受診です。そして、産婦人科では妊娠の確定診断をするためにさまざまな検査が行われます。
そこでこの章では、産婦人科を受診する前に知っておくべきことを3つ紹介します。
- ・受診のタイミング
- ・持参するもの
- ・受診時の服装
スムーズかつ体に負担の少ない受診にする参考にしていただけると幸いです。
受診のタイミング
「妊娠かも?」と感じたら次は産婦人科の受診が必要です。妊娠直後で受診しても確定診断ができず、出直しになることもあります。一方で受診が遅すぎると妊娠初期症状が重く、なかなか受診ができないこともあるでしょう。
産婦人科を受診するタイミングは、生理予定日から10〜14日後です。この時期になると胎児心拍を確認でき、妊娠の確定診断をしてもらえるからです。早めに受診することも大切ですが、あまりに早いと胎児心拍の確認ができないので焦らないでください。
ただし、普段から生理不順などで予定日がわからない方は、妊娠の可能性を感じたら受診すると良いでしょう。
持参するもの
産婦人科を受診するなら、以下を持参しましょう。
- ・健康保険証
- ・お薬手帳
- ・診察券(すでに発行している方のみ)
これらに加えて基礎体温表があれば妊娠までのプロセスがわかり、確定診断をするための重要な情報として役立ちます。最終月経日や現在の症状、これまでにかかった大きな病気などの問診もあるため、すぐに答えられるようメモをしておくと良いでしょう。
受診時の服装
受診時の服装は、確定診断をするための検査がしやすくゆったりとした服装が良いでしょう。とくにボトムスは、ワンピースなどの下半身が露出しやすい服装をオススメします。
確定診断を行うために必要な検査は、以下の通りです。
- ・血液検査
- ・尿検査
- ・経膣超音波検査(エコー検査)
血液検査なら腕を出しやすい服装が良いでしょう。肌寒い時期ならアウターの下は薄手の服装だと検査がスムーズに行えます。
経膣超音波検査(エコー検査)は膣からプルーブと言われる検査器具を入れて赤ちゃんの姿を確認するため、ボトムスや下着を脱がなければいけません。そのため、ジーンズやタイツなどだと着脱に時間がかかる服装は避けた方が良いでしょう。
まとめ: 確定診断は産婦人科でしかできない
以上、妊娠検査薬を使わずに妊娠しているかを見抜く方法について解説しました。
妊娠初期症状は無症状から重たいと感じる方まで人それぞれです。症状が長期間続いたり、いつもと違う感覚があったりするなら、迷わず妊娠検査薬で確認しましょう。
妊娠検査薬のタイミングや正しい使い方はこの記事で紹介した通りです。妊娠検査薬で陽性反応が出たら、確定診断をしてもらうために産婦人科を受診しましょう。
産婦人科では確定診断を出すためにさまざまな検査が行われます。そこで検査をスムーズに行うために事前に基礎体温のメモを準備したり、検査を受けやすい服装で受診したりしましょう。
この記事が妊娠の兆候を見極め、妊娠検査薬の使用や産婦人科を受診するきっかけになれば幸いです。