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着床完了5つのサインとは?おりものや基礎体温・下痢以外の前兆

着床の完了は自覚できるの?

着床完了のサインを知る前に着床とは何かを知っておく必要があるでしょう。着床とは、卵管で卵子精子が出会い受精した後、子宮内へと移動して「子宮内膜に潜り込む」現象のことです。

これが起きてはじめて妊娠したといえます。その後受精卵は卵管から子宮内部に移動をし、子宮内に着いた胚盤胞が子宮内膜にもぐり込んで根を張って栄養を取り込みはじめます。潜り込む際、傷が付いてしまい出血するのが着床出血です。

しかし妊婦さんの体調や症状から着床が終わったと自覚するのは難しいと言えます。ただ、いくつかのサインが現れるのでそちらについては後で詳しく解説します。

受精から着床完了までの流れ

まずは受精から着床完了までの流れを大まかにみていきましょう。妊娠するまでのイメージがより明確になるはずです。

射精と排卵

パートナーとの性行為によって射精が行われ、精子が膣のなかに入ります。精子は卵子を求めて子宮内部を進んで卵管を目指し、そこから「卵管膨大部」という卵管の先端地点に到着して卵子が排卵されるのを待ちます。

1度の射精で放出される精子の量は数億個といわれていますが、この卵管膨大部までたどり着ける精子はわずか数個です。精子がたどり着く確率は5000分の1程度とされており、そのなかでも卵子と受精できる精子はたったの1個だけです。

なお、卵子は卵巣のなかにある未成熟卵子が月経によって成熟されます。約2週間が経過すると卵子の成熟が完了し、卵巣から飛び出します。この現象を排卵と呼び、飛び出した卵子はイソギンチャクのような形である「卵管采」によって、精子が待つ卵管膨大部まで運ばれます。

受精と着床

精子と卵子には寿命があります。精子の寿命は射精から3〜4日とされているのに対し、卵子は12〜24時間ほどしか持ちません。両者の限られた時間で精子と卵子が交わり、融合することにより受精卵へ変化します。

受精卵はその後、細胞分裂を繰り返しながら卵管の先にある子宮を目指します。子宮に向かう途中の3〜4日で16〜32分裂ほど、5〜6日目で着床できる状態の「胚盤胞(はいばんほう)」まで成長します。そして、受精後7〜10日が経過した受精卵は子宮までたどり着き、子宮内膜に付着して根を張るように潜り込みます。このことを着床といい、妊娠が完了する目安となります。

着床完了で現れる5つのサイン

妊娠中の妻のおなかと夫

ここまで、受精から着床完了までの流れを大まかに解説しました。続いて、着床完了で現れるサインを5つみていきましょう。自身の状況に当てはめて確認してみてください。

着床出血の発生

着床が完了したタイミングで着床出血が発生することがあります。着床出血とは、精子と卵子が融合した受精卵が子宮内膜に着床する際に生じる出血のことです。受精卵は着床するときに根を張って沈み込むため、子宮内膜が傷ついて出血する場合があるのです。

とはいえ、生理のおりものよりも出血量は少なく、4人に1人くらいの割合でしか発生しません。また、着床で発生する出血は1〜4日程度で収まり、ピンク色や赤色、茶色など人によって着床出血の色が異なります。

なお、この着床出血が発生する時期は生理予定日の前後であるため、生理との区別がつきにくいという特徴があります。また、出血は「切迫流産」や「子宮外妊娠」といったような別の原因も考えられます。もし出血が長期間続くようであれば、早めに病院やクリニックを受診しましょう。

基礎体温の上昇

着床完了のサインとして、基礎体温の上昇があげられます。基礎体温を記録している方であれば、排卵後に体温が高まる動向を確認できるでしょう。

通常、妊娠が成立していなければ14日間ほどで体温が下がります。一方、着床が起こり妊娠が成立している場合、基礎体温の上昇は17日以上続きます。このことから、基礎体温の上昇が21日以上続くのであれば着床した可能性が高いといえます。

なお、基礎体温の上昇はプロゲステロンという女性ホルモンの分泌増が原因だとされています。このプロゲステロンは基礎体温を上昇させるだけでなく、風邪っぽい症状、身体のだるさ、熱っぽい症状などを引き起こします。

生理が来ない

着床完了のサインとしては最もわかりやすいかもしれません。生理は子宮内膜が剥がれ落ちることで発生します。着床が完了することにより子宮内膜の役割が全うされ、子宮内膜の剥がれ落ちが発生しないため生理は来なくなるのです。

このことから生理周期が安定している方の場合、生理予定日から3日以上経過しても生理が来ないのであれば妊娠の可能性が強くなります。

精神的に不安定となる

精神的な不安定は着床完了のサインといえるでしょう。着床後はホルモンバランスが変化することにより、自律神経が乱れやすくなります。自律神経が乱れると精神的に不安定となると同時に、イライラしたり落ち込んだりすることが増えます。

そのほかにも、やる気が出ない、朝起きられない、倦怠感があるなどの症状も現れます。生理予定日を過ぎたあとも精神的に不安定な状態が残るのであれば、着床完了の可能性を疑いましょう。

急激な眠気

急激な眠気も着床完了のサインとして考えられます。妊娠後は女性ホルモンであるプロゲステロンの増加により、急激な眠気を引き起こすことがあります。

具体的には、日中に眠くなる、急な眠気に襲われるなどがあげられます。また、プロゲステロンの増加で基礎体温が高まることによって、夜間の睡眠が浅くなることも考えられます。

着床したときに起きる症状

着床をすると体調に様々な変化が現れます。この章ではどのような症状が起きるのかを詳しく解説していきます。

おりものの変化

妊娠をするとホルモンバランスが変わり、おりものにも影響を及ぼします。
エストロゲンの量が増えるため量が多くなり、膣のpHが変わるので性状はサラサラになります。

おりものの色は、多くが半透明から乳白色や薄茶色です。正常時より水っぽくサラサラとした白いおりものが出ることも珍しくありません。

貧血のような症状

妊娠をするとホルモンバランスが乱れによってめまいや立ちくらみといった貧血のような症状が起きます。

あまりにもひどい場合は医師に相談をしてください。

風邪のような症状

妊娠が成立すると、女性ホルモンであるプロゲステロンの量が多くなります。
それによって基礎体温が「低温期に比べて0.3~0.5℃高い状態」です。

またプロゲステロンが増えると、眠気やだるさを引き起こすため風邪と勘違いしやすいのでご注意ください。

着床完了・妊娠検査薬を使用する時期

超音波検査

着床が完了した症状がいくつか出たら妊娠検査薬で妊娠しているのかどうかチェックをしてください。

使用する時期は、生理開始予定日の7~10日後です。
ただし、妊娠超初期に当たる3週目だと反応が出ないことがあります。

もし早すぎる場合はもう1週間後に検査をしてみてください。
妊娠検査薬はhCGホルモンを検知して反応します。
妊娠4週目を過ぎるとhCGホルモンの量が増えてくるため妊娠検査薬で判定が可能となります。

陽性が出たら産婦人科へ

妊娠検査薬で陽性反応が出たら、妊娠5~6週を目安に産婦人科を受診して妊娠を確定させましょう。妊娠検査薬による検査は精度が非常に高いものの、100%正確な検査ではなく、妊娠の問題性も調べることができません。

産婦人科の検査方法としては、尿検査、触診と内診、超音波検査などがあげられます。なかでも超音波検査は胎児の心拍や発育状況なども確認できるため、妊娠の可能性が強い場合は早めに受診しましょう。なお、産婦人科では以下のような問診を受けることがあります。

  • パートナーや家族構成
  • 生理予定日や最終月経の終了日
  • 妊娠歴や中絶の経験
  • アレルギーの有無
  • 親族の病歴

これら問診内容を事前に確認し、心の準備をしておきましょう。

妊娠が成立しない不妊の原因

妊娠が成立しくて悩む女性

着床完了や妊娠を知る方法についてお話しました。最後に、妊娠が成立しない不妊の原因を男女に分けて解説していきます。妊娠に至らなくて悩んでいる方はぜひご参照ください。

女性が原因の場合

女性が原因で不妊が生じる場合は妊娠に必要な排卵、受精、着床のいずれかで問題が生じていると考えられます。

規則的に月経が訪れる女性であれば、月経の約2週間前に排卵が起こります。しかし、無月経、多嚢胞(たのうほう)性卵巣症候群などの病気が原因となり、排卵にトラブルが起こっているケースがあります。また、精子と卵子の通り道である卵管が炎症などでふさがっている場合も考えられます。卵管がふさがっている状態であれば、当然ながら精子と卵子の融合はできません。

そのほかにも、子宮の入り口から分泌される粘液の量が不足している、子宮内膜が着床に適した状態ではないといった不妊の原因があります。

男性が原因の場合

不妊の原因は女性側にだけあると思われがちですが、男女ともに不妊の可能性は同じくらいあります。男性の場合は、精子の状態や性行為の過程に原因があるとされています。

精子によるトラブルはいくつか考えられており、精子がうまく生成されない、精子の量が少ない、活発な精子が少ないなどです。また、「精巣上体炎」という精子の通り道が炎症などでふさがってしまうと、射精はできても精子の排出をすることができません。

ほかにも勃起障害や膣内射精障害などによって、性交渉をうまく行えないというケースも考えられます。

まとめ

受精から着床完了までの流れ

ここまで、受精から着床までの流れ、着床完了で現れるサイン、不妊の原因について解説しました。

妊娠における着床完了は、射精、排卵、受精、着床といった流れで基本的に行われます。着床完了にはいくつかのサインがあり、生理が来ない、着床出血が起こるなどが妊娠の兆候としてあげられます。本記事で解説した着床完了のサインに当てはまっていた方は、早めに妊娠検査薬や産婦人科への受診をおすすめします。

東京の「ミネルバクリニック」は臨床遺伝専門医が在籍するNIPT実施施設であり、たくさんの妊婦さんの悩みや不安と真摯に向き合い、笑顔になれる出産に導いてきました。妊娠初期からの出生前診断を受ける医療機関にお悩みの方は、知識・経験・実績とも「第三者から認証されている」臨床遺伝専門医が診療している「ミネルバクリニック」まで是非、ご相談ください。

プロフィール

この記事の筆者:仲田洋美(医師)

ミネルバクリニック院長・仲田洋美は、日本内科学会内科専門医、日本臨床腫瘍学会がん薬物療法専門医 (がん薬物療法専門医認定者名簿)、日本人類遺伝学会臨床遺伝専門医(臨床遺伝専門医名簿:東京都)として従事し、患者様の心に寄り添った診療を心がけています。

仲田洋美のプロフィールはこちら

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