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NIPTの後に赤ちゃんのNT肥厚(首の後ろのむくみ)が指摘

ミネルバクリニックでNIPTを受けたあとに赤ちゃんの首の後ろにむくみがあると指摘されたケースをご紹介します。

この方たちは、コンプリートNIPTを受けました。カリオセブンと、スーパーNIPTジーンプラスを組み合わせたプランです。

ミネルバクリニックでは妊娠9週からNIPTを受けられますので、11週までには結果が出ます。このかたは、日本のナショナルセンターである成育医療センターで健診を受けていました。

12週でNT6.9㎜と指摘され、頭が真っ白になったAさん。

しかし。Aさんが受けたNIPTプランには、染色体の1本単位ではなく、700万塩基というサイズでその部分がある(正常)、ない(欠失)、増えている(重複)を全ての染色体の全ての部分にわたりチェックするものが含まれています。

NIPTの良いところは、「陰性はほぼ100%に近い確率で陰性」と言う事です。

念のために胎児診断を専門とする医師に超音波検査をしてもらいました。そうすると、NTはたった1日でだいぶ減っていたのです。

Aさんのメールを一部引用します。

こんにちは、〇×で診ていただきました。
B先生にNIPTもみていただき、エコーもやっていただきました。
NTは厚いところで4.9だと言われました。
成育のエコーが一昨日だったので、「吸収されたのでしょうか?」と、聞いたら「その可能性もあります」との事でした。
血管や頭の大きさ、脈拍と色々と診て下さり、「今のところ問題はありません」との事でしたが、やはり12週だと限界はあるので19週目にもう一度エコーをみて下さるとの事でした。
B先生の判断としては、やはり絨毛検査は受けた方が良い、成育で予約取れているなら絨毛検査を受けて、そのまま定期健診でエコーをみてもらうように、それとは別に19週目に〇×でもエコー検査しましょう。
と、なりました。

わたしは、NT肥厚の原因はいろいろあって、今回はNIPTでも細かいところまでみているため、染色体異常の可能性は殆どないと思っていました。しかし、患者さんも産婦人科専門医に必要だと言われてしまうと、検査を受けないという選択は難しいでしょう。

超音波検査は医師の腕が一番でる検査です。兵庫医大の臨床遺伝部で研修していたときも、ある医師がはかったらNT肥厚が指摘されて血相変えて大学に来て、大学で超音波検査したら何もなかった、とかしょっちゅうでした。

絨毛検査では、rapid FISHを行い、異常がないようであればマイクロアレイを追加するという事だったそうです。

お世話になっております。
rapid fishの結果が出まして、やはり問題無しとの事でした。
次は確定診断のマイクロアレイに進むそうです。
ひとつ安心したのもありますが、「では何故NT肥厚なのか」とモヤモヤしているのも事実です。
またマイクロアレイの結果が出たら報告させていただきます。

そして。マイクロアレイの結果が出ましたが、異常はありませんでした。

20週ちかくで赤ちゃんの心臓などを詳しく超音波で検査して、おおきな目に見える構造異常がないと言う事を確認しました。

この間、生きた心地のしなかったAさんご夫妻ですが。ミネルバクリニックで行ったNIPT検査が全部陰性だったので、「赤ちゃんの染色体は大丈夫」と信じることが出来て、救われたとのことでした。こうして赤ちゃんにその後何か異常を指摘されたときに、NIPT陰性というのはご夫妻にとってはよりどころになるのだと実感しました。

特に、中絶可能な週数だと、産まないという選択も可能なのと、産まないという選択をする時間に限りがあるため、心がぐらぐらしてしまいます。

このご夫妻は、いろいろありながらも、異常なしとのことで、出産にこぎつけました。

すくすく育った赤ちゃんの写真と共に送られてきたメッセージの一部をご紹介します。

NT肥厚で悩んでいた時に出産の決意が出来たのはミネルバクリニックのお陰です。
こんなに可愛い我が子に出逢えた事に毎日幸せを感じながら家族で過ごしています。
2人目の時も是非仲田先生に相談に伺いたいと思いますので宜しくお願いいたします。

嬉しいです。ちなみにAさんはツイッターのわたしの投稿をすごく楽しみにしているそうです。頑張ろう、頑張らないと、と思いました。

プロフィール

この記事の筆者:仲田洋美(医師)

ミネルバクリニック院長・仲田洋美は、日本内科学会内科専門医、日本臨床腫瘍学会がん薬物療法専門医 (がん薬物療法専門医認定者名簿)、日本人類遺伝学会臨床遺伝専門医(臨床遺伝専門医名簿:東京都)として従事し、患者様の心に寄り添った診療を心がけています。

仲田洋美のプロフィールはこちら

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