双胎におけるイルミナのNIPTの妥当性と臨床経験
常染色体のモノソミー(染色体が通常2本あるところ、1本しかない状態をモノソミーと言います)や
複数の常染色体の異数性(21トリソミーと18モノソミーの併存とか)の
生物学的背景をさぐり
妊娠管理やカウンセリングのための議論をすることが重要となります。
一つの常染色体のモノソミーまたは複数の常染色体異数性の臨床経験
A:双子のNIPT検査の妥当性 n=115 ※1 |
NIPT results |
検出数 |
トリソミー21 |
3/3 |
18トリソミー |
1/1 |
13トリソミー |
N/A |
Y染色体成分の存在 |
91/91 |
B:双子のNIPT n=1440 ※2 |
NIPTの結果 |
臨床転帰 |
染色体番号 |
陽性 |
陽性率 |
真陽性 |
偽陽性 |
結果不明 |
偽陽性率 |
21 |
26 |
1.80% |
11 |
2 |
13 |
0.10% |
18 |
3 |
0.20% |
0 |
0 |
3 |
0.00% |
13 |
2 |
0.10% |
0 |
1 |
1 |
0.10% |
合計 |
31 |
2.10% |
11 |
3 |
17 |
0.20% |
引用文献
※1.Illumina. Accurate Aneuploidy Detection in Twin Pregnancies with an Optimized Algorithm for the verifi® Prenatal Test. Illumina White Paper. 2013.
※2.Presented at SMFM 2015; paper in preparation.
双子のNIPT 臨床試験より
臨床試験 A – 妥当性研究
臨床的結果の判明している115例の双子のサンプルが二つの独立した臨床研究から得られた
臨床的確定結果は侵襲検査もしくは新生児の理学所見から得られた
臨床試験B – 臨床経験のstudy
487の双胎妊娠の血液サンプルがCLIA認証を受けたイルミナの検査所に届いた
臨床結果は胎児の核型と性別を全サンプルに要求した
胎児分画 (FF)の評価はX染色体 and/or 21番染色体で行った
まとめ
平均所要日数 3.2営業日
双胎コホートはいずれも技術的なfailureはなかった。
臨床的結果が判明しているものでは、偽陽性が0.2%であった。
結果が不明なものを入れると偽陽性は0.2-0.6%である。
偽陰性は報告されていない。
Y染色体成分の検出率は99.5%で、感度は98.4%であった。
双子の妊娠例における胎児分画は、概して単胎妊娠より高いが
一人一人で見てみると双胎は単胎より胎児分画が低くなっている。
結語
胎児トリソミーとY染色体成分の存在の有無は、どちらも双胎妊娠でしっかりと検出可能であった。
全ゲノムシークエンスベースのNIPTは双胎妊娠のNIPTでしっかりと結果を出せることがわかり、偽陽性も低い。