InstagramInstagram

NIPTを受ける割合:日本と海外の比較

NIPT新型出生前診断)の受ける割合は多くの要因に影響されます。この記事では、NIPTの普及に関する重要な情報を提供し、受ける割合に影響を与える要因を明らかにします。妊娠中の年齢、リスク要因、医療提供者のアドバイス、費用、保険の適応などがNIPTの受診に影響を与えます。さらに、NIPTの利点と制約、倫理的側面についても議論します。NIPTを受ける割合は増加傾向にあり、その背後には安心感や情報提供の重要性があります。この記事は、NIPT受診に関心がある方々に、その意思決定をサポートする情報を提供します。

NIPTに対するニーズの高まり

胎児の健康状態を知りたいという思いは、人類の歴史と共に始まったと言っても過言ではありません。妊婦たちは、古くは占星術師や神託で胎児の健康状態を聞いていました。現在では、こうした日科学的方法にとって代わって、羊水検査やNIPTがあり、明確にそうした問いに答えてくれます。

新型出生前診断(NIPT)は、妊娠初期から母体の血液を用いて胎児の染色体異常を非侵襲的に検査する方法で、その人気と需要は増加しています。これは、NIPTが非侵襲的であるため、妊婦にとって負担が少なく、早期に精確な診断が可能なためです。特に高齢出産を考える夫妻にとって、染色体異常のリスクが高まることから、NIPTは安心感を提供します。その他の背景要因には、医療技術の進歩、保険適応の拡充、妊娠中の親の精神的安定へのニーズが挙げられます。 NIPTの人気と需要は今後も増加するでしょう。

妊娠中の親のNIPTに対する関心の高まり

妊娠中の親のNIPTに対する関心が高まっている主な理由は、以下のような要因が挙げられます。

高い精度と低いリスク
NIPTは染色体異常を非侵襲的に検査でき、その精度が高いため、親にとってリスクが低い方法として注目されています。
早期の情報提供
NIPTは比較的早い妊娠の段階で染色体異常のリスクを確認できるため、妊娠初期から早い段階で安心感を得られます。
高齢出産の増加
高齢出産に伴う染色体異常リスクの増加が、NIPTに対する関心を高めています。
女性の社会進出
女性の社会進出に伴い、妊婦が高齢化したことで、生涯に出産する子供の数が減り、健康な子供を産みたいという欲求が以前に比べて高まっていると考えられます。
おなかの赤ちゃんの兄弟姉妹に対する責任
先進国では一人の女性が出産する人数が少ないので、障害のあるお子さんが生まれると、少ない兄弟に負担が大きくのしかかるということで、より健康なお子さんをという欲求が高まっています。

これらの要因が、親たちのNIPTに対する関心の高まりに寄与しています。

NIPTの基本情報

NIPT(Non-Invasive Prenatal Testing)は、出生前診断の一種で、妊娠初期に母体の血液検体を用いて胎児の染色体異常を非侵襲的に検査する方法です。以下はNIPTの特徴とメリットです。

特徴

  • 非侵襲的: NIPTは母体の血液から胎児の染色体異常を検査するため、子宮内に侵入するリスクがなく、安全です。
  • 高精度: NIPTは染色体異常の検出精度が高く、特にダウン症候群エドワーズ症候群、パタウ症候群など主要な染色体異常を検出するのに優れています。
  • 早期検査: NIPTは妊娠初期から行え、結果が比較的早く得られます。

メリット

  • 早期の情報提供: NIPTは妊娠初期から染色体異常のリスクを確認でき、早い段階で安心感を得ることができます。
  • 精度と信頼性: NIPTは高い精度を誇り、偽陽性と偽陰性のリスクが低いため、検査結果が信頼性が高いです。
  • 母体や胎児のリスク低減: NIPTの結果をもとに、必要な場合には遺伝カウンセリングや適切な医療措置を講じることができ、母体と胎児の健康を保護できます。

NIPTは、妊娠中の染色体異常検査において革命的な進歩をもたらし、多くの親にとって有益な選択肢となっています。

実際にNIPTを受ける妊婦の割合はどれくらいか?

日本におけるNIPTを受ける割合

日本では2013年にNIPTが導入されました。出生前検査の総利用率は、NIPTのなかった2008年の3%から、NIPTのある2013年には5.3%に増加しました(リファレンス)。

NIPTを受けた妊婦さんの人数はそれ以降年々増加しており、NIPTを受けることのできる施設も3倍以上に増えています。日本でのNIPTを受ける割合は、25%未満と推定されます。

日本以外のNIPTを受ける割合

ヨーロッパ、オーストラリア、米国におけるNIPTの利用状況を調査した研究結果によると、NIPTはすべてのヨーロッパ諸国で受けることができますが、各妊婦へのNIPT適用状況は同じではありません。多くのヨーロッパ諸国では、NIPTを受ける割合は25%未満となっていて、そのほとんどは5%未満となっています。NIPTを積極的に受けているのは、イタリア、スペイン、オーストリア、オランダ、ベルギーです。

オランダ、ベルギーでは妊婦全員に対してNIPTが提供されています。オランダでは一部自己負担、ベルギーでは保険償還されます。ベルギーのNIPTを受ける割合は75%を超えています。オランダでは妊婦がNIPTを受ける割合は、25~50%となっています。

これに対してドイツは、過去の優性思想がジェノサイドにつながった反省から、NIPTを積極的に導入しておらず、受ける割合は低くなっています。

フランスでは、NIPTがダウン症についてのみ検査可能と法律で定められているため、ダウン症のハイリスク妊婦だけがNIPTを受けることができるという仕組みになっているので、NIPTを受ける割合は低くなっています。

スペインでは、一部の地域のみでハイリスク妊婦にNIPTを公的プログラムで提供しています。対象外の地域では、さまざまな病院がニーズと予算に応じてNIPTを提供しており、全体として、スペインではNIPTを受ける女性の割合が25%~50%と高くなっています。

イタリアでは、高リスクの女性に対するNIPTの使用を支持する公式ガイドラインがあるが、現在検査費用を補償しているのは一部の地域に限られていて、イタリアでもスペイン同様、民間クリニックによるNIPTの提供がなされているため、イタリアのNIPTを受ける割合は25%~50%と高くなっています。

オーストラリアでのNIPTを受ける割合は25~50%と推定されています。

アメリカでんおNIPTを受ける割合は、全妊婦の25%~50%と推定されています。住んでいる洲や入っている保険により、保険が使えるかどうかの違いが出ます。

NIPT受ける割合の増加と将来展望

NIPT(新型出生前診断)の受診割合は、過去数年間で着実に増加しており、その増加傾向は今後も続くでしょう。この増加の背後にはいくつかの要因があります。

普及と啓発
NIPTの利点と安全性に関する情報が一般的に広まり、多くの親が検査の利点を認識しています。
高精度
NIPTの高い精度と信頼性は、多くの親にとって魅力的で、染色体異常の早期検出に貢献しています。
心理的安心
NIPTにより、親は妊娠中の染色体異常のリスクについて事前に知識を得られ、心理的な安心を感じることができます。

将来展望としては、NIPTの技術がさらに向上し、より多くの遺伝的および染色体異常が検出可能になるでしょう。また、NIPTの費用が低下し、より多くの家庭にアクセス可能になることが期待されます。これにより、NIPTを受ける割合は一層増加するでしょう。しかし、検査の倫理的な問題や遺伝カウンセリングの重要性についての議論も続くでしょう。

まとめ

先進国では、女性の社会進出により、結婚年齢の上昇にともない高齢出産が増加する一方です。そして、女性が生涯で産む子供の数は低下しています。また、ダウン症の平均寿命が50年前は2歳だったのが、昨今は医療介入が成功したことにより60歳にのびています。障害のあるお子さんを生涯にわたり、親や兄弟が支援する義務があるのです。昔のように6人くらい兄弟がいて、という状況ではないので、親がなくなった後はたとえば一人の兄弟が生涯のある人の生活扶助をすることになります。このような現代社会において、NIPTをはじめとする出生前診断のニーズが高まることは必然と言えるでしょう。

院長アイコン

ミネルバクリニックでは、以下のNIPT検査(新型出生前診断)を提供しています。少子化の時代、より健康なお子さんを持ちたいという思いが高まるのは当然のことと考えています。そのため、当院では世界の先進的特許技術に支えられた高精度な検査を提供してくれる検査会社を遺伝専門医の目で選りすぐりご提供しています。オンライン診療+地元で採血、という形で全国からミネルバクリニックにお越しになることなく受けられます。

プロフィール

この記事の筆者:仲田洋美(医師)

ミネルバクリニック院長・仲田洋美は、日本内科学会内科専門医、日本臨床腫瘍学会がん薬物療法専門医 (がん薬物療法専門医認定者名簿)、日本人類遺伝学会臨床遺伝専門医(臨床遺伝専門医名簿:東京都)として従事し、患者様の心に寄り添った診療を心がけています。

仲田洋美のプロフィールはこちら

関連記事