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子宮の羊水中にいる胎児は、母体から栄養を吸収しながらすくすく成長していきます。
その羊水を採取して行う羊水検査は、妊婦さんなら誰でも知っている馴染みのある検査です。
妊娠中に羊水検査を行って赤ちゃんの健康状態を確認するケースは多々ありますが、そこに流産や早産のリスクが伴うことを皆さんはご存知でしたか?
この記事では、羊水検査にどのようなリスクが伴うのかをご説明した後、羊水検査を受ける際の5つの注意点を詳しくご紹介していきます。
出生前診断は全てがノーリスクの検査ではないことをしっかり理解しておきましょう。
羊水検査にリスクが伴う理由
羊水検査は、超音波検査やNIPTといった出生前診断に分類される検査ですが、検査内容も異なればリスクも異なる検査であることを知っておかなければなりません。
羊水検査が行われる目的や検査手順、流産や早産のリスクをご説明していきます。
羊水検査が行われる目的
赤ちゃんの健康状態を知るために、妊娠初期からさまざまな出生前診断が行われています。
出生前診断は、ダウン症候群などの染色体異常による疾患を持っている可能性を知るために行われていますが、羊水検査は全ての染色体異常症に加えて、遺伝子疾患や開放性神経管奇形を持っているかどうかも調べることができます。
赤ちゃんに何らかの染色体異常症が確認された場合は、出産前から子育て環境づくりを進めることが可能となります。
羊水検査は感度・特異度ともに100%に限りなく近い高精度の検査であるため、超音波検査やNIPTで染色体異常を持っていることが示唆された後、疾患の有無を確定させる目的で受けるのが一般的です。
そのため、羊水検査は確定的検査とも呼ばれています。
羊水検査の手順について
羊水検査はその名の通り羊水を採取して染色体異常を調べる検査となっています。
まず最初に行われるのが、超音波機器による羊水中にいる胎児の位置や状態の確認です。羊水検査は子宮に極細の特殊な針を刺すため、胎児を傷つけないように事前に超音波を用いて観察することが必須となります。
注射器を刺しても安全な部分から子宮内に向けて針を挿入し、内針を抜いて外筒チューブで羊水を10ml〜20ml程度採取します。
採取した羊水中にある羊水細胞を、G分染法・FISH法・マイクロアレイ検査といった手法で解析し、染色体の数に異常はないか、形態に異常はないかを確認します。
上記の検査は大体10分前後で終了しますが、検査直後は30分〜40分の安静が必要とされるため、羊水検査の所要時間は大体1時間くらいになるのが一般的です。
流産・早産に繋がるリスク
ノーリスクのスクリーニング検査とは違い、羊水検査は侵襲的な検査内容から流産・早産に繋がるリスクが生じます。
羊水検査を受けた妊婦さんの1,000人に3人〜5人という割合で流産に繋がるリスクがあるということを必ず理解した上で検査を受けなければなりません。
妊婦さんのお腹に針を刺して羊水を採取するという行為は、身体的・精神的な負担がかかり多くの妊婦さんが不安を抱きながら検査を受けています。羊水検査は手軽に受検できるものではなく、必ず明確な目的を持った上で受検していただく形になります。
検査の前後にカウンセリングを設け、妊婦さんやパートナーに対して正しい情報を提供し、検査に対する理解度を深めてもらうことが前提となっています。
しかし、医療施設によってはカウンセリングでさらに不安を与えてしまうケースもあるため、染色体や遺伝子に精通した臨床遺伝専門医、または認定遺伝カウンセラーがいる医療施設を優先的に選ぶことも大事です。
羊水検査を受ける際の注意点
全ての染色体異常を発見できる羊水検査は精度だけで見れば優れた検査ですが、注意点を把握した上で受検することをおすすめします。
その中でも知っておきたい注意点を5つピックアップしてご紹介していきます。
検査における痛み
超音波検査とは違い、羊水検査は母体に極細の針を刺すという侵襲的な検査になります。
ほとんどの医療施設で局所麻酔を打つことになり、針を指す前の麻酔の痛みが多少あります。麻酔を打たない場合は筋肉注射程度の痛みが生じると覚えておきましょう。
また、検査直後は出血・羊水のもれ・子宮収縮が起こる可能性があります。そのため、検査が終わってからすぐに帰宅するのではなく、病院で30分〜40分程度安静することになります。
検査を受けてから大体1週間程度は、無理な活動を控えてお休みになることをおすすめします。
高齢出産におけるリスク
羊水検査に関わらず出生前診断全てにおいていえることですが、高齢出産は染色体異常症の発生頻度が高くなるということを理解しておかなければなりません。
ダウン症候群においては、20歳では1,667人に1人という発生頻度になりますが、40歳になると106人に1人という発生頻度まで一気に跳ね上がります。
年齢が上がると共に染色体異常症を持っている可能性が高くなるため、高齢出産で出生前診断を受ける際は精神的に不安定になってしまうこともあります。
不安に押しつぶされてしまいそうな時は、これまで何人もの妊婦さんの出産をサポートしてきた医師やスタッフにその不安を打ち明けてみましょう。
経験豊富な医師やスタッフのアドバイスによってその不安は緩和されることでしょう。
結果が出ないケースもある
羊水検査は羊水中にある細胞を解析して染色体異常を見つける検査であり、細胞を培養することによって正常に検査ができる細胞数まで増やしています。
培養には2週間以上の時間を要し、必ずしも上手く培養できるとは限らないため羊水を採取しても結果が出ないケースが稀にあるということを理解しておかなければなりません。
結果が出なかった場合は、再び羊水の採取をして解析を進めることになります。
出生前診断の優先順位
出生前診断は母体と胎児に対してノーリスクの非確定的検査、リスクを伴う確定的検査の2種類に分けられます。
非確定的検査 | 確定的検査 |
---|---|
NIPT 超音波検査 母体血清マーカー検査 コンバインド検査 |
羊水検査 絨毛検査 |
検査の優先順位ですが、まずは流産のリスクがないNIPTを始めとした非確定的検査から受けるのが一般的です。
妊娠10週目から受検できるNIPTは、非確定的検査の中でもダントツの精度を誇り、感度99%特異度99%という100%に近い確率で染色体異常症の有無を判定できます。
羊水検査は、事前にNIPTなどの検査を受けて陽性反応が出た場合に受検することが推奨されており、いきなり羊水検査から受けることはほとんどありません。
羊水検査の検査時期は妊娠14週0日~妊娠27週6日までとされているため、出生前診断を受ける場合は医師の相談を受けながらしっかりスケジューリングしていきましょう。
異常があると診断された場合
羊水検査で赤ちゃんに異常があると診断された場合は、残念ながら健康を害する何らかの疾患を持っていることになります。
染色体異常症は根本的な治療方法が見つかっておらず、さまざまな合併症を伴うリスクもあります。合併症の程度によっては即手術が必要なケースもあるため、手術が可能な医療施設を探すなどの準備を進める必要があります。
染色体異常症は先天的な疾患であり、妊婦さんの日常生活の行いによって発生したものではないため自分を責めてはいけません。
赤ちゃんが元気に成長できる環境づくりを少しづつ進め、周りのサポートも受けながら笑顔でお迎えできるようにしましょう。
まとめ
出生前診断の中でも古くから馴染みのある羊水検査は、染色体異常症の有無を確定させるために実施されています。
しかし、流産・早産に繋がるリスクが1,000人に3人〜5人くらいの割合であり、受検する場合はカウンセリングを経て検査内容とリスクに対する理解度を高めておかなければなりません。
羊水検査はNIPTで陽性反応が出た場合に受けることが推奨されており、早めに受検することで出産に向けた準備も余裕を持ってすることができます。
東京のミネルバクリニックでは、大学病院レベルの臨床遺伝専門医によるNIPTを受けていただくことができます。
遺伝カウンセリング体制が整っており、出産に向けてどのような気持ちで臨めばいいのか悩んでいる妊婦さんを笑顔になれる出産へ導くことができます。
羊水検査の前にNIPTを受けたいと思った方は、この機会に是非「ミネルバクリニック」までご相談ください。