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妊娠したら気をつけることは?するべき手続きや妊娠初期の症状を紹介

妊娠が発覚した喜びと同時に、妊娠初期症状や生活上の注意点などが気になっている方は多いのではないでしょうか。特に初めての妊娠の場合は、右も左もわからない状況かもしれません。
そこで今回は、妊娠初期症状や生活で気をつけること、経済的支援の受け取り手続きについて解説します。妊娠後に必要な情報を体系的に知り、自分がとるべき行動について理解できるでしょう。ぜひ最後まで目を通してみてください。

妊娠初期症状はいつから?

妊娠初期症状は、早い方であれば妊娠4週頃から現れ始めます。以下では妊娠初期症状はいつ頃から現れるのか、具体的な「妊娠超初期」「妊娠初期」というワードを用いながら解説します。

妊娠超初期は0週〜3週頃

妊娠0週~3週頃を「妊娠超初期」といいます。妊娠0週0日は、妊娠する前の最後の生理日の初日であり、その日以降に体にさまざまな変化が起こります。体調の変化をまったく感じない方もいますが、以下の症状を感じ始める方もいます。

【身体症状】

・持続する微熱
・下腹部の痛み、違和感
・だるさ、頭痛などの風邪様症状
・頻尿、便秘

【精神症状】

・眠気
・情緒不安定

【生理、おりもの】

・生理の遅れ
・少量の出血(着床出血
・おりものの増加

また、妊娠超初期はhCGホルモン(ヒト柔毛性ゴナドトロピン)の分泌量が少ないため、妊娠していても妊娠検査薬が陰性となる場合があります。上記の症状や生理の遅れが続く場合は、1週間後に再び妊娠検査薬を使用してください。

妊娠4週〜15週(2カ月〜4カ月)

2カ月目となる妊娠4週頃は、妊娠初期症状が目立ち始める時期です。中にはつわりが始まる方もいるでしょう。具体的な症状は以下のとおりです。

【身体症状】

・持続する微熱
・だるさ、頭痛など
・めまいや立ちくらみ
・下腹部の痛みや違和感
・腰痛
・胸の張り
・食欲の亢進、低下
・胃のムカムカ感、吐き気
・味覚の変化
・頻尿、便秘
・全身のむくみ
・肌トラブル

【精神症状】

・強い眠気
・情緒不安定

【生理、おりもの】

・おりものの増加
・水っぽいおりもの

妊娠4週後半にエコー(超音波検査)をすると、7mmほどの胎嚢(赤ちゃんが育つ袋)が確認できます。小さくて確認できないケースもありますが、個人差が大きいため焦る必要はありません。

流産の原因に?|妊娠したら気をつけること

日本産婦人科学会によると「流産全体の80%が妊娠12週目までに起きている」とされています。それだけ妊娠初期というのは流産しやすい傾向がありますが、妊娠12週目までの流産はほとんどお母さんの行動は関係ありません。
この時期の流産の多くは赤ちゃんの染色体異常が原因です。ここでは赤ちゃんの発育のため、安心な妊娠生活を送るために妊娠したら気をつけていただきたいことを紹介します。

飲酒・喫煙、カフェインの摂取

妊娠の可能性があるときは、飲酒や喫煙、カフェインの摂取を控えましょう。妊娠中の飲酒は「胎児性アルコール症候群」という先天性疾患の原因となります。喫煙は流産や早産、出生後の乳幼児突然死症候群の原因になり、カフェインは赤ちゃんの発育不良や流産のリスクを高めます。
妊娠の可能性を感じた時点で、飲酒や喫煙はきっぱりとやめる必要があります。妊娠中のカフェインの上限量は、世界保健機構(WHO)により1日に200~300㎎とされています。この量はコーヒーに換算すると約2杯分です。カフェインは紅茶やコーラ、チョコレートなどにも含まれているため、コーヒーは1日1杯に減らして上限量を守りましょう。

薬の服用

妊娠4週目から3カ月間は、母体が服用した薬の影響を受けやすい時期です。奇形や発育への影響を及ぼすため、薬の服用には十分に注意しましょう。特に注意が必要な薬は以下のとおりです。

・抗菌薬
・睡眠薬
・麻薬
・ホルモン剤
・ワクチン類(麻疹、おたふく、風疹など)
・抗高脂血症薬
・抗がん

現在服薬中の方は、自己判断で薬を中止したり用法や容量を変えたりすると危険な場合があります。妊娠の可能性を感じたら、必ず主治医や薬剤師に相談しましょう。
転居などの事情があり主治医を受診できない場合は、「妊娠と薬情報センター(www.ncchd.go.jp/kusuri/index.html)」を利用してください。

感染症の予防

妊娠中は免疫力が低下し、感染症にかかりやすくなります。特に風疹には注意が必要です。妊婦さんが風疹に感染すると、赤ちゃんに先天性風疹症候群をおこす可能性があります。この病気は、赤ちゃんに生まれつきの心疾患や白内障、難聴をもたらすものです。その他にも、サイトメガロウイルスやB型肝炎、トキソプラズマなどは母体から赤ちゃんに感染するため、以下のような対策を講じましょう。

・手洗い、うがい、手指消毒をする
・同居の家族が風疹抗体を持っていないときは、ワクチンを接種する
・オムツ交換や動物の糞尿処理には手袋を着用し、手洗いをする
・よく加熱したものを食べる
・人混みを避ける

同居する家族も感染症対策を行い、母子を感染症から守りましょう。

X線の被ばく

妊娠中はX線(レントゲン)検査を避ける必要があります。お腹にいる赤ちゃんは放射線感受性が高いため、母体が大量被ばくすると流産や奇形、知的障害を引き起こしてしまう危険性があります。ただ、通常のレントゲン検査は被ばく量が少ないとされています。
胎児に影響を及ぼす放射線量は100mGy(ミリグレイ)ですが、胸のレントゲン検査で胎児が受ける線量は0.01mGy未満です。これは、普通に生活していて自然界から受ける10日分の放射線量と同等とされています。妊娠後はレントゲン検査を避ける必要がありますが、万が一検査を受けてしまっても大きな心配はいりません。

参考:環境省
www.env.go.jp/chemi/rhm/h30kisoshiryo/h30kiso-03-05-01.html
国立保健医療科学院生活環境研究部
ndrecovery.niph.go.jp/trustrad/pregnancy.html

妊娠したらいつ病院に行くのか

妊娠検査薬で陽性判定が出たら、速やかに病院を受診する必要があります。以下では、妊娠後すぐに病院を受診すべき理由や、陰性でも医師の診察を受けた方がよいケースを解説します。

妊娠検査薬で陽性が出たらすぐに病院へ

妊娠検査薬で陽性が判明したら、すぐに病院を受診しましょう。ただ、妊娠検査薬の精度はかなり高いものの100%ではありません。陽性判定が示すのは「妊娠している可能性が高い」ということです。そのため、陽性判定が出たらすぐに産婦人科を受診し、正確な診断を受けるようにしましょう。また妊娠検査薬では、偽陽性(本当は陰性なのに陽性判定されること)となる場合もあります。偽陽性の原因として考えられるのは以下のとおりです。

・尿をかけすぎている
・hCG注射をしている
・尿中にタンパクや糖が含まれている
・流産している

妊娠検査薬の目的は「産婦人科受診につなげること」のため、陽性判定が出たらすぐに産婦人科を受診し、正確な診断を受けましょう。早い段階で妊娠を確定させられれば、薬の服用や飲酒・喫煙、食事などに気を付けながら安心な妊娠生活を送ることができます。

妊娠の兆候があるのに陰性という結果…気になる場合は医師の診断を

妊娠検査薬が陰性でも、以下の場合は医師の診察を受けましょう。
妊娠検査薬は生理予定日の1週間後から検査可能ですが、生理不順や妊娠初期でhCGホルモンの分泌量が少ない場合は、妊娠していても陰性判定となることがあります。妊娠の兆候があるのに陰性のときは、1週間後に再び妊娠検査薬を使い、産婦人科を受診しましょう。
また、2週間以上の生理の遅れや下腹部の痛みが見られる場合は、病気が潜んでいる可能性があるため医師に相談してください。

妊娠したらもらえるお金は?するべき手続きについて

妊娠後にもらえるお金には、以下の3つがあります。

・出産・子育て応援交付金
・出産育児一時金
・(低所得世帯のみ)特別給付金

手続き方法とあわせてひとつずつ見ていきましょう。

妊娠したらもらえるお金|助成金

妊娠後には「出産・子育て応援交付金」が支給されます。東京都では「対象となる妊婦1人あたり5万円相当」の育児用品や子育て支援サービスなどの受け取りが可能です。各自治体の判断により以下のいずれかの方法で支給されます。

・出産・育児関連商品の商品券
・妊婦健診交通費やベビー用品等の費用助成
・産後ケア、一時預かり、家事支援サービス等の利用料助成、利用料減免

現金給付される場合もあるため、お住まいの市区町村のホームページで確認してください。

参考:www.fukushi.metro.tokyo.lg.jp/kodomo/shussan/tokyo_shussankosodateouen.html
www.komei.or.jp/komechan/education/education230131/

妊娠届出書を提出し、母子手帳をもらう

産婦人科で心拍が確認できたら、市区町村の窓口で母子手帳を受け取りましょう。自治体によって異なりますが、交付時には以下のようなものが必要とされます。

・本人のマイナンバー
・妊娠届出書
・本人名義の通帳
※必ず市区町村のホームページを確認しましょう。

多くの場合、母子手帳と同時に「妊婦健康診査受診票」が交付されます。これは、妊婦検診の費用を公費で補助するものです。早めに母子手帳を受け取ることで、妊婦健診における経済的負担も軽減できます。

出産したらもらえるお金|出産育児一時金、特別給付金

出産後に受け取れるのは「出産育児一時金」と「特別給付金」です。出産一時金は、出産の経済的負担軽減のために一定の金額が支給される制度です。2023年4月1日から、赤ちゃん1人につき42万円から50万円に増額されました。申請方法には以下の3つがあります。

・直接支払制度(健康保険から病院へ支払う)
・受取代理制度(医療機関が請求手続きする)
・直接申請(自分で請求手続きする)

希望の方法に病院が対応していない場合もあるため、事前に確認しておきましょう。また、低所得世帯には子ども1人につき5万円の特別給付金が支給されます。令和6年2月29日までに生まれる新生児がいる世帯で、令和5年1月1日以降に住民税非課税相当の収入となった場合が対象です。市区町村が作成する申請書に記入し、必要書類を用意しましょう。
詳しくは市区町村のホームページを確認してください。

参照:子ども家庭庁No.12、No.26
www.cfa.go.jp/assets/contents/node/basic_page/field_ref_resources/839677b3-831b-40fa-82e0-961b0d0fb769/efe7f29f/20230401_policies_hitori-oya_tokubetsu-kyuufukin-outline_05.pdf

NIPTは妊娠初期から受検可能

NIPTは妊娠初期から受検が可能です。赤ちゃんの染色体異常について調べる検査ですが、「よくわからない…」という方も多いかもしれません。以下では、NIPTの概要やメリット、ミネルバクリニックでの受検をおすすめする理由を解説します。

新型出生前診断NIPTとは

NIPT(新型出生前診断)とは、お腹の赤ちゃんの染色体異常を調べる検査です。基本検査では、21トリソミーダウン症)、18トリソミーエドワーズ症候群)、13トリソミーパトウ症候群)の可能性を判別できます。NIPTは赤ちゃんの病気の「可能性を調べる」非確定検査です。陽性判定が出たら、羊水検査絨毛検査に進み、検査結果を確定させましょう。
NIPTの対象は妊娠9週~10週以降の妊婦さんで、腕からの採血により検査が可能です。検査時の母子への負担が少なく、安心して受けられる検査になっています。

NIPT検査のメリット

NIPTの主なメリットは「精度が高い」「流産リスクがほとんどない」という2点です。NIPTの精度は99%であり、NIPTと同様の非確定的検査であるコンバインド検査(83%)や母体血清マーカー検査(80%)に比べて高い正確性を誇ります。
また、流産のリスクがほとんどないのも大きなメリットです。確定的検査とされている、子宮に針を刺す羊水検査では約0.2~0.3%、絨毛検査では約1%ほどの流産・死産のリスクがあります。NIPTは母体の採血による検査のため、お腹の赤ちゃんへの影響がほとんどありません。NIPTは精度が高く低リスクで受けられる検査のため、安心して受検できます。

ミネルバクリニックでは充実したカウンセリング体制でNIPT受検をサポート

ミネルバクリニックは、院長仲田が患者様に寄り添った診療を実施しています。院長は「内科専門医」「がん薬物療法専門医」「臨床遺伝専門医」の3つの資格を持つ日本で唯一の医師で、NIPTを受検いただく前のカウンセリングにあたっています。NIPT前にカウンセリングをおすすめする理由は以下のとおりです。

・検査の意味を正しく理解する
・陽性だった場合の流れを理解する
・心の負担を軽減する

院長自身も3児の母であり、母親として患者様の気持ちに寄り添ったカウンセリングにご定評をいただいています。検査結果が陽性だった場合、その後のご相談に関して追加費用は一切ありません。オンラインでの相談も受け付けているため、遠方からのご相談もお待ちしております。

まとめ

妊娠初期症状は、早い方であれば4週頃からつわりのような症状が現れ始めます。個人差が大きいため、他人と比べず無理のない生活を心がけてください。生活をする上では、薬の服用や飲酒・喫煙の制限などに注意が必要です。気をつけるべきポイントを押さえ、神経質になりすぎないようにしましょう。
妊娠後には給付金により経済的負担が軽減できます。家族やパートナーの協力を得ながら、体調が落ち着いている頃に手続きを行いましょう。自分と赤ちゃんを最優先にしながら、無理なく幸せな妊娠生活を送ってください。

この記事の著者:仲田洋美(医師)

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ミネルバクリニックでは、以下のNIPT検査を提供しています。少子化の時代、より健康なお子さんを持ちたいという思いが高まるのは当然のことと考えています。そのため、当院では世界の先進的特許技術に支えられた高精度な検査を提供してくれる検査会社を遺伝専門医の目で選りすぐりご提供しています。

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プロフィール

この記事の筆者:仲田洋美(医師)

ミネルバクリニック院長・仲田洋美は、日本内科学会内科専門医、日本臨床腫瘍学会がん薬物療法専門医 (がん薬物療法専門医認定者名簿)、日本人類遺伝学会臨床遺伝専門医(臨床遺伝専門医名簿:東京都)として従事し、患者様の心に寄り添った診療を心がけています。

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