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カリオセブン症例集・不均衡型転座例

カリオセブン症例集・不均衡型転座例|通常NIPTでは検出不可能な8症例|ミネルバクリニック

カリオセブン症例集・不均衡型転座例
通常NIPTでは検出不可能な8症例

この記事でわかること
📖 読了時間:約15分
🔬 NIPT・不均衡型転座
臨床遺伝専門医監修

Q. 親が均衡型転座保因者の場合、NIPTで胎児の異常はわかりますか?

A. 通常のNIPTでは検出不可能ですが、カリオセブンなら検出できます。
本記事では、親が均衡型転座保因者で、子に不均衡型転座が生じた8症例を検査画像とともに臨床遺伝専門医が詳しく解説します。


  • 不均衡型転座とは → 親の均衡型転座が子に不均衡な形で遺伝した状態

  • 8症例すべて母親が均衡型相互転座の保因者で、胎児に異常が生じた

  • 通常のNIPT → 21・18・13トリソミーのみ検査するためこれらの異常は検出不可能

  • カリオセブン → 全染色体の7Mb以上の欠失・重複を検出し、羊水アレイCGHで確定

\ 臨床遺伝専門医が直接担当します /


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1. 不均衡型転座とは:親の転座が子に与える影響

【結論】 不均衡型転座とは、親が持つ均衡型転座が子に遺伝する際に、染色体の一部が過剰または欠損した状態で伝わることです。通常のNIPT(21・18・13トリソミー検査)では検出不可能ですが、カリオセブンなら検出できます。

💡 均衡型転座と不均衡型転座の違い

均衡型転座(親)

染色体の一部が別の染色体に移動しているが、遺伝子の総量は正常。本人は健康で症状なし。ただし子への遺伝時にリスクあり。

不均衡型転座(子)

親の転座が遺伝する際に、染色体の一部が余分(重複)または欠損(欠失)した状態で伝わる。発達や成長に影響を与える可能性あり。

本記事で紹介する8症例すべてが、母親が均衡型相互転座の保因者で、胎児に不均衡型転座が生じたケースです。これらの異常は通常のNIPTでは「異常なし」と判定されてしまいます。

🔬 カリオセブンの検出能力
  • 全染色体の異数性:21・18・13トリソミーだけでなく、全22対の常染色体+性染色体の異常を検出
  • 染色体構造異常(7Mb以上):全染色体の全領域で欠失・重複を検出本記事の症例
  • 9種類の微細欠失症候群:日本で最多の9疾患を検出

2. 症例1:7番染色体と9番染色体の不均衡型転座

【症例概要】 母親が46,XX,t(7;9)(p15;q22)の均衡型相互転座保因者。胎児に7番染色体短腕の重複と9番染色体の重複が検出され、羊水アレイCGHで確定診断された症例です。

7番染色体と9番染色体の不均衡型転座:カリオセブンで検出し羊水アレイCGHで確定

項目 内容
母親の核型 46,XX,t(7;9)(p15;q22) — 均衡型相互転座保因者
胎児の異常① Dup7p23.3p21.2 — 15 Mb(7番染色体短腕の重複)
胎児の異常② Dup9p24.3-q31.1 — 107.5 Mb(9番染色体の重複)
確定検査 羊水アレイCGH

✅ グラフの読み方

  • 左側:アレイCGH(羊水)— 確定検査の結果
  • 右側:マルチNIPTkaryo7 cfDNA— スクリーニング結果
  • 両者が一致しており、カリオセブンが正確に検出できたことを証明

🏥 臨床的意義

9番染色体の重複が107.5Mbと非常に大きく、7番染色体短腕の重複と合わせて重篤な異常です。親が均衡型転座保因者の場合、通常のNIPT(13・18・21のみ)では絶対に検出できない異常です。カリオセブンの7Mb解像度だからこそ発見できた症例です。

3. 症例2:13番染色体と20番染色体の不均衡型転座

【症例概要】 母親が46,XX,t(13;20)(q21;q13.3)の均衡型相互転座保因者。胎児に13番染色体の欠失と20番染色体の重複が同時に検出された症例です。

13番染色体と20番染色体の不均衡型転座:欠失と重複が同時に検出

13番染色体(欠失)

  • 異常:Del13q33.3q34 — 11.4 Mb
  • 種類:長腕末端部の欠失

20番染色体(重複)

  • 異常:Dup20q13.33 — 1.9 Mb
  • 種類:長腕末端部の重複

💡 特筆点:この症例では欠失(Del)と重複(Dup)が同時に検出されています。20番の重複は1.9 Mbと比較的小さいですが、カリオセブンで検出できました。不均衡型転座では、一方の染色体の欠失と他方の重複が同時に生じることが特徴です。

4. 症例3:3番染色体と5番染色体の不均衡型転座

【症例概要】 母親が46,XX,t(3;5)(q21.3;q35.3)の均衡型相互転座保因者。胎児に3番染色体の大きな重複(69.4Mb)と5番染色体の欠失が検出されました。

3番染色体と5番染色体の不均衡型転座:69.4Mbの大きな重複

項目 内容
母親の核型 46,XX,t(3;5)(q21.3;q35.3)
胎児の異常① Dup3q21.3-q29 — 69.4 Mb(3番染色体長腕の重複)
胎児の異常② Del5q35.3 — 2.2 Mb(5番染色体長腕の欠失)
確定検査 羊水アレイCGH

🏥 臨床的意義

3番の重複が69.4 Mbと非常に大きい一方、5番の欠失は2.2 Mbと7Mb閾値以下ですが検出されています。5q35.3欠失Sotos症候群(脳性巨人症)の責任領域に近い位置であり、臨床的に重要な所見です。

5. 症例4〜8:その他の不均衡型転座症例

【概要】 残り5症例を紹介します。いずれも親が均衡型転座保因者で、胎児に不均衡型転座が生じた症例です。特に症例7はウォルフ・ヒルシュホーン症候群の原因領域を含む重要な症例です。

症例4:7番染色体と10番染色体の不均衡型転座

7番染色体と10番染色体の不均衡型転座

項目 内容
母親の核型 46,XX,t(7;10)(q36;q25)
胎児の異常 Del7q36.2q36.3(25 Mb)Dup10q25.3q26.3(24 Mb)
臨床的意義 7q36領域の欠失はSHH遺伝子(全前脳胞症関連)を含む可能性

症例5:1番染色体と7番染色体の不均衡型転座

1番染色体と7番染色体の不均衡型転座:1p36欠失を含む

項目 内容
母親の核型 46,XX,t(1;7)(p36.2;q21)
胎児の異常 Del1p36.23p33.33(9 Mb)Dup7q21.12q36.3(73 Mb)
臨床的意義 1p36欠失1p36欠失症候群の領域。7番の重複73Mbは非常に大きい

📌 1p36欠失症候群は単独の微小欠失症候群としてもスクリーニング対象ですが、この症例では転座由来であることが判明。通常の「1p36欠失症候群スクリーニング」では転座の背景までは分からないため、カリオセブンの全染色体解析が有用であることを示しています。

症例6:9番染色体と18番染色体の不均衡型転座

9番染色体と18番染色体の不均衡型転座:18p欠失症候群を含む

項目 内容
母親の核型 46,XX,t(9;18)(p11.2;p11.2)
胎児の異常 Dup9p24.3p13.1(38 Mb)Del18p11.32p11.21(15 Mb)
臨床的意義 18p欠失18p欠失症候群9p重複9pトリソミーに相当

症例7:4番染色体と19番染色体の不均衡型転座【重要】

4番染色体と19番染色体の不均衡型転座:ウォルフ・ヒルシュホーン症候群の原因領域を含む

項目 内容
母親の核型 46,XX,t(4;19)(p12;p12)
胎児の異常 Del4p16.3p12(48 Mb)Del19p13.3p12(22 Mb)
特筆点 両方とも欠失(Del)という珍しいパターン

⚠️ この症例の重要ポイント

  • 4p欠失ウォルフ・ヒルシュホーン症候群(Wolf-Hirschhorn syndrome)の原因領域を含む
  • 4p16.3領域にはWHSC1, WHSC2遺伝子が含まれる
  • 48 Mbと22 Mbという大きな欠失が2つ同時に存在する重篤な症例

症例8:10番染色体と13番染色体の不均衡型転座

10番染色体と13番染色体の不均衡型転座:検出閾値ギリギリの7Mb欠失

項目 内容
母親の核型 46,XX,t(10;13)(p15.1;q22)
胎児の異常 Del10p15.3p15.1(7 Mb)Dup13q22.3q34(42 Mb)
特筆点 10番の欠失がちょうど7 Mbでカリオセブンの検出閾値ギリギリ

💡 13番染色体の部分重複について:通常のNIPTで「13トリソミー陰性」と出ても、このような部分的な13番の異常(42Mb重複)は検出されません。13番染色体の「部分トリソミー」は完全な13トリソミー(パトウ症候群)とは異なりますが、臨床的に重要な異常です。

均衡型転座保因者の方へ

ご自身やパートナーが均衡型転座保因者の場合、
通常のNIPTでは胎児の不均衡型転座を検出できません。
カリオセブンなら全染色体の構造異常を検出できます。


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6. 8症例のまとめと従来検査との違い

【結論】 本記事で紹介した8症例すべてが、親が均衡型転座保因者で、子に不均衡型転座が生じたケースです。これらは通常のNIPT(21・18・13トリソミー検査)では絶対に検出不可能な異常です。

症例 親の転座 胎児の異常 確定
1 t(7;9)(p15;q22) Dup7p(15Mb) + Dup9(107.5Mb)
2 t(13;20)(q21;q13.3) Del13q(11.4Mb) + Dup20q(1.9Mb)
3 t(3;5)(q21.3;q35.3) Dup3q(69.4Mb) + Del5q(2.2Mb)
4 t(7;10)(q36;q25) Del7q(25Mb) + Dup10q(24Mb)
5 t(1;7)(p36.2;q21) Del1p36(9Mb) + Dup7q(73Mb)
6 t(9;18)(p11.2;p11.2) Dup9p(38Mb) + Del18p(15Mb)
7 t(4;19)(p12;p12) Del4p(48Mb) + Del19p(22Mb) ※両方欠失
8 t(10;13)(p15.1;q22) Del10p(7Mb) + Dup13q(42Mb)

従来のNIPTとカリオセブンの比較

検出項目 基本NIPT カリオセブン
21、18、13トリソミー
全染色体の異数性
不均衡型転座の検出
7Mb以上の欠失・重複
9種類の微細欠失症候群
仲田洋美院長

🩺 院長コラム【不均衡型転座の検出がなぜ重要か】

本記事で紹介した8症例は、すべて母親が均衡型転座保因者のケースです。均衡型転座保因者は約500人に1人の割合で存在するとされ、ご本人は健康ですが、子への遺伝時に不均衡型転座が生じるリスクがあります。

特に注目すべきは症例7です。ウォルフ・ヒルシュホーン症候群の原因領域を含む4p欠失が検出されました。これは通常のNIPTでは絶対に見つからない異常です。

均衡型転座保因者の方、またはその可能性がある方は、カリオセブンによる全染色体スクリーニングをお勧めします。当院では羊水検査も院内で実施でき、臨床遺伝専門医がその後のサポートまで一貫して対応いたします。

7. ミネルバクリニックのカリオセブン検査体制

ミネルバクリニックでは、臨床遺伝専門医の専門性を活かした検査体制を整えています。カリオセブンの結果説明から、陽性時の確定検査まで一貫してサポートいたします。

🔬 検査会社との連携

カリオセブンはベリファイ(Fulgent Genetics社)が提供。当院は検査会社と共同発表を行うなど、密接な連携体制を構築しています。

🏥 院内で確定検査まで対応

2025年6月より産婦人科を併設。カリオセブンで陽性の場合も、羊水検査・絨毛検査院内で実施可能です。

👩‍⚕️ 臨床遺伝専門医が常駐

遺伝カウンセリングから結果説明、陽性時のフォローまで、臨床遺伝専門医が一貫して対応します。

💰 互助会で費用面も安心

互助会(8,000円)加入で、陽性時の羊水検査費用を全額カバー(上限なし)。安心して検査を受けられます。

不均衡型転座の検査をご検討の方へ

本記事の8症例はすべて通常NIPTでは検出不可能でした。
より広範囲な検査をご希望の方はカリオセブンをご検討ください。


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※オンライン診療で全国対応可能です

よくある質問(FAQ)

Q1. 均衡型転座と不均衡型転座の違いは何ですか?

均衡型転座は染色体の一部が別の染色体に移動していますが、遺伝子の総量は正常なので本人は健康です。不均衡型転座は、均衡型転座が子に遺伝する際に染色体の一部が過剰(重複)または欠損(欠失)した状態で伝わることです。不均衡型転座は発達や成長に影響を与える可能性があります。

Q2. 通常のNIPTではなぜ不均衡型転座が検出できないのですか?

通常のNIPTは21・18・13番染色体の「数」の異常(トリソミー)のみを検出します。不均衡型転座では、染色体の数は正常で、一部が欠失・重複しているだけなので、トリソミー検査では「異常なし」と判定されます。カリオセブンなら全染色体の構造異常を検出できます。

Q3. 自分が均衡型転座保因者かどうか、どうやって調べられますか?

染色体検査(G分染法)で調べられます。反復流産の経験がある方、家族に染色体異常がある方などは、検査をお勧めする場合があります。当院では遺伝カウンセリングで詳しくご説明いたします。

Q4. 均衡型転座保因者が必ず異常のある子を産むわけではないですか?

はい、必ずしも異常が生じるわけではありません。均衡型転座保因者の子は、①正常、②均衡型転座保因者(親と同じ)、③不均衡型転座、のいずれかになります。確率は転座の種類や位置によって異なります。遺伝カウンセリングで個別にリスク評価いたします。

Q5. カリオセブンで陽性だった場合、必ず羊水検査が必要ですか?

はい、カリオセブンはスクリーニング検査であり、確定診断のためには羊水検査または絨毛検査が必要です。本記事の症例1〜5では、羊水アレイCGHで確定診断されています。当院では羊水検査も院内で実施可能です。

Q6. カリオセブンはいつから受けられますか?

一般的なNIPTと同様に妊娠10週以降から検査可能です。当院ではスーパーNIPTとの組み合わせにより、妊娠6週からの検査にも対応しています。

Q7. 遠方ですがカリオセブンを受けられますか?

はい、オンラインNIPTにより全国どこからでも受検可能です。臨床遺伝専門医による遺伝カウンセリングもオンラインで受けていただけます。

🏥 不均衡型転座の検査をご検討の方へ

均衡型転座保因者の方、またはより広範囲な検査をご希望の方は、
カリオセブンについてお気軽にご相談ください。
臨床遺伝専門医があなたとご家族に寄り添います。

参考文献

  • [1] Gardner RJM, Sutherland GR, Shaffer LG. Chromosome Abnormalities and Genetic Counseling. 4th ed. Oxford University Press; 2011.
  • [2] Wapner RJ, et al. Expanding the scope of noninvasive prenatal testing: detection of fetal microdeletion syndromes. Am J Obstet Gynecol. 2015;212(3):332.e1-9. [PubMed]
  • [3] Shaffer LG, et al. The use of chromosomal microarray analysis in prenatal diagnosis. Prenat Diagn. 2012;32(4):327-333. [PubMed]
  • [4] American College of Obstetricians and Gynecologists. Screening for fetal chromosomal abnormalities: ACOG Practice Bulletin, Number 226. Obstet Gynecol. 2020;136(4):e48-e69. [PubMed]
  • [5] Fulgent Genetics. Verify Prenatal Test Clinical Validation Data. [Official Site]
  • [6] 日本産科婦人科学会. 出生前に行われる遺伝学的検査および診断に関する見解. [日本産科婦人科学会]


プロフィール
仲田洋美 医師(臨床遺伝専門医)

この記事の筆者:仲田 洋美(臨床遺伝専門医)

ミネルバクリニック院長。1995年に医師免許を取得後、臨床遺伝学・内科・腫瘍学を軸に、
のべ10万人以上のご家族の意思決定と向き合ってきた臨床遺伝専門医です。
出生前診断・遺伝学的検査においては、検査結果そのものだけでなく
「結果をどう受け止め、どう生きるか」までを医療の責任と捉え、
一貫した遺伝カウンセリングと医学的支援を行っています。

日本人類遺伝学会認定 臨床遺伝専門医/日本内科学会認定 総合内科専門医/
日本臨床腫瘍学会認定 がん薬物療法専門医。

2025年、国際誌『Global Woman Leader』および『Medical Care Review APAC』の2誌で立て続けに表紙(Cover Story)に抜擢。
「日本のヘルスケア女性リーダー10名」や「アジア太平洋地域のトップ出生前検査サービス」として、世界的な評価を確立しています。


▶ 仲田洋美の詳細プロフィールはこちら

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