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NIPTで陽性結果を受けられた方へ
NIPT(新型出生前診断)で陽性の結果が出ると、多くの妊婦さんとそのご家族が不安や混乱を感じられることと思います。しかし、NIPTはスクリーニング検査であり、陽性結果が出ても必ずしも赤ちゃんに染色体異常があるわけではありません。
この記事では、臨床遺伝専門医の監修のもと、NIPT陽性後に必要な確定検査について詳しく解説いたします。羊水検査と絨毛検査の違い、それぞれのメリット・デメリット、選び方まで、皆様の不安を少しでも和らげ、適切な判断ができるよう分かりやすくお伝えします。
NIPTで陽性が出たら確定検査が必要な理由
NIPTはスクリーニング検査である
重要なポイント:
NIPTは確定診断ではありません。陽性結果は「染色体異常の可能性が高い」ことを示すものであり、確実な診断を得るためには確定検査が必要です。
NIPTの陽性的中率(陽性結果が出た場合に実際に染色体異常がある確率)は、お母さんの年齢や対象疾患によって大きく異なります:
例:
25歳の妊婦さんがダウン症候群で陽性となった場合、実際にダウン症候群である確率は約20%です。つまり、80%の確率で偽陽性(実際には正常)の可能性があります。
確定検査を受ける最適なタイミング
確定検査にはタイミングが重要です:
- 妊娠10~13週:絨毛検査が可能
- 妊娠15週以降:羊水検査が可能
- 検査結果まで:2~3週間必要
アドバイス:
ミネルバクリニックでは2025年6月より産婦人科を併設し、非認証施設で唯一、確定検査を自院で実施できるようになりました。NIPTから確定検査まで、臨床遺伝専門医が一貫してサポートいたします。
確定検査の種類|羊水検査 vs 絨毛検査 徹底比較
羊水検査の詳細
羊水検査の基本情報
- 実施時期:妊娠15週以降
- 検査方法:エコーガイド下で腹部から針を刺し、羊水を約20ml採取
- 検査精度:99.9%以上
- 結果判明:2~3週間
- 費用相場:10~20万円
- 流産リスク:0.1~0.3%(最新データ)
羊水検査は現在最も安全で確実な確定検査とされており、以下のような特徴があります:
羊水検査のメリット
- 胎児由来の細胞を直接検査するため、最も正確な結果が得られる
- 絨毛検査と比較して流産リスクが低い
- 胎盤限局性モザイクの影響を受けない
- 全染色体の分析が可能
羊水検査のデメリット
- 妊娠15週以降でないと実施できない
- 針を刺すため、軽度の痛みを伴う
- わずかながら流産リスクがある
- 結果が出るまで時間がかかる
絨毛検査の詳細
絨毛検査の基本情報
- 実施時期:妊娠10~13週
- 検査方法:経腹法または経膣法で絨毛組織を採取
- 検査精度:99%以上
- 結果判明:2~3週間
- 費用相場:10~20万円
- 流産リスク:0.2~0.5%
絨毛検査のメリット
- 妊娠早期(10週)から実施可能
- 早期に結果を知ることで、心の準備や対応を考える時間が確保できる
- 羊水検査よりも早い段階での診断が可能
絨毛検査のデメリット
- 羊水検査と比較して流産リスクがやや高い
- 胎盤限局性モザイク(1~2%)により、追加で羊水検査が必要な場合がある
- 胎盤の位置によっては実施できない場合がある
【比較表】羊水検査 vs 絨毛検査 一覧
どちらの検査を選ぶべき?判断基準とフローチャート
検査選択の重要な判断基準
確定検査選択フローチャート
絨毛検査 or
羊水検査まで待機
羊水検査
1. 妊娠週数による選択
- 妊娠13週以前:絨毛検査のみ選択可能、または羊水検査まで待機
- 妊娠15週以降:羊水検査が推奨される
2. リスク許容度による選択
- 安全性重視:羊水検査(流産リスクが低い)
- 早期診断重視:絨毛検査(妊娠10週から可能)
3. 個別の医学的要因
- 胎盤の位置と状態
- 妊娠経過の状況
- 過去の妊娠歴
- 家族歴の有無
確定検査の流れと当日の注意点
検査前の準備
検査前に必要な準備
- 遺伝カウンセリング:検査の詳細説明と同意確認
- 同意書の確認:検査内容とリスクの理解
- 当日の服装:お腹を出しやすい服装
- パートナーの同伴:心理的サポートのため推奨
検査当日の流れ
羊水検査の場合
- 受付・問診:体調確認と最終説明
- エコー確認:胎児・胎盤位置の詳細確認
- 局所麻酔:穿刺部位の麻酔
- 羊水採取:エコーガイド下で約20ml採取
- 止血確認:出血の有無確認
- 安静・経過観察:30分程度
- 帰宅指導:注意事項説明
絨毛検査の場合
- 受付・問診:体調確認と最終説明
- アプローチ決定:胎盤位置により経腹法・経膣法選択
- 組織採取:選択した方法で絨毛組織採取
- 採取組織確認:顕微鏡での組織確認
- 安静・経過観察:30分程度
- 帰宅指導:注意事項説明
検査後の注意事項
緊急時の症状(すぐに連絡を)
- 大量の出血
- 強い腹痛
- 発熱(38度以上)
- 羊水の流出
- 胎動の減少
検査後の過ごし方
- 当日:安静に過ごし、重いものを持たない
- 翌日以降:通常の生活可能(激しい運動は避ける)
- 入浴:当日はシャワーのみ、翌日から入浴可能
- 仕事:デスクワークなら翌日から可能
確定検査を受ける医療機関の選び方
認証医療機関と非認証医療機関の違い
出生前検査には日本医学会出生前検査認証制度等運営委員会による認証制度があります。ただし、認証の有無だけでなく、以下の点も重要です:
ミネルバクリニックの特徴
非認証施設で唯一、臨床遺伝専門医が常駐し、2025年6月より確定検査も自院で実施
- 臨床遺伝専門医による専門的な遺伝カウンセリング
- NIPTから確定検査までワンストップで対応
- 24時間サポート体制
- 最新のCOATE法による高精度NIPT
医療機関選択のチェックポイント
1. 設備・技術面
- 検査実績・症例数:豊富な経験があるか
- 超音波機器の精度:最新の機器を使用しているか
- 緊急時対応体制:24時間対応可能か
2. サポート体制
- 遺伝カウンセリング:臨床遺伝専門医が対応するか
- 検査後フォロー:継続的なサポートがあるか
- 陽性時のケア:心理的サポートが充実しているか
3. 費用・アクセス
- 料金の透明性:明確な料金設定があるか
- 通院しやすさ:アクセスが良いか、オンライン対応があるか
- 支払い方法:多様な支払い方法に対応しているか
検査結果とその後の対応
結果の解釈方法
確定検査の結果について
- 陽性結果:染色体異常が確認された(ほぼ100%確実)
- 陰性結果:検査対象の染色体異常はない(ほぼ100%確実)
- 判定保留:技術的理由で判定できない(再検査が必要)
結果を受けてからの選択肢
陽性の場合
- 妊娠継続の場合:専門医療機関での出産準備、療育環境の整備
- セカンドオピニオン:他院での意見聴取
- 心理的サポート:カウンセリングやサポートグループの活用
陰性の場合
- 通常の妊娠管理:安心して妊娠生活を継続
- 定期健診:引き続き産婦人科での管理
よくある質問|確定検査について
FAQ – 確定検査に関する疑問
ミネルバクリニックの確定検査サポート
当院の確定検査の特徴
? 自院での確定検査実施
2025年6月より産婦人科を併設し、NIPTから確定検査まで一貫してサポート。非認証施設で唯一の体制です。
?⚕️ 臨床遺伝専門医常駐
専門的な知識を持つ臨床遺伝専門医が、遺伝カウンセリングから検査、結果説明まで一貫して対応します。
? 全国対応
オンライン遺伝カウンセリングにより、全国どこからでも専門的なサポートを受けることができます。
? 最新技術
COATE法による最高精度のNIPTを提供。微細欠失症候群の陽性的中率を従来の70%台から99.9%以上に向上。
? 24時間サポート
検査後の不安やトラブルに24時間対応。緊急時も迅速にサポートいたします。
? 総合的ケア
検査だけでなく、心理的サポートや今後の選択についても、専門医が丁寧にサポートします。
当院の実績と安全性
ミネルバクリニックの特色
- 国内最大12か所13疾患の微小欠失症候群検査:他院では検査できない疾患まで幅広くカバー
- 父親の高齢化対応:国内唯一、精子の突然変異による56遺伝子疾患の検査が可能
- ワンストップ対応:NIPT検査から陽性時の確定検査まで、院内で完結
- 豊富な経験:臨床遺伝専門医による数多くの症例経験
ミネルバクリニックでは、NIPT(新型出生前診断)を専門に提供しています。検査前後の遺伝カウンセリングでは、検査の内容や意味、結果の解釈について詳しくご説明します。不安やご質問があれば、専門医にご相談ください。
まとめ
NIPT陽性後の確定検査は、多くの妊婦さんにとって不安を伴う検査ですが、適切な医療機関で経験豊富な医師による検査を受けることで、安全に実施することができます。
重要なポイント
- 確定検査は任意の検査であり、十分な検討が必要
- 羊水検査と絨毛検査にはそれぞれメリット・デメリットがある
- 医療機関選びは慎重に行い、専門医のサポートを受ける
- 検査結果に関わらず、継続的なサポートが重要
ミネルバクリニックでは、臨床遺伝専門医による専門的なサポートのもと、NIPTから確定検査まで一貫したケアを提供しています。不安やご質問がございましたら、お気軽にご相談ください。
参考文献・リンク
• 出生前検査認証制度等運営委員会
• 日本産科婦人科学会
• 日本小児科学会
• COATE法による次世代NIPT技術の比較
• NIPT技術の進歩:ミネルバクリニック2017-2024年の変遷

