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大人のアスペルガー症候群「あるある」を紹介|特徴や対処法は?

アスペルガー症候群のある人はコミュニケーションに特徴があります。本人も周囲の人も、そのことを把握しないままうまくいかない状態が続くと、お互いに負担が重なり、ときには心身の不調につながることがあります。

この記事ではアスペルガー症候群の人が普段の生活を送る上でどんな「あるある」があるのを紹介していきます。

大人のアスペルガー症候群とは?

Adhd.

大人のアスペルガー症候群は生まれつきの発達障害の一つです。代表的な症状である不注意、多動性、衝動性によって職場、家庭、または人間関係で困難を引き起こす可能性があります。

一部の専門家は、成人のADHDに関連する症状として以下のリストをあげています。

  • ・不注意と細部への注意の欠如
  • ・古いタスクを完了する前に、継続的に新しいタスクを開始する
  • ・組織力が低い
  • ・集中できない、または優先順位をつけられない
  • ・物を絶えずなくしたり置き忘れたりする
  • ・物忘れ
  • ・落ち着きのなさと鋭さ
  • ・静かにしていること、順番を間違えて話すことの難しさ
  • ・返事をぼんやりさせ、しばしば他人の邪魔をする
  • ・気分のむら、イライラ、短気
  • ・ストレスに対処できない
  • ・極度の焦り
  • ・多くの場合、個人の安全や他人の安全をほとんどまたはまったく考慮せずに、活動で危険を冒す – たとえば、危険な運転

ただし、すべてのADHDの人が上記の特性を持っているわけではありません。人によっては無症状や軽度な方もいます。精神科もしくは心療内科のある病院やクリニックで問診、スクリーニング検査、MRI・脳波検査(必要時)を行った上で診断されます。診断の基準も世界保健機構の「ICD-10」と、アメリカ精神医学会の「DSM-5」に則っているため自己申告で判断しないでください。もし上記の特性をお持ちの方は精神科もしくは心療内科の医師に相談をしてみましょう。

※参考サイト:NHS|注意欠陥・多動性障害(ADHD)

アスペルガー症候群の生活のあるある

発達障害の文字とブロック

アスペルガー症候群の人が普段の生活を送る上でよくあることをご紹介します。

決まったルーティンがある

1つ目はこだわりの強さからくる「決まったルーティンがある」です。自分の行動をパターン化してしまう特徴があります。
具体的に言いますと、朝ご飯と支度する順序や、お風呂と夕ご飯の順序が逆になるのを嫌います。

また予定調和から外れた出来事が起きるとパニックに陥りやすいのが特徴です。

ペースを乱されるのが苦手

2つ目の「ペースを乱されるのが苦手」も1つ目の同様こだわりの強さから来ています。特定の物事を手順通りに行うことにこだわっているためです。
手順通りにいかないと不安が大きくなり、、恐れや抵抗を強く感じてしまいます。

子どもの場合はパニックになって泣き出したりしてしまいます。大人の場合は、あらかじめ説明してもらえないと、自分のペースで物事を進めらず混乱してしまいがちです。

興味あることにはとことんまでのめり込む

アスペルガー症候群の特徴として平均以上の集中力と記憶力を持っていることが挙げられます。さらに興味のあることには、長時間作業していても苦じゃありません。

このような特性から寝食を忘れて好きなことに集中してしまい仕事へ行くのを忘れてしまいますが、特定の分野で優秀な成績を収めたり、周囲を驚かせるような結果を残したりすることもあります。

アスペルガー症候群のコミュニケーションのあるある


続いてはコミュニケーションに関する「あるある」です。

言葉を文字通り受け取ってしまう

例えばお風呂のお湯を溜めているときに、「お風呂を見てきて」と伝えると、風呂を見るだけで戻ってしまうことがあります。「お風呂を見てきて」には、「お風呂の様子を見に行って、お水が湯船のふちから10cm下のところまで溜まっていたら、蛇口をひねって、お湯を止めてね」といった意味が含まれますが、はっきりと言語化されていない部分が分かりにくく、言われた言葉をそのまま受け取る傾向があります。

思ったことを口にしてしまう

初めて会った小柄で眼鏡をかけている人に、「小さいね。眼鏡は似合いません」と、自分が感じたことをそのまま発言してしまいます。このような発言が相手にどのような影響を与えるのか、相手が自分に対してどのような気持ちを持つのかを理解しながら話すことが苦手です。

そのため、自己中心的な人と思われたり、キツイ言い方をしてしまい相手を傷つけたり、周りの人から顰蹙を買ってしまいます。

表情が乏しい

感情表現が苦手で表情が乏しいことがあります。
喜怒哀楽の感情を表現することに、大きなエネルギーを使ってしまうからです。

そのせいか辛いときや悲しいときに表情そのものができにくくなります。相手を怒らせてしまう場合も表情が変わらないので反省していない・挑発していると相手に誤解されがちです。結果的にどんどんコミュニケーションが難しくなってきてしまいます。

アスペルガー症候群の方が仕事で抱える悩みあるある

アスペルガー症候群の人は、以下のことが仕事上で困りやすいと思われます。

  • ・上司や同僚を怒らせてしまう
  • ・急な仕事の依頼に臨機応変に対応できない
  • ・職場のルールに合わせられない
  • ・仕事のストレスで二次障害に陥る

上記の悩みについて具体的に解説していきます。

上司や同僚を怒らせてしまう

アスペルガー症候群の特徴でもある社会のルールを理解するのが苦手な点やコミュニケーション能力の低さによって生じてしまう悩みです。

いわゆる「空気が読めない」と思われたり、自分の感情のまま発言したりして相手を怒らせてしまいます。また時間の管理が苦手なのもアスペルガー症候群の特徴です。仕事に遅刻する回数が多くなってしまい評価を下げてしまうこともあります。

急な仕事の依頼に臨機応変に対応できない

アスペルガー症候群の人は現在抱えている仕事に集中しています。そのため急に別の仕事を依頼されると混乱してしまいます。時間を管理するのも苦手なので仕事の優先順位がつけられません。急な変化に対応するために気持ちを切り替えられず、新しいルールや手順を守れないこともあります。

職場のルールに合わせられない

アスペルガー症候群の方は他人から指示された通りに仕事を進めたり、提示されたルールに従えなかったりする場合があります。自分のやり方にこだわりがあるので押し通そうとしてしまいます。そのため周りから「協調性がない」と言われてしまいがちです。

また作業の一部分にこだわってしまい、それに熱中しすぎて他のことに手をつけられないこともあります。

仕事のストレスで二次障害に陥る

アスペルガー症候群は周りに障害を抱えていると見えづらいため、周囲の理解を得られない環境にあんる側面が強くあります。そうしたストレスによって一人で悩んだり、精神疾患になったりしてしまいます。厚生労働省がまとめによると「約70%」以上の人が1つの精神疾患を、「40%」以上の人が2つ以上の精神疾患を併存しているとのことです。

詳細については「大人アスペルガー症候群の特徴や症状・即できるチェックリストを解説」に記載していますのでご確認いただけると幸いです。

アスペルガー症候群の人の悩み事への対策方法

アスペルガー症候群の人がいた精神科や心療内科で治療を受けることが一番ですが、その他にも普段から注意をしておくことで生きづらさが解消される場合もあります。
まずは自分で苦手ことをリストアップところからスタートです。例えば、以下のようなリストを作ってみるといいかもしれません。

  • ・話しかけられたら「はい」と返事をして体ごと相手の方を向く
  • ・誰かを呼びかける声がしたらとりあえず声がしたほうを向く
  • ・自分が呼びかけるとき場合にはまずは相手の名前を呼ぶ
  • ・用件はいきなり切り出さずに相手の都合を確認してから話を話始める
  • ・「ありがとうございました」や「申し訳ありません」を付ける
  • ・最後まで言い切る 最後まで聞き切る
  • ・うなづきやボディーランゲージなどの会話に必要なもの以外の余分な体の動きは避けるか控える
  • ・相手と目線を合わさない そっぽをむかない
  • ・話の流れを断ち切るような行動をしたり話の途中に違う話題を切り出したりする
  • ・社内の仕事への評価・批判

コミュニケーションの部分についてはメモを取って残しておき、時間があるときにまとめておくといいでしょう。仕事の指示を受けた場合は、その場で内容を確認し、復唱しておくと忘れずに進められます。

また、職場の人にも協力を仰ぐのも方法の一つです。

  • ・窓口となる人を決める
  • ・図や文字を使って注意点や具体的に手順を指示する
  • ・複数業務を同時に指示しない

上記のようにアスペルガー症候群の苦手な部分を取り除けるような対応をしてもらうと働きやすくなるでしょう。

他にも特性にあった仕事・環境を見つけるのもいいかもしれません。アスペルガー症候群は決まったルーティンで仕事をできる職場・マニュアルがある仕事・手順が決められている仕事の場合、特性にマッチしている可能性が高いでしょう。

そうした特性を活かした仕事に就くのも視野に入れておいてください。

周りにアスペルガー症候群の人がいたら

アスペルガー症候群のある人は「空気が読めない」「怒りっぽい」などと判断されることもありますが、本人に悪意はないことがほとんどです。本人が自分の特徴・特性を把握し、周囲がその人に合わせた接し方を知ることでコミュニケーションの問題は解決できる可能性があります。

だからこそ特性を責めたりせず、できることを褒めて上げるのがコミュニケーションを取る上で大切です。また、アスペルガー症候群の人もご自分の特性を知って仕事をしたり、場合によっては特技を活かせる仕事へ転職したりすれば生きづらさが軽減されるでしょう。

お互いにアスペルガー症候群に関する知識を蓄えておくのもいいかもしれません。特性や症状を知っておくことでお互いを理解した付き合いができるでしょう。

わかりやすく動画で紹介

【実は結構多い!】大人の発達障害 現役医師がこっそり教えます

プロフィール

この記事の筆者:仲田洋美(医師)

ミネルバクリニック院長・仲田洋美は、日本内科学会認定総合内科専門医、日本臨床腫瘍学会認定がん薬物療法専門医 、日本人類遺伝学会認定臨床遺伝専門医として従事し、患者様の心に寄り添った診療を心がけています。

仲田洋美のプロフィールはこちら

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