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子どもの自閉症とは?自閉スペクトラム症との違いや治療法・上手な関わり方を解説

自閉症とは先天的な発達障害のことで、対人関係の構築やコミュニケーションを苦手とする特徴があります。そして、近年は自閉スペクトラム症という言葉に統合されました。

自閉スペクトラム症の子どもの育児は、常に不安や悩みの連続です。相談したくても同じ境遇の知人も少なく、結局ご両親だけで解決しようとしてしまいます。

そこでこの章では、自閉スペクトラム症に関する以下の内容をお伝えします。

  • ・基礎知識
  • ・合併症や治療法
  • ・上手な関わり方
  • ・社会的な支援

最後まで読むと、自閉スペクトラム症の子どもへの上手な関わり方やご両親の相談先などを知ることができます。

この記事が自閉スペクトラム症の子どもを育てるご両親の不安軽減になれば嬉しいです。

自閉スペクトラム症とは?

「自閉スペクトラム症」について、皆さんはどれくらいご存知でしょうか?

「自閉症」という言葉には馴染みがあっても、「自閉スペクトラム症」は聴き慣れないと感じる方もいます。

そこでこの章では、自閉スペクトラム症について知ってもらうため、以下の内容をお伝えします。

  • ・「自閉スペクトラム症」と「自閉症」の違い
  • ・自閉スペクトラム症の原因と発症頻度
  • ・【要チェック】自閉スペクトラム症の子どもの特徴
  • ・自閉スペクトラム症による二次的な障害

自閉症と自閉スペクトラム症の違いを理解しつつ、次章以降を読み進めるための基礎知識としてご活用ください。

 

「自閉スペクトラム症」と「自閉症」の違い

自閉症とは先天的な発達障害のことで、対人関係の構築やコミュニケーションを苦手とする特徴があります。一方の自閉スペクトラム症とは、自閉症をはじめとする「広汎性発達障害」と「アスペルガー(Asperger)症候群」をまとめたものになります。

ただし、2013年に刊行されたDSM(精神障害の診断・統計マニュアル)では「自閉症」と言う表現は廃止されており、現在では「自閉スペクトラム症」との表現が正規になりました。

厚生労働省によると、以下の条件が満たされたときに「自閉スペクトラム症」と診断されます。

  • ・複数の状況で社会的コミュニケーションおよび対人的相互反応における持続的欠陥があること
  • ・行動、興味、または活動の限定された反復的な様式が2つ以上あること(情動的、反復的な身体の運動や会話、固執やこだわり、極めて限定され執着する興味、感覚刺激に対する過敏さまたは鈍感さ など)
  • ・発達早期から1,2の症状が存在していること
  • ・発達に応じた対人関係や学業的・職業的な機能が障害されていること
  • ・これらの障害が、知的能力障害(知的障害)や全般性発達遅延ではうまく説明されないこと

これらの条件に加えて、知的・言語障害の有無、ADHD(注意欠損多動性障害)との合併も診断します。

※引用資料:厚生労働省/ASD(自閉スペクトラム症、アスペルガー症候群)について

 

自閉スペクトラム症の原因と発症頻度

我が子が自閉症の可能性がある場合、「両親は自分たちの育て方が悪かったのでは?」と責任を感じるケースも少なくありません。しかし、あなた方両親と自閉症の発症とは関係がないので、安心してください。

なぜなら、生まれつき脳機能に障害や偏りがあることが原因ではないかと考えられているからです。そのため、先天的な障害であり、育児が影響しているとは考えにくいでしょう。

ただし、自閉症が発症する原因は、今のところ明確に解明されていないのが現状です。

発症頻度は100人に1人程度と言われています。性別でみると男性の方が多く、女性の約4倍です。女性の自閉スペクトラム症では知的障害を伴うことが多い一方で、知的・言語障害が伴わないと一見障害のない方と間違われることもあります。

 

【要チェック】自閉スペクトラム症の子どもの特徴

我が子が「自閉スペクトラム症かも?」と疑うには、それなりの理由があります。そして自閉スペクトラム症の子どもには、共通の特徴があることも事実です。

以下は自閉スペクトラムの子どもの特徴です。

  • ・他者へ興味を示さない
  • ・知的・言語障害がある
  • ・同級生よりも発達が遅い
  • ・一つのことに固執する
  • ・柔軟な対応ができない
  • ・極端に感覚過敏・鈍麻がある

これらの特徴から自閉スペクトラム症の子どもは協調性が弱く、人間関係の構築が難しい性格であると分かります。周りとの関わりが苦手であるため、徐々に単独行動に固執する傾向にあります。

また、急なスケジュール変更に柔軟な対応ができず、自身のペースを乱されるとパニックや思考停止になるケースもあります。社会に出ると柔軟な対応が求められます。しかし、これらの特徴から社会に馴染めず、自分の殻に引きこもり、さらに症状が悪化するのです。

 

自閉スペクトラム症による二次的な障害

対人関係が苦手・こだわりが強いなど自閉スペクトラムの症状を「一次的な障害」と呼びます。対して、自閉スペクトラム症の症状が原因で身体・精神的な苦痛を感じることを「二次的な障害」と言います。

例えば、伝えたいことが相手に上手く伝わらず、コミュニケーションや人間関係の構築ができないことが、過度なストレスや行動意欲の低下を引き起こします。何度もそのような事態に見舞われると自分を責めたり、自己肯定感が低くなったりするでしょう。

そして過度なストレスは自律神経を乱して、以下の症状を発生するリスクがあります。

  • ・身体的な症状:頭痛、腹痛、チック、食欲不振など
  • ・精神的な症状:抑うつ状態、不安、緊張、ストレス耐性の低下など

このような一次的な障害から引き起こされる障害を、二次的な障害と言います。

自閉スペクトラム症の合併症

自閉症スペクトラム障害、平等な教育の概念

自閉スペクトラム症の約70%が1つ、40%が2つ以上の精神疾患を合併すると言われています。

具体的な精神疾患は、以下の通りです。

  • ・知的能力障害(知的障害)
  • ・ADHD(注意欠如・多動症)
  • ・発達性協調運動症(DCD)
  • ・不安症
  • ・抑うつ障害
  • ・学習障害(限局性学習症、LD)など

また、生理・解剖的な合併症として、てんかんや睡眠障害、便秘などがあります。生活に支障が出る重篤なケースから症状が目立たない軽症な人まで様々です。

これらの合併症には根治的な治療がないため、対症療法という形で治療が進められます。

※参考資料:厚生労働省/ASD(自閉スペクトラム症、アスペルガー症候群)について

自閉スペクトラム症の治療方法

大前提として、今のところ自閉スペクトラム症の根治的治療はありません。ただし、合併症や二次的な障害については、薬物療法など医療的な介入で対応する場合もあります。

現在、自閉スペクトラム症に対して行われている治療法は、以下の3つです。

  • ・生活環境の調整
  • ・カウンセリング
  • ・薬物治療

これらの治療を軸に、その子にあった関わりやサポートが行われます。

では、1つずつ解説します。

 

治療法①:生活環境の調整

生活環境の調整や日々の関わりによって、自閉スペクトラムの症状は軽減できます。

自閉スペクトラムは状況に合わせた柔軟な対応が難しい特徴があり、急なスケジュール変更を嫌います。また、ルールなど決められた範囲内で作業をすることはできますが、逸脱した場合にパニックや思考停止になります。

そこで生活上のあらゆる行動に明確なスケジュールやルールを決めておくと良いでしょう。すると自閉スペクトラム症の子どもは、行動の度に迷ったり、ストレスを感じたりすることはなくなります。

このように症状の悪化予防などの治療であれば、日常生活でも行えるのです。発症を予防することはできませんが、症状の悪化予防は両親や周囲の方の関わりでコントロールできます。

治療法②:カウンセリング(療育)

自閉スペクトラム症の方の悩みや不安に対しては、カウンセリングを用いるのが一般的です。代表的なものに「認知行動療法」があります。

認知行動療法とは、物事に対する考え方や捉え方を変えることで、ストレスの軽減やその後の行動を改善するカウンセリングの一種です。また、抑うつ状態や自閉症の悪化を予防、対人関係の改善効果も期待できます。

例えば、宿題が10問残っているとします。「まだ10問もある…」と「たったの10問で終わる!」と捉えるかで、その後の行動意欲に差が出ます。そこで認知行動療法にて「たったの10問で終わる!」という考え方に促すカウンセリングを行います。

自閉スペクトラムの症状自体の完治を目指すのではなく、症状と上手く付き合っていくためのサポートをするイメージです。

※参考資料:国立研究開発法人 国立精神・神経医療研究センター 認知行動療法センター/認知行動療法とは

 

治療法③:薬物治療

治療の基本は「生活環境の調整」と「カウンセリング」です。その上で生活に支障が出るほどの症状があれば、薬物療法の適応となります。

薬物療法が適応される代表的な症状は、以下の通りです。

  • ・かんしゃくや多動・こだわり
  • ・抑うつ状態やトラウマ
  • ・てんかんや睡眠障害など

薬物療法では副作用が起こらないように少量から始められます。そして症状の改善があり、副作用のない最小量に調整されて、長期的に薬を使用します。

内服が苦手な子どももいるため、粉・錠剤など薬の性状にも工夫が必要です。適宜、医師・薬剤師に相談して、確実に内服が続けられる方法を選択しましょう。

※参考資料:厚生労働省/ASD(自閉スペクトラム症、アスペルガー症候群)について

自閉スペクトラム症の子どもとの上手な関わり方

自閉症スペクトラム障害の少年は、ABA 療法の授業中に時計と時間を学び、先生

自閉スペクトラム症の子どもとの関わり方に絶対的な正解はありません。ただし、症状の特徴を理解した上で、その子にとって適切な関わり方を考えることはできます。

そこでこの章では、自閉スペクトラム症の特徴を踏まえた結果、考えられる上手な関わり方について、以下の3つを紹介します。

  • ・急激なスケジュール変更を避ける
  • ・理解のしやすい言葉で伝える
  • ・興味があることは尊重する

現在、自閉スペクトラム症の育児や関わりに悩んでいる方の後押しになれば幸いです。

では、1つずつ解説します。

 

関わり方①:急激なスケジュール変更を避ける

急なスケジュール変更はパニックや思考停止などの症状を引き起こす危険性があるため、注意しましょう。

というのも、自閉スペクトラム症の方は柔軟な対応が難しいからです。また自分のペースを乱されると、パニックを誘発したり、過度なストレスの原因になったりします。

そこで、徹底したスケジュール管理や一定のルールを設けておくことをおすすめします。

自閉スペクトラム症ではない私たちでも、事前にスケジュールが決められていると安心して行動できますよね。イレギュラーなことへのストレスが解消されるように関わるのも関わり方の一つです。

またご両親にとっても、イレギュラーな事象を理解してもらうための説明には労力がいります。 親子ともに無理なく関われる範囲を探りつつ、スケジュール管理やルールの設定を取り入れて見ましょう。

 

関わり方②:理解のしやすい言葉で伝える

自閉スペクトラム症の子どものストレスを軽減するために、分かりやすい言葉に言い換える工夫も必要です。

例えば、「ソファーの上にあるリモコンを取って」「あと30分で宿題を終わらせよう」のように自分のすべき行動が、しっかりとイメージできるような言葉かけをすると良いでしょう。

反対に「ちょっとそれを取って」「夕飯までに宿題をしよう」などの抽象的な伝え方になると、何をどう行動すれば良いか分からず、モヤモヤした気持ちになったり、ストレスを感じたりします。

自閉スペクトラム症の方は物事をしっかりと理解できれば行動できます。私たちの伝え方一つで、その後の行動を変えること、ストレスを軽減することができるのです。

 

関わり方③:興味があることは尊重する

自己肯定感を高めるためにも、興味のあることは尊重できる関わりをしましょう。

自己肯定感を高めることで自信や興味の幅を広げられます。自閉スペクトラム症は自分の行動に自信を持てず、常に不安を抱えています。行動自体を否定されると自分の殻に引きこもり、二度と挑戦しなくなります。

一方で自己肯定感を高める関わりをすることで、一つひとつの行動に自信を持てるようになります。その後の行動にも積極性が生まれ、「もっと挑戦したい」と感じられれば興味の幅も広がるでしょう。

両親や周りの大人の関わり方次第で、自閉スペクトラム症の子どもの感じ方は全く変わります。個の思いを尊重した関わりができるように、まず子ども自身が何を考えて行動しているかを考える習慣をつけましょう。

自閉スペクトラム症に対する3つの社会的な支援

自閉スペクトラム症の子どもの育児や経済的な負担を軽減させるなら、以下の3つの支援を活用しましょう。

  • ・治療教育(療育)
  • ・障害者手帳
  • ・特別支援教育

これらの支援を活用することで、これまで受けられなかったサポートを存分に活用できます。ご両親だけが不安や負担を感じなくとも、支援を受けながらできる範囲で育児を進めていけるようになりましょう。

 

社会的な支援①:治療教育(療育)

自閉スペクトラム症の治療の基本は「療育」です。個人の成長に合わせた教育や接し方でライフステージを確実に歩めるようにサポートします。

そこで児童福祉法に基づき、以下の施設を活用すると良いでしょう。

  • ・児童発達支援センター
  • ・児童発達支援事業所
  • ・放課後等デイサービス事業所

例えば、児童発達支援センターは、療育を担う両親の相談窓口として利用できます。厚生労働省は児童発達支援センターの役割について、以下のように述べています。

児童発達支援を行うほか、施設の有する専門性を活かし、地域の障害児やその家族への相談、障害児を預かる家族への援助・助言を合わせて行う地域の中核的な療育支援施設

公的な施設の他にも病院やクリニック、民間企業に併設された療育施設もあります。それぞれに利用料金や対象者が異なるため、状況に合わせた施設を探しましょう。

※引用資料:厚生労働省/児童発達支援センターの位置づけについて

 

社会的な支援②:障害者手帳

自閉スペクトラムの方が申請できる障害者手帳は、以下の2つです。申請することで、様々なサポートを受けられるので、ぜひご活用ください。

  • ・療育手帳
  • ・精神障害者保健福祉手帳

障害者手帳ごとの特徴については、厚生労働省の表をご覧ください。

障害者手帳

厚生労働省/障害者手帳より画像引用)

療育手帳とは、児童相談所又は知的障害者更生相談所から知的障害があると認定された方に交付される手帳のことです。障害者総合支援法に基づく障害福祉サービスや自治体により支援を受けられます。

精神障害者保健福祉手帳とは、精神障害者の自立と社会参加を促す目的に、一定以上の精神障害がある方に交付される手帳のことです。療養手帳と同様に、申請すると様々なサービスを受けられます。

これらの障害者手帳で受けられる具体的なサービスは、以下の通りです。

  • ・税金の免除・優遇
  • ・助成金による医療費負担の軽減
  • ・公共料金の割引
  • ・公共交通機関・公共施設の無料化・割引
  • ・生活保護の障害者加算

ただし、お住まいの自治体により受けられるサービスが多少異なります。詳しくは、申請前に市区町村に確認しましょう。

※参考資料:厚生労働省/障害者手帳

 

社会的な支援③:特別支援教育

自閉スペクトラム症であるなら、特別支援教育という形で社会的な支援を受けることもできます。

小・中学校には特別支援学校・学級が設置されており、その子の発達に合わせた自立支援を受けられます。学習領域は一般的な小・中学校と同様であることに加えて、作業や経験を通して理解を深める体験型の学習を取り入れた学校もあります。

また、指導方法にも工夫をします。例えば、自閉スペクトラム症は一度に複数の指示を理解するのが苦手です。口頭で複数の指示を伝えると、パニックや思考停止になることから、板書を中心とした授業形態にて、本人のペースを尊重します。

このように周りの子どもと比較することなく、個のペースを尊重した教育を通して、良好な社会性を育める自立支援が行われます。

▶詳しい内容が知りたい方は、文部科学省のページが参考になります。

※参考資料:文部科学省/自閉症・情緒障害

自閉スペクトラム症に関するよくある質問

この章では、自閉スペクトラム症に関するよくある以下の3つの質問をまとめました。

  • ・自閉スペクトラム症の診断テストはありますか?
  • ・自閉症と診断を受けた後の対応方法を教えてください
  • ・自閉症児者の親として何を心構えすれば良いでしょうか?

自閉スペクトラム症に対する疑問や不安が解消できる内容になっているので、ぜひご活用ください。

 

質問①:自閉スペクトラム症の診断テストはありますか?

自閉スペクトラム症の診断は、問診と医師の経験を踏まえつつ行われます。インターネット上に簡易的な問診票はありますが、それだけで確定診断することはできません。

つまり、専門医師の診断を受けるまでは、自閉スペクトラム症かどうかは分からないということです。

不安な気持ちを抱えたまま一人で悩んでいても解決することはあり得ません。早めに小児科や児童精神科のある病院を受診して、その後の対応方法や関わり方について相談しましょう。

 

質問②:自閉症と診断を受けた後の対応方法を教えてください

自閉症と診断されたら、症状に対する治療が必要かを医師に相談しましょう。

生活に支障が出るほどであれば、生活環境の調整や薬物治療が始まります。治療の必要性だけでなく、副作用や今後の生活への影響も合わせて聞いておくと安心できます。

また、長期的な治療が必要であり、経済的な負担が増えるため、障害者手帳を申請しておくことをおすすめします。

注意点として、精神障害者保健福祉手帳の申請には、医師の意見書が必要になります。そのため、スムーズに申請するためにも、まずは市区町村の窓口にて必要書類を確認しておきましょう。

加えて、自閉スペクトラム症と診断されたご両親の不安は計り知れません。そこで、地方自治体の設置する「発達障害者支援センター」に相談すると不安が軽減できるかもしれません。発達障害に関する情報や育児の相談などを専門家にできるのは、心強いです。

※参考資料:国立障害者リハビリテーションセンター 発達障害情報・支援センター/発達障害者支援センター・一覧

 

質問③:自閉症児者の親として何を心構えすれば良いでしょうか?

心構えとして重要なのは「自閉スペクトラム症」に対する理解を深めることです。

自閉スペクトラム症の子どもは、両親の想像外の行動や言動をする事があります。「なんでこんなことをするの?」と考えると腑に落ちないことばかりで、ストレスを感じます。

一方、自閉スペクトラム症に対する理解があれば、行動した理由を予測したり、適切な関わりをしたりできます。ひいては、楽しみながら子育てをするきっかけにもできるでしょう。

不安や悩みを一人で抱え込まないように、自助会やセミナーを活用するのもおすすめです。助けあったり、相談したりできる仲間作りで、ご両親の精神的な負担も軽減できるでしょう。

まとめ: 自閉スペクトラム症に対するサポート制度や施設を活用して負担を軽減しよう

自宅でカウンセラーと話している少年。 オフィスで小さな男の子と一緒に働く女性心理学者。 賢い少年と深刻な会話をしている若い女性の学校の心理学者

以上、自閉症・自閉スペクトラム症の基礎知識について、詳しく解説してしました。

自閉スペクトラム症とは、自閉症をはじめとする「広汎性発達障害」と「アスペルガー(Asperger)症候群」をまとめたものです。そして、私たちが聴きなれた「自閉症」はすでに廃止された言葉でしたね。

自閉スペクトラム症には根治的な治療法がないため、その子の合併症や症状の程度に合わせた対症療法をしていくのが基本です。治療についても長期的な付き合いが必要になるため、経済的な負担も考慮して、障害者手帳の申請は必須と言えます。

また成長・発達についてです。自閉スペクトラム症について正しく理解して、個のペースを尊重した関わりをすることで、確実に成長していけます。そのために、特別支援学校などの教育サポートを活用するのも良いでしょう。

自閉スペクトラム症の子どもを育てるご両親の不安は、計り知れません。児童発達支援センターや自助会など、不安や悩みを打ち明けられるサービスを活用しつつ、根気強く育児をする工夫も必要になります。

この記事が、自閉スペクトラム症についての不安や悩みを解決するきっかけになれば幸いです。

プロフィール

この記事の筆者:仲田洋美(医師)

ミネルバクリニック院長・仲田洋美は、日本内科学会認定総合内科専門医、日本臨床腫瘍学会認定がん薬物療法専門医 、日本人類遺伝学会認定臨床遺伝専門医として従事し、患者様の心に寄り添った診療を心がけています。

仲田洋美のプロフィールはこちら

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