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妊娠超初期にはどのような体の変化があるのか気になる方も多いでしょう。寒気は妊娠超初期症状の一つとされ、早い方で妊娠が成立する3週目ごろから寒気を感じることがあります。寒気が起こる原因は基礎体温の上昇などさまざまですが、原因がわかれば対策を講じることも可能です。今回は、妊娠超初期症状がどのようなものか気になる方に向けて、寒気を感じる原因と対策、医療機関を受診したほうがよい場合について解説します。
妊娠超初期の体の変化
妊娠超初期とは、妊娠0週~4週ごろを指します。ただし、医学用語ではないため、医療機関で使われることはあまりなく明確な定義もありません。妊娠による不調や体の変化が出始めるのは、早い方で妊娠が成立する3週目以降からとされています。それは生理開始の2週0日~3週0日ごろにかけて排卵、受精、着床が起こり、妊娠が成立するからです。
妊娠週数は、妊娠前の最後の生理開始日を妊娠0週0日として数えます。生理周期が28日であれば、生理1週間後の排卵日(妊娠2週ごろ)に受精が成立します。受精後およそ1週間後に着床が完了すると、妊娠の成立です。
妊娠が成立したら、体内では出産に向けて下記のような準備が始まります。
【妊娠超初期の体(内)の変化】
- □ 排卵日が過ぎても体温が高温期のまま
- □ 排卵後減るはずのプロゲステロン、エストロゲンが分泌され続ける
- □ hCG(ヒト絨毛性性腺刺激ホルモン)が分泌され始める
妊娠超初期にみられる症状
妊娠超初期には、下記のような症状がみられます。
【妊娠超初期の主な症状】
- □ 頻尿
- □ 不眠
- □ 頭痛
- □ 胃痛
- □ 胸が張る
- □ 吐き気
- □ めまい
- □ 熱っぽい
- □ 鼻水
- □ 寒気
- □ 便秘
- □ おりものの量が増える
- □ イライラする
妊娠超初期症状がみられる可能性があるのは、生理予定日の1週間前ごろ以降です。症状には個人差があり気がつかない方も多くいますが、体内では出産に向けての準備が始まっているため、この時期でも体調の変化に気付く方もいます。体調の変化には十分配慮し、症状が強く出た場合や不安がある場合は医療機関を受診しましょう。
妊娠超初期に寒気が起きたときの流産率
妊婦さんの中には「妊娠初期(超初期)に寒気が起きたら流産する」という話を耳にしたことがあるかもしれません。しかしながら、この話は医学的な根拠はなくただの噂です。
寒気と流産の関連性も明らかになっていないので必要以上に気にしないでください。ただし、寒気以外に身体のだるさや頭痛や腹痛などがある場合はすぐに病院へ行きましょう。
妊娠超初期に寒気を感じる原因は
妊娠超初期に寒気を感じる原因として、下記が考えられます。
【妊娠超初期に寒気を感じる理由】
- □ 妊娠が成立して高温期が続くから
- □ 免疫が下がっているため風邪をひきやすい(悪寒)
- □ 自律神経の乱れ
- □ 貧血
妊娠超初期には基礎体温が上昇するため体が寒さに敏感になりやすく、また、免疫力が低下している時期でもあるため、風邪をひきやすくなります。さらに、妊娠すると起こりやすい自律神経の乱れや貧血の症状として寒気を感じることもあります。ここからは寒気を感じる原因について、それぞれ詳しく見ていきましょう。
妊娠が成立して高温期が続くから
妊娠超初期に寒気を感じるのはプロゲステロン(黄体ホルモン)の分泌が増加し、高温期が続くことが原因の一つです。妊娠が成立すると、妊娠16週ごろまで基礎体温が高くなりますが、それはプロゲステロンが赤ちゃんを育てやすくするように働き、基礎体温を上昇させるからです。そのように体温が高い状態が続くことによって、寒さに敏感になる可能性があります。
免疫が下がっているため風邪をひきやすい(悪寒)
妊娠が成立すると、妊婦さんの体は免疫力を下げることで体内の赤ちゃんを異物として攻撃しないようにします。そのため、妊娠中は風邪などの感染症にかかりやすい期間です。妊娠超初期に38度以上の熱が続くようであれば、風邪による悪寒の可能性が高いといえるでしょう。
ただし、妊娠の可能性がある場合、自己判断で市販の風邪薬などを飲まないように注意が必要です。市販の風邪薬は一般的に処方薬と比べると成分の含有量が少なく効き目も穏やかであるため、胎児奇形などを引き起こす可能性は低いと考えられています。しかし、なかには大量に服用するとお腹の赤ちゃんに影響を与えてしまうものもあるので、服用する際は必ずかかりつけ医に相談しましょう。
自律神経の乱れ
自律神経が乱れると体温調節がうまくできなくなり、寒気を感じる可能性があります。妊娠が初めての方や妊活を頑張ってきた方などは、妊娠に対する期待や不安、プレッシャーなどによる精神的ストレスが大きく、自律神経が乱れやすいでしょう。
また、妊娠が成立すると、hCG(ヒト絨毛性性腺刺激ホルモン)やエストロゲン、プロゲステロンなどのホルモンが増えるため、ホルモンバランスの変化が自律神経の乱れにつながります。
貧血
貧血になると酸素や栄養が全身に運ばれにくい状態となり、熱エネルギーを生成しにくくなるため、寒さを感じやすくなる可能性があります。
妊娠すると胎盤を通して赤ちゃんに栄養を送るため血液の量が増加しますが、赤血球は液体成分の血漿ほど増加しないので血液は薄くなった状態です。さらに、お腹の赤ちゃんへの鉄分も必要となるため、より貧血が起こりやすくなります。
寒気はいつまで続くのか
妊娠超初期及び妊娠初期に起きた寒気は妊娠3ヶ月頃まで続くと言われています。理由は、原因となっている女性ホルモンのプロゲステロンの分泌が正常に戻るからです。
その頃にはつわりの症状が起きる頻度も減ってきているので食事から栄養を摂りやすくなっています。そのため身体も温まりやすくなって寒気もなくなってくるでしょう。
もし妊娠3ヶ月を過ぎても寒気が収まらないようなら医師の診察を受けてください。
寒気が起きたときの対処法
妊娠超初期に寒気を感じたときの対策には、下記の4つが挙げられます。
【妊娠超初期の寒気対策】
- □ 暖かい格好をする
- □ カイロや足湯で体を温める
- □ 温かい飲み物を飲む
- □ 体を温める食材を食べる
寒気を感じた場合、まずは体を冷やさないように上着を羽織るなど暖かい格好をしましょう。また、カイロを首の後ろや足先、腰などに使用するのも効果的です。足湯は体全体に血液が巡り体中の細胞が活性化するため、寒気対策になるだけでなく免疫機能の向上も期待できるでしょう。その他、温かい飲み物を飲んだり、体を温める食材を食べたりすることも有効な方法です。体を温める食材には、下記のようなものがあります。
【体を温める食材】
- □ 人参
- □ カボチャ
- □ ジャガイモ
- □ 自然薯
- □ 玄米
- □ 鮭
- □ 納豆
地中で育つものや、体の代謝を促す酵素が入っている発酵食品は体を温めます。反対に、地上で育つものや暑い国で育つコーヒー、発酵していない緑茶は体を冷やす食材です。寒気を感じたときにコーヒーや緑茶を飲む方もいますが、一時的に温まったように感じても実は体を冷やす食材であるため注意しましょう。
こんな寒気の場合は医療機関に相談する
妊娠超初期にみられる寒気は基礎体温の上昇や免疫力の低下によるものが多いですが、なかには危険な寒気もあります。下記のような症状がある場合は注意が必要です。
【こんな症状がある時は要注意】
- □ 高熱がある
- □ 出血や腹痛がある
高熱や出血、腹痛を伴う寒気の場合は、早めに医療機関を受診しましょう。では、どのような疾患の可能性があるのか症状別に解説していきます。
高熱がある場合
高熱に加えて喉の痛みや鼻水などがある場合は、インフルエンザなどの感染症に罹患している可能性があります。また、発熱とともに咳などが2週間以上続くケースは肺炎の可能性も考えられるでしょう。
妊娠中はホルモンの変化で尿管の動きが悪くなり、尿が出にくくなることも少なくありません。尿管が拡張することで細菌が増殖して炎症が起き、腎盂腎炎による発熱や寒気が起こるケースもあります。腎盂腎炎は早産などが起こりやすくなるといわれているため、疑いがある場合は早めに医療機関を受診することが大切です。
出血や腹痛がある場合
出血や腹痛を伴う寒気の場合、流産や子宮外妊娠(異所性妊娠)、胞状奇胎などの可能性もあるため、要注意です。子宮外妊娠とは、卵管など子宮内膜以外の部位に受精卵が着床して生育してしまう妊娠を指します。また、胞状奇胎は受精卵の異常によって生じる異常妊娠で、妊娠した子宮内にぶどうの房のようなつぶつぶが多数発生する疾患です。
出血や腹痛など体の異常を感じた場合は、速やかに医療機関を受診してください。
まとめ
妊娠超初期症状の一つである寒気の原因は、妊娠の成立によって高温期が続くことや、免疫力の低下による感染症などが考えられます。まずは自身の寒気の原因を正しく理解し、紹介した寒気対策を実践してみてください。寒気に伴って、高熱や出血、腹痛があるときは、赤ちゃんに影響があることもあるため早めに医療機関を受診しましょう。
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