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妊娠安定期はいつ?|旅行は?職場に伝えるのは安定期でいいの?

妊娠15週目くらいになると体も精神も落ち着いてくるので安定期と言われています。妊娠初期では頻繁に起きたつわりも回数が減ってきて食欲が戻ってきたり、体を動かしたくなったりする時期です。仕事や家事も安心感を持ってできるようになるため子どもが生まれたら難しいことにも挑戦したくなるなる方もいるでしょう。

しかし、いくら体調が安定しやすいと言っても妊娠していることに変わりはありません流産や早産のリスクはあるのでご自分や赤ちゃんについて注意が必要です。そこで今回は、安定期に入る直前の赤ちゃんの状態やどんな活動ができるのかを中心にご紹介します。

安定期に入る直前に胎盤が完成

安定期になると体の調子が落ち着いてくる理由の一つは赤ちゃんの胎動が完成しているからです。胎盤とは着床した後ママの子宮内に出来る円盤状の器官を指します。正常な場合、子宮上部に貼りついて赤ちゃんと一緒に成長していきます。

赤ちゃんの成長に欠かせない器官で、生産期を迎える頃には直径約20~30cm、厚さ2~3cm、重さは500~600g程の大きさになります。医院によっては産後に見せてくれることもあるそうです。実際に自分の胎盤を見たママの中には、レバーや血の塊のように見えたという人もいます。

胎盤の内部は多くの血管が張り巡らされており、その中に中隔という仕切りのような部位があります。多くの血管から集められた血液は中隔で仕切られた小部屋の中を満たしている状態です。小部屋の中には絨毛が密生していて、絨毛が血液の中から赤ちゃんに必要な栄養素を取り込んで臍帯(へその緒)から赤ちゃんに送り込んでいきます。赤ちゃんからも老廃物を送る際も絨毛が血液中への受け渡しを行っているのです。

胎盤は赤ちゃんの呼吸、排泄、食事のサポートをするのが役割です。その他にも妊娠状態を維持するためにhCGヒト絨毛性ゴナドトロピン)やhPL(ヒト胎盤性ラクトゲン)、女性ホルモンなどを分泌しています。出産まで赤ちゃんと一緒に成長していくので安定期に入っても注意する必要があります。

安定期の状態と症状

胎盤が完成する妊娠15週目を一般的には安定期と言います。その前後にはお腹の赤ちゃんもいくつかの器官ができあがっており成長スピードが早くなっていきます。だから安定期には妊婦さんのお腹が大きくなるといった見た目での変化が現われるのです。ちなみに妊娠12週目から安定期と呼ばれる妊娠15週目には赤ちゃんは以下のような状態になります。

     

  • ●器官の形成が終わり、これからは体や手足の骨、筋肉などが発達していきます。
  • ●羊水の量が増え、その中で手足を動かすようになります。
  • ●皮膚は不透明で厚くなります。
  • ●男女の外性器ができます。
  • ●目は閉じていますが、顔には胎毛が生え始め、口は開けたり閉じたりしています。

 

先述したようにつわりが落ち着いてくる時期ですが、人によってはまだひどいつわりが続く場合があります。体の変化としては赤ちゃんの成長が早くなってきてお腹の中でも形がわかってきます。性別が判別できるようになるのもこの頃です。ただし、100%ではありませんがNIPT新型出生前診断)でも性別の判定は可能です。ミネルバクリニックでは、NIPT検査時にご希望の方へ性別の判定もしておりますのでお気軽にお問い合わせください。

安定期を過ごすときの注意点

スマホ片手にお腹を撫でる妊婦さん

妊娠初期と大きな違いは流産の可能性が少なくなることです。体調も落ち着いてくるので気分が良ければ軽い運動やお出かけをしても構いません。多くのママはこの時期に出産の準備をしたり、公的支援の手続きをしたりしています。お腹が大きくなる妊娠後期だと外出するのは負担が大きくなるのでいい選択だと思います。

お食事については鉄欠乏性貧血による頭痛やめまいが起きるので鉄分の補給を忘れずにしましょう。ただし、動物性ビタミンA(レチノール)を多く含むうなぎやレバーを摂りすぎると赤ちゃんの成長に影響を与えるので1日うなぎは1/2 串、レバーは1かけ程度に留めておきましょう。ビタミンAを含むサプリメントにより過剰摂取になる可能性があります。

また、「かゆい」「シミが増える」といった皮膚のトラブルや、「毛が濃くなる」「髪の毛が抜ける」といった体の変化が起こることがあります。これは妊娠中に分泌されるホルモンが主な原因です。ほとんどが産後に収まるので心配はいりません。むやみにかいたり、ごしごしと洗ったりすると悪化するので肌を刺激しないようにしましょう。

安定期になれば旅行に行けるの?

結論から言いますと、行っても構いません。実際に旅行へ行った先輩ママさんもたくさんいます。流産の可能性が高い妊娠初期やストレスによって早産のリスクが出てくる妊娠後期に行くよりも比較的体調が落ち着いている妊娠中期や安定期に行くのがいいでしょう。具体的に言いますと妊娠16週目から28週の間ならば行きやすいでしょう。ただし、主治医と相談してOKが出たらにしてください。

それなら「今のうちに夫婦2人の思い出づくりをしたい」と思うのは当然です。ただ、お腹の赤ちゃんのことを考えたら体調も気になっていて、本当に大丈夫なのか気になると思います。そこでリスクを下げるためにも目的地や注意点をご紹介します。

まず、海外は避けてください。体調に変化が出たときにすぐに産婦人科に受診できない可能性がありますし、受けられたとしても費用面の負担が大きくなるからです。感染症にかかるリスクがあるので、人で混みあっている大規模テーマパークや大浴場のある温泉は避けてください。また、人が多すぎると事故に遭う危険も高まるのでおすすめできません。

後は、宿泊する旅館には事前に妊娠している旨を伝えましょう。行くときは体調が良くても旅行中に体調は変化する事があります。その時に旅館の方が対応しやすいようにするのも妊婦さんの務めです。出かける時期も人混みを避けるという意味で連休中は避けてください。妊娠中は頻尿症になるかもしれませんのでお手洗いに行く機会が増えてきます。人混みが多いとそれだけで負担がかかってしまうからです。

また、タイトなスケジュールだと疲れがたまってしまいストレスになるかもしれません。ストレスは妊婦さんにとって最も避けて欲しいことなのであちこちに出かけるよりも一カ所で落ち着けるような旅にしてください。山奥の温泉宿やリゾート地でゆっくりと過ごすのがおすすめです。

尚、旅行に行くときは健康保険証と母子手帳は必ず持参してください。もしかしたら旅行先の産院で診療を受けるかもしれません。その時に母子手帳があればスムーズにいきます。

安定期に旅行へ行った先輩ママの体験談

・温泉旅行に一泊二日で行ってきました。

妊娠の経過が順調で主治医の許可が出たので主人と二人で温泉旅行に行ってきました。上司から「妊婦さんは温泉に入ってはダメ」と言われたのですが、2014年に法律が改正されていて大丈夫でした。実は妊娠がわかった直後に計画していた旅行をキャンセルしていたので安定期に旅行へ行くのは二人の希望でした。箱根に一泊二日だったので心配だからとあれもこれもと持っていかず、旅館やホテル、移動中の車内などで体温調節ができるものが必須です。私の場合、冬だったので少し厚手のストールを持っていきました。ストール代わりにできたので助かりました。乾燥してしまったのでボディクリームを持っていけば良かったです。(Yさん・34歳)

・移動中はお手洗いに気をつけて

妊娠中の旅行は安定期まで待とうかと思っていましたが、初期の頃の気分転換に主人が少し離れた場所の花畑がきれいな場所まで旅行に連れて行ってくれました。その後も、安定期までは旅行に行くことがありました。春の晴れた日に牧場まで行ってのんびりできたのがとても良かったです。ただ、車で移動したので途中お手洗いに行く回数が多くて時間がかかってしまいました。もし行くなら余裕のあるスケジュールを組んだ方がいいと思います。(Mさん・30歳)

職場には安定期になってから伝えた?

妊娠、ビジネス、および仕事のコンセプト – オフィスのテーブルに座り、書類を読みながら妊娠したビジネスマンにほほ笑みかける

仕事をしている妊婦さんが避けて通れないのが職場への伝達です。いつ伝えたら上司や同僚にできるだけ迷惑をかけないで済むのか気になるでしょう。色々なサイトのアンケート結果を見てみると「上司にはすぐに報告した」というのと「同僚には安定期になってから」というのが多いようです。上司にすぐに伝えた理由としては「つわりがひどくなって業務に支障が出るから」「立ちっぱなしの仕事なので何かあってからでは遅いと思って」といった仕事への影響を考えてのことです。

一方、同僚に伝えたのは安定期になってからというのが目立ちます。理由はやはり流産の可能性があるので安定期になってからというのが目立ちます。ただし、同僚にも上司と同じタイミングという方もいます。なぜなら仕事の引き継ぎがあるからといった職場に影響を与えないための気遣いからがほとんどです。友達には安定期になってからが多いようです。

職場に妊娠を伝えるときは「わかってくれるだろう」という思い込みは捨ててください。全員が妊娠に対して正しい知識を持っているとは限らないからです。そのため以下の三つについては時間がかかってもいいのできちんと説明をしましょう。

     

  • ・妊婦の体調のこと
  • ・これからの仕事内容について
  • ・産休・退社について

 

安定期になってから妊娠を伝えたママさん

・「安定期になってから報告しました。ちゃんと胎児が成長してくれるのか確かになる時期じゃないと不安だったから」(36歳/営業・サポート職)
・「早すぎてもし流産したらいやだから安定期になるまで待った」(31歳/金融・証券/専門職)
・「つわりが落ち着き、流産の心配も少なくなる安定期までは、職場への報告はしないでおきました。ただ、女性が多い職場だったので、私が具合悪そうにしている様子をみて、妊娠したことに何となく気づく人も多かったようです」(33歳/医療・福祉/専門職)

妊娠初期に伝えたママさん

・「つわりがひどくなり、仕事を休みがちになったから」(37歳/秘書・アシスタント職)
・「つわりがひどかったので、安定期まで我慢できずに報告しました。」(37歳/情報・IT/事務系専門職)
・「仕事上、妊娠すると仕事の内容を替えなきゃいけないから」(28歳/医療・福祉/専門職)

まとめ

ここまで妊娠安定期で落ち着いて過ごせる理由や安定期に旅行へ行くときの注意点などを詳しく紹介しました。安定期といってもお腹が大きくなったり、時期によっては切迫流産・早産が起きる可能性もあったりと油断はできません。無理をしないで落ち着いて過ごせるようにご自分の体と相談しながら環境を整えてください。

産婦人科で検診を受けた際に主治医と相談しながら旅行に行ったり、マタニティフォトといったイベントごとを経験しておいたりするのもその一環です。出産準備に入ると両親学級へ行く機会も出てきて、他の妊婦さんとの交流も生まれてくるのでお互いに励ましあいながら元気な赤ちゃんが生まれるよう頑張りましょう。

東京の「ミネルバクリニック」は臨床遺伝専門医が在籍するNIPT実施施設であり、たくさんの妊婦さんの悩みや不安と真摯に向き合い、笑顔になれる出産に導いてきました。ミネルバクリニックでは、妊娠9週から受けられる赤ちゃんの健康診断である「NIPT」を業界最新の技術と業界随一の対象疾患の広さで行っております。遺伝のエキスパートである臨床遺伝専門医が出生前診断を提供しておりますので、是非、お気軽にご相談ください。妊娠初期からの出生前診断を受ける医療機関にお悩みの方は、知識・経験・実績とも「第三者から認証されている」臨床遺伝専門医が診療している「ミネルバクリニック」まで是非、ご相談ください。

プロフィール

この記事の筆者:仲田洋美(医師)

ミネルバクリニック院長・仲田洋美は、日本内科学会内科専門医、日本臨床腫瘍学会がん薬物療法専門医 (がん薬物療法専門医認定者名簿)、日本人類遺伝学会臨床遺伝専門医(臨床遺伝専門医名簿:東京都)として従事し、患者様の心に寄り添った診療を心がけています。

仲田洋美のプロフィールはこちら

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