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胎児の成長過程とは?ママがストレスを溜めないことの重要性も紹介

妊娠がわかって喜びを感じたのも束の間、ママにとっては赤ちゃんがお腹の中で順調に育っているのか、経過に問題はないかと心配になってしまうものです。

妊婦健診では赤ちゃんの様子を超音波検査で見られますが、それ以外では赤ちゃんの様子がわからないため、「今赤ちゃんはどんな状態なんだろう‥」と発育具合が気になってしまいます。

また、少し普段と違うかもと感じただけで不安になってしまうママも多く、それがストレスとなってお腹の赤ちゃんにまで影響を及ぼしてしまう可能性も。

そこでこの記事では、胎児の成長過程とママがストレスを溜めないことの重要性をご紹介します。

最後に胎児発育曲線についてもご紹介するので、母子手帳で確認する際の参考になさってみてください。

胎児の成長過程

胎児のイメージ画像

赤ちゃんはママのお腹の中でおよそ10か月の間成長し、一生懸命産道を通ってやっと産声をあげます。

病院で妊娠の確定診断を受け、超音波検査で赤ちゃんの様子を目にすると、自分のお腹に赤ちゃんがいることをやっと実感できることでしょう。

ここでは、お腹の赤ちゃんが胎児と呼ばれる時期にどのように成長していくのかをご紹介します。

胎児になるまで

月に1度、卵巣から卵管へと放出された卵子は、性交後精子と出会い受精します。受精卵は細胞分裂を繰り返しながら卵管を下って子宮へと移動しながら細胞でできた球になり、それから胚盤胞と呼ばれる状態となっていくのです。

胚盤胞は子宮に入ると子宮内膜に着床。そこで胚盤胞は胎芽へと成長していきます。

胎芽という言葉は聞いたことがないという方も多いかもしれませんが、実は正確にいうと妊娠9週頃までは胎児ではなく「胎芽」と呼ばれる状態なのです。

妊娠初期

妊娠初期とは、妊娠数週でいうと妊娠4週目〜15週目、妊娠月でいうと妊娠2か月〜4か月までのことです。

上記でもご紹介したように、妊娠4週目〜7週目頃までは胎児ではなく胎芽と呼ばれ、人間が生きていくうえで大切な器官の基がつくられていきます。

妊娠6週目頃から骨格や筋肉ができはじめ、顔と首も発達して黒い目もはっきりと見えてくる時期です。心臓も受精後5週目の終わり頃からできはじめ、妊娠6週目には心室と心房に分かれてママの倍速で脈を打ちます。

そして妊娠8週頃には手や足の指もヒトらしくなり、お尻の尾も消失。この頃からは細胞の分化ではなく成長が主になるため、「胎児」と呼ばれるようになるのです。

妊娠9週目頃からの胎児はさらにヒトらしい形になり、耳たぶや爪、髪の毛など頭部の細かい部分もわかるようになってきます。

その後、妊娠12週頃の妊娠4か月頃になると胎盤も完成。器官の形成をほとんど終え、外性器などの形成が始まります。運がよければ胎児が羊水の中でおしっこをしている様子が超音波検査で見られるかもしれません。

妊娠中期

妊娠中期とは、妊娠16週目〜27週5日まで、妊娠5か月〜7か月までの期間です。安定期と呼ばれるこの時期は、ママの体調も安定し、だいぶ過ごしやすくなっているのではないでしょうか。

妊娠16週目からの胎児は、触覚や聴覚といった感覚器官が発達してくるため、外の音が聞こえるようになっています。また、ママがもっとも気になっている性別がわかってくる時期でもあります。

体は4頭身ほどになり、皮下脂肪もつきはじめるため、赤ちゃんらしい体つきになった胎児は動きも活発に。胎動を感じられるようになるのも、妊娠5か月を過ぎたこの時期です。

さらに妊娠6か月になると、生まれたあと呼吸をするときに肺を広げる助けになる非常に重要な肺サーファクタントがつくられはじめ、妊娠24週目から妊娠27週6日までの妊娠7か月頃には、肺の機能が成熟していきます。

その頃には、血液を作る場所も肝臓から骨髄へと移行。まぶたもできて瞬きをするようになり、ママのお腹の外でも生育可能となります。ただし、その場合は新生児集中治療室でのケアが必要です。

妊娠後期

妊娠後期とは妊娠28週目、妊娠8か月以降のことです。さらに大きく成長した胎児は、徐々に生まれたあとの生活準備をはじめます。

この頃になると、ほぼすべての臓器が完成し、消化器系や呼吸器なども活発に活動するようになります。妊娠6か月頃からつくられはじめていた肺サーファクタントも十分な量分泌され、生まれたあとのように睡眠と覚醒を繰り返すように。皮下脂肪も増加して体がさらにふっくらとするため、シワシワだった顔も赤ちゃんらしくプリプリしてきます。

そして臨月と呼ばれる妊娠10か月、妊娠36週目には胎児のすべての器官が完成し、少しずつ骨盤内へと下がり、生まれるときを待ちます。

ママがストレスを溜めないことの重要性

妊娠中の夫婦

妊娠中のストレスは胎児に悪影響であることをご存知ですか?

妊娠中は、穏やかに過ごしたいと思っても実際はなかなかうまくいかず、今まで経験したことのない急激な体の変化に戸惑ったり、自由に動けないことでストレスを感じてしまう妊婦さんもいます。

ここでは、妊娠中のママがストレスを溜めないことの重要性をご紹介します。

ストレスの多い生活が胎児に与える影響

日本では妊娠中のストレスについてあまり問題視されていませんが、海外ではさまざまな実験がされており、多くのデータがあります。

以下は、ママのストレスが胎児に与える影響の例です。

  • 胎児の栄養不足
  • 自然流産のリスクが増加
  • 早産、低体重児の増加
  • 赤ちゃんが成長したあとの精神的疾患

発達障害やADHDなどの自閉症スペクトラム障害については、胎児の脳や神経系の発達に影響するとの研究結果もありますが、原因がさまざまであるため、ストレスが原因であるとは一概にはいえません。

ママがストレスを感じる原因というと、一般的に不安や心配事、怒りなどの精神的なものを思い浮かべる方が多いです。しかし、実はストレスを感じていると自覚していなくても、体がストレス状態になっているママも多いので注意が必要です。

ママが自覚しにくいストレスの例としては、以下のようなものがあります。

  • 騒音や暑さ、寒さなどの厳しい環境
  • 疲労
  • 栄養不足
  • 妊娠中の禁止事項に過敏になっている

上記の中でもとくにありがちなのが、体を冷やしてはいけない、バランスの整った食事をしなければいけないなど妊娠中にしてはいけないこと、しなくてはいけないことに過敏になり過ぎているケースです。

このような場合、自分自身ではストレスがあると自覚していないことが多く、気がつかない間に赤ちゃんに影響を与えている可能性があります。

おすすめのストレス発散方法

ストレスから赤ちゃんを守るためには、まずは基本的な生活習慣を無理のない範囲で整えることからはじめましょう。

以下はおすすめのストレス発散方法です。

  • ウォーキング
  • カラオケ
  • お友達とランチ
  • 趣味に時間を使う
  • しっかり睡眠をとる

妊娠中はすぐにイライラしてしまう方も多いです。その場合はイライラしないように時間に余裕を持って行動し、これくらい仕方がないと思って過ごすようにしましょう。

また、夜よく眠るためにも昼間のうちに軽いウォーキングや散歩などで体を動かしておくのがおすすめです。ただし、お腹が張っているときや気分が悪いときは無理をせず、また明日やればいいやくらいの気楽な気持ちでいることも大切です。

胎児発育曲線とは

人死因中の女性と胎児の発育曲線を見ながら説明する医師

母子手帳にある、胎児発育曲線というグラフを見たことはありますか?胎児発育曲線は、お腹の赤ちゃんが何グラムくらいに育っていると順調なのかを妊娠週数で表したものです。

母子手帳の後半部分にある、任意様式と呼ばれるところに掲載されており、日本国内の赤ちゃんのデータのみで早産の赤ちゃんなどは含まずにつくられている曲線グラフです。

発育が順調であることの指標とするためにつくられたものではありますが、健康な胎児の中には大きい子も小さい子もいて、数人はこの線から外に出ます。

検診の際に医師から「大きい子だね」とか「小さいね」といわれ、不安になってしまうママもいらっしゃいます。しかしグラフの線からはみ出ているからといって、必ずしも問題があるというわけではないので心配し過ぎないようにしましょう。

まとめ

胎児の成長過程とママがストレスを溜めないことの重要性、胎児発育曲線についてご紹介しました。

お腹の中でとても早いスピードで成長を続ける赤ちゃん。ママは胎動と超音波検査で赤ちゃんの様子を知ることしかできないので、赤ちゃんが今どのように成長しているのか、健康なのかは気になるところです。

妊娠中、とくに妊娠初期はヒトにとって大切な器官が形成される時期なので、ストレスを溜めないように注意しながら生活するようにしましょう。

妊娠中期では形成された器官の機能が向上し、ママのとった栄養が胎盤を通して胎児へと送られるため、ママはバランスのよい食事を心がけることが大切です。そして妊娠後期では体に皮下脂肪がつき、生まれたあとの生活に向けての準備がはじまります。

お腹の赤ちゃんを守れるのはママだけです。そのため、妊娠中は無理をせず、心穏やかに生活できるように気をつけましょう。

東京の「ミネルバクリニック」は臨床遺伝専門医が在籍するNIPT実施施設であり、たくさんの妊婦さんの悩みや不安と真摯に向き合い、笑顔になれる出産に導いてきました。妊娠初期からの出生前診断を受ける医療機関にお悩みの方は、知識・経験・実績とも「第三者から認証されている」臨床遺伝専門医が診療している「ミネルバクリニック」まで是非、ご相談ください。

プロフィール

この記事の筆者:仲田洋美(医師)

ミネルバクリニック院長・仲田洋美は、日本内科学会認定総合内科専門医、日本臨床腫瘍学会認定がん薬物療法専門医 、日本人類遺伝学会認定臨床遺伝専門医として従事し、患者様の心に寄り添った診療を心がけています。

仲田洋美のプロフィールはこちら

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