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着床時に発生する「着床痛」を知っていますか?着床痛とは、精子と卵子が出会って受精卵となり、子宮内膜に根を張る着床時に発生する痛みのことを指します。発生する痛みの度合いには個人差があり、チクチクとした下腹部への痛みが一般的です。
はたして、この着床痛は本当に存在するのでしょうか?また、いつ発生するのか?どれくらい痛いのか?など、それらが気になる方もいるはずです。
そこで今回は、着床痛の基礎概要、妊娠初期の代表的な症状について解説します。着床痛の不安が解消することにより、妊娠について前向きに考えられるでしょう。
着床痛とは
着床痛とは、精子と卵子が出会って受精卵となり、子宮内膜に根を張る着床時に発生する痛みのことです。着床のタイミングで下腹部にチクチクとした痛みが生じます。
しかし、この着床痛は医学的に証明されたものではなく、原因や真意はハッキリとしていません。着床時の痛みは、妊娠によるホルモンバランスの変化が影響しているとも考えられています。また、着床痛は妊娠した人全員に発生するものではなく、生じる痛みの度合いには個人差があります。
着床痛の「時期」「期間」「痛み」について
着床痛が医学的に証明されていなくとも、どんな症状であるのか気になる方もいるはずです。そこで本項では、着床痛の時期や期間、痛みについて解説します。着床痛に対する不安が取り除けるでしょう。
着床痛が発生する時期や期間
着床痛が発生する時期や期間には個人差があるといわれています。着床痛が生じやすい時期は、受精後の7日目が目安となります。これは生理予定日の前後にあたる期間であるため、生理痛と勘違いされやすい傾向があります。
また、着床痛は一瞬だけ痛みを感じる、数日間痛みを感じ続けるなど、痛みの期間は人によって異なります。
着床痛の痛みについて
着床痛の感じ方は、チクチクとした痛みからツーンとした痛みまで人それぞれです。とはいえ、生理痛に比べて軽度であるといわれているため、そこまで心配になる必要はありません。痛みが悪化した場合は早めに病院やクリニックを受診しましょう。
なお、着床痛が発生する箇所は下記のとおりです。
- 腹部の奥
- お腹や腰回り
- 足の付け根
このように着床痛の感じ方には個人差があり、痛む身体の箇所も人それぞれです。また、人によっては身体の痛み以外にも、頭痛や吐き気などが生じるケースもあります。
着床痛以外に起こる妊娠初期の代表的な症状
ここまで着床痛について解説しましたが、妊娠初期には着床痛以外にも複数の症状が起こります。そのため本項では、妊娠初期の代表的な症状を1つずつみていきましょう。
着床出血
着床痛が発生する同時期には、着床出血も発生することがあります。着床出血とは、受精卵が子宮内膜に着床するときに生じる出血のことです。着床痛と同じく発生には個人差があり、4人に1人ほどの割合でしか生じません。
また、出血の色はピンク色や鮮血色、茶色などさまざまです。生理予定日の前後に発生することから、生理との区別がつきにくいのが特徴で、出血は1〜4日ほど続くとされています。
この着床出血が発生したことにより流産の心配をする方もいますが、着床時に出血することは一般的であるため過度な心配はいりません。もし出血が長続きするようであれば、病院やクリニックへ相談しましょう。
おりものの変化
妊娠によるホルモン分泌の増加によって、おりものが変化します。変化の度合いは個人差がありますが、以下のような点があげられます。
- 乳白色や茶色など色が変わる
- 量が増加する
- 状態が水っぽくなる
- においが変化する
シートや下着につくおりものにより、変化を実感することになるでしょう。なお、おりものがあまりにも異臭である場合は、近くのクリニックへ相談することをおすすめします。
生理が来なくなる
妊娠の兆候として最もわかりやすい代表例が生理が来ないことでしょう。生理が規則的な人にとっては、生理予定日から1週間ほど遅れるだけで妊娠の可能性が持たれます。
なお、生理は子宮内の子宮内膜が剥がれ落ちることで発生する症状です。しかし、妊娠すると子宮内膜は排出されることなく役割を全うするため、生理が来なくなるという仕組みです。
急激な眠気や倦怠感
妊娠の初期段階では、ホルモンバランスの変化から急激な眠気や倦怠感が引き起こります。例えば、体がだるくて朝起きられない、昼間なのにとても眠い、何事に対してもやる気が起こらないなどがあげられます。
妊娠初期によくある症状であるため、無理をせず身体を休めることが重要となります。症状が悪化する場合は病気の可能性もあるため、すぐに病院やクリニックを受診してください。
イライラや不安感が強くなる
妊娠期はプロゲステロンというホルモンの影響により、精神的な不安や情緒の不安定が起こりやすくなります。また、イライラや不安が蓄積することで胃痛や腹痛につながる可能性もあります。
なお、これら症状が生じたとしても薬は避けるべきです。薬の飲みすぎは赤ちゃんに影響を与えることがあるため、どうしても症状がつらい場合は、担当の産婦人科医師に相談するようにしましょう。
胸の張りや痛み
妊娠することで卵胞ホルモンと黄体ホルモンが増加し、胸の張りや痛みが発生するケースがあります。これは乳腺や乳管が発達するためだとされています。この胸の違和感は妊娠初期に現れる症状ではあるものの、生理前にもみられるため区別がつきにくいことが特徴です。
トイレの回数が増える
妊娠初期は、トイレの回数が増え、頻尿になりやすい状態です。この頻尿はプロゲステロンというホルモンの影響から、膀胱周りの筋肉が緩んでしまうことが原因だとされます。
この際、無理にトイレを我慢すると膀胱炎になる可能性があるため注意が必要です。身体を冷やさないようにすることにより、トイレの回数を抑えることができます。
食欲の大幅な変化
妊娠初期には食欲の大幅な変化が起こることがあります。この症状もホルモンバランスの変化によるもので、自律神経が乱れて味覚が変わることも考えられます。具体的には下記のような症状があげられます。
- 食欲が急激に増す
- 食欲が一切なくなる
- 好みだった食べ物が食べられない
- 嫌いだった食べ物が食べられる
- 特定の食べ物ばかり食べる
このように、妊娠によって食欲の大幅な変化がもたらされます。しかし、食べ物は体調管理に大きく影響を及ぼすため、栄養を考えて意識的に摂取する必要があります。胎児の成長を促進させるためにも、栄養バランスを考えて食事をとりましょう。
妊娠の可能性がある場合の検査方法2つ
妊娠初期の代表的な症状は大まかに理解できたでしょうか?次に、妊娠の可能性がある場合の検査方法を2つ紹介します。妊娠を待ち望んでいる方にとっては、着床の有無が非常に気になるはずです。妊娠の可能性がある方は下記の方法を試みてください。
妊娠検査薬を使用する
着床痛などが発生して妊娠の可能性がある場合、まずは市販の妊娠検査薬を使用しましょう。一般的には生理予定日の1週間後から使用することができます。妊娠検査薬は尿中の「hCG」を検知しており、「hCG」は妊娠中に分泌されるホルモンであるため検査精度は99%以上だとされています。
検査方法は妊娠検査薬に尿をかけるだけであり、検査は1分ほどで終わります。その際、妊娠検査薬に陽性ラインが出れば妊娠を示します。市販されている妊娠検査薬でも性能が高いことから、陽性反応が出た場合は妊娠している可能性が非常に高いとされます。
妊娠検査薬の使い方は以下をご参照ください。
- 妊娠検査薬に尿をかける
- 判定が出るまで水平にして待機する
- 判定結果を確認する
産婦人科を受診する
市販の妊娠検査薬で陽性反応が出たあとは、妊娠5~6週を目安に産婦人科を受診しましょう。産婦人科では超音波や内診によって妊娠の確認を行います。
また、妊娠の有無だけでなく、妊娠や出産についての相談も可能です。妊娠の異常性などの検査もできるため、妊娠の可能性が強い場合は早めに受診することをおすすめします。なお、産婦人科では以下のような質問をされることがあります。
- 妊娠・出産歴
- 飲酒・喫煙歴
- 未婚や既婚などの家族構成
- 最終月経・生理周期
- 初めて生理になった年齢
- 内服中の薬・アレルギーの有無
- 心身の不調
- 出産希望かどうか
- 妊娠検査薬の陽性判定が出た日付
これらを踏まえて、産婦人科での受診を行いましょう。また、服装はワンピースやスカートなど、脱ぎ着しやすいものがおすすめです。
まとめ
本記事では、着床痛の基礎概要、妊娠初期の代表的な症状、妊娠の検査方法について解説しました。
着床痛とは、子宮内膜の着床時に発生する痛みのことであり、下腹部にチクチクとした痛みが生じます。とはいえ、この着床痛は医学的に証明されているものではありません。また、妊娠初期には着床痛のほかにも、着床出血、おりものの変化、急激な眠気などが起こる可能性が考えられます。これら妊娠の不安や悩みを解消するためにも、ぜひ本記事を参考にして事前に知っておきましょう。
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