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これから人工授精の治療をはじめようとしているカップルは、人工授精でどの程度の妊娠率があるのかが気になるのではないでしょうか。
実際、人工授精は年齢とともに妊娠率は下がるといわれていて、数回の治療で妊娠しなければ次のステップにすすむことになります。
また、人工授精の治療中に日常生活で少し気を付けるだけで、妊娠率が上がるといわれていることをご存知ですか?
妊娠率が上げるにはどうしたらよいかを知ることで、人工授精をより成功に導くことができます。
この記事では、人工授精と体外受精の違いについて、人工授精での妊娠率、日常生活でできる妊娠率をUPさせる方法をご紹介します。
人工授精をはじめようとしている方は、ぜひ参考にしてみてください。
人工授精と体外受精の違い
人工授精と体外受精は同じと思っている方も多いのですが、実は人工授精は一般不妊治療、体外受精は高度生殖医療とされていて、全く別の治療となります。
人工授精は、事前に採取した男性の精子を洗浄し、活発に運動している精子だけを排卵日に子宮内に戻し妊娠を目指す治療です。
一方体外受精は、卵子を子宮内から取り出し、体の外で精子と結合させ培養します。
培養後、細胞分裂が見られれば子宮内に戻し、その後は子宮内での着床を目指す治療です。
人工授精を行う方は以下のような方です。
- タイミング法を1年近く続けても妊娠に至らなかった
- 男性の性交障害
- 精子の数が少ない、運動量が少ない
- フーナーテストの結果が悪い
タイミング法を行っても妊娠に至らなかった場合や、さまざまな検査を行っても不妊の原因がわからない場合は、人工授精のステップに進みます。
さらに、人工授精を数回行っても妊娠に至らなかった場合は、次のステップが体外受精となります。
人工授精での妊娠率
人工授精での妊娠率は、年齢とともにさがっていきます。また、回数を重ねるごとの累計の妊娠率は上昇しますが、それまでに妊娠に至らない場合は数回で次のステップに進むことになります。
ここからは、人工授精での妊娠率を詳しくご紹介します。
年齢とともに妊娠率は下がる
人工授精での年齢別の妊娠率は以下のようになっています。
- 29歳以下…11%
- 30~34歳…9%
- 35~39歳…8%
- 40歳以上…5%
女性の年齢が40歳以上になると、妊娠率が下がるので回数を重ねずに次のステップにすすむ場合もあります。
女性は年齢が上昇するにつれて、卵子の質が低下するといわれていて、そのために妊娠率も低下します。
女性は100~200万個の卵子を持って生まれるとされていて、新しく卵子が作られることはありません。
加齢とともに徐々に卵子の数は減っていくことに加えて、排卵されるまでの間、卵巣内でさまざまなストレスにさらされ続けていることによって、卵子の質が低下していきます。
そのため、加齢とともに妊娠率が下がっていくことにつながり、40歳を過ぎると急速に妊娠率は下がります。
人工授精でどの程度の方が妊娠するか
人工授精での妊娠率は平均で5~10%といわれていて、9割以上が人工授精を5~6回行うことで妊娠しているため、6回以上続けても妊娠に至らない場合はステップアップを検討します。
以下は、人工授精をどの程度続けると妊娠するかというデータです。
- 1回目…37%
- 2回目…27%
- 3回目…16%
- 4回目…10%
- 5回目…6%
- 6回目以上…3%
回数を重ねるごとに累計の妊娠率は上昇していきますが、6回目を過ぎるとその数値は伸びない傾向にあります。
日常生活でできる妊娠率をUPさせる方法
不妊治療をするにあたって、妊娠率をUPさせるために自分の食生活や日常生活に気を付ける必要があります。
ここからは、日常生活でできる妊娠率をUPさせる方法をご紹介します。
バランスのとれた食生活を心掛ける
妊娠しやすい体をつくるといわれている栄養素や食材は以下です。
- 葉酸…えだまめ、ほうれんそう、納豆、レバーなど
- オメガ3脂肪酸…サケ、マグロ、カニ、カキなど
- ビタミンD…サケ、マグロ、サバ、牛レバー、バター、チーズ、きのこ類など
- 抗酸化ビタミン…緑黄色野菜、ブロッコリー、ジャガイモ、かぼちゃ、アボカド、うなぎなど
- 鉄…レバー、牛ひれ肉、カツオ、イワシ、あさり、カキ、小松菜、ホウレンソウなど
- 亜鉛…カキ、うなぎ、さんま、レバー、卵、納豆、ナッツ類など
近年注目されている葉酸は、細胞分裂を助けて着床や卵子の成長に欠かせない栄養素です。
さらに、適正な血糖値を保つ役割があるオメガ3脂肪酸や、卵胞発育を向上させるとされているビタミンDの含まれた食材も多くとるようにしましょう。
活性酸素を除去する抗酸化ビタミン(ビタミンA、C、E)や子宮環境を向上させる鉄、卵子を成長させ受精卵を育成させる亜鉛も積極的にとりたい栄養素です。
これらの栄養素が含まれた食材をバランスよくとることが重要ですが、仕事の環境等でなかなか自炊ができないという方は、サプリでその栄養素をとるのもおすすめです。
適度な運動を取り入れる
適度な運動で体重を減少させることで、生殖能力の上昇に効果があるとされています。
しかし、過度な運動をすることは排卵障害を起こす可能性が否定できないため、不妊治療中は適度な運動を取り入れるようにしましょう。
毎日30分の運動をしている女性は不妊のリスクが低いことが研究結果として発表されているほどで、毎日の軽い運動は不妊治療中に推奨されています。
軽い運動として以下のような運動がおすすめです。
- ウォーキング
- サイクリング
- ヨガ
- ゴルフなど
時間は20~30分以上を心掛けましょう。2時間以上運動を続けるような過度な運動は避け、軽く体を動かす程度の運動を毎日することが重要です。
冷えには注意
妊娠しやすい体をつくるためには、血行をよくし卵巣に十分酸素を行き渡らせることが重要です。
以下の方は冷え性対策が必要です。
- 平熱が36度未満
- むくみがひどい
- 便秘がち
- 肩こりや腰痛がひどい
- 冷たい飲み物や食べ物を好む
- お風呂に浸かる習慣がない
このような方は、冷え性の可能性があるので対策を行い冷え性を治すことが重要です。
体を温めるためには、以下のようなことを行いましょう。
- 体を温めるような食材や飲み物をとる
- シャワーで済まさずにお風呂にゆっくり浸かる
- マッサージをして血行促進する
冷たい食べ物や飲み物を好む方は、できる限り温かい温野菜やスープを食べる、温かい飲み物を飲むなどの食生活での工夫も必要です。
ごぼうや黒ゴマ、山芋などは体を温めてくれる食材なので、積極的に取り入れるようにしましょう。
普段シャワーで済ませることが多いという方は、湯舟にゆっくり浸かって体を温めるようにしましょう。血行が良くなり気分がリラックスすることにつながります。
さらにお風呂上りにはお気に入りのオイルを使って、ゆっくり体をマッサージする時間をとりましょう。
マッサージを行うことで、血行やリンパの流れを良くし、冷えの改善とともに老廃物を除去できます。
ストレスを溜めないようにする
不妊治療中のストレスは、妊娠率に関係があると国内外の研究であきらかになっています。
ストレスによって、脳の下垂体から分泌される産後に乳腺を刺激するホルモンであるプロラクチンの分泌量が増えるといわれています。
プロラクチンには排卵を抑える働きもあるため、ストレスによってプロラクチンが分泌されてしまうことで、妊娠率を下げてしまいます。
とくに不妊治療がうまく成功せずにイライラしたり、プレッシャーを感じたりしている方は要注意です。
なかなか妊娠しないストレスを感じているときに「ゆったりした気持ちで」と言われても難しいと感じることがある方も多いのですが、そのストレスこそが妊娠率を下げている原因になっている可能性があるということを理解しましょう。
ストレスを軽減するために、少し不妊治療を休んでみたり、気分転換にエステに行ってみたり、自分がゆったりした気持ちになれる環境をつくることも重要です。
体重管理をする
肥満もしくは低体重は不妊原因となります。太りすぎも痩せすぎも妊娠しにくい体をつくってしまうのです。
肥満は体のなかでエストロゲンが過剰に産生されることが原因で、排卵が起こりにくくなります。
低体重は反対に、エストロゲンが十分に産生されず、生理周期が不規則になったり、排卵障害が起こったりします。
健康的な体重を維持するために、以下のことに気をつけましょう。
- 3食バランスよく食べる
- 便秘を解消させる
- 適度な運動を行う
- 睡眠をしっかりとる
- ストレスを溜めない
体重管理をしっかり行うことは、健康管理になるとともに妊娠しやすい体つくりにつながります。
適正体重を維持できるよう、毎日の生活に気を付けることが重要です。
まとめ
人工授精と体外受精の違いについて、人工授精での妊娠率、日常生活でできる妊娠率をUPさせる方法をご紹介しましたが、参考になりましたか?
人工授精での妊娠率は、5~10%といわれています。妊娠率を上げるためには、日常生活で気を付けるべきポイントを押さえることが非常に重要です。
また、喫煙や過度な飲酒も妊娠率を下げることにつながります。そしてこの生活習慣は、女性だけではなく男性も気を付けるべき内容です。
不妊治療は二人で行うもので、女性だけに原因があるわけではないので、夫婦で食生活の改善や日常の適度な運動を行い、妊娠率をUPさせられるよう取り組みましょう。
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