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高齢出産は何歳から?初産の妊婦さんに役立つ知識を紹介

妊活を頑張ってきた妊婦さんにとって、赤ちゃんはまさに天から授かった宝物です。

初めて出産に臨む妊婦さんは、妊娠後に自身の健康管理や赤ちゃんの健康状態のチェックなどさまざまな準備が必要となってきます。

高齢出産を迎える方は、年齢を重ねるごとにリスクが高まる疾患や流産・早産に対する知識を身につけておく必要があり、早い時期から出生前診断を受けておくことも大事な準備となります。

この記事では、何歳から高齢出産にあたるかをご説明した後、高齢出産且つ初産の妊婦さんに役立つ知識を詳しくご紹介していきます。

35歳以上の妊婦さんへ

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高齢出産は何歳から?

妊娠
ここからは初産で高齢出産を迎える方、または将来的に高齢出産になる女性に向けた内容となりますが、そもそも何歳から高齢出産になるかを皆さんはご存知でしたか?

日本産婦人科医会は、35歳以上の女性が子どもを出産することを高齢出産としており、初産で高齢出産になる女性を高年初産婦という呼び方をしています。

高齢出産が35歳以上の妊婦さんという定義になったのは1991年以降であり、30歳以上の初産婦が増えたことがきっかけで35歳以上に引き上げられた歴史があります。

50歳以降の超高齢出産もみられ、世界では2008年と2016年にインドで72歳の女性が不妊治療を経て出産したと報告されています。

妊娠は高齢になるほど母体や胎児に危険を及ぼすリスクが高まるため、高齢出産を迎える方は通常よりもたくさんの知識を得ておかなければなりません。

また、将来的に高齢出産になる女性も妊娠前から健康管理をしっかり行うことが大事になってきます。

初産で高齢出産に臨む妊婦さんに役立つ知識

役に立つ知識
35歳以上の女性の出産が高齢出産となりますが、35歳未満の妊娠と一体何が違うのか気になるかと思います。

そこで、高齢出産のメリット・デメリットやさまざまなリスクなど、初産で高齢出産に臨む妊婦さんに役立つ知識を7つご紹介していきます。

高齢出産のメリット

高齢出産に対してネガティブなイメージを持つ方もいますが、実はメリットも複数あります。

まず、人生経験が豊かで精神的な余裕を持っているという点です。

赤ちゃんを授かるという初めての経験に対して戸惑う若い女性は多く、時には正しい判断ができないこともあります。その点、精神的な余裕を持っている35歳以上の女性は「今、自分が何をすべきか」を判断することができ、気持ちのコントロールや出産に向けたスケジューリングを若い女性よりスムーズに行うことができます。

また、若い女性よりも経済的な余裕があるケースが多く、最低限の育児環境を整えるための費用に困らない、先輩ママさんたちから必要なくなった育児グッズを譲ってもらえるなどのメリットが発生しやすくなります。

高齢出産のデメリット

必ず理解しておかなければならないのが、高齢出産に伴うデメリットです。

母体の健康や胎児の生命に害を及ぼす疾患は、無視できない存在となっています。

  • 流産・早産・死産になる確率が上がる
  • 胎児が染色体異常症になる確率が上がる
  • 妊娠高血圧や妊娠糖尿病になる確率が上がる
  • 高齢且つ初産ほど難産になりやすい

「やっとのことで授かった赤ちゃんの命を何とか守りたい」と誰しもが思いますが、流産や染色体異常症など根本的な治療法がないものは、妊婦さんの努力だけではどうしても回避しきれません。

ですが、複数のデメリットがあるもののたくさんの妊婦さんが無事に赤ちゃんを出産し、その腕で抱くことができています。大事になってくるのは自身の健康管理を怠らず、赤ちゃんの健康状態を出生前に把握して適切な分娩や出生後の準備を早めに進めておくことです。

高齢分娩について

高齢出産の場合、分娩の際に会陰・腟が柔らかくなりにくいなどの特徴から、難産になりやすい傾向にあります。

子宮口が広がるまで長時間かかることも多々あり、出産で母親に大きな負担がかかることも珍しくありません。

産道を通って赤ちゃんが産まれる経膣分娩が難しい場合は、帝王切開で対応するため大量の出血や合併症を伴う可能性があります。

分娩は胎児の状態、妊婦さんの状態を観察して適切な方法が選択されるため、希望の分娩を必ずしも選べるわけではないと理解しておきましょう。

流産・早産などに至る確率は何歳から上がる?

年齢を重ねると共に流産・早産などに至る確率が高まりますが、何歳から確率が上がってくるのかご説明します。

妊婦の年齢 流産・早産などに至る確率
30歳~34歳 15%
35歳〜39歳 17%〜18%
40歳以降 25%〜30%

妊娠後に胎児が死に至る確率は30歳の時点でも15%程度であり、30歳後半からその確率は一気に上がってきます。

流産の原因は主に受精卵が誕生した時点で発生した染色体異常とされており、この場合は発生を予防することはできません。

染色体異常症は何歳から発生頻度が高まる?

流産・早産などのリスクと一緒に覚えておきたいのが染色体異常がもたらすリスクです。

妊婦さんに広く認知されているダウン症候群を始めとした染色体異常症は、胎児の細胞分裂の過程でエラーが起こることで発生するため、根本的な治療法は今のところありません。

高齢出産になると胎児の染色体異常症の発生頻度は高まり、特にダウン症候群の場合は35歳を超えてからはそのリスクも一気に高まります。

妊婦の年齢 ダウン症候群の発生頻度
30歳 0.16%
35歳 0.40%
40歳 1.47%
45歳 6.25%

35歳の時点で約250人に1人という発生頻度になり、45歳では約16人に1人がダウン症候群が発生する可能性があります。

ダウン症候群などの染色体異常症は根本的な治療法はないものの、妊娠初期から実施されている出生前診断で検査を行うことが可能です。

出生前診断は何歳から何歳まで受けられる?

出生前診断は、胎児の染色体数や形態に異常がないかどうかを調べる検査であり、ダウン症候群などの染色体異常症を患っている確率を知ることができます。

ほとんどの妊婦さんが出生前診断を受けていますが、何歳から何歳まで受けられるか気になる方もいると思います。

以下は全6種類の出生前診断ですが、年齢制限が設けられているのはNIPT(認可施設の場合)のみとなっています。

出生前診断 検査条件と特徴
胎児超音波検査 妊娠10週以降に受検可能。
超音波機器で胎児の状態や染色体異常症を持つ確率を調べる。
コンバインド検査 妊娠11週〜13週頃に受検可能。
母体採血と超音波検査で染色体異常症を持つ確率を調べる。検査精度80%の安全な非侵襲的検査。
母体血清マーカー検査 妊娠15週〜18週頃に受検可能。
母体採血で染色体異常症を持つ確率を調べる。検査精度83%の安全な非侵襲的検査。
NIPT 妊娠9週〜10週以降に受検可能。
認可施設の場合は35歳以上などの追加条件あり。母体採血で染色体異常症を持つ確率を調べる。検査精度99%の安全な非侵襲的検査。
絨毛検査 妊娠10週〜14週頃に受検可能。
穿刺で子宮内の胎盤にある絨毛を採取して染色体異常症の有無を調べる。検査精度99%を誇るが、流産や早産のリスクが伴う侵襲的検査。
羊水検査 妊娠14週以降に受検可能。
穿刺で子宮内の羊水を採取して染色体異常症の有無を調べる。検査精度99%を誇るが、流産や早産のリスクが伴う侵襲的検査。

NIPTを受ける場合、日本産婦人科医会に認定された認可施設では年齢35歳以上という条件が必要になる場合があります。年齢制限なしでNIPTを受けたい場合、妊娠10週以降であれば無認可施設で受けることが可能です。

まとめ

何歳から高齢出産と呼ばれるのか、そして高齢出産を迎える妊婦さんに役立つ知識をご紹介してきましたが参考になりましたか?

日本産婦人科医会は「35歳以上で迎える出産」を高齢出産の定義としており、高齢出産に臨む妊婦さんはメリットだけではなくデメリットをしっかり理解して準備を進めなければなりません。

妊娠中にできる準備の中でも「出生前診断を受けて胎児の染色体異常症の有無を調べる」という行動は、疾患を患った赤ちゃんの療育環境を早くから整えるために欠かせないものとなります。

東京の「ミネルバクリニック」は、妊娠9週0日からNIPTを実施している国内有数の遺伝子専門のクリニックです。

高齢出産を迎える妊婦さんに対して丁寧な対応、安心安全の診療と検査を心掛けています。

当院では染色体異常症・先天性疾患などに対する正しい知識を共有できる遺伝カウンセリングも実施しており、患者様が抱く不安を緩和できる大切な時間を設けることができます。

染色体検査を信頼と実績のあるクリニックで受けたいという方は、是非この機会に「ミネルバクリニック」までご相談ください。

プロフィール

この記事の筆者:仲田洋美(医師)

ミネルバクリニック院長・仲田洋美は、日本内科学会認定総合内科専門医、日本臨床腫瘍学会認定がん薬物療法専門医 、日本人類遺伝学会認定臨床遺伝専門医として従事し、患者様の心に寄り添った診療を心がけています。

仲田洋美のプロフィールはこちら

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