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40代・50代の出産|最高齢出産の事例と自然妊娠の確率・リスク・治療法

目次

仲田洋美 医師

この記事の監修:仲田洋美(臨床遺伝専門医)

ミネルバクリニック院長。臨床遺伝専門医として出生前診断・遺伝医療に携わっています。

ギネス世界記録に認定されている最高齢出産は、66歳358日です。2006年にスペインの女性が、提供卵子を使った体外受精で妊娠し、双子を出産しました。一方、自然妊娠での最高齢として記録されているのは59歳で、50代で自分の卵子により自然に妊娠することは極めてまれです。日本でも、2024年には50歳以上のお母さんから125人の赤ちゃんが生まれており、40代での出産は一定数みられ、50代での出産も少数ながら統計で確認されています。この記事では、最高齢出産の記録、40歳からの出産と50代の妊娠の実際、年齢とともに卵子の染色体異常が増える仕組み、提供卵子による妊娠とそのリスクを、臨床遺伝専門医の立場から解説します。

この記事でわかること
📖 読了時間:約14分
👶 最高齢出産・40代・50代の出産
★ 臨床遺伝専門医監修

Q. 最高齢出産は何歳ですか?50代でも出産できますか?

A. ギネス世界記録の最高齢出産は66歳358日(2006年・スペイン、提供卵子による体外受精)、自然妊娠の最高齢記録は59歳(1997年・イギリス)です。50代での出産は統計上も確認されていますが、日本の人口動態統計では、自然妊娠・提供卵子・以前に凍結した卵子や胚など、妊娠方法の内訳はわかりません。日本人女性の閉経は50歳前後で、閉経後は排卵が起こらないため、50代で自然に妊娠する確率は極めて低くなります。

  • ➤超高齢出産 → 一般に50歳以上での出産を指す呼び方(学会の正式な定義ではない)
  • ➤日本の50歳以上の出産 → 2024年は125人(2019年の56人から倍増)
  • ➤40代の流産率 → 年齢とともに上がり、45歳以上では妊娠の半数以上が流産に至るというデータがある
  • ➤遺伝の視点 → 卵子は胎児期から減数分裂の途中で止まっており、年齢とともに染色体の不分離が起こりやすくなる
  • ➤提供卵子 → 卵子の加齢に関連する染色体異常のリスクは提供者の採卵時年齢に左右され、母体の合併症には妊娠する人の年齢・健康状態・妊娠方法が関わる

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1. 高齢出産・超高齢出産は何歳から?

青い背景に置かれた白い疑問符のイメージ

日本産科婦人科学会は、35歳以上で初めて出産する人を「高年初産婦」と定義しています。学会の定義は初産に限ったものですが、すでに出産経験のある経産婦でも、年齢とともに妊娠・出産のリスクは高くなります。そのため医療機関では、経産婦を含めて35歳以上での出産を広く「高齢出産」と呼ぶことが一般的です。

「35歳」という区切りには理由があります。女性の妊孕力(にんようりょく:妊娠するための身体の力)は30代前半から少しずつ低下し、30代後半から低下が早まるからです。米国産科婦人科学会(ACOG)と米国生殖医学会(ASRM)の共同見解では、女性の妊孕力はおよそ32歳から緩やかに、37歳を過ぎるとより急速に低下するとされています[1]。

超高齢出産(50歳以上)とはどういう意味か

「超高齢出産」は、一般に50歳以上での出産を指す言葉です。ただし、日本産科婦人科学会が用語として定めたものではなく、報道や一般向けの解説で使われてきた呼び方です。45歳以上を「超高齢」と呼ぶ文献もあり、使う人によって指す年齢に幅があります。

50歳という線が意識されるのは、日本人女性の閉経が50歳前後だからです[2]。閉経すると卵巣から排卵が起こらなくなるため、新たに排卵される自分の卵子で自然妊娠することはできなくなります。つまり「超高齢出産」は、単に年齢が高いだけでなく、提供卵子や過去に凍結した卵子・胚を使う生殖補助医療が関わる場合があり、妊娠の方法によって40代の出産とは条件が異なります。この違いは、後の章で詳しく見ていきます。

2. 最高齢出産は何歳?世界と日本の記録

赤ちゃんを抱っこする年齢を重ねた女性

最高齢出産の「記録」には、公的に認定されたものと、報道されただけで確認が難しいものが混在しています。また、提供卵子を使った体外受精による出産と、自然妊娠による出産では、医学的な意味がまったく異なります。ここでは、この2つを分けて整理します。

ギネス世界記録の最高齢出産は66歳358日

ギネス世界記録が「出産した最高齢の人」として認定しているのは、スペインのマリア・デル・カルメン・ボウサダ・ララさんです。2006年12月29日、66歳358日でバルセロナの病院で帝王切開により双子の男の子を出産しました[3]。この妊娠は、提供された卵子を使った体外受精によるものと報じられています。

この記録が示しているのは、「提供卵子などを使い、母体の状態が適していれば、閉経後の子宮でも妊娠を維持できる場合がある」ということです。閉経すると卵巣は働かなくなりますが、子宮はホルモン補充によって受精卵(胚)が着床できる状態に整えることができます。そのため、60代での出産では、提供卵子などによる生殖補助医療の有無を確認する必要があります。年齢だけから使用した卵子の由来は断定できません。

インドの73歳など、報道された高齢出産の事例

ギネスの認定とは別に、さらに高い年齢での出産も報道されています。2019年には、インドで73歳の女性が体外受精で妊娠し、双子を出産したと報じられました[4]。ただし、ギネス世界記録の公開ページでは最高齢出産として66歳358日の事例が掲載されています。73歳の事例が認定されていない理由までは確認できないため、報道とギネスの認定記録を区別します。

同じ2019年には、中国で67歳の女性が「自然妊娠」で妊娠し、帝王切開で出産したと報じられました[5]。しかし、閉経後の女性が自分の卵子で自然に妊娠することは医学的には考えにくく、妊娠の経緯は報道以上には確認されていません。こうした報道を読むときは、「何歳で出産したか」だけでなく、「誰の卵子で、どのように妊娠したか」を区別する必要があります。

自然妊娠での最高齢出産の記録は59歳

ギネス世界記録が「自然妊娠で出産した最高齢の母親」として認定しているのは、イギリスのドーン・ブルックさんで、59歳でした。1997年8月20日に帝王切開で男の子を出産しています[3]。

66歳と59歳。この2つは、妊娠方法の異なる記録であり、7歳という差が生物学的な限界を示すわけではありません。体外受精であっても、自分の卵子を使う限り、年齢による卵子の数と質の低下は避けられません。ギネスに自然妊娠での記録が残っていること自体、50代後半での自然妊娠がそれほど例外的な出来事だということを示しています。

日本の統計でみる40代・50代の出産

日本人の個人の最高齢出産の記録は、公式な認定機関がないため、報道ベースの情報にとどまります。ここでは、国の統計で確認できる事実を見ていきます。以下は、厚生労働省の人口動態統計で公表されている2024年(令和6年)の出生数を、お母さんの年齢と、生まれた赤ちゃんが何人目か(出生順位)で分けたデータです[6]。

📊 母の年齢・出生順位別の出生数(2024年・確定数)

母の年齢 総数 第1子 第2子 第3子以上
14歳以下 27 27 – –
15~19歳 4,231 3,863 344 24
20~24歳 42,757 30,231 10,202 2,324
25~29歳 177,838 108,726 52,282 16,830
30~34歳 253,444 111,025 101,304 41,115
35~39歳 162,659 53,196 66,996 42,467
40~44歳 43,471 14,628 17,008 11,835
45~49歳 1,609 695 486 428
50歳以上 125 73 40 12
総数 686,173 322,476 248,662 115,035

※出典:厚生労働省「令和6年(2024)人口動態統計(確定数)」第6表[6]。総数には母の年齢不詳を含みます。出生数は赤ちゃんの人数であり、出産した女性の人数ではありません。

2024年に40歳以上のお母さんから生まれた赤ちゃんは45,205人で、全出生数の約6.6%にあたります。そのうち約3分の2(29,809人)は第2子以上で、40代の出産の多くを経産婦さんが占めています。

50歳以上での出産は125人でした。2019年の同じ統計では56人だったので[7]、5年で2倍以上に増えています。全体の出生数が減るなかで、50歳以上の出産は増えているのです。注目したいのは、50歳以上の125人のうち73人が第1子だという点です。50歳以上の母親から生まれた第1子が、年間73人いたことを示します。双子なども赤ちゃんごとに数えるため、初産婦の人数そのものとは一致しません。

ただし、この統計には、自然妊娠か体外受精などの治療によるものかの区別がありません。また、50歳を超える年齢はすべて「50歳以上」にまとめられているため、日本で出産した人の最高年齢はこの統計からはわかりません。「日本最高齢出産」が自然妊娠だったのかどうかも、公的な統計では確認できないのが実情です。

3. 40歳からの出産の実際|年齢別の妊娠率と流産率

RISKの文字が並ぶ木製ブロック

40代の妊娠・出産で知っておきたいのは、「妊娠しにくくなること」と「妊娠しても流産しやすくなること」が、同時に進むという点です。どちらも主な原因は卵子の加齢で、40代前半と後半とでも大きな差があります。

年齢別の自然妊娠率

40代の自然妊娠率は、年齢が1歳上がるごとに下がっていきます。ただし、1周期あたりの自然妊娠率を年齢ごとに正確に示した大規模なデータは限られています。避妊をしない夫婦を長期間追跡する研究そのものが難しいためです。

確実に言えるのは、妊孕力がおよそ32歳から下がり始め、37歳以降に急速に低下するということです[1]。この共同見解では、米国の生殖補助医療のデータとして、自己卵子を使う新鮮胚の体外受精について、治療開始周期あたりの生児出生率が41〜42歳で12.4%、43〜44歳で5%だったことも示されています[1]。これは2014年の見解が引用した当時の米国の治療成績であり、現在の妊娠率や自然妊娠率を示すものではありません。不妊治療を受ける集団の出生率から、自然妊娠の確率を直接推定することもできません。

背景にあるのは卵子の数の減少です。卵子のもとになる細胞は、胎児期の妊娠20週ごろに600万〜700万個あったものが、出生時には100万〜200万個、思春期には30万〜50万個、37歳ごろには約2万5,000個、51歳ごろには約1,000個まで減ると説明されています[8]。卵子は新しく作られることがないため、年齢とともに残りの数が減り、質も低下していきます。

年齢別の流産率

流産率は20代後半がもっとも低く、年齢とともに上がり、45歳以上では妊娠の半数以上が流産に至ります。ノルウェーの約42万件の妊娠を分析した研究では、流産の割合は25〜29歳で10%ともっとも低く、30歳を過ぎると急速に上昇し、45歳以上では53%でした[9]。

40代で流産が増える主な理由は、受精卵の染色体の数の異常(異数性)です。妊娠初期の流産の多くは、受精卵の染色体の異常によって起こります。卵子の加齢によって染色体の数の異常をもつ受精卵が増えるため、妊娠が成立しても、その後に育たないことが多くなります。流産の多くは通常の日常生活や行動が原因ではなく、卵子・精子の形成時や受精後の細胞分裂に生じた染色体異常などに関係します。NCBI Bookshelfに収載されたStatPearlsの解説でも、異数性は早期の妊娠喪失の重要な原因とされています。ただし、ごく早期の妊娠喪失と臨床的に確認された流産では対象が異なり、その割合を一律には扱えません[8]。

年齢ごとの数字をより詳しく知りたい方は、42歳・43歳での妊娠について、流産率と染色体異常の確率をまとめた記事もあわせてご覧ください。

40代で自然妊娠した人はどのくらい?経産婦の場合

統計の表で見たように、2024年には40〜44歳のお母さんから43,471人、45〜49歳のお母さんから1,609人の赤ちゃんが生まれています[6]。この中には体外受精によるものも含まれますが、この出生数だけから40代の自然妊娠・出産の頻度を判断することはできません。

45歳以降の自然妊娠による出産を調べた一研究では、出産回数の多い経産婦さんが多数を占めました。45歳以降に自然妊娠で出産した209人の女性を調べたイスラエルの研究では、出産時の平均年齢は45.7歳(45〜49歳)で、平均の出産回数は9.6回、81%が6回以上出産している経産婦でした[10]。研究者は、こうした女性には卵巣の老化が遅い体質的な傾向がある可能性を指摘しています。

この研究から言えるのは、「出産経験があるから40代後半でも自然に妊娠しやすくなる」ということではありません。もともと卵巣の働きが長く保たれる体質の人が、結果として多くの子どもを産み、45歳以降にも自然に妊娠した、と解釈するのが自然です。「経産婦だから大丈夫」と考えて避妊をやめたり、逆に「経産婦だから妊娠できるはず」と治療の開始を遅らせたりする根拠にはなりません。

4. 50代の妊娠・出産|自然妊娠の確率はどれくらいか

CHANCEとCHANGEを示す文字の円盤を入れ替える手

50代で自然妊娠する確率は、極めて低いというのが医学的な結論です。ただし、確率を数字で示した信頼できるデータはありません。自然妊娠を試みる50代の集団を追跡した大規模な研究が限られ、閉経の有無や治療歴などの条件も異なるためです。そのため、ここでは「なぜ低いのか」という仕組みと、実際の事例から考えます。

50代の自然妊娠が極めてまれな理由

日本人女性が閉経する平均年齢は50歳前後で、早い人では40代前半、遅い人では50代後半と幅があります[2]。閉経とは、月経が来なくなった状態が12か月続いたことで、さかのぼって確認されるものです[2]。閉経すると排卵は起こらなくなるため、新たな排卵による自然妊娠はできなくなります。以前に凍結した自己卵子や胚を用いる妊娠とは区別が必要です。

閉経の前の数年間も、妊娠は難しくなっています。月経があっても排卵を伴わない周期(無排卵周期)が増え、排卵した場合でも、卵子に染色体の数の異常が起こっている割合が高いためです。50代の自然妊娠が「極めてまれ」と言われるのは、排卵の機会そのものが少ないことと、受精しても育ちにくいことが重なっているからです。

50歳で自然妊娠したという相談の例

50歳で自然妊娠したという相談が、インターネットの相談サイトに掲載されることがあります。ただし、匿名投稿では年齢、妊娠の診断、治療歴などを医学的に確認できません。Yahoo!知恵袋などの相談サイトでは、検索条件や投稿者の偏りもあるため、掲載された相談を検証済みの医学的事例として扱うことはできません。

相談サイトに書かれた家族構成や妊娠の経緯、気持ちについても、裏付けのない記述を実在する患者さんの経験として紹介することはできません。自然妊娠か生殖補助医療による妊娠か、閉経前か閉経後か、妊娠が出産に至ったかを区別し、確認できた医学的情報に基づいて判断する必要があります。

相談サイトは統計ではなく、投稿や検索結果の件数から自然妊娠の頻度や確率を推定することはできません。50代での自然妊娠の可能性は、投稿の有無ではなく、閉経の有無や排卵の状態、確認された医学的事例と生殖加齢の知見から考える必要があります。

50歳前後で「妊娠したかも」と思ったら

50歳前後で月経が遅れたときは、閉経に向かう変化であることが多い一方、妊娠の可能性もゼロではありません。閉経移行期は月経周期が乱れやすく、月経が数か月来ないことも珍しくないため、妊娠に気づくのが遅れることがあります。

妊娠の可能性がある場合は、まず市販の妊娠検査薬で確認し、陽性であれば早めに産婦人科を受診してください。閉経が近い年齢では、妊娠検査薬の結果の解釈や、子宮外妊娠(受精卵が子宮以外の場所に着床する状態)がないかの確認も含めて、医師による診察が必要です。

妊娠を望まない場合は、閉経移行期にも避妊が必要で、終了時期は年齢と避妊方法に応じて確認します。「もう40代後半だから大丈夫」「月経が不規則だから妊娠しない」と考えて避妊をやめた結果、予定外の妊娠に気づく人もいます。閉経の診断基準と、避妊を安全に終了する時期は区別します。ホルモン剤を使っていない場合の目安は、最後の月経が50歳未満なら2年、50歳以上なら1年の避妊継続です。ホルモン剤使用中は無月経だけで判断できないため、医師と確認してください[2]。

5. 遺伝の視点|年齢とともに卵子の染色体異常が増える理由

40代・50代の妊娠で、臨床遺伝専門医としてもっとも説明しておきたいのが、卵子の染色体の話です。お母さんの年齢とともに赤ちゃんの染色体の数の異常が増えるのは、卵子が「いつ作られ、どこで止まっているか」という特殊な仕組みに理由があります。詳しい分子機構は卵子で異数性が起こる仕組みの記事で解説していますが、ここでは要点を整理します。

卵子は胎児期から減数分裂の途中で止まっている

卵子や精子は、減数分裂という特別な細胞分裂によって作られます。減数分裂は、2本で1組になっている染色体(相同染色体)を分けて、染色体の数を半分にする分裂です。受精によって卵子と精子の染色体が合わさることで、赤ちゃんは46本の染色体をもつことになります。

男性の精子は思春期以降、毎日新しく作られます。これに対して女性の卵子は、お母さんのお腹の中にいる胎児期に減数分裂を始め、その途中で止まったまま、排卵の直前まで待機しています。この停止の状態をディクチオテン期停止と呼びます。40歳で排卵される卵子は、40年以上この状態で待っていたことになります。

胎児期減数分裂が始まる
▶
出生〜排卵直前途中で停止したまま数十年待機
▶
排卵の直前減数分裂が再開し染色体を分ける
▶
加齢した卵子染色体の分配ミスが起こりやすい

コヒーシンの劣化と染色体不分離

減数分裂の途中で止まっている間、複製された染色体の2本の姉妹染色分体はコヒーシンというリング状のタンパク質によってつなぎとめられています。コヒーシンは姉妹染色分体を束ねる「留め具」であり、相同染色体同士の結びつきは交差(キアズマ)と染色分体の接着によって保たれます。これらが適切な時期まで維持されることが、正しい染色体分配に必要です。

問題は、卵子の中のコヒーシンが、一度作られたあとほとんど入れ替わらないことです。マウス卵子の研究では、出生後のコヒーシン補充は十分に起こらず、加齢で姉妹染色分体をつなぎとめる力が弱くなることが示されています。ヒトでも染色体分配の異常に関わる重要な機序と考えられます[11]。その結果、排卵の直前に減数分裂が再開したとき、染色体が正しく分かれずに一方の側に偏ってしまう染色体不分離が起こりやすくなります。

不分離が起こると、染色体を1本多くもつ卵子や、1本少ない卵子ができます。染色体が1本多い卵子が受精すると、その染色体が3本ある「トリソミー」の受精卵になります。21番染色体が3本になったものがダウン症候群(21トリソミー)です。多くのトリソミーやモノソミー(1本少ない状態)の受精卵は妊娠の早い時期に育たなくなり、これが40代で流産が増える大きな理由です。

💡 用語解説:異数性(いすうせい)

染色体の数が、本来の46本から1本多かったり少なかったりする状態を「異数性」といいます。1本多いものをトリソミー、1本少ないものをモノソミーと呼びます。ヒトでは、21番・18番・13番染色体のトリソミーと、性染色体の数の異常は出生に至ることがありますが、それ以外の多くの異数性は妊娠初期の流産の原因になります。

母体年齢別の染色体異常の頻度

出生時に通常の染色体検査で検出できる、数や構造を含む何らかの染色体異常の推定頻度は、40歳で約1.6%、45歳で約5.4%、49歳で約15%です。下の表は、米国の遺伝疫学者フック(Hook)が1981年に報告した母体年齢別の頻度で、現在も多くの教科書や診療の手引きで使われています[12][13]。

🧬 母体年齢別の染色体異常の頻度(出生時)

母体の年齢 何らかの染色体異常の頻度 おおよその割合
35歳 0.6% 約170人に1人
40歳 1.6% 約60人に1人
45歳 5.4% 約20人に1人
49歳 15% 約7人に1人

※出典:Hook EB, 1981[12](MSDマニュアル プロフェッショナル版の表[13]より)。通常の染色体検査(G分染法など)で検出できる異常のみを含み、微細な欠失・重複は含みません。「おおよその割合」は頻度から換算した目安です。

この表で注意したいのは、数字が「生まれた時点」の頻度だということです。染色体の数の異常をもつ受精卵の多くは、妊娠初期に流産します。そのため、受精の時点での異常の割合は、この表の数字よりはるかに高くなります。また、集団の頻度であって、一人ひとりの赤ちゃんの診断を確定する数字ではありません。また、すべての染色体異常が母体年齢とともに増えるわけではなく、微細な欠失・重複などには年齢に依存しないものもあります。

提供卵子のリスクは提供者の年齢で決まる

提供卵子で妊娠した場合、卵子の加齢に関連する赤ちゃんの染色体異数性のリスクは、妊娠するお母さんの年齢よりも、卵子を提供した人の採卵時の年齢に左右されます。ここまで見てきたように、母親の加齢に伴って増える異数性には、卵子の加齢が大きく関わるからです。父親側や受精後の細胞分裂に由来する異常もあり、提供者の年齢だけですべてが決まるわけではありません。NCBI Bookshelfに収載されたStatPearlsの解説でも、提供卵子を使った体外受精の成績は提供者の年齢に左右されると説明されています[8]。

たとえば、50歳の女性が20代の提供者の卵子で妊娠した場合、赤ちゃんの染色体の数の異常の頻度は、50歳ではなく20代の提供者の年齢に近いものになると考えられます。ただし、提供卵子を使っていても染色体の異常がなくなるわけではありません。若い年齢でも一定の頻度で染色体の異常は起こるため、ゼロにはなりません。

一方で、妊娠高血圧症候群などお母さんの身体の側のリスクは、妊娠する人の年齢に応じて高くなります。卵子が若いことで赤ちゃんの染色体のリスクは下がっても、50代で妊娠を維持する母体の年齢・基礎疾患に由来するリスクがなくなるわけではありません。この点は第6章で詳しく説明します。

父親の年齢の影響

高齢出産の話題では母親の年齢ばかりが注目されますが、父親の年齢にも影響があります。ただし、その影響の種類は母親とは異なります。精子は思春期以降に繰り返し作られ続けるため、父親の年齢が上がるほど、精子のもとになる細胞の分裂の回数が増え、遺伝子の小さな変化(新生突然変異)が少しずつ蓄積します。

そのため父親の高齢は、ダウン症候群のような染色体の数の異常よりも、新生突然変異によって起こる一部の遺伝性疾患のリスクとの関連が知られています。50代の男性でも精子は作られ続けるため、男性側の年齢だけで自然妊娠の可能性がなくなることはありません。詳しくは父親の年齢についての記事をご覧ください。

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仲田洋美院長

🩺 院長コラム【「卵子の年齢」と「母体の年齢」を分けて考える】

40代・50代の妊娠を考えるときは、「卵子の年齢」と「母体の年齢」を分けて考えることが大切だと考えています。卵子の加齢に関連する異数性のリスクには採卵時の卵子の年齢が大きく関わり、妊娠高血圧症候群などには母体の年齢や健康状態、妊娠方法が関わります。若い提供者の卵子で前者は低くなると考えられますが、母体の年齢によるリスクはなくならず、卵子提供に伴うリスクも加わります。

66歳での出産の記録も、59歳での自然妊娠の記録も、医学的にはこの2つの物差しで読むと意味がはっきりします。年齢の数字だけで判断するのではなく、どちらのリスクの話なのかを区別して、正確な情報に基づいて選択していただきたいと考えています。

6. 40代・50代の妊娠で母体に起こりやすいこと

40代、50代と年齢が上がるほど、妊娠中と出産時の母体の合併症は増えます。ここでは、赤ちゃんの染色体とは別の、お母さんの身体の側に起こりやすいことを整理します。

意図しない妊娠である場合がある

これは経産婦さんに見られることのある状況です。40歳を超えると妊孕力は低下しますが、閉経を迎えるまで妊娠の可能性は残っています。それにもかかわらず、「40歳を過ぎたら避妊をしなくても大丈夫だろう」と考えて避妊をやめ、予定外の妊娠に気づく方もいます。

「すでに子どもがいる」「これ以上子どもを育てる経済的な余裕がない」といった事情から、妊娠の継続について難しい判断を迫られることもあります。妊娠の継続に関する希望や判断は、ご本人の意向とご家族の状況によって異なります。妊娠を望まない場合は、避妊を終了する時期は、最終月経時の年齢やホルモン剤の使用状況を踏まえて医師と確認してください。

妊娠高血圧症候群・妊娠糖尿病・帝王切開

ACOGの2022年の指針では、年齢による母体の合併症の増加が具体的な数字で示されています[14]。妊娠高血圧症候群の一病型である子癇前症(日本の分類では妊娠高血圧腎症)の相対リスクは、35〜39歳を基準に、40〜44歳で1.32倍、45〜59歳で2.21倍と報告されています。妊娠糖尿病も、40歳以上では若い年代の2〜3倍の頻度で起こります[14]。

帝王切開になる割合も年齢とともに上がり、同じ指針によれば、指針が引用した米国カリフォルニア州の研究では、40〜44歳で47.3%、45〜49歳で55.6%、50歳以上では62.4%でした[14]。合併症や分娩の進行の問題などが関わりますが、多くの研究では帝王切開の適応の内訳が示されておらず、年齢によって割合が高くなる理由を一つに決めることはできません。これらは米国の研究値で、日本の現在の割合を直接示すものではありません。死産のリスクも年齢とともに上がることが示されています[14]。

提供卵子による妊娠では、妊娠高血圧症候群のリスクがさらに高くなります。11の研究をまとめたメタ解析では、提供卵子による妊娠は、自分の卵子による体外受精と比べて、妊娠高血圧症候群の一病型である子癇前症(妊娠高血圧腎症)の発症オッズが約3倍でした(固定効果モデルのオッズ比3.12、ランダム効果モデル2.9)。オッズ比は、発症確率がそのまま3倍という意味ではありません[15]。自己卵子による妊娠でも胎児・胎盤は父親由来の遺伝情報を含みますが、提供卵子による妊娠では母体との遺伝的な違いが大きくなり、免疫の面で影響する可能性が考えられています。50代で提供卵子により妊娠する場合は、年齢と提供卵子という2つのリスクが重なることになります。

子育て期の負担が増える可能性がある

年齢を重ねてからの出産では、出産後の生活についても考えておく必要があります。若い頃と比べて体力の回復には時間がかかり、夜間の授乳などが続く時期の負担は大きくなりがちです。

ご家族の状況としては、ご両親も高齢になっているため、子育てと介護の時期が重なる可能性があります。また、お子さんが高校や大学に進学する頃には、お母さん・お父さんが60代から70代になっていることもあります。必要な教育資金を用意できるか、健康状態や収入の見通しはどうかといった点を、出産前から考えておくことが現実的です。

7. 40代・50代で妊娠をめざす方法

緑色の布の上に置かれた聴診器

40代・50代での自然妊娠が難しいことは、ここまでで見てきたとおりです。不妊治療を受ける場合の主な選択肢は、「自分の卵子を使った体外受精」「若いうちに凍結した卵子を使う方法」「提供卵子を使った体外受精」の3つです。

自分の卵子を使った体外受精

体外受精は、女性から卵子を、男性から精子を採取し、体の外で受精させてできた受精卵(胚)を子宮に戻す治療です。排卵誘発剤で複数の卵胞を育て、採卵します。ただし、採取される卵子の年齢は、治療を受ける女性の年齢と同じです。

体外受精は「卵子と精子が出会う確率」を上げる方法ですが、卵子の染色体の状態を若返らせることはできません。そのため40代では、受精卵ができても染色体の数の異常のために着床しなかったり、流産したりする割合が高くなります。先に見たように、米国のデータでは当時の自己卵子を用いる新鮮胚の体外受精では、治療開始周期あたりの生児出生率は43〜44歳で5%でした。この値は現在の胚移植あたりの妊娠率や、累積出生率とは異なります[1]。

卵子凍結という選択肢

年齢による卵子の変化を避ける方法として、卵子凍結があります。若いうちに卵子を採取して凍結保存しておき、妊娠を望むときにその卵子を使って体外受精を行う方法です。凍結した時点の年齢の卵子を使えるため、染色体の数の異常のリスクは、採卵した年齢に応じたものになると考えられます。

ただし、凍結した卵子がすべて妊娠につながるわけではなく、必要な卵子の数も採卵した年齢によって変わります。また、卵子が若くても、妊娠するときの母体の年齢による合併症のリスクは下がりません。卵子凍結は「卵子の年齢」の問題には対応できても、「母体の年齢」の問題には対応できない方法です。

提供卵子と日本の法制度

閉経後や、卵巣の働きが失われて自分の卵子を使えない場合に、妊娠をめざせる方法の1つが卵子提供です。第三者(ドナー)から卵子の提供を受け、夫の精子と受精させてできた受精卵を、妊娠を希望する女性の子宮に移植します。66歳での出産のギネス記録も、この方法によるものでした[3]。

日本では、2020年に成立した生殖補助医療の民法特例法で、他人の卵子を使った生殖補助医療で妊娠・出産した場合、出産した女性をその子の母とすることが定められています[16]。そのため、法律上の親子関係は成立します。

しかし、卵子提供の実施そのものを定めるルールはまだ整っていません。提供精子・提供卵子を使う治療のルールを定める「特定生殖補助医療に関する法律案」は、2025年2月に参議院へ提出されました[17]。法案には、対象を法律上の夫婦に限ること、提供者への対価の支払いを禁じること、生まれた子が成人後に提供による出生であることを確認できる仕組みを設けることなどが盛り込まれていましたが、2025年の通常国会では審議されないまま会期を終え、廃案となりました[18]。この記事の更新時点(2026年10月)で、卵子提供の実施を定める新たな法律の成立は確認できていません。こうした状況から、卵子提供を希望する多くの方が海外で提供を受けているといわれています。

💡 用語解説:卵子提供と「卵子の年齢」

卵子提供は、妊娠する女性とは別の人(ドナー)の卵子を使う生殖補助医療です。生まれる子どもと遺伝的なつながりがあるのは卵子の提供者で、妊娠・出産する女性ではありません。卵子の加齢に関連する赤ちゃんの異数性のリスクは提供者の採卵時年齢に左右され、妊娠高血圧症候群などの母体のリスクには妊娠する女性の年齢・健康状態と、提供卵子による妊娠そのものが関わります。

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仲田洋美院長

🩺 院長コラム【年齢の数字だけで決めないために】

50歳以上の母親から生まれた赤ちゃんは、2019年の56人から2024年の125人へ増えています。一方、40〜44歳の出生数は2023年の46,020人から2024年の43,471人へ減っており、40代と50代をまとめて増加とすることはできません。年齢だけを理由に、最初からあきらめる必要はないと考えています。

その一方で、妊娠のしやすさ、赤ちゃんの染色体、お母さん自身の身体のリスクは、どれも年齢と切り離せません。「妊娠できるか」だけでなく、「妊娠したあとに何が起こりうるか」まで早めに知っておくことが、ご家族にとって納得のいく選択につながると考えています。

よくある質問(FAQ)

Q1. 最高齢出産は何歳ですか?

ギネス世界記録が認定している最高齢出産は66歳358日で、2006年にスペインの女性が提供卵子による体外受精で双子を出産したものです。2019年にはインドで73歳の女性が出産したと報道されましたが、公式記録ではありません。

Q2. 自然妊娠での最高齢出産は何歳ですか?

ギネス世界記録が認定している自然妊娠での最高齢出産は59歳で、1997年にイギリスの女性が帝王切開で出産しました。閉経後の女性が自分の卵子で自然に妊娠することは医学的に考えにくく、50代後半での自然妊娠は極めて例外的です。

Q3. 50代で自然妊娠する確率はどのくらいですか?

確率を数字で示した信頼できるデータはありませんが、極めて低いと考えられます。日本人女性の閉経の平均は50歳前後で、閉経後は排卵が起こりません。閉経前の数年間も無排卵の周期が増え、排卵しても卵子に染色体の数の異常がある割合が高くなります。

Q4. 日本で50歳以上で出産する人は何人いますか?

厚生労働省の人口動態統計によると、2024年に50歳以上のお母さんから生まれた赤ちゃんは125人で、2019年の56人から2倍以上に増えています。統計では自然妊娠か治療による妊娠かは区別されていません。

Q5. 40歳からの出産の流産率はどのくらいですか?

流産率は年齢とともに上がります。ノルウェーの約42万件の妊娠を分析した研究では、流産の割合は25〜29歳で10%ともっとも低く、30歳を過ぎると急速に上昇し、45歳以上では53%でした。主な原因は、卵子の加齢による受精卵の染色体の数の異常です。

Q6. 提供卵子で妊娠すれば、ダウン症などのリスクは下がりますか?

卵子の加齢に関連する赤ちゃんの染色体異数性のリスクは、妊娠する人の年齢よりも卵子提供者の採卵時年齢に左右されるため、若い提供者の卵子であればリスクは低くなります。ただしゼロにはなりません。また、妊娠高血圧症候群などの母体のリスクは妊娠する人の年齢に応じて高くなり、提供卵子による妊娠ではさらに高くなることが報告されています。

Q7. 超高齢出産は何歳からですか?

一般に50歳以上での出産を「超高齢出産」と呼びます。ただし、日本産科婦人科学会が定めた用語ではなく、45歳以上を指すこともあります。学会が定義しているのは、35歳以上で初めて出産する「高年初産婦」です。

まとめ

花を持つ年齢を重ねた女性

ギネス世界記録の最高齢出産は66歳358日(提供卵子による体外受精)、自然妊娠での最高齢は59歳です。日本でも2024年には50歳以上のお母さんから125人の赤ちゃんが生まれており[6]、50歳以上の出生数は2019年と比べて増えていますが、40代の出生数も一様に増えているわけではありません。

一方で、50代での自然妊娠は極めてまれで、40代でも年齢とともに妊娠しにくくなり、流産率は45歳以上で半数を超えます。その大きな理由は、胎児期から減数分裂の途中で止まっている卵子が年齢とともに染色体を正しく分けにくくなることにあります。提供卵子を使えば赤ちゃんの染色体のリスクは提供者の年齢に応じたものになりますが、妊娠高血圧症候群などの母体のリスクは妊娠する人の年齢に応じて高くなります。

妊娠・出産のタイミングは人それぞれです。ただ、年齢を重ねるごとに妊娠そのものの可能性が小さくなることも事実です。この記事が、ご自身のライフプランを考えるきっかけになれば幸いです。

👶 40代・50代で妊娠された方へ

お母さんの年齢とともに、赤ちゃんの染色体の数の異常の頻度は高くなります。ミネルバクリニックでは、常駐する臨床遺伝専門医がNIPT(新型出生前診断)と遺伝カウンセリングを担当し、検査前の説明から結果の解釈、必要な場合の確定検査まで一貫して対応しています。

参考文献

  • [1] American College of Obstetricians and Gynecologists Committee on Gynecologic Practice; Practice Committee of the American Society for Reproductive Medicine. Female age-related fertility decline. Committee Opinion No. 589. Fertil Steril. 2014;101(3):633-634. doi:10.1016/j.fertnstert.2013.12.032. PMID:24559617. [PubMed]
  • [2] 日本産科婦人科学会. 更年期障害. [日本産科婦人科学会] / 避妊終了の目安:NHS. Symptoms of menopause and perimenopause. [NHS]
  • [3] Guinness World Records. A history of record-breaking births: From the heaviest baby to most prolific mother ever. 2021. [Guinness World Records]
  • [4] 73-year-old woman in India gives birth to twins. CNN. 2019 Sep 6. [CNN]
  • [5] 67-year-old woman gives birth to baby girl. China Daily. 2019 Oct 29. [China Daily]
  • [6] 厚生労働省. 令和6年(2024)人口動態統計(確定数)の概況. 第6表 母の年齢(5歳階級)・出生順位別にみた出生数. [厚生労働省]
  • [7] 厚生労働省. 令和元年(2019)人口動態統計(確定数)の概況. [厚生労働省]
  • [8] Carlson K, Sparzak PB. Age-Related Fertility Decline. StatPearls. NCBI Bookshelf. Updated 2026 Mar 21. [NCBI]
  • [9] Magnus MC, et al. Role of maternal age and pregnancy history in risk of miscarriage: prospective register based study. BMJ. 2019;364:l869. doi:10.1136/bmj.l869. [University of Bristol]
  • [10] Laufer N, et al. Successful spontaneous pregnancies in women older than 45 years. Fertil Steril. 2004;81(5):1328-1332. doi:10.1016/j.fertnstert.2003.09.056. PMID:15136098. [Tel Aviv University]
  • [11] Jessberger R. Deterioration without replenishment–the misery of oocyte cohesin. Genes Dev. 2010;24(23):2587-2591. doi:10.1101/gad.2000610. PMID:21123645. [PubMed]
  • [12] Hook EB. Rates of chromosome abnormalities at different maternal ages. Obstet Gynecol. 1981;58(3):282-285. PMID:6455611. [PubMed]
  • [13] MSD Manual Professional Edition. Maternal Age and Risk of Having a Baby With a Chromosomal Abnormality. [MSD Manual]
  • [14] American College of Obstetricians and Gynecologists; Society for Maternal-Fetal Medicine. Pregnancy at Age 35 Years or Older. Obstetric Care Consensus No. 11. Obstet Gynecol. 2022;140(2):348-366. doi:10.1097/AOG.0000000000004873. PMID:35852294. [ACOG]
  • [15] Blázquez A, et al. Is oocyte donation a risk factor for preeclampsia? A systematic review and meta-analysis. J Assist Reprod Genet. 2016;33(7):855-863. doi:10.1007/s10815-016-0701-9. [Springer]
  • [16] 生殖補助医療の提供等及びこれにより出生した子の親子関係に関する民法の特例に関する法律案. 参議院 議案情報(第203回国会). [参議院]
  • [17] 特定生殖補助医療に関する法律案. 参議院 議案情報(第217回国会). [参議院]
  • [18] 日本産科婦人科学会. 生殖補助医療の在り方を考える議員連盟による「特定生殖補助医療法案」が審議されず通常国会が終了した件について. 2025年6月30日. [日本産科婦人科学会]

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プロフィール
仲田洋美 医師(臨床遺伝専門医)

この記事の監修・執筆者:仲田 洋美

(臨床遺伝専門医/がん薬物療法専門医/総合内科専門医)

ミネルバクリニック院長。1995年に医師免許を取得後、
臨床遺伝学・内科学・腫瘍学を軸に診療を続けてきました。
のべ10万人以上のご家族の意思決定と向き合ってきた臨床遺伝専門医です。

出生前診断(NIPT・確定検査・遺伝カウンセリング)においては、
検査結果の数値そのものだけでなく、
「結果をどう受け止め、どう生きるか」までを医療の責任と捉え、
一貫した遺伝カウンセリングと医学的支援を行っています。

ハイティーンの時期にベルギーで過ごし、
日本人として異文化の中で生活した経験があります。
価値観や宗教観、医療への向き合い方が国や文化によって異なることを体感しました。
この経験は現在の診療においても、
「医学的に正しいこと」と「その人にとって受け止められること」の両立を考える姿勢の基盤となっています。

また、初めての妊娠・出産で一卵性双生児を妊娠し、
36週6日で一人を死産した経験があります。
その出来事は、妊娠・出産が女性の心身に与える影響の大きさ、
そして「トラウマ」となり得る体験の重みを深く考える契機となりました。
現在は、女性を妊娠・出産のトラウマから守る医療を使命の一つとし、
出生前診断や遺伝カウンセリングに取り組んでいます。

出生前診断は単なる検査ではなく、
家族の未来に関わる重要な意思決定です。
年齢や統計だけで判断するのではなく、
医学的根拠と心理的支援の両面から、
ご家族が後悔の少ない選択をできるよう伴走することを大切にしています。

日本人類遺伝学会認定 臨床遺伝専門医/日本内科学会認定 総合内科専門医/
日本臨床腫瘍学会認定 がん薬物療法専門医。

2025年には APAC地域における出生前検査分野のリーダーとして国際的評価を受け、
複数の海外メディア・専門誌で特集掲載
されました。

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