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主に妊娠初期に起こり、吐き気や頭痛などの辛い症状に悩まされるつわり。
個人差はありますが早い人で妊娠5週頃から始まり、妊娠8〜10週頃にピークを迎えるつわりは、朝の空腹時に症状が出やすいことから、モーニングシックネスとも呼ばれています。
全妊婦の60〜80%が経験すると言われているつわりですが、何が原因なのかを詳しく知らないという方は多いでしょう。
この記事では、つわりの原因、症状、軽減方法を分かりやすく紹介していきます。
つわりの原因
個人差が大きいつわりは期間や症状の重さが人により異なり、妊娠初期から出産の直前まで続く人もいれば、ほとんどつわりらしい症状を感じない人もいます。
まず始めに、ここからはつわりの原因について紹介していきますが、医学的に立証されているわけではありません。以下で紹介する原因は、有力な説です。
ホルモンバランスの変化に対応できない
最も有力な説は、妊娠により大きく変化したホルモンバランスの変化に母体が適応できないというもの。つわりの症状で最も多い嘔吐の原因は、バランスを崩してしまう程に増えたホルモンが嘔吐中枢を刺激しているからだと考えられています。
- エストロゲン
- プロゲステロン
- ヒト絨毛性ゴナドトロピン
妊娠初期にヒト絨毛性ゴナドトロピンが急激に増加し、妊娠中期から後期にかけてエストロゲンとプロゲステロンが増加していきます。
妊娠中期から後期にかけて増えていくプロゲステロンは、分泌が高まると全身の筋肉が緩んでいきます。その結果、消化器による食べ物の消化活動が低下するため、体内にガスが溜まりやすくなります。
腸の蠕動運動が低下することによる消化器症状の悪化も、吐き気や嘔吐の原因であるとされています。
精神的なストレス
つわりの原因は精神的なストレスが要因であるという説もあります。
妊娠、出産は今後の人生を激変させる大きな出来事です。きちんと子どもを産むことができるかどうか、今後の仕事のこと、お金のこと、家族間の問題、夫婦間の悩みなど、妊婦の背景には精神的ストレスの要因になり得る悩みが多くあります。
これらの精神的なストレスが原因となり、つわりの症状を悪化、または発症させているという説は非常に有力視されているものです。
つわりの原因は前述したホルモンバランスの変化と精神的なストレスが最も有力視されている説ですが、他にも、胎児を母体が異物と判断してアレルギー反応を起こしているという説や、体質がアルカリ性から酸性に変わるからという説がありますが、いずれも医学的に立証されているものはありません。
つわりの症状
つわりの原因として有力視されている説を上記で説明してきましたが、ここからは一般的に多くの妊婦が経験しているつわりの症状について紹介していきます。
吐き気
女性のカラダとココロの健康情報サイト『ルナルナ』が実施したアンケートによると、妊娠中に胸やけや胃もたれの症状があったと回答した方が78.9%、次いで吐き気や嘔吐の症状があったと回答した方が77.3%という結果でした。
つわりの代表的な症状として知られている吐き気は、多くの妊婦が経験しています。
食欲はあるのに食べたら吐いてしまうという症状に悩まされる方も多く、急に訪れる吐き気に悩まされる方も多くいます。
空腹になってしまうと気持ち悪くなる「食べつわり」という症状に悩まされる方も多く、気持ち悪さを軽減するために食べすぎてしまい体重が増加しすぎてしまうこともあります。
においに敏感になる
前述したルナルナによるアンケートでも全体の67.2%が経験したと回答しているのが、においに敏感になるという症状です。
吐き気と繋がっている症状で、食べ物のにおい、香水のにおい、冷蔵庫のにおいなど、普段であれば気にならない全てのにおいに敏感に反応してしまい、気持ち悪くなってしまうというものです。
個人差はあるものの、以下のにおいに敏感に反応してしまう方が多いようです。
- 煙草
- 冷蔵庫
- お風呂
- トイレ
- 香水
- 加齢臭
- お酒
- 化粧
- 整髪料
これは妊婦の多くが経験しているつわりの症状で、「においづわり」とも呼ばれています。においに敏感になってしまう原因は特定されていないものの、胎児を守るための防衛反応であるという説が有力です。
実際に煙草のにおいが駄目になってしまう方も多く、お腹の中にいる胎児に悪影響があるものを寄せ付けたくないという潜在的な意識が、においを駄目にしてしまう理由であると言われています。
気持ち悪くなってしまうにおいから遠ざかる生活を送る、自宅にいてもマスクを着用するようにするなど、どうしてもにおいが気になってしまうという方は、無理のない範囲でにおいづわり対策を行いましょう。
イライラする
つわり中にイライラするというのも、多くの妊婦が経験している一般的な症状です。
ホルモンバランスの変化がイライラの原因であると考えられていて、不安感が増長されることでいつもは気にならない些細なことでもイライラするようになります。
- 深呼吸をする
- 積極的に趣味の時間を作ってストレスを発散する
- 入浴時間を長くする
- 妊娠を受け入れる
女性ホルモンは妊娠直後から分泌されるため、早い人では妊娠初期から些細なことでイライラしてしまいます。
そんな時は、上記で記載した対策でイライラを解消しましょう。
つわりの症状を軽減する方法
つわりの原因と症状を上記で説明してきましたが、ここからは辛いつわりの症状を軽減する方法を紹介していきます。
食べ方を工夫する
食べても気持ち悪い、食べなくても気持ち悪いつわり中の吐き気ですが、食べ方を工夫するだけで症状を軽減することができます。
- 少量の食事をこまめに食べる
- 妊婦向けのサプリメントを服用する
- カットフルーツを食べる
- ご飯を冷やして臭いを軽減
- 柑橘系のさっぱりしたアメやガムを食べる
つわり中の吐き気はいきなり気持ち悪くなるため、調子が良い時にすぐに何かを食べられるように少量の食べ物を常に用意しておくと便利です。
つわり中におすすめの食べ物は、酢の物、麺類、果物、酸味のある食べ物、においが強くない食べ物です。
つわり中に食べても大丈夫なものを食べたり、小分けにして少量ずつを調子が良い時に食べたりするなどの対策を行うと、気持ち悪い吐き気の症状を軽減しつつ、空腹を満たすことができます。
常に水分補給を意識する
妊娠中は、とにかく水分補給を心がけましょう。
吐き気や嘔吐が辛くて、食べず飲まずの日々が続いてしまうという方は少なくありません。そうなると脱水症状になってしまうリスクが高くなり、脱水症状に陥ると吐き気や嘔吐などのつわりの症状が悪化してしまいます。
何も食べられないほどつわりが重たい状態であっても、最悪水分だけでも摂れていれば脱水症状にはなりません。糖分が多すぎる飲み物は摂りすぎないように注意しつつ、口の中がサッパリできる炭酸を含む飲料水を多く飲むようにしましょう。
妊婦の中には飲める飲み物が短期間のサイクルで変化するため、常に10種類以上の飲料を冷蔵庫にストックしておくという方もいます。
適度に運動する
妊娠中に適度な運動を心がけることで、つわりの不快な症状を軽減できます。
前述したように、妊娠中期から後期にかけてプロゲステロンが分泌されることで筋肉が緩み始め、消化器による食べ物の消化活動が低下します。適度な運動を心がけることで筋肉の緊張を解き、血流を良くすることで消化器の活動を活性化させることができます。
もちろん汗が滴り落ちるような激しい運動はNGですが、自宅でもできる適度な運動を毎日心がけ、1日15分から30分を目安に実施しましょう。
- スクワット
- 家の周りを散歩
- ヨガ
- ストレッチ
妊娠初期はつわりの症状が重たく出やすいため、無理に運動をする必要はありません。もちろん妊娠中期から後期にかけても、つわりの症状が重たい時は適度な運動であってもすべきではありません。
家の周りを散歩してなるべく歩くようにし、家の中で簡単にストレッチやスクワット、ヨガなどで体を動かして、適度な運動を心がけることでつわりの症状を軽減できます。
まとめ
つわりの原因、症状、軽減法を紹介してきましたが、参考になりましたか?
つわりは非常に個人差が大きいものなので、全く症状が出ない方もいれば、妊娠初期から後期にかけて常に重たい症状が出る方もいます。吐き気、嘔吐、イライラ、眠気、頭痛、食べ物の好みが変わる、においに過敏になるなど、感じる症状も多様で、重さに関しても個人差が非常に大きく出ます。
今まで体験したことがない体調の悪さは、体だけではなく心も沈ませてしまいますが、つわりと上手に向き合い付き合うことが、母子ともに健やかに成長していく秘訣です。
つわりの原因は医学的には立証されてはいないものの、楽になる軽減法は多くの手法が提唱されています。つわりが辛くて悩んでいる方は、原因や症状も含め、軽減法を実践して少しでも楽な妊娠生活を送れるようにしましょう。
東京の「ミネルバクリニック」は臨床遺伝専門医が在籍するNIPT実施施設であり、たくさんの妊婦さんの悩みや不安と真摯に向き合い、笑顔になれる出産に導いてきました。ミネルバクリニックでは、妊娠9週から受けられる赤ちゃんの健康診断である「NIPT」を業界最新の技術と業界随一の対象疾患の広さで行っております。遺伝のエキスパートである臨床遺伝専門医が出生前診断を提供しておりますので、是非、お気軽にご相談ください。妊娠初期からの出生前診断を受ける医療機関にお悩みの方は、知識・経験・実績とも「第三者から認証されている」臨床遺伝専門医が診療している「ミネルバクリニック」まで是非、ご相談ください。