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妊娠中に必要なのが水分補給です。産婦人科の医師からも「飲み物をたくさん飲んでください」と言われたと思います。しかし、単に水分ならば何でもいいわけではありません。飲んでもOKな飲み物とNGな飲み物があります。今回は妊娠中に飲んでも大丈夫なおすすめの飲み物と避けてほしい飲み物をご紹介します。
また、ネット上で出ているあの情報にもお答えしていますので参考にしていただけると幸いです。
妊娠中におすすめの飲み物
妊娠中に飲み物を飲んだほうがいい理由をおわかりいただけかと思います。赤ちゃんの発達も考えて飲んだほうがいい飲み物をいくつかご紹介しますので意識して選んでもらえたら幸いです。
水
シンプルに、人の身体に必要な「水分」という意味で、水を飲むのもよいでしょう。軟水(ミネラル0~120mg/ℓ未満)と硬水(ミネラル120mg/ℓ以上)がありますがどちらでもOKです。ただし生まれてすぐの赤ちゃんは、ミネラルを分解する機能が未熟です。一方、軟水は水に含まれるミネラルが適量であるため、粉ミルクに使用しても赤ちゃんの身体に負担がかかりません。ミルク作りには軟水を使うのをおすすめします。
麦茶
ノンカフェインでミネラルが含まれている麦茶は、妊婦さんでも飲みやすい飲み物です。手軽に作れるのも魅力なのでおすすめしたい飲み物の一つです。他にもそば茶がノンカフェインのものなのでおすすめです。ただし、そばアレルギーがあるママさんは飲まないようにしましょう。
牛乳
カルシウムが豊富な牛乳もおすすめしたい飲み物です。しかもカルシウムは胎盤を通じて赤ちゃんの骨や歯を作るために妊婦さんには欠かせない栄養素です。積極的に摂ってほしい飲み物になります。
炭酸水
ここでおすすめなのは、砂糖の入っていない炭酸水です。つわりの時、口当たりを変えたい時などにも役に立ちます。レモンなどを加えてもさっぱりとした味わいになるので試してみてください。
コンビニでペットボトル飲料を買うなら/シーン別おすすめの飲み物
コンビニや外出先などでどんな飲み物を選べばいいのかをご紹介します。風呂上がり、夜寝る前に飲むときなどのシチュエーション別も掲載しますので参考にしてください。
コンビニなどでペットボトル飲料を買うとき
コンビニでペットボトル飲料を買うときはミネラルウォーターやノンカフェイン、無糖のものを選ぶようしましょう。最近はお茶でもノンカフェインのものが増えてきていますのでお好みの飲み物がきっと見つかると思います。
爽健美茶を飲むと流産するの?
インターネット上の噂(うわさ)で、日本コカコーラから販売している「爽健美茶」を飲むと流産するというのがあります。Twitter(ツイッター)でも「マタニティマークを付けた人が、爽健美茶を飲んでいたので必死で止めた」というツイートが拡散しており、心配しているママさんもいるかもしれません。
しかし、爽健美茶を飲んでも流産につながる医学的な根拠は一つもありませんので安心して飲んでください。
こうしたウソがネット上に拡散された理由として考えられるのが爽健美茶に含まれる「ハトムギ」だと思われます。ハトムギ茶は妊娠初期に摂取すると流産する可能性があると言われていましたが、現在では度を越えた使用をしない限り、妊娠中でも飲んでいい飲み物の一つです。こうしたウソや伝聞にだまされないように注意してください。
ファミレスやカフェ、結婚式などの外食時
ファミレスのドリンクバーやカフェでも、最近は少しずつノンカフェイン・カフェインレスの飲み物が増えてきています。居酒屋に行く機会があるなら、アルコール0.00%のノンアルコールドリンクであれば楽しむのもいいでしょう。
結婚式などフォーマルな場は事前に確認しておくのが確実でしょう。
風呂上がりや夜寝る前、食事のとき
食事中の飲み物には、食べ物の味を邪魔しないミネラルウォーターがおすすめです。食後はカフェインレスの飲み物がいいでしょう。
風呂上がりの一杯には、口の中もリフレッシュできる無糖の炭酸水がいいかもしれません。また、就寝前はリラックスする働きがあるホットミルクやノンカフェインのお茶がおすすめです。朝起きたときには、白湯で胃腸の動きを促進するのがいいでしょう。
妊娠中に飲むのを注意して欲しい飲み物
妊娠中は、ママが摂取した食べ物・飲み物の成分は胎盤を通じて赤ちゃんにわたります。いつも飲んでいる飲みものでも妊娠中は避けた方がいいものもあるのでチェックしていきましょう。
アルコール
妊娠中はアルコール度数に限らず禁酒してください。なぜなら赤ちゃんはアルコールを上手く分解できません。ママが飲んだアルコールは、胎盤を通じて赤ちゃんの身体にたまっていってしまうからです。特に胎児の脳に大脳皮質が作られる妊娠初期から中期には注意しましょう。
「少しだけならいいんじゃない?」と思っても、それが習慣化してしまい、「胎児性アルコール症候群」のような深刻なケースにつながることもあります。赤ちゃんの発達のことを考えて、妊娠中のアルコール摂取は控えてください。
カフェイン
コーヒー、紅茶、緑茶などに含まれるカフェインも、胎盤を通じて赤ちゃんに届きます。赤ちゃんの肝臓はカフェインを分解する機能が未熟なので、負担をかけてしまいます。コーヒーなら薄めのものを1日1~2杯程度、紅茶や緑茶だったら2~3杯程度にしておきましょう。ローカフェイン、カフェインレス(=デカフェ、90%程度除去したもの)、ノンカフェイン(カフェインを全く含まない)などの飲み物も販売されていますので、それに替えて飲むのも1つの方法です。
糖分の多い飲み物
気分転換に糖分入りの飲み物を飲むのはよいのですが、甘い炭酸飲料などは糖分が多く含まれています。果物にも果糖が含まれているので、身体にいいからとしてジュースなどを摂りすぎると、中性脂肪になってしまいますので要注意です。スポーツドリンク、カロリーオフ飲料なども、何杯も飲んでしまうと糖分の摂りすぎにつながります。糖分入りの飲み物を摂るときは、どのくらいの量が入っているか把握して、糖分量をしっかりコントロールしておきましょう。
ハーブティー
全てではありませんが、一部に子宮を収縮させる作用があるものもあります。過剰に摂取するのは控えておきましょう。どうしても飲みたい場合は、「マタニティ用」のハーブティーを検討しましょう。
ルイボスティー
ノンカフェインで広く妊婦さんに好まれているルイボスティーですが、ポリフェノールが多く含まれています。妊娠期間中に摂りすぎると、「動脈管早期収縮」といって赤ちゃんの血管に影響が出る事例が報告されています。大量に摂取することは控えておきましょう。
妊婦さんから「のんでいいか?」とよく聞かれる飲み物
妊婦さんから「この飲み物は飲んでもいいの?」というご相談を受けることがあります。代表的なものを二つご紹介しますのでぜひご覧ください。
ココア
ココアに含まれるカフェインは少量なので、妊婦さんが飲んでも問題はありません。ただし、糖分があるので飲み過ぎると体重増加につながるので注意してください。
カルピス
カルピスの原料は以下の通りです。
- ・牛乳
- ・乳酸菌
- ・砂糖
- ・香料
- ・大豆多糖類
カフェインやアルコールはありませんので問題ありません。ただし、砂糖が入っているので飲み過ぎないようにしましょう。
栄養ドリンク
栄養ドリンクは原料にカフェインが含まれているものがあります。カフェインの過剰摂取は赤ちゃんの発達に悪影響を与えるため飲むときは必ず成分と材料の二つを確認しましょう。
つわりがひどい妊婦さんにおすすめの飲み物
ひどいつわりで何も口に入れたくないという妊婦さんもいると思います。そんなときでも飲める飲み物があります。
・口の中がスッキリする炭酸水
炭酸水を飲むとつわりの気持ち悪さが軽減されて、楽になると感じる人が多いようです。味もないのでつわりがひどいときは水を飲む感覚で試してみてください。
・甘酸っぱいオレンジジュース
オレンジジュースを飲んでつわりが軽くなったママさんもいるようです。選ぶのは果汁100%のものにしてください。リンゴやグレープフルーツなどのジュースでも効果があるようなのでお気に入りの味を探してみるのもいいかもしれません。
妊娠中はこまめに水分補給をしましょう
妊娠中のママさんは積極的な水分補給が必要です。推奨されている量は、1日あたり約1.5~2ℓが目安と言われています。どうして水分を摂らないといけないのかは以下の4つが理由です。
・汗をかきやすいから
女性は妊娠すると脂肪が増え、それを燃焼させることで基礎体温が上がります。そうなると新陳代謝も活発になって汗をかくため大量の水分補給が必要となるのです。
・羊水に水分が必要だから
羊水は妊婦さんの体外で起きるさまざまなリスクから赤ちゃんを守る大切な液体です。羊水の量は、妊娠週数が進むにつれて少しずつ増えていき、ピーク時には約800mℓになります。
しかも、妊娠後期になると赤ちゃんは母乳を飲む練習のために羊水を飲みます。減った分の羊水を生み出すために水分補給が欠かせないのです。
・ママの血液量が増加するから
妊娠すると、赤ちゃんにより多くの酸素と栄養素を送るため、ママの血液量は非妊娠時の約40%も増加します。当然、血液が増えた分の水分を補給しないといけません。
なぜなら効果的に栄養や酸素を赤ちゃんや身体全体に送るためには血液がさらさらしている必要があるからです。
・頻尿になりやすい
赤ちゃんが大きくなると膀胱が圧迫され、尿意を感じやすくなります。そのためトイレへ行く回数が増えてしまい、排出する水分量が増えてしまいます。減った分を補うためにも水分補給が大切になります。
まとめ
妊娠はずっと続くわけではありません。「あれが飲みたい!」と思っても赤ちゃんのことを考えて我慢しなきゃ……と、つらく感じることもあるかもしれませんが、いつまでも飲めないわけではありません。赤ちゃんが生まれて、母乳が終わるまではママの摂取した食べ物・飲み物が影響してきますから、それが終わるまでの辛抱です! ほんのちょっとだけ、ママの楽しみを赤ちゃんのために取っておいてください。