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羊水検査は痛い?針の太さと痛みを緩和するコツ
臨床遺伝専門医が解説
この記事の解説者:仲田 洋美(臨床遺伝専門医)
ミネルバクリニック院長。自身も出産を経験した女性医師として、専門的な知識と親身な視点から出生前診断について解説します。非認証施設でありながら臨床遺伝専門医が在籍する稀有な環境で、正確性と心のケアを最優先した診療を行っています。
Q. 羊水検査の針はどれくらい痛いですか?
A. 採血と同じくらいの痛みです。
使用する針は25G(ゲージ)という細さで、これは一般的な採血の針よりも細いものです。皮膚を刺す瞬間のチクリとした痛みと、子宮壁を通る時の生理痛のような圧迫感(鈍痛)がありますが、「想像していたより痛くなかった」とおっしゃる方が大半です。
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針の太さ → 25G(約0.5mm)。採血針より細い極細針を使用 -
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痛みの種類 → 皮膚の「チクリ」と子宮の「圧迫感(ズンッ)」 -
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麻酔 → 精神的な安心感には有効だが、注射回数は増える
「お腹に針を刺すなんて怖い」「赤ちゃんに刺さらないか心配」
羊水検査(羊水穿刺)に対して、このような不安を抱えている妊婦さんは非常に多いです。確定診断として非常に精度の高い検査ですが、やはり痛みやリスクについては正しく知っておきたいものです。
この記事では、臨床遺伝専門医である私、仲田洋美が、羊水検査で使用する針の「実際の太さ」や「痛みのリアル」、そして痛みを最小限に抑えるためのコツについて、現場の視点から包み隠さずお話しします。
1. 羊水検査の針は想像より「細い」です
【結論】 羊水検査で使用される針は一般的に25G(ゲージ)という太さです。これは健康診断などで採血に使う針(21〜22G)よりも細く、痛みを感じにくいように設計されています。
羊水検査への恐怖心の多くは「太い針をお腹に刺される」というイメージから来ているのではないでしょうか。しかし、実際に医療現場で使用されている針は、皆さんが想像しているよりもずっと細いものです。
針のサイズとゲージの比較
医療用針の太さは「G(ゲージ)」という単位で表され、数字が大きくなるほど針は細くなります。羊水検査で一般的に使われるのは25G(外径約0.5mm)です。
| 針の種類 | G(ゲージ) | 太さの目安 | 用途 |
|---|---|---|---|
| 輸血・献血用 | 18G | 約1.2mm | かなり太い |
| 一般的な採血 | 21〜22G | 約0.7〜0.8mm | チクッとする |
| 羊水検査 | 25G | 約0.5mm | 採血より細い |
| インスリン注射 | 30G〜 | 約0.3mm | 極細 |
皆さんが健康診断などで採血をする時の針よりも、羊水検査の針の方が細いのです。針の長さは10〜12cmほどありますが、太さ自体は髪の毛数本分程度と考えてください。
「えっ、もう終わりですか?」と言われることが多いです
診察室で羊水検査の針をお見せすると、「長い!」と驚かれる方がいらっしゃいますが、実際の検査が終わると「採血よりも痛くなかった」「もう終わったんですか?」とおっしゃる患者様が大半です。
25Gという細さは、痛みを感じにくく、かつ羊水を吸い上げるのに適した絶妙なサイズです。長さに驚くかもしれませんが、お腹の脂肪や筋肉を通って子宮に届かせるために必要な長さであり、すべてが体に入るわけではありませんので安心してくださいね。
2. 羊水検査の「痛み」の正体とは?
【結論】 羊水検査で感じる痛みは主に2種類あります。「皮膚を刺す瞬間のチクッとした痛み」と「子宮壁を通る時の圧迫感」です。多くの場合は我慢できる範囲の痛みです。
「痛くない」と言われても、やはり不安ですよね。羊水検査で感じる感覚は、大きく分けて2種類あります。
① 皮膚を通過する時の「チクッ」
これは通常の注射と同じ感覚です。皮膚表面には痛点があるため、針が刺さる瞬間にチクリとしますが、一瞬で終わります。
② 子宮壁を通る時の「ズンッ(圧迫感)」
こちらが羊水検査特有の感覚かもしれません。針が子宮の筋肉を通る際、生理痛のような重い感じや、お腹を内側から押されるような圧迫感(鈍痛)を感じることがあります。鋭い痛みというよりは、「違和感」に近いと表現する方が多いです。
痛みが不安な方も、ミネルバクリニックへ。
専門医の技術と、トラウマを防ぐ心のケアがあります。
3. 局所麻酔はしたほうがいい?専門医の見解
【結論】 医学的には麻酔なしでも十分耐えられる痛みですが、恐怖心が強い場合は麻酔が有効です。「麻酔をした」という安心感がリラックスにつながり、結果的に痛みを減らす効果があります。
羊水検査で局所麻酔をするかどうかは、医療機関によって方針が異なります。また、患者様の希望で選べる場合もあります。
⚠️ 麻酔のメリット・デメリット
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麻酔をするメリット: 精神的な安心感が得られる。針を刺す瞬間の皮膚の痛みが消える。
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麻酔をするデメリット: 麻酔の注射自体の痛みがある。針を刺す回数が増える(麻酔針+検査針)。
痛みへの恐怖が強いなら、遠慮なく麻酔を
医学的な観点だけで言えば、麻酔の注射も検査の針も太さはほぼ同じなので、「1回で済ませた方がトータルの痛みは少ない」という考え方も正解です。
しかし、痛みは「メンタル」に大きく左右されます。「怖い、痛いかも」と全身に力が入っていると、お腹の筋肉が硬くなり、余計に痛みを感じやすくなります。「麻酔をしたから大丈夫」とリラックスして受けていただくことが、結果的に一番の痛み止めになることも多いのです。
ミネルバクリニックでは、患者様のご不安に合わせて柔軟に対応しています。
4. 痛み以外のリスクと合併症
【結論】 羊水検査は侵襲的検査(体に傷をつける検査)であり、約0.3%(1/300)程度の流産リスクがあります。しかし、超音波ガイド下での穿刺により、安全性は以前より格段に向上しています。
羊水検査後に起こりうる主な合併症と、その発生頻度は以下の通りです。
| 合併症 | 発生頻度 | 説明 |
|---|---|---|
| 流産 | 約0.3〜0.5% | 最も重大なリスク。破水や感染が原因となることがあります。 |
| 羊水漏出 | 約1.7% | 穿刺部位から羊水が漏れる状態。多くは自然に止まります。 |
| 子宮内感染 | 0.1%未満 | 適切な消毒により、現在は非常に稀です。 |
5. 「確定診断」が必要か?NIPTという選択肢
【結論】 「流産のリスク」や「お腹に針を刺すことへの恐怖」がどうしても拭えない場合は、まずNIPT(新型出生前診断)を受けるという選択肢があります。採血のみで検査でき、流産リスクはありません。
NIPTは、お母さんの腕からの採血のみで行う検査です。
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採血だけで検査可能(痛みは採血のみ、流産リスクなし)
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一般的なNIPTは妊娠10週からですが、ミネルバクリニックでは臨床研究として妊娠6週からの早期受検も対応しています。
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陰性的中率は99.9%以上と非常に高精度
NIPTは「非確定検査」であるため、陽性の場合は羊水検査での確定診断が推奨されますが、陰性であれば羊水検査を回避できる可能性が非常に高くなります。まずはNIPTでスクリーニングを行い、必要な場合のみ羊水検査を検討するというステップを踏む方が増えています。
よくある質問(FAQ)
🏥 羊水検査やNIPTについてのご予約・診療
羊水検査の痛みやリスクについて不安がある方、まずはNIPTを検討したい方。
どんなことでもお気軽にご予約ください。
臨床遺伝専門医があなたとご家族に寄り添います。
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