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ステロイド抵抗性ネフローゼ症候群の遺伝子検査|ステロイドが効かない原因を14遺伝子で調べる

仲田洋美 医師

この記事の監修・執筆:仲田洋美(臨床遺伝専門医)

ミネルバクリニック院長。臨床遺伝専門医・総合内科専門医・がん薬物療法専門医。1995年に医師免許を取得し、遺伝医療と出生前診断に携わっています。

記事の作り方(編集方針)

ステロイド抵抗性ネフローゼ症候群の遺伝子検査

ステロイドが効かないネフローゼ症候群(ステロイド抵抗性ネフローゼ症候群)の一部は、腎臓のろ過のしくみをつくる遺伝子の、生まれつきの変化が原因です。子どものころに発症した方では約30%に遺伝子の原因が見つかるとされています[1]。原因の遺伝子がわかると、効かない薬を長く続けずに済むか、腎移植のあとに再発しにくいか、ご家族が腎臓を提供できるか、次のお子さんにどう伝わるかまで、見通しを立てる手がかりになります。このページでは、NPHS1・NPHS2・WT1など14遺伝子を調べる遺伝子検査でわかることと、わかったあとにできることを、臨床遺伝専門医が解説します。

⏱️ 30秒でわかる要約

🧬 Q. この検査で何がわかりますか?

ステロイド抵抗性ネフローゼ症候群の原因になる14の遺伝子(NPHS1・NPHS2・WT1・LAMB2など)に、病気の原因となる変化があるかを一度に調べます。遺伝子が原因の型か、免疫などほかの原因の型かを見分ける手がかりになります。

🧬 Q. どんな人が受けるとよいですか?

ステロイドで蛋白尿が消えないお子さん、生後まもなく〜乳児期にネフローゼを発症したお子さん、腎生検で巣状分節性糸球体硬化症(FSGS)と言われた方、ご家族にネフローゼや腎不全の方がいる方です。国際的な指針は、ステロイド抵抗性ネフローゼ症候群の子ども全員に、可能なら遺伝子検査を行うことを勧めています[2]。

🧬 Q. 費用・日数・検体は?

検査費用は税込330,000円、遺伝カウンセリング料が30分22,000円(税込)別にかかります。結果までは2〜3週間です。検体は血液・唾液・頬の内側の粘膜などで、唾液・粘膜ならオンライン診療でも受けられます。

🧬 Q. 結果のあとはどうなりますか?

結果は臨床遺伝専門医が遺伝カウンセリングで直接ご説明してから、マイページにアップします。原因が見つかれば、治療の選び方・腎移植の見通し・ご家族の検査・次のお子さんへの確率(潜性遺伝では、ご両親がともに同じ病気の保因者なら発症する確率は4分の1。顕性遺伝では、親が原因の変化をもつ場合に受け継ぐ確率は2分の1)を一緒に考えます。意義がまだわからない変化(VUS)の扱いもご説明します。

\ 一生変わらない遺伝子を知って、治療とこれからの計画に /

📅この検査を予約する(遺伝カウンセリングの予約)

検査の前に臨床遺伝専門医が遺伝カウンセリングを行い、結果も臨床遺伝専門医が直接ご説明します。

お問い合わせはこちら | ネフローゼ症候群・糸球体性蛋白尿パネル(76遺伝子) | どの検査がよいか迷う方へ

1. ステロイド抵抗性ネフローゼ症候群とは?ステロイドが効かないのはなぜ?

ステロイド抵抗性ネフローゼ症候群(SRNS)とは、ネフローゼ症候群の治療の中心であるステロイド(プレドニゾロン)を決められた量で4週間使っても、蛋白尿が完全には消えない状態をいいます[2]。国際小児腎臓学会(IPNA)の指針(2020年)は、4週の時点で完全寛解に至らない場合をステロイド抵抗性とし、4〜6週目を「確認期間」として、治療を続けながら最終的に判断するとしています[2]。

ネフローゼ症候群は、腎臓から大量の蛋白が尿に漏れ出て、血液中の蛋白(アルブミン)が減り、むくみなどが起こる状態です。子どものネフローゼ症候群の多くはステロイドがよく効きますが、効かない型があり、そこに「生まれつきの遺伝子の変化」が隠れていることがあります。なお大人では、十分な量のステロイドだけで治療して1か月後の判定で完全寛解・不完全寛解Ⅰ型に至らない場合を、ステロイド抵抗性としています(難病情報センター・一次性ネフローゼ症候群、令和6年4月更新の情報)。

免疫が原因の型と、遺伝子が原因の型

ステロイド抵抗性ネフローゼ症候群には、免疫の働きが関わると考えられる型と、腎臓のろ過のしくみそのものに生まれつきの異常がある「遺伝性」の型があります。この2つでは、治療の考え方が大きく違います。

遺伝性疾患の解説書GeneReviewsによると、ステロイド抵抗性ネフローゼ症候群全体では、免疫抑制治療を強めることで約50%の方が寛解を保てる一方、残りの方は複数の薬が効かず、慢性腎臓病・腎不全へ進むとされています[1]。2024年9月には、ステロイドパルス療法や免疫抑制薬で寛解しない「難治性ステロイド抵抗性ネフローゼ症候群」に対して、リツキシマブ(リツキサン®)が国内で承認されました(神戸大学の発表、2024年10月)。免疫が関わる型では治療の選択肢が増えている一方、遺伝子が原因の型では、免疫抑制治療をやめることが国際的な指針で勧められています[2]。つまり「どちらの型か」を知ることが、次の治療を選ぶための大事な分かれ道になります。

巣状分節性糸球体硬化症(FSGS)と、腎臓のろ過のしくみ

腎臓には、血液をこして尿をつくる「糸球体」という小さなフィルターが、たくさんあります。このフィルターの外側を、タコの足のような突起をもつ「足細胞(ポドサイト)」が包み、突起と突起のすき間には「スリット膜」という細かい膜が張られています。スリット膜は、体に必要な蛋白を尿に漏らさないための最後の関所です。

🧬 腎臓のフィルターの部品と、主な遺伝子

フィルターの部品 役割 関係する主な遺伝子
スリット膜 足細胞のすき間をふさぎ、蛋白が漏れるのを防ぐ NPHS1(ネフリン)、NPHS2(ポドシン)、CD2AP
足細胞の骨組み 突起の形を保ち、フィルターの構造を支える ACTN4、INF2
足細胞の信号・イオンの通り道 細胞の中の信号やカルシウムの出入りを調節する TRPC6、PLCE1
糸球体基底膜 フィルターの土台になる膜 LAMB2
足細胞の発生・維持 足細胞を育て、働きを保つ指令を出す WT1、LMX1B
細胞のエネルギー・そのほか CoQ10(コエンザイムQ10)をつくる、細胞の中の分解・DNAの修復など COQ2、PDSS2、SCARB2、SMARCAL1

※遺伝子と病気の関係はGeneReviews[1]による。部品の分け方は、わかりやすくするための目安です。

これらの部品のどれかに生まれつきの異常があると、ステロイドで免疫を抑えても、フィルターの穴そのものはふさがりません。腎生検(腎臓の組織を少し取って顕微鏡で見る検査)では、糸球体の一部が硬くなる巣状分節性糸球体硬化症(FSGS)という形で見つかることがあります。FSGSは、難病情報センターでも一次性ネフローゼ症候群の主な病型のひとつに挙げられ、遺伝性FSGSの原因遺伝子が複数見つかっていることが記載されています。

年齢と、遺伝子で原因が見つかる割合

遺伝子で原因が見つかる割合は、発症した年齢が低いほど高くなります。GeneReviewsは、ステロイド抵抗性ネフローゼ症候群のうち、小児期に発症した方の約30%、成人で発症した方の10〜15%に、約60ある関連遺伝子のどれかの変化が見つかるとしています[1]。

1,783家系を調べた国際的な研究では、29.5%に単一の遺伝子の原因が見つかり、発症年齢が上がるほどその割合は下がっていました[3]。生後1年以内に発症したネフローゼ症候群に限ると、約3分の2がNPHS1・NPHS2・WT1・LAMB2の4つの遺伝子の変化で説明できたと報告されています[4]。この4つはすべて、このページの検査に含まれています。生まれてすぐに発症する先天性ネフローゼ症候群(フィンランド型など)では、NPHS1が最大で50%を占めるとされています[1]。

2. 遺伝子検査を受けるとよい人・別の検査が向いている人

ステロイドが効かないネフローゼ症候群で、原因が遺伝子にあるかを知りたい方に向く検査です。IPNAの指針は、原発性のステロイド抵抗性ネフローゼ症候群と診断された子ども全員に、可能であれば遺伝子検査を行うことを勧めています[2]。

  • ●4週間のステロイド治療でも蛋白尿が消えないお子さん(ステロイド抵抗性ネフローゼ症候群)
  • ●生後まもなく〜1歳までにネフローゼ症候群を発症したお子さん(先天性・乳児ネフローゼ症候群)
  • ●免疫抑制薬も効かない、難治性ネフローゼ症候群の方
  • ●腎生検で巣状分節性糸球体硬化症(FSGS)やびまん性メサンギウム硬化症と言われた方
  • ●ネフローゼ症候群に、目・爪とひざの骨・性器の発達・神経・免疫の異常などを伴う方
  • ●ご家族にネフローゼ症候群・FSGS・若いうちの腎不全や透析の方がいる方
  • ●腎移植を考えていて、移植のあとの見通しや、ご家族からの腎臓の提供を考えたい方

原因がわからないまま薬を変え続けるのは、ご本人にもご家族にも大きな負担です。遺伝子の原因がわかれば、「なぜ効かなかったのか」に答えが出て、診断までの回り道を終わらせる手がかりになります。ただし、検査を受けた全員に原因が見つかるわけではありません(第4章)。

ご家族がネフローゼ・腎不全で「自分も?」と不安な方へ

親やきょうだいがネフローゼ症候群や若いうちの腎不全になり、「自分も、子どもも同じ病気になるのでは」と不安を抱えながら暮らしている方もいます。健康診断の尿検査の結果が届くたびに落ち着かない、という気持ちになることもあるかもしれません。

このページの14遺伝子のうち、ACTN4・INF2・LMX1B・TRPC6・WT1などの常染色体顕性遺伝の型は、思春期や大人になってから発症することもあります[1]。GeneReviewsは、ご家族の中で原因の遺伝子が確定したら、蛋白尿のない血縁者も遺伝子検査を受けるべきとしています。あわせて、尿の蛋白の検査は、遺伝子の結果を待たずにできるだけ早く受けることを勧めています[1]。

  • ●ご家族の変化を受け継いでいなかったとき:その変化についての経過観察の対象からは外れうるとされています[1]。ただし、ほかの原因の腎臓病まで否定されるわけではありません。
  • ●受け継いでいたとき:早く知ることで、蛋白尿を減らす薬(レニン・アンジオテンシン系の阻害薬)を始める、血圧を早く見つけて治療する、効かない治療を避ける、CoQ10欠乏症ならCoQ10の補充を早く始める、といった手が打てる可能性があるとされています[1]。腎臓の主治医と、見張りの計画を立てられます。
  • ●知らないでいることも選べます:検査を受けるかどうかは、遺伝カウンセリングで十分に考えてから決めていただきます。

当院は、ライフステージごとに患者さんの人生をサポートするという考え方で診療しています。知りたいと願う方を拒むことはしません。遺伝カウンセリングで十分に考えたうえで、ご本人が知りたいと決めた場合は、その意思を尊重して検査まで行います。知らないでいる選択も、同じように尊重します。結婚や出産を考える時期に、ご自身が原因の変化をもっているかを知っておくと、パートナーの検査や、妊娠したときの出生前診断の計画まで、知ったうえで選べるようになります。結果を知ったあとの気持ちの変化は、どちらの結果でも起こりえます。結果をお伝えしたあとも、遺伝カウンセリングで相談を続けていただけます。

ご家族の原因の遺伝子がすでにわかっている場合は、その変化をピンポイントで調べられます。わかっていない場合は、まず発症しているご家族が検査を受けると、結果の意味がはっきりしやすくなります。

どちらのパネル?尿・血液・画像の結果からの選び分け

ステロイドが効かない子どものネフローゼ症候群なら、まずこのページの14遺伝子の検査が向いています。大人での発症や、血尿・難聴などほかの手がかりがあるときは、より広いパネルや別のパネルのほうが向くことがあります。当院のネフローゼ症候群・糸球体性蛋白尿パネル(76遺伝子)には、このページの14遺伝子がすべて含まれ、さらにアルポート症候群の遺伝子(COL4A3・COL4A4・COL4A5)やAPOL1なども入っています。

🔍 検査の結果・症状からのパネルの選び方

こんなとき 向いている検査
子どもで発症し、ステロイドで蛋白尿が消えない/乳児期までに発症した このページの検査(ステロイド抵抗性ネフローゼ症候群パネル・14遺伝子)
大人で発症したFSGS・蛋白尿/14遺伝子で原因が見つからなかった/家族に蛋白尿や腎不全の方が多い ネフローゼ症候群・糸球体性蛋白尿パネル(76遺伝子)
血尿が目立つ・難聴・目の異常がある/家族に血尿や腎不全の方がいる アルポート症候群パネル
貧血(赤血球が壊れる)や血小板の減少を伴って、急に腎臓が悪くなった TMA(血栓性微小血管症)パネル
画像で腎臓に嚢胞(水のふくろ)がたくさんある 多発性嚢胞腎パネル
腎臓以外の症状も多く、病気をしぼれない 全エクソーム検査(WES)

※比べる相手は検査の種類です。どれが合うかは、尿・血液の検査、腎生検、画像、ご家族の情報で変わります。遺伝カウンセリングで一緒に決めましょう。

\ 「なぜ効かないのか」に、遺伝子から答えを /

📅この検査を予約する(遺伝カウンセリングの予約)

14遺伝子を一度に調べ、結果は2〜3週間で臨床遺伝専門医が直接ご説明します。唾液・頬の粘膜ならオンライン診療でも受けられます。

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3. 調べる14遺伝子と、わかる病気

この検査では、ステロイド抵抗性ネフローゼ症候群の原因として知られる14の遺伝子を、一度に調べます。遺伝子ごとに、発症しやすい年齢、遺伝のしかた、腎臓以外に出る症状が違います。

🧬 対象の14遺伝子と関係する病気

遺伝子 関係する病気・特徴 遺伝のしかた
ACTN4 FSGS。大人になってから発症することが多い。遺伝性SRNSの約1% 常染色体顕性
CD2AP FSGS・ステロイド抵抗性ネフローゼ症候群。小児・成人。1%未満 常染色体顕性/潜性
COQ2 CoQ10欠乏症(脳・筋肉の症状、運動失調、けいれん、発達の遅れ、難聴などを伴うことがある)。CoQ10の補充が治療になりうる 常染色体潜性
INF2 FSGS。思春期〜大人での発症が多い。末梢神経の病気(シャルコー・マリー・トゥース病に似た手足の筋力低下)や難聴を伴うことがある。約3% 常染色体顕性
LAMB2 Pierson症候群(瞳が小さい・白内障などの目の異常、筋緊張の低下、発達の遅れ)、目の異常を伴わない型もある 常染色体潜性
LMX1B 爪膝蓋骨症候群(ネイル・パテラ症候群)(ひざのお皿の骨・ひじ・骨盤・爪の異常、緑内障)と、手足の異常を伴わない爪膝蓋骨様腎症。3〜5%(10代以降の発症でより多い) 常染色体顕性
NPHS1 先天性ネフローゼ症候群(フィンランド型)、小児期の発症もある。10〜20%(先天性では最大50%) 常染色体潜性
NPHS2 先天性・小児期・成人のステロイド抵抗性ネフローゼ症候群。20〜30%(先天性では最大40%) 常染色体潜性
PDSS2 CoQ10欠乏症(脳・筋肉の症状、けいれん、難聴などを伴うことがある)。CoQ10の補充が治療になりうる 常染色体潜性
PLCE1 先天性・小児期のネフローゼ症候群(びまん性メサンギウム硬化症を示すことがある)。約3% 常染色体潜性
SCARB2 アクションミオクローヌス腎不全症候群(ふるえ、動作で出るぴくつき、けいれん、のちに運動失調など)。進行性ミオクローヌスてんかんの原因のひとつ 常染色体潜性
SMARCAL1 シムケ免疫骨異形成症(背骨と骨の端の発育異常による低身長、T細胞の免疫不全) 常染色体潜性
TRPC6 FSGS。小児・成人。約3% 常染色体顕性
WT1 デニス・ドラッシュ症候群・フレイジャー症候群など。精巣の発生の異常(性分化疾患)、ウィルムス腫瘍、腎尿路の形の異常を伴うことがある。10〜20% 常染色体顕性

※%は、GeneReviewsの表2に示された、症候群ではない(腎臓の症状が中心の)ステロイド抵抗性ネフローゼ症候群全体に占める割合の目安です。括弧内の先天性の場合の割合は、別の対象集団についての数値です。病気・遺伝のしかた・割合はGeneReviews[1]の表による(割合の記載がない遺伝子は書いていません)。

腎臓以外の症状がヒントになる型

14遺伝子のうち半分ほどは、腎臓以外にも症状が出ることがあり、遺伝子がわかると、腎臓以外で何を見張ればよいかが決まります。たとえば、目(LAMB2のPierson症候群、LMX1Bの緑内障)、ひざやひじの骨と爪(LMX1B)、性器の発達と腫瘍(WT1)、背骨・骨の発育と免疫(SMARCAL1)、神経・筋肉・聴力(COQ2・PDSS2・SCARB2・INF2)です[1]。

反対に、こうした症状が先に気づかれていて、あとから腎臓の病気がわかることもあります。腎臓の主治医と、目・耳・骨・神経・内分泌などの専門の診療科が、同じ情報をもって見ていけることが、遺伝子の診断の大きな利点です。

4. この検査でわかること・わからないこと

この検査でわかるのは、14遺伝子の配列の小さな変化(1つの文字の置き換わり、小さな挿入・欠失)と、遺伝子のまとまった欠失・重複です。一方で、遺伝子検査には必ず限界があります。

  • ●調べる範囲:遺伝子の中で蛋白をつくる部分(エクソン)と、その境目を中心に読みます。調べる領域の99%以上を、各位置について20本以上の配列データが得られる深さで読み取ります。この数値は、変化を見つけられる割合(検出率)そのものを示すものではありません。
  • ●欠失・重複:遺伝子1つ分がまるごと欠けている・増えている変化は、頬の粘膜・血液のどちらでも見つけられます。2つ以上続くエクソンの欠失・重複は、血液の検体で見つけられます。エクソン1つだけの欠失・重複は、見つかることはあっても、いつも見つけられるわけではありません。見つかった欠失・重複は、別の原理の方法(qPCR法やMLPA法)でもう一度確かめてから報告します。
  • ●見つけられない変化:染色体の一部の入れ替わり(転座・逆位)、同じ配列のくり返しが長くなる変化(リピート伸長)、遺伝子の働きを調節する部分や、エクソンから離れた場所の変化は見つけられません。体の一部の細胞にだけ変化がある状態(モザイク)を見つけるための検査でもありません。
  • ●調べていない遺伝子:ステロイド抵抗性ネフローゼ症候群に関係する遺伝子は約60とされ[1]、この検査はそのうち主な14遺伝子にしぼっています。
  • ●意義がまだわからない変化(VUS):病気の原因かどうか、まだ判断できない変化が見つかることがあります。

⚠️ 陰性でも「遺伝性ではない」とは言い切れません

原因が見つからなくても、この検査で調べていない遺伝子や、見つけられない種類の変化が原因のことがあります。陰性の結果は「免疫が関わる型の可能性が高まる」ひとつの材料で、診断を最終的に決めるのは、腎生検や治療への反応などとあわせた主治医の判断です。調べた目的とは別の病気の原因が見つかった場合の扱いは、当院の二次的所見の開示方針のとおりです。

5. 病的変異が見つかったら、次にできること

原因の遺伝子がわかると、ご本人の治療と見張り、腎移植の見通し、ご家族の検査、次のお子さんの計画まで、具体的な次の一手が決まります。生まれ持った遺伝子は一生変わりません。一度の検査でわかったことは、この先ずっと使える情報になります。治療そのものは、腎臓内科・小児腎臓科など専門の医療機関で行います。

①ご本人:効かない治療を避ける・CoQ10で治療できる型・合併症の見張り

効かない治療を続けない:IPNAの指針は、単一の遺伝子が原因のステロイド抵抗性ネフローゼ症候群では、免疫抑制治療をやめるべきとしています[2]。GeneReviewsも、ステロイド抵抗性と診断されたら効かないステロイドを続けないこと、遺伝性の根拠がある方ではシクロスポリンなどほかの免疫抑制薬を控えることが提案されているとしています。ただし、どうするかは一人ひとり判断するとされています[1]。ステロイドや免疫抑制薬を長く使うと、感染症や成長・骨への影響などの副作用が心配になります。効かない薬を減らせる見通しが立つことは、ご本人にとって大きな意味があります。

治療できる型を見逃さない:COQ2・PDSS2など、CoQ10(コエンザイムQ10)をつくる遺伝子の変化が原因の型は、治療できる可能性があるとされています[3]。GeneReviewsも、CoQ10欠乏症ではユビキノン(CoQ10)の補充を早く始めることを、早く診断する利点に挙げています[1]。IPNAの指針も、遺伝子検査でCoQ10などの治療ができる型が見つかることがあるとしています[2]。CoQ10欠乏症には神経・筋肉の症状が前に出る型もあり、その場合は核遺伝子ミトコンドリア病パネルが向くこともあります。

腎臓以外の見張り:WT1の変化では、ウィルムス腫瘍(腎臓の腫瘍)や性腺の腫瘍が起こりうることが知られており、腎臓以外の症状の見張りが、早く手を打つことにつながるとされています[1]。LMX1Bでは緑内障、INF2では神経と聴力、SMARCAL1では免疫など、遺伝子ごとに確かめておきたいことが決まります。

②腎移植の見通しと、ご家族から腎臓をもらうとき

遺伝子が原因の型では、腎移植のあとに同じ腎臓の病気が再発するリスクは、一般に低いとされています。GeneReviewsは、遺伝子が原因でないステロイド抵抗性ネフローゼ症候群の約70%が、移植した腎臓ですぐに再発すると説明しています[1]。新しい腎臓は、ご本人の遺伝子の変化をもっていないためです。ただし、遺伝性の型でも例外があります。フィンランド型の先天性ネフローゼ症候群(NPHS1の「Fin-major」という変化を2つもつ型)では、移植のあとにネフリンに対する抗体ができて、ネフローゼ域の蛋白尿が出ることが報告されています。その頻度は、この遺伝子型の患者さんの約30%とされています[5]。また、腎移植で治るのは腎臓の働きであって、腎臓以外の症状や、遺伝子の変化そのものが治るわけではありません。移植のあとの再発がどれくらい心配かを前もって見通せることは、移植の準備を考えるうえで大切な情報です(一人ひとりの再発のしやすさは、移植の専門の医療機関で評価されます)。

ご家族から腎臓をもらう生体腎移植では、遺伝子の情報がさらに大切になります。GeneReviewsは、腎臓を提供する可能性のある親族は遺伝子検査を受けるべきだとしています。そのうえで、常染色体顕性(またはX連鎖)の原因となる変化をもつ親族は、症状がなくても腎臓の提供者にはなれないとしています。常染色体潜性の変化を1つだけもつ保因者の親族は、さらに評価したうえで提供を検討できるとされています[1]。ご本人の原因がわかっていれば、ご家族はその変化があるかどうかをピンポイントで調べられます。

③ご家族・パートナー:遺伝する確率と保因者検査

ネフローゼ症候群がご家族に伝わるかどうかは、原因の遺伝子の遺伝のしかたで決まります。14遺伝子のうち、NPHS1・NPHS2など8つは常染色体潜性(劣性)遺伝、WT1・INF2・TRPC6など5つは常染色体顕性(優性)遺伝で、CD2APは両方の報告があります。

  • ●常染色体潜性遺伝:ご両親がともに保因者(変化を1つずつもつ人。ふつうは症状がない)の場合、お子さん1人ごとに4分の1(25%)の確率で発症します[1]。きょうだいも同じ確率です。
  • ●常染色体顕性遺伝:親が変化をもつ場合、お子さん1人ごとに2分の1(50%)の確率で受け継ぎます[1]。症状の出方や重さは人によって違うことがあります。

潜性遺伝の病気では、パートナーが同じ遺伝子の保因者かどうかが、次のお子さんの確率を左右します。当院の拡大版保因者スクリーニング(女性版787遺伝子)と男性版714遺伝子には、このページの14遺伝子のうちNPHS1・NPHS2・SMARCAL1が含まれています(2026年10月時点で各ページの遺伝子一覧を確認)。それ以外の11遺伝子は含まれていないため、ご家族で原因がわかっている場合は、その遺伝子を調べる方法を遺伝カウンセリングでご相談ください。妊娠中の方には、NIPTと同じ日に採血できるカップルの保因者検査ファミリーセーフティ プラスもあります(単独では受けられません)。

④次のお子さんを考えるとき:出生前診断

ご家族で原因の遺伝子の変化がわかっていれば、妊娠したときに、赤ちゃんに同じ変化があるかを調べられます。絨毛・羊水からの胎児の出生前診断は当院で承っております。当院では羊水検査・絨毛検査を院内で行っています(2025年6月から産婦人科を併設)。その病気で出生前診断を行えるかは、病気の重さや国内の指針を踏まえて個別に判断しますので、妊娠を考えている段階からご相談ください。ご家族で原因がわかっていない場合の選択肢として、出生前全エクソーム(WES)検査もあります。

日本でも、日本産科婦人科学会の指針にもとづく審査を経て、PGT-M(着床前遺伝学的検査)が行われています(当院は体外受精・PGT-Mを行っていません)。準備に必要なことは海外でPGT-Mを考えている方へで解説しています。もちろん、何も検査をせずに妊娠・出産することも、そのまま選べる選択肢です。どの選択も尊重します。

⑤当院でのその後

結果は、臨床遺伝専門医が遺伝カウンセリングで直接ご説明してから、マイページにアップします。結果の意味、主治医に伝えること、ご家族の検査、妊娠の計画まで、次にどうするかを一緒に考えます。遺伝カウンセリング料は30分22,000円(税込)です。主治医の先生に結果を共有するときの読み方は、遺伝子検査結果の見かたもご覧ください。

6. 陰性・VUSだったとき

原因が見つからなかった場合は、免疫が関わる型の可能性が高くなりますが、遺伝性を完全に否定することはできません(第4章)。大人での発症、血尿、ご家族に腎臓病の方がいるなど手がかりがあれば、より広いネフローゼ症候群・糸球体性蛋白尿パネル(76遺伝子)や、全エクソーム検査(WES)を考えます。研究が進むと、同じデータを解析し直して新しくわかることもあります。

意義がまだわからない変化(VUS)は、それだけで診断に使ったり、治療を変えたり、ご家族の検査に使ったりはしません。ご両親を調べて変化がどこから来たかを確かめると、判断が進むことがあります。のちに意味がはっきりすることもあります。

7. 日本の制度(指定難病・小児慢性特定疾病)

ネフローゼ症候群は、子どもでは小児慢性特定疾病、大人では指定難病の対象になりうる病気です(2026年10月時点で確認)。

小児慢性特定疾病情報センターの「慢性腎疾患」の対象疾病には、フィンランド型先天性ネフローゼ症候群、びまん性メサンギウム硬化症、巣状分節性糸球体硬化症などのネフローゼ症候群が並んでいます。また、LMX1Bが原因のネイル・パテラ症候群(爪膝蓋症候群)も、慢性糸球体腎炎のひとつとして掲載されています。大人では、指定難病222「一次性ネフローゼ症候群」に巣状分節性糸球体硬化症が主な病型として含まれています。一方で、難病情報センターでは、ネイルパテラ症候群などは二次性ネフローゼ症候群に分類されています。

医療費の助成を受けるには、それぞれの制度の認定の基準を満たし、申請する必要があります。病名が遺伝子で確かめられていることは、診断を説明する材料のひとつになります。認定の基準や申請の方法は、難病情報センター・小児慢性特定疾病情報センターや、お住まいの自治体の窓口でご確認ください。

8. 検査の流れ・費用・結果までの日数・検体

検査費用は税込330,000円、結果までは2〜3週間です。唾液・頬の粘膜の検体なら、オンライン診療でも受けられます。

ご予約
▶
遺伝カウンセリング臨床遺伝専門医
▶
お支払い・検体採取キットをお送りします
▶
結果のご説明2〜3週間後・マイページへ

💴 費用・日数・検体

項目 内容
調べる遺伝子 14遺伝子(ACTN4、CD2AP、COQ2、INF2、LAMB2、LMX1B、NPHS1、NPHS2、PDSS2、PLCE1、SCARB2、SMARCAL1、TRPC6、WT1)
調べること 塩基配列・欠失/挿入(どちらも料金に含まれます)
検査費用 税込330,000円
遺伝カウンセリング料 30分22,000円(税込)※検査費用とは別
結果までの期間 2〜3週間
オプション 至急:結果までの期間が約7日短くなります(55,000円)/VUS除外:意義がまだわからない変化(VUS)を報告に含めない(無料)
検体 血液(EDTAチューブ4ml×2本、紫色キャップ)、抽出DNA、頬の内側の粘膜、唾液
オンライン診療 可能。ほとんどの場合、唾液・頬の粘膜で検査できます。血液の場合は、全国の提携医療機関での採血をお願いしています

この検査は、遺伝診療先進国・米国の3大遺伝子検査会社の一角で行います。※

※「3大遺伝子検査会社」は、遺伝性がんや周産期(出生前検査・保因者検査)を含む遺伝子検査全般を手がける米国の検査専業会社のうち、2025年通期の売上高が上位の3社を指します(各社の決算発表にもとづく当院調べ)。がん検診やリキッドバイオプシーに特化した会社は含みません。

オンライン診療(ビデオ通話での診療)で遺伝カウンセリングを行ったあと、検体を当院にお送りいただく流れです。オンラインの場合は、遺伝カウンセリング料金を事前にお支払いください。検体採取キットは、検査料金をお支払いいただいたあとにお送りします。ご自身で勝手に検体を採取しないでください。検体の取り違えや、検査に使えない状態の検体になることを防ぐためです。

結果は、基本的に日本語版でお渡ししています。海外でPGT-Mを受けるなど、英語の原本が必要な方には英語版をお渡ししますので、検査の時にお申し出ください。英語版と日本語版の双方を希望される方は、追加料金5,500円で承ります。当院の検査・遺伝カウンセリングはすべて自費診療です。ご夫婦・ご家族で同じ検査を同じ日に一緒に受ける場合は、遺伝カウンセリング料が1人分になります(検査費用の割引はありません)。

\ 人生に一度の遺伝子検査を、治療とご家族の計画に /

📅この検査を予約する(遺伝カウンセリングの予約)

ご夫婦とも保因者だった場合、妊娠したときの出生前診断(羊水検査・絨毛検査)まで院内で受けられます。

お問い合わせはこちら | どの検査がよいか迷う方へ

9. 院長コラム

仲田洋美院長

🩺 院長コラム【「効かない理由」を知ることは、未来を選ぶこと】

ステロイドが効かないと告げられたとき、ご家族は「次は何を試すのか」という問いに追われがちです。けれども、その前に「なぜ効かないのか」を確かめることには、大きな意味があると考えています。原因が遺伝子にあるとわかれば、効かない薬を減らす判断、腎移植の見通し、腎臓以外の見張り、治療できる型かどうかまで、主治医の先生と同じ地図を持って話し合えるようになるからです。

私自身、希少な常染色体顕性(優性)遺伝性疾患の当事者です。子どもに病気を受け渡したくない、という遺伝の病気をもつ方の思いはよくわかります。また、お子さんが重い症状で発症したのをきっかけに、ご自身も同じ遺伝子の変化を持っていたとわかり、自分のせいだと責めてしまう親御さんを、何度も見てきました。私の当事者としての話は、遺伝性疾患の当事者として、臨床遺伝専門医になった理由に書いています。

遺伝子の変化は誰にでも起こりうるもので、誰のせいでもありません。潜性遺伝の病気では、ご両親はふつう症状のない保因者です。だからこそ、次のお子さんを考えるとき、知ったうえで選べるようにしておくことが大切だと考えています。当院では、検査を受けずにリスクだけをご説明することはしておりません。見た目や家族歴だけではわからないことがあり、検査をせずにリスクをお伝えするほうが、かえって危険だと考えているためです。知ったうえで妊娠を考えたい方には、出生前診断まで当院で続けて支えられる体制を整えています。どの選択をされても、その選択を尊重します。

よくある質問(FAQ)

Q1. ネフローゼ症候群は遺伝しますか?遺伝する確率は?

多くのネフローゼ症候群は遺伝しませんが、ステロイドが効かない型の一部は生まれつきの遺伝子の変化が原因で、小児期に発症した方の約30%、成人で発症した方の10〜15%に遺伝子の原因が見つかるとされています。原因の遺伝子が常染色体潜性遺伝なら、ご両親がともに保因者の場合、お子さん1人ごとに4分の1の確率で発症します。常染色体顕性遺伝なら、親が変化をもつ場合、お子さん1人ごとに2分の1の確率で受け継ぎます。

Q2. ステロイド抵抗性の定義は?

国際小児腎臓学会(IPNA)の指針(2020年)では、決められた量のプレドニゾロンを4週間使っても完全寛解に至らない場合をステロイド抵抗性とし、4〜6週目を確認期間としています。大人では、十分な量のステロイドだけで治療して1か月後の判定で完全寛解・不完全寛解Ⅰ型に至らない場合とされています(難病情報センター)。

Q3. 遺伝子が原因だと、ステロイドや免疫抑制薬は使わないのですか?

IPNAの指針は、単一の遺伝子が原因のステロイド抵抗性ネフローゼ症候群では免疫抑制治療をやめるべきとしています。ただし、どうするかは一人ひとりの状態に合わせて主治医が判断します。CoQ10をつくる遺伝子(COQ2・PDSS2)の変化が原因の型では、CoQ10の補充が治療になりうるとされています。

Q4. 腎移植のあとに再発しますか?

GeneReviewsによると、遺伝子が原因でないステロイド抵抗性ネフローゼ症候群の約70%は、移植した腎臓ですぐに再発するとされています。一方、遺伝性の型では再発のリスクは一般に低いものの、フィンランド型の先天性ネフローゼ症候群(NPHS1)の一部では、移植のあとにネフリンに対する抗体による蛋白尿が報告されています。腎移植で腎臓以外の症状や、遺伝子の変化そのものが治るわけではありません。一人ひとりの再発のしやすさは、移植の専門の医療機関で評価されます。ご家族から腎臓をもらう場合は、提供する方の遺伝子検査が勧められています。

Q5. 予後(寿命・透析)はどうなりますか?

ステロイド抵抗性ネフローゼ症候群全体では、免疫抑制治療を強めることで約50%の方が寛解を保てる一方、残りの方は慢性腎臓病・腎不全へ進むとされています。見通しは原因や治療への反応によって大きく違うため、一人ひとりの予後は主治医とご確認ください。原因の遺伝子がわかると、移植の見通しも含めて計画を立てやすくなります。

Q6. 結婚や妊娠のとき、何を考えればよいですか?

原因の遺伝子と遺伝のしかたがわかっていると、パートナーの保因者検査、妊娠したときの出生前診断(羊水検査・絨毛検査)など、知ったうえで選べることが増えます。当院の拡大版保因者スクリーニング(女性版787遺伝子・男性版714遺伝子)には、NPHS1・NPHS2・SMARCAL1が含まれています。妊娠を考えている段階からご相談ください。

Q7. 広いネフローゼのパネル(76遺伝子)とどちらを受けるべきですか?

ステロイドが効かない子どものネフローゼ症候群なら、まずこのページの14遺伝子の検査が向いています。大人での発症、血尿や難聴を伴う、14遺伝子で原因が見つからなかった、ご家族に腎臓病の方が多いといった場合は、14遺伝子をすべて含み、アルポート症候群の遺伝子なども調べる76遺伝子のパネルが向くことがあります。

Q8. 遺伝子に異常が見つからなかったらどうなりますか?

免疫が関わる型の可能性が高くなりますが、この検査で調べていない遺伝子や、見つけられない種類の変化が原因のこともあるため、遺伝性を完全に否定することはできません。手がかりに応じて、より広いパネルや全エクソーム検査を考えます。

🧬 一度の検査で、治療とご家族のこれからを考える

生まれ持った遺伝子は一生変わりません。ステロイド抵抗性ネフローゼ症候群の原因がわかれば、効かない治療を避ける判断や腎移植の見通しだけでなく、ご家族の検査や、次のお子さんの計画を考える手がかりになります。当院では臨床遺伝専門医が常駐し、検査の前後の遺伝カウンセリングから、羊水検査・絨毛検査による出生前診断の相談まで、院内で続けて受けていただけます。

お電話でのお問い合わせ:03-3478-3768

参考文献

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  • [3] Sadowski CE, Lovric S, Ashraf S, et al. A single-gene cause in 29.5% of cases of steroid-resistant nephrotic syndrome. J Am Soc Nephrol. 2015;26(6):1279-1289. [DOI: 10.1681/ASN.2014050489](PMID: 25349199)
  • [4] Hinkes BG, Mucha B, Vlangos CN, et al. Nephrotic syndrome in the first year of life: two thirds of cases are caused by mutations in 4 genes (NPHS1, NPHS2, WT1, and LAMB2). Pediatrics. 2007;119(4):e907-e919. [DOI: 10.1542/peds.2006-2164](PMID: 17371932)
  • [5] Holmberg C, Jalanko H. Congenital nephrotic syndrome and recurrence of proteinuria after renal transplantation. Pediatr Nephrol. 2014;29(12):2309-2317. [DOI: 10.1007/s00467-014-2781-z]

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仲田洋美 医師(臨床遺伝専門医)

この記事の監修・執筆者:仲田 洋美

(臨床遺伝専門医/がん薬物療法専門医/総合内科専門医)

ミネルバクリニック院長。1995年に医師免許を取得後、 臨床遺伝学・内科学・腫瘍学を軸に診療を続けてきました。 当サイトの記事は、院長が自ら執筆し、医学的な内容を確認してから公開しています。

出生前診断(NIPT・確定検査・遺伝カウンセリング)においては、 検査結果の数値そのものだけでなく、 「結果をどう受け止め、どう生きるか」までを医療の責任と捉え、 一貫した遺伝カウンセリングと医学的支援を行っています。

ハイティーンの時期にベルギーで過ごし、 日本人として異文化の中で生活した経験があります。 価値観や宗教観、医療への向き合い方が国や文化によって異なることを体感しました。 この経験は現在の診療においても、 「医学的に正しいこと」と「その人にとって受け止められること」の両立を考える姿勢の基盤となっています。

また、初めての妊娠・出産で一卵性双生児を妊娠し、 36週6日で一人を死産した経験があります。 その出来事は、妊娠・出産が女性の心身に与える影響の大きさ、 そして「トラウマ」となり得る体験の重みを深く考える契機となりました。 現在は、女性を妊娠・出産のトラウマから守る医療を使命の一つとし、 出生前診断や遺伝カウンセリングに取り組んでいます。

出生前診断は単なる検査ではなく、 家族の未来に関わる重要な意思決定です。 年齢や統計だけで判断するのではなく、 医学的根拠と心理的支援の両面から、 ご家族が後悔の少ない選択をできるよう伴走することを大切にしています。

日本人類遺伝学会認定 臨床遺伝専門医/日本内科学会認定 総合内科専門医/ 日本臨床腫瘍学会認定 がん薬物療法専門医。 2025年には APAC地域における出生前検査分野のリーダーとして国際的評価を受け、 複数の海外メディア・専門誌で特集掲載されました。

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