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出生前診断の遺伝カウンセリング|平石クリニックのNIPTでトリソミー13陽性、出産

遺伝子に関連する病気や悩みについて専門家に相談できるのが遺伝カウンセリングです。

まだまだなかなか一般的でない遺伝カウンセリング。
そこで今回は平石クリニックでNIPTを受けてトリソミー13が陽性で出産した症例の症例をケースレポートしたいと思います。

遺伝カウンセリングとは?

遺伝カウンセリングとは、専門家から遺伝子疾患などについて科学的根拠に基づき医学的情報を提供してもらうことです。患者は遺伝子疾患の悩みや疑問などを相談することができます。
また、提供された情報を用いて自ら問題を解決できるように社会的・心理的サポートをしてもらいます。
遺伝カウンセリングの対象は、遺伝子疾患を抱えた人や妊婦さんで胎児の遺伝子疾患が見つかった人のみでなく、その家族や健康な人も含まれます。

遺伝カウンセリングを受ける際に最も大切なのは、置かれている状況を十分に理解し、それを受け止めた上で意思決定することです。専門家がそのプロセスを支援します。

遺伝カウンセリングの重要性についてはリンク先のページをご覧ください。
関連記事:遺伝カウンセリングの重要性について

今回の症例の問題点

Aさんご夫婦は、結婚して初めての妊娠で、NIPTを受けることにしました。

どこで受けるのかとか、あまり考えずに、平石クリニックを選択したそうです。
結果は13トリソミー陽性でした。
そこで、ミネルバクリニックでもNIPTを受けて確認したい、ということでお越しになりました。

今回の症例の検査結果

ミネルバクリニックでも結果は13トリソミー陽性でした。
しかし、胎児ドックも受けてきたのですが、胎児ドックでは赤ちゃんに形態異常はありませんでした。
その場合、異常なお子さんの可能性は低くなるのですが。羊水検査で確認することにしました。
羊水検査では、低頻度モザイク、つまり、トリソミー13の細胞が少しで、ほとんどは正常細胞でした。

羊水検査は赤ちゃんの皮膚の細胞がはがれて落ちてくるのを培養していますので、皮膚を作る外肺葉の状態しかわかりません。
赤ちゃんの血液そのものをとって調べる臍帯血の検査をすることにしました。
そこでもまた、低頻度モザイクの結果でした。

今回の症例の選択

Aさんご夫婦は、遺伝の専門家と話をしたいということで、産婦人科の検査の間もずっとコンタクトをとっていました。
モザイクの場合、トリソミーの細胞は上手に分裂して生き残れないので、成長とともにターンオーバーが正常な細胞のほうが多くなり、トリソミーの細胞は少なくなっていきます。
もちろん、脳に異常があれば、障害があるかもしれません。
いろいろ考えて、Aさんご夫妻は産むという決断をしました。
この決断をするにあたり、ミネルバクリニックで今までにあったトリソミー13の低頻度モザイクで出産した症例も参考にしていただきました。

その後、Aさんご夫妻にはお子さんが生まれました。経過は見る必要がありますが。とりあえずはなんも問題なさそうなお子さんで、産んでよかった、とお感じのようでした。
ミネルバクリニックでは、一例一例追跡調査をしているので、陽性の場合のその後などもしっかりと皆様にフィードバックできる体制にしています。

まとめ

遺伝カウンセリングは、遺伝子疾患について専門家から科学的根拠に基づいた医学的情報を提供してもらい、遺伝子疾患に関する悩みを相談するために設けられる機会です。

遺伝の悩みというのは、一番はお子さんを作るときに表面化しますので、すごく深刻な悩みになることは間違いないでしょう。

そういう悩みを抱えた患者さんたちに、真摯に寄り添える。そういう遺伝専門医でありたいと私は考えています。

プロフィール

この記事の筆者:仲田洋美(医師)

ミネルバクリニック院長・仲田洋美は、日本内科学会認定総合内科専門医、日本臨床腫瘍学会認定がん薬物療法専門医 、日本人類遺伝学会認定臨床遺伝専門医として従事し、患者様の心に寄り添った診療を心がけています。

仲田洋美のプロフィールはこちら

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