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遺伝子検査とは?臨床遺伝専門医によるあらゆる遺伝子検査を解説【2025年最新】

仲田洋美 医師

この記事の監修:仲田洋美(臨床遺伝専門医)

のべ10万人以上の意思決定に伴走。国際医療誌『Medical Care Review APAC』『Global Woman Leader』の2誌で表紙を飾り、「Top Prenatal Testing Service in APAC 2025」に選出されるなど、世界基準の遺伝医療を提供。

遺伝子検査とは、あなたの体を構成する細胞のDNAを調べ、遺伝性疾患のリスク・がんの遺伝的素因・薬の効き方・胎児の健康状態など、健康に関わる重要な情報を科学的事実として把握できる医療技術です。ミネルバクリニックでは、臨床遺伝専門医があらゆる遺伝子検査に対応し、出生前診断から成人の遺伝性疾患まで包括的なカウンセリングを提供しています。

この記事でわかること
📖 読了時間:約20分
🧬 遺伝子検査・臨床遺伝専門医・遺伝カウンセリング
臨床遺伝専門医監修

Q. 遺伝子検査で何がわかるの?まず結論だけ知りたいです

A. DNAを調べることで、遺伝性疾患のリスク・がんの遺伝的素因・出生前の胎児の状態・薬の効き方などを「科学的事実」として把握できます。「発症確率●%」のような占いではなく、あなたのDNAに実際に存在する変異を正確に報告するのが遺伝子検査です。

  • 検査の種類 → 遺伝性がん・出生前診断・知的障害・薬理遺伝学など7カテゴリー以上に対応
  • 遺伝性がんリスク → BRCA1/2陽性は乳がんリスクが一般女性の10〜20倍
  • 発達障害・知的障害 → 遺伝子パネル検査で最大約40%の症例で原因特定が可能
  • 結果の読み方 → Class 1〜5の5段階分類(VUS・LP・Pathogenic等)を詳しく解説
  • 費用・保険 → 別途費用一覧(マイページ料・遺伝カウンセリング料等)も掲載

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遺伝子検査の詳細:遺伝子検査について

1. 遺伝子検査とは?基本概念の理解

遺伝子検査の基本概念

遺伝子検査とは、人の体を構成する細胞から抽出した遺伝情報(DNA)を調べることで、遺伝性疾患のリスク、薬剤への反応性、体質などを解析する医療技術です。臨床遺伝専門医による正確な解釈と適切なカウンセリングにより、個人や家族の健康管理・医療選択に重要な情報を提供します。

💡 用語解説:DNA・遺伝子とは

DNA(デオキシリボ核酸)は、私たちの体の設計図。全細胞の核の中に約30億塩基対が収められています。遺伝子はそのDNA上に存在し、タンパク質の合成を指示する「機能的な単位」です。ヒトには約2万個の遺伝子があり、そのいずれかに変異(バリアント)が生じると、疾患が発症したり体質が変化したりすることがあります。

遺伝子検査で明らかになること

  • 遺伝性疾患のリスク:家族性の病気の発症リスクや保因者状態
  • がんの遺伝的素因:遺伝性乳がん・卵巣がん、リンチ症候群など
  • 知的障害・発達障害の原因:自閉症、知的障害の遺伝的要因
  • 薬剤応答性:薬の効き方や副作用のリスク
  • 出生前診断:胎児の染色体異常や遺伝性疾患
  • 保因者診断:次世代への遺伝リスク

2. 当クリニックで行う全ての遺伝子検査

💡 用語解説:次世代シーケンス(NGS)とは

NGS(Next Generation Sequencing)は、DNAの塩基配列を従来の数千倍もの速さで大量に読み取れる技術です。これにより、従来は数十年かかっていた全ゲノム解析が数日で可能になりました。遺伝子パネル検査・エクソーム解析・全ゲノム解析はすべてNGSをベースにしており、多数の遺伝子を一度に網羅的に調べられるのが最大の特徴です。

🔬 遺伝性がん検査

  • BRCA1/BRCA2遺伝子検査
  • リンチ症候群(MLH1, MSH2, MSH6, PMS2)
  • Li-Fraumeni症候群(TP53)
  • 家族性大腸腺腫症(APC)
  • VHL症候群
  • 遺伝性がん症候群パネル検査

🤰 出生前・周産期検査

  • NIPT(非侵襲的出生前検査)
  • 羊水検査・絨毛検査
  • 着床前診断(PGT)
  • 保因者スクリーニング
  • 新生児スクリーニング

🧠 神経・筋疾患

  • ハンチントン病
  • 脊髄小脳変性症
  • 筋ジストロフィー
  • 脊髄性筋萎縮症(SMA)
  • シャルコー・マリー・トゥース病
  • てんかん関連遺伝子

🌱 知的障害・発達障害

  • 知的障害遺伝子パネル検査
  • 自閉症スペクトラム障害パネル
  • 発達障害関連遺伝子解析
  • 脆弱X症候群(FMR1)
  • レット症候群(MECP2)
  • アンジェルマン症候群

💊 薬理遺伝学検査

  • CYP2D6(抗うつ薬代謝)
  • CYP2C19(プロトンポンプ阻害薬)
  • DPYD(5-FU代謝)
  • UGT1A1(イリノテカン代謝)
  • HLA-B*5701(アバカビル過敏症)
  • ワルファリン感受性

❤️ 循環器・代謝疾患

  • 家族性高コレステロール血症
  • 肥大型心筋症
  • 拡張型心筋症
  • QT延長症候群
  • マルファン症候群
  • 糖尿病関連遺伝子

🔭 包括的検査

  • エクソーム解析
  • 全ゲノム解析
  • 染色体マイクロアレイ
  • ミトコンドリア遺伝子解析
  • がん遺伝子パネル検査
  • カスタム遺伝子パネル

3. 遺伝性がんリスク検査

遺伝性がんリスクを知りたい方へ:家族にがんの方が多い、若い年齢でがんを発症した、複数のがんを経験したなど、遺伝性がんが疑われる場合、遺伝子検査により将来のリスクを評価できます。

主要な遺伝性がん症候群

遺伝性乳がん・卵巣がん症候群(HBOC)

BRCA1・BRCA2遺伝子の病的変異により、乳がんや卵巣がんのリスクが大幅に上昇する症候群です。アンジェリーナ・ジョリーさんのケースで広く知られるようになりました。

💡 用語解説:BRCA1・BRCA2遺伝子とは

BRCA1(乳がん感受性遺伝子1)・BRCA2(同2)は、本来DNAの損傷を修復する役割を担うがん抑制遺伝子です。この遺伝子に病的変異があると修復機能が低下し、がん細胞が発生しやすくなります。BRCA変異は全乳がんの約5〜10%に関与しており、変異を持つ女性は生涯乳がん発症リスクが約50〜80%、卵巣がんリスクが約20〜40%とされています(一般女性は生涯乳がんリスク約10%)。

BRCA陽性の場合のがんリスク

  • 乳がん:一般的な女性の約10〜20倍
  • 卵巣がん:一般的な女性の約10〜40倍
  • 男性乳がん:BRCA2陽性男性で約100倍
  • 前立腺がん:BRCA2陽性男性で約5倍

リンチ症候群

大腸がんや子宮内膜がんなどを高率で発症する遺伝性がん症候群。MLH1・MSH2・MSH6・PMS2遺伝子の変異が原因となります。これらはミスマッチ修復遺伝子(MMR遺伝子)と呼ばれ、DNAの複製エラーを修正する機能を担っています。

Li-Fraumeni症候群

TP53遺伝子の変異により、様々な種類のがんを若年で発症するリスクが高くなる症候群です。TP53は「ゲノムの守護者」とも呼ばれるがん抑制遺伝子で、変異があると乳がん・肉腫・脳腫瘍・白血病など多種のがんリスクが著明に上昇します。

遺伝性がん症候群 主な関連がん 検査遺伝子 陽性率 費用目安
HBOC 乳がん、卵巣がん BRCA1/BRCA2 5〜10% 20〜30万円
リンチ症候群 大腸がん、子宮内膜がん MLH1, MSH2, MSH6, PMS2 2〜5% 15〜25万円
Li-Fraumeni症候群 多種類のがん TP53 1%未満 10〜20万円
家族性大腸腺腫症 大腸がん APC 1%未満 15〜25万円
仲田洋美院長

🩺 院長コラム【遺伝性がん検査を受けるタイミングについて】

「家族にがんが多いのは気になるけれど、検査して陽性だったら怖い」という声をよく聞きます。その気持ちは十分わかります。でも私が強調したいのは、遺伝性がん検査の目的は「リスクを知ること」ではなく「リスクに備えること」だという点です。陽性だからこそ取れる手段——より頻繁な検診・予防的手術の選択・化学予防——があります。

BRCA陽性と判明した方が、早期に予防的乳房切除を選択し、がんが発症することなく過ごされているケースを数多く見てきました。知識は不安を与えるのではなく、むしろ将来を自分でコントロールするための力になります。まずは遺伝カウンセリングで率直にご相談ください。

遺伝性がん検査後の対応

  • サーベイランス:より頻繁で詳細な検診スケジュールを設定
  • 予防的手術:リスク低減のための予防的乳房切除、卵巣卵管切除
  • 化学予防:タモキシフェンなどの予防薬の活用
  • ライフスタイル:食事・運動・禁煙などの生活習慣改善
  • 家族への情報提供:血縁者への検査の提案と支援

4. 出生前診断・妊娠関連検査

妊娠前・妊娠中の遺伝子検査

妊娠を計画している、または妊娠中の方に対して、胎児の健康状態や遺伝的リスクを評価する検査を提供しています。

非侵襲的出生前検査(NIPT)

妊娠10週以降に母体血から胎児のDNAを検出し、染色体異常を調べる検査。流産リスクがなく、高い精度で検査できます。

💡 用語解説:NIPTとは

NIPT(Non-Invasive Prenatal Testing)は、妊婦さんの血液中に存在する「細胞外胎児DNA(cfDNA)」を解析する検査です。針を使わず採血だけで胎児の染色体異常(21トリソミー・18トリソミー・13トリソミーなど)を高精度で調べられます。ミネルバクリニックでは独自のCOATE法を用い、マイクロ欠失や単一遺伝子疾患を含む最大78項目に対応するダイヤモンドプランを提供しています。

確定診断(羊水検査・絨毛検査)

NIPTで陽性となった場合や、超音波検査で異常が疑われた場合に行う確定診断です。羊水検査は妊娠15〜18週に羊水を採取、絨毛検査は妊娠10〜13週に胎盤組織を採取して胎児の染色体や遺伝子を直接調べます。

着床前診断(PGT)

体外受精時に胚の遺伝子を検査し、正常な胚のみを移植する技術。遺伝性疾患の家族歴がある場合に選択されます。

💡 用語解説:PGT(着床前遺伝子検査)とは

PGT(Preimplantation Genetic Testing)は、体外受精で作られた胚(受精卵)の遺伝子・染色体を移植前に検査する技術です。染色体数の異常を調べるPGT-A、特定の遺伝性疾患を調べるPGT-M、染色体構造異常を調べるPGT-SRがあります。実施できる施設や疾患に制限がある点にご注意ください。

保因者スクリーニング

妊娠前に夫婦で受ける検査で、子どもに遺伝する可能性のある遺伝性疾患の保因者かどうかを調べます。

💡 用語解説:保因者(キャリア)とは

保因者(キャリア)とは、遺伝性疾患の原因となる変異を1コピー持っているものの、自身は症状を発症しない人のことです。常染色体劣性遺伝の疾患(嚢胞性線維症・脊髄性筋萎縮症など)では、両親ともに保因者の場合に子どもが発症する確率が25%となります。夫婦ともに保因者かどうかを妊娠前に知ることで、適切な意思決定が可能になります。

5. 希少遺伝性疾患の検査

神経・筋疾患および発達障害

知的障害・発達障害の遺伝子検査

原因不明の知的障害や発達障害、自閉症スペクトラム障害に対して、包括的な遺伝子パネル検査により原因遺伝子を特定できる場合があります。早期診断により、適切な療育や治療方針の決定が可能になります。

💡 用語解説:染色体マイクロアレイとは

染色体マイクロアレイ(CMA)は、通常の染色体検査(Gバンド法)では検出できない微細な染色体の欠失・重複(コピー数変異)を高精度で検出する技術です。原因不明の知的障害・発達障害の約15〜20%で有意な異常が検出されるとされており、「なぜこの子は発達が遅れているの?」という疑問に答える強力なツールです。

知的障害・発達障害遺伝子パネル検査で調べる主な疾患

  • 脆弱X症候群:最も頻度の高い遺伝性知的障害(FMR1遺伝子)
  • レット症候群:主に女児に見られる神経発達障害(MECP2遺伝子)
  • アンジェルマン症候群:重度知的障害と特徴的な行動
  • プラダー・ウィリー症候群:肥満と知的障害を特徴とする疾患
  • 22q11.2欠失症候群:心疾患と知的障害を伴う症候群
  • 自閉症関連遺伝子:SHANK3・NRXN1・CNTNAPなど多数の遺伝子

ハンチントン病

進行性の神経変性疾患。HTT遺伝子のCAGリピート数を測定することで診断・予測診断が可能です。成人発症型(通常30〜50代)が多く、発症前の予測診断においては特に丁寧な遺伝カウンセリングが不可欠です。

脊髄性筋萎縮症(SMA)

乳幼児期から成人期にかけて発症する運動神経疾患。SMN1遺伝子の欠失を検査します。近年、遺伝子治療薬(ゾルゲンスマ)が登場し、早期診断が治療成績を大きく左右する疾患となっています。

仲田洋美院長

🩺 院長コラム【「なぜうちの子は?」という疑問に答えたい】

知的障害や発達障害のお子さんを持つ親御さんが「原因がわからないまま」療育を続けているケースは、今もたくさんあります。「どの遺伝子に問題があるかわかれば、それに合った支援ができる」——それが遺伝子パネル検査を勧める最大の理由です。原因が特定されれば、次のお子さんの出生前診断の選択肢も広がります。

検査で原因が見つからない場合でも、それは「調べなかった」ではなく「今の技術では特定できない」という意味。科学は日進月歩ですから、定期的なフォローアップで再解析が有効になることもあります。「わからない」という状態をそのままにしないことが、私たちの役割だと思っています。

代謝疾患

家族性高コレステロール血症

LDL受容体遺伝子(LDLR)の変異により、若年から高コレステロール血症を呈し、心筋梗塞リスクが著明に上昇する疾患です。日本人の500人に1人に存在するとされており、遺伝子検査による確定診断が治療方針の決定に直結します。

包括的遺伝子解析

原因不明の症状がある場合

複数の症状があるが診断がつかない、家族に似た症状の方がいるなど、包括的な遺伝子解析により原因を特定できる場合があります。

  • エクソーム解析:全遺伝子のタンパク質コード領域を解析
  • 全ゲノム解析:すべての遺伝情報を包括的に解析
  • ターゲット遺伝子パネル:特定の疾患群に関連する遺伝子群を解析

💡 用語解説:エクソーム解析とは

エクソーム(Exome)とは、ゲノム全体のうちタンパク質をコードするエクソン領域(全体の約1.5%)のことです。既知の疾患の大部分がこの領域の変異によって引き起こされるため、全ゲノム解析より安価・迅速でありながら高い診断率を誇ります。原因不明の希少疾患では、両親も含めたトリオ解析が特に有効です。

6. 臨床遺伝専門医による遺伝カウンセリング

臨床遺伝専門医とは

臨床遺伝専門医は、遺伝医学に関する高度な専門知識と技術を持つ医師です。日本人類遺伝学会・日本遺伝カウンセリング学会の認定を受けた専門医として、あらゆる遺伝性疾患や遺伝子検査に対応できます。

臨床遺伝専門医の役割

  • 遺伝性疾患の診断と治療方針の決定
  • 遺伝子検査の適応判断と結果解釈
  • 遺伝リスクの評価と説明
  • 家族への遺伝情報の伝達支援
  • 予防・治療戦略の立案
  • 他科との連携によるトータルケア

遺伝カウンセリングの流れ

  1. 初回相談:家族歴の聞き取り、家系図の作成
  2. リスク評価:家族歴に基づく一般的なリスクの評価と説明
    ※個々の具体的なリスクについては遺伝子検査を実施しないと正確には分かりません
  3. 検査計画:最適な検査方法の提案と説明
  4. 検査実施:適切な検査の実施
  5. 結果説明:検査結果の詳細な解釈と個別化されたリスクの説明
  6. フォローアップ:継続的なサポートと定期的な見直し

よくある質問(FAQ)

Q1. どういう形で遺伝子検査が登場し、結果をもとに何に活かせますか?

遺伝子検査は以下のような場面で登場し、それぞれ異なる活用方法があります:

  • 症状がある場合の診断確定:原因不明の症状の診断、治療方針の決定
  • 家族歴がある場合のリスク評価:将来の発症リスク評価、予防策の立案
  • 妊娠・出産に関する相談:出生前診断、次世代への遺伝リスク評価
  • がんリスクの評価:遺伝性がんのリスク評価、予防・早期発見戦略
  • 薬物治療の最適化:個人に最適な薬剤選択、副作用リスクの軽減

結果は予防医療・個別化治療・ライフプランニング・家族の健康管理に活用できます。

Q2. 遺伝性がんのリスクを知りたいのですが、どのような検査がありますか?

遺伝性がんの検査は家族歴やがんの種類によって選択します:

  • BRCA1/BRCA2検査:乳がん・卵巣がんの家族歴がある場合
  • リンチ症候群検査:大腸がん・子宮内膜がんの家族歴がある場合
  • 多遺伝子パネル検査:複数のがんの家族歴がある場合
  • がん組織検査:すでにがんを発症している場合

検査により陽性となった場合、サーベイランス強化・予防的手術・化学予防などの選択肢をご提案します。

Q3. 結果はどのように表示されますか?

遺伝子検査の結果は、問題があった遺伝子と具体的なバリアント(変異)が表示されます。

⚠️ 重要:遺伝子検査は「自閉症になる確率●%」といった確率は表示しません。それは占いです。検査では科学的事実として、どの遺伝子にどのような変異があるかを正確に報告します。

💡 用語解説:バリアント(変異)とは

バリアントとは、標準的な遺伝子配列と異なる部分のことです。人間の遺伝子には誰でも数百万個のバリアントがありますが、その中で病気に関係するものだけが医学的に重要となります。国際基準(ACMG/AMP)で5段階(Pathogenic〜Benign)に分類されます。

検出されたバリアント例:
遺伝子名:BRCA1 / バリアント:c.5266dupC / アミノ酸変化:p.Gln1756Profs*74
分類:Class 5(Pathogenic – 病的変異)/ ヘテロ接合性

結果についてより詳しい解釈は、遺伝子検査結果の読み方ガイドもご参照ください。

Q4. 遺伝子検査結果のVUS・LP・Pathogenicなどの分類について教えてください

遺伝子検査結果は以下の5段階で分類されます:

Class 5: Pathogenic(病的変異)

疾患の原因であることが確実な変異。医学的管理や治療方針の変更が必要です。

Class 4: Likely Pathogenic(病的変異の疑い)

病的変異である可能性が高い変異。医学的管理の検討が推奨されます。

Class 3: VUS(意義不明変異)

病的意義が不明な変異。現時点では医学的管理の変更は推奨されません。検査によってはVUSも報告されない場合があります。

Class 2: Likely Benign(良性変異の疑い)

良性である可能性が高い変異。通常は医学的意義がなく、一般的に報告されません。

Class 1: Benign(良性変異)

疾患とは無関係な正常な個人差。医学的意義がなく、一般的に報告されません。

詳しい判定基準は遺伝子検査結果の読み方ガイドをご覧ください。

Q5. 子どもの知的障害・発達障害・自閉症の原因を遺伝子検査で調べられますか?

はい、当クリニックでは知的障害・発達障害・自閉症に特化した遺伝子パネル検査を提供しています:

  • 知的障害遺伝子パネル:100以上の知的障害関連遺伝子を一括解析
  • 自閉症スペクトラム障害パネル:自閉症に関連する遺伝子群を包括的に検査
  • 発達障害総合パネル:発達の遅れに関わる遺伝子を幅広く解析
  • 染色体マイクロアレイ:微細な染色体変化を検出
  • エクソーム解析:より包括的な遺伝子解析

検査内容により違いますが、最大約40%の症例で原因が特定され、適切な治療や療育方針の決定、家族計画に役立ちます。

Q6. 家族に知的障害者がいる場合、遺伝子検査で原因がわかりますか?

知的障害の原因は多様ですが、遺伝子検査により原因が特定できる場合があります:

  • 染色体検査:染色体異常の検出
  • 知的障害遺伝子パネル:単一遺伝子疾患の原因遺伝子特定
  • マイクロアレイ検査:微細な染色体変化の検出
  • エクソーム解析:包括的な遺伝子解析
  • 特定遺伝子検査:症状から疑われる疾患の確認

原因が特定されれば、次の妊娠でのリスク評価や出生前診断の選択肢をご提案できます。また、きょうだいの方への検査も可能です。

Q7. 他のクリニックでは対応できないと言われた検査も可能ですか?

当クリニックでは臨床遺伝専門医があらゆる遺伝子検査に対応しています。他施設で対応困難とされた検査も、最新の技術と豊富な経験により実施可能な場合があります。また、国内外の専門機関とのネットワークを活用し、特殊な検査にも対応いたします。まずはご相談ください。

Q8. 検査費用はどのくらいかかりますか?保険は適用されますか?

検査費用は検査内容により異なります。詳細は各検査のページをご確認ください。一部の検査は条件により保険適用となります。詳細は診察時にご説明いたします。

Q9. 検査結果が家族に与える影響が心配です

遺伝情報は血縁者にも関わるため、慎重な対応が必要です。当クリニックでは:

  • 検査前に家族への影響について説明
  • 結果開示の範囲や方法について事前相談
  • 家族への情報伝達の支援
  • 家族の遺伝カウンセリングの提供

プライバシーを最大限尊重しながら、適切な情報共有をサポートします。

Q10. 遺伝子検査で問題が見つかった場合、どのような対処ができますか?

病的変異が見つかった場合、以下のような対処法があります:

早期発見・サーベイランス

  • より頻繁な検診スケジュール
  • MRI・CT・内視鏡などの精密検査
  • 腫瘍マーカーの定期モニタリング

予防的手術

  • リスク低減乳房切除術
  • 予防的卵巣卵管切除術
  • 予防的大腸切除術

個別化治療・化学予防

  • タモキシフェン(乳がん予防)
  • PARP阻害剤などの分子標的薬
  • 遺伝型特異的治療

妊娠・出産への対応

  • 出生前診断(絨毛検査・羊水検査)
  • 着床前診断(PGT)
  • 遺伝カウンセリングによる意思決定支援

病的変異が見つかったとしても、それは「必ず病気になる」という意味ではありません。遺伝情報は、より良い健康管理のための貴重な情報として活用できます。

7. 当クリニックの専門性

臨床遺伝専門医による包括的ケア

当クリニックの最大の特徴は、臨床遺伝専門医によるあらゆる遺伝子検査への対応力です。他のクリニックでは対応困難な希少疾患や複雑な家族歴の症例も、豊富な経験と最新の知識で適切に対応いたします。

当クリニックの強み

  • 包括的対応:出生前診断から成人の遺伝性疾患まで全てカバー
  • 最新技術:エクソーム・全ゲノム解析などの最先端技術
  • 豊富な経験:数千例の遺伝カウンセリング実績
  • 国際的ネットワーク:海外専門機関との連携
  • 継続的サポート:検査後の長期フォローアップ
  • 多職種連携:各科専門医との密な連携体制

臨床遺伝専門医による遺伝カウンセリング

あらゆる遺伝子検査に対応可能な臨床遺伝専門医が、あなたとご家族の不安や疑問に丁寧にお答えします。他院で対応困難とされた検査もお気軽にご相談ください。

8. まとめ・遺伝子検査の別途費用について

遺伝子検査は現代医療において重要な役割を果たしており、疾患の早期発見・予防・個別化治療の実現に大きく貢献しています。当クリニックでは、臨床遺伝専門医によるあらゆる遺伝子検査への対応と専門的な遺伝カウンセリングを提供し、患者さんとご家族の健康と安心をサポートしています。

遺伝情報の価値について:遺伝子検査の結果は、あなたやご家族の未来をより良くするための情報です。どのような結果であっても、それは適切な対応を取るための大切な手がかりとなります。遺伝子検査は一度きりではなく、新しい医学的知見の蓄積により、過去の結果の解釈が変わることもあります。当クリニックでは継続的なフォローアップで、常に最新の情報をお届けします。

遺伝子検査の基本料金以外にかかる費用

遺伝子検査の基本費用とは別に、以下の費用が発生する場合があります。

項目 費用 備考
マイページ使用料 550円 検査結果確認用マイページ利用料
翻訳手数料 5,500円 日本語での結果報告書が必要な場合のみ
検査結果作成手数料 3,300円 結果報告書の作成・発行費用
遺伝カウンセリング料
(1〜30分)
16,500円 臨床遺伝専門医による専門カウンセリング
遺伝カウンセリング延長料 16,500円 30分を超えた場合、30分単位で加算

💡 費用に関する重要事項

  • マイページ使用料・検査結果作成手数料:全ての患者様に必須の費用です
  • 翻訳手数料:英語での結果報告書をご希望の場合のみ
  • 遺伝カウンセリング:検査前後のカウンセリングをご希望の場合
  • 延長料金:カウンセリングが30分を超えた場合、30分単位で自動加算

⚠️ ご注意:上記の費用は全て税込価格です。検査内容や結果の複雑さによって、追加の説明時間が必要となる場合があります。費用について詳しくは、事前にお問い合わせください。

参考文献

  • [1] Richards S, et al. Standards and guidelines for the interpretation of sequence variants: a joint consensus recommendation of the ACMG and the AMP. Genet Med. 2015;17(5):405-424. [PubMed 25741868]
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  • [3] Hampel H, et al. A practice guideline from the ACMG and NSGC: referral indications for cancer predisposition assessment. Genet Med. 2015;17(1):70-87. [PubMed 25394175]
  • [4] 日本産婦人科学会・日本産婦人科医会. 出生前に行われる遺伝学的検査および診断に関する見解(2022年改訂). [学会公式PDF]
  • [5] 日本遺伝カウンセリング学会. 遺伝カウンセリングの定義と実践指針. [学会公式サイト]
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  • [7] Landrum MJ, et al. ClinVar: public archive of interpretations of clinically relevant variants. Nucleic Acids Res. 2016;44(D1):D862-868. [ClinVar]
  • [8] Chung WK, et al. Pharmacogenetics and pharmacogenomics in clinical practice. Genet Med. 2010;12(4):228-235. [PubMed 20216247]

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プロフィール

仲田洋美 医師(臨床遺伝専門医)

この記事の監修・執筆者:仲田 洋美

(臨床遺伝専門医/がん薬物療法専門医/総合内科専門医)

ミネルバクリニック院長。1995年に医師免許を取得後、
臨床遺伝学・内科学・腫瘍学を軸に診療を続けてきました。
のべ10万人以上のご家族の意思決定と向き合ってきた臨床遺伝専門医です。

出生前診断(NIPT・確定検査・遺伝カウンセリング)においては、
検査結果の数値そのものだけでなく、
「結果をどう受け止め、どう生きるか」までを医療の責任と捉え、
一貫した遺伝カウンセリングと医学的支援を行っています。

ハイティーンの時期にベルギーで過ごし、
日本人として異文化の中で生活した経験があります。
価値観や宗教観、医療への向き合い方が国や文化によって異なることを体感しました。
この経験は現在の診療においても、
「医学的に正しいこと」と「その人にとって受け止められること」の両立を考える姿勢の基盤となっています。

また、初めての妊娠・出産で一卵性双生児を妊娠し、
36週6日で一人を死産した経験があります。
その出来事は、妊娠・出産が女性の心身に与える影響の大きさ、
そして「トラウマ」となり得る体験の重みを深く考える契機となりました。
現在は、女性を妊娠・出産のトラウマから守る医療を使命の一つとし、
出生前診断や遺伝カウンセリングに取り組んでいます。

出生前診断は単なる検査ではなく、
家族の未来に関わる重要な意思決定です。
年齢や統計だけで判断するのではなく、
医学的根拠と心理的支援の両面から、
ご家族が後悔の少ない選択をできるよう伴走することを大切にしています。

日本人類遺伝学会認定 臨床遺伝専門医/日本内科学会認定 総合内科専門医/
日本臨床腫瘍学会認定 がん薬物療法専門医。
2025年には APAC地域における出生前検査分野のリーダーとして国際的評価を受け
複数の海外メディア・専門誌で特集掲載
されました。

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