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Direct-to-Consumerと医療機関で行う遺伝子検査の違いとは

DTC(Direct-to-Consumer)とは、製品やサービスをメーカーやブランドが中間業者や小売業者を介さずに直接消費者に提供する手法です。マイコード、ジーンライフなどが提供するDTC(Direct-to-Consumer)遺伝子検査と医療機関で行う遺伝子検査との主な違いをご説明します。

遺伝子検査の目的と対象

DTC遺伝子検査

DTC遺伝子検査は、個人が自身の遺伝情報を調べるために直接購入し、自己管理することができる遺伝子検査です。一般的な目的は、遺伝的な特性や祖先の起源、健康状態、遺伝病のリスクなどの情報を知ることです。DTC遺伝子検査の目的は、こうした情報を知ることで、たとえば高血圧や脳卒中になりやすいのであれば、減塩や運動をするなどの行動変容を促し、体質を改善していくことにあります。

DTC遺伝子検査は一般的にSNP(Single Nucleotide Polymorphism)を調べるものです。SNPは一塩基多型とも呼ばれ、DNAの中で単一の塩基の違いが生じる遺伝子のバリエーションを指します。

DTC遺伝子検査は、一般的に大量のSNPを同時に解析するチップやパネルを使用しています。これにより、個人の遺伝子情報における特定のSNPの状態を調べることが可能になります。SNPは、遺伝的な特性や個人の疾患リスク、薬物反応性、祖先の起源など、さまざまな要素に関与しています。DTC遺伝子検査では、個人のSNPプロファイルを解析し、特定のSNPと関連付けられた情報を提供することで、遺伝的な特性や傾向を知ることができます。

ただし、DTC遺伝子検査の範囲や精度は企業によって異なる場合があります。また、DTC遺伝子検査の結果は医療診断や治療の代替手段ではなく、科学的な信頼性や正確性には注意が必要です。

DTC遺伝子検査は、科学的根拠や精度に問題があるため、疾患の診断には使用してはならないと文部科学省・経済産業省・厚生労働省の3省指針で定められています。
詳しくはこちらのリンクをお読みください。

DTC遺伝子検査を検討する場合は、自己管理の範囲や個人の関心事に合った情報を提供する企業を選び、遺伝情報について適切な解釈や相談ができるようにすることが重要です。また、医療上の重要な遺伝情報や疾患リスクの評価を行う場合には、医療機関での遺伝子検査や遺伝カウンセリングを受けましょう。

医療機関での遺伝子検査

医療機関での遺伝子検査は、主に医療目的で行われます。主に臨床遺伝専門医の指導のもとで実施され、特定の疾患や病気の診断、リスク評価、治療法の決定などのために利用されます。

科学的信頼性と正確性

DTC遺伝子検査は一般的にオンライン販売などで簡単に入手できるものですが、科学的な信頼性や正確性には留意する必要があります。一部のDTC遺伝子検査は、健康リスクの予測や診断において医療機関の遺伝子検査と比べて制約がある場合があります。

医療機関での遺伝子検査は、厳格な品質管理や専門家の指導のもとで行われます。遺伝子検査は臨床検査として扱われ、高い科学的信頼性と正確性が求められます。結果は医師(臨床遺伝専門医)によって適切に解釈され、必要なアクションや治療法の選択に反映されます。

アクセスとカウンセリング

DTC遺伝子検査は、個人がオンラインで購入し、自宅でサンプルを採取し、結果を直接受け取ることができます。一部のDTC企業は、遺伝情報に関するオンラインカウンセリングや情報提供を提供していますが、医師や遺伝カウンセラーの対面カウンセリングとは異なります。

医療機関での遺伝子検査では、遺伝カウンセラーや医師が検査の目的や結果の解釈について患者と直接対話し、必要なアドバイスやサポートを提供します。医療機関では、遺伝カウンセリングのプロセスを通じて、遺伝子検査のリスクと利益、遺伝情報の個人や家族への影響について患者により詳しく説明します。

重要な点として、DTC遺伝子検査は医療機関での検査とは異なり、医療診断や治療の参考にできる代替手段ではありません。医療機関での遺伝子検査は、医師の指導のもとで行われ、診断や治療計画に活用されるべきものですので、品質が全く異なります。

遺伝子検査を検討する際には、自己管理のDTC遺伝子検査と医療機関での遺伝子検査の違いや利点、リスクを十分に理解し、必要なカウンセリングや専門家のサポートを受けることが重要です。

まとめ

DTC遺伝子検査でも「乳がんになりやすいか」という項目があったりして、「なりにくい」と判定された人が、実際には医療機関で検査すると乳がんを発症しやすいBRCA1またはBRCA2遺伝子に病的変異を持っていたりしたケースがありました。このかたは、その後、乳がんを発症して、「◎×■△では乳がんになりにくい体質だという結果だった、どうして自分が乳がんにならねばならないのか。」と怒っていらっしゃいました。
やはり、国民の皆間が勘違いする売り方ってよくないと思います。最近、ツイッターでも、「一生に一度の遺伝子検査を今だけ30%オフで」なんてうたい文句でDTC遺伝子検査の広告が流れてくるので、啓発の目的でこの記事を書きました。

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ミネルバクリニックでは、医療用の科学的根拠に基づいた精度の高い遺伝子検査を提供しています。
取扱い遺伝子検査のページからご希望の遺伝子検査をご覧ください。また、そちらのページにない場合でも、大抵は検査することが可能ですので、お気軽にご相談ください。
遺伝子検査メニュー:ミネルバクリニック取扱い遺伝子検査

プロフィール

この記事の筆者:仲田洋美(医師)

ミネルバクリニック院長・仲田洋美は、日本内科学会内科専門医、日本臨床腫瘍学会がん薬物療法専門医 (がん薬物療法専門医認定者名簿)、日本人類遺伝学会臨床遺伝専門医(臨床遺伝専門医名簿:東京都)として従事し、患者様の心に寄り添った診療を心がけています。

仲田洋美のプロフィールはこちら

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