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社会人になり自分がASDにはないかと悩んでいる女性の方も多くいます。
しかし相談相手はおらず、病院を受診するのもハードルが高いため、1人で悩んでしまう結果になります。
そこでこの記事では、ASDを疑っている女性向けに、簡単にチェックする方法や実際の症状について詳しく解説します。
あなたの症状と照らし合わせながら読んでいただけると理解が深まります。
基礎知識|大人のASD(自閉症スペクトラム障害)とは?
大人になって初めて自分がASDであると疑う人も少なくありません。
そこでこの記事では、大人のASDに関する基礎知識として以下の内容をお伝えします。
- ・ASDとは?
- ・ASDの発生頻度【男女別】
- ・ASDの症状
- ・ASDの合併症
あなたがASDかどうかを確認する参考になれば幸いです。
ASDとは?
「ASD」は ”Autism Spectrum Disorder (Disability)” の略で、日本で自閉症スペクトラムと呼ばれる生まれつきの発達障害のことです。
ASDには、以下の特徴があります。
- ・対人関係が苦手
- ・こだわりが強い
- ・周囲の刺激に敏感
ただし、すべてのASDの方がこれらの特徴があるわけではなく、人によって症状の有無や程度は異なります。
そしてこれらの特徴からASDの方には、以下の3つの障害(ウィングの3つ組)があるとイギリスの児童精神科医ローナ・ウィングは提唱しています。
- ・社会性の質の違い
- ・コミュニケーションの質の違い
- ・想像力の質の違い
幼少〜学童期はASDの方の個性やキャラクターで成立していた症状も、社会に出て協調性や協力性を求められるようになると障害が目立ってしまうケースがあります。
では、次にASDの発症頻度について見ていきましょう。
※参考資料:プライマリケア/発達障害
ASDの発生頻度【男女別】
厚生労働省のデータによると、ASD(自閉症スペクトラム)の発症頻度は「100人に1人」です。
男女別に見ると、男性が女性の約4倍の発症率であることから、圧倒的に男性の方が多いことが分かります。
知的・言語障害を伴わない自閉症スペクトラムは、社会人として働いていても障害が過小評価されたり、認知されにくかったりすることもあります。
そのため、自分の状況に違和感があっても「障害ではないか?」との考えに至るまでに時間がかかり、発見が遅れるケースも少なくありません。
※参考資料:厚生労働省 e-ヘルスネット/ASD(自閉スペクトラム症、アスペルガー症候群)について
ASDの症状
「自分がASDでは?」と感じても、具体的にどんな症状が当てはまっているかを確認しないことには、確信を得ることはできませんよね。
そんな方は、以下に紹介するASDの具体的な症状と照らし合わせて見てください。
- ・個人・集団問わず対人コミュニケーションが苦手
- ・人の気持ちを考えるのが苦手
- ・集団行動では協調性に欠ける
- ・症状表情や感情表現が乏しい
- ・物事に対する強いこだわりがある
- ・興味のあることはとことん追求する
- ・同じことで繰り返しミスをする
- ・知的・言語の遅れがある(学習速度が極端に遅い)
- ・言葉で伝えられても理解できない(視覚的な情報だと理解ができる)
- ・オウム返しが多い(エコラリア・反響言語)
- ・外的刺激(光・音・ニオイなど)に敏感…etc
具体的な症状とあなたの状態を比較して、いかがだったでしょうか?
ASDの症状はこの他にも様々にあり、1人として同じ状況の方はいません。そのため、自分に違和感があれば、一度専門病院を受診してみると良いでしょう。
※参考資料
厚生労働省 e-ヘルスネット/ASD(自閉スペクトラム症、アスペルガー症候群)について
NCNP病院 国立精神神経医療研究センター/自閉スペクトラム症(ASD)とは
ASDの合併症
ASDをはじめとする発達障害は、主症状よりも合併症の方が重症のことが多いです。
ASDの主な合併症(併存症)は、以下の通りです。
- ・知的能力障害(知的障害)
- ・ADHD(注意欠如・多動症)
- ・発達性協調運動症(DCD)
- ・学習障害(限局性学習症、LD)
- ・精神障害(不安症・抑うつ障害)
- ・てんかん
- ・睡眠障害
- ・便秘
厚生労働省のデータによると、合併症のパターンとして1つの精神疾患を抱えている場合が「約70%」、次いで2つ以上が「約40%」と分かっています。また、神経学的な合併症として「てんかん」があり、ASDよりも先に気づくパターンもあります。
一方で、睡眠障害や便秘などは一見ASDとは無関係そうな二次的な障害を発症することもあるのです。
※参考資料:厚生労働省 e-ヘルスネット/ASD(自閉スペクトラム症、アスペルガー症候群)について
セルフチェックあり【※ASDの診断】病院はハードルが高い方へ
ASDを疑っても病院を受診するのはハードルが高いですよね?
そこでこの章では、簡単なASDのチェックリストについて紹介します。
1分もあれば確認できるため、ぜひご活用ください。
セルフチェックしたい方
はじめから「病院やクリニックを受診するのはハードルが高い」と感じる方も多いのではないでしょうか?
そして、受診してASDと診断されても受け入れられるかも不安ですよね。
そこで、まずは自宅で簡単にチェックしてみましょう。点数形式で1〜2分程度で結果が分かるため、気軽に試すことができます。
今回紹介したチェックサイト以外にも、ネット上で簡易的にセルフチェックできるシートがあるため、ぜひ活用しましょう。
ただし、確定診断は実際に病院やクリニックを受診して医師の診察を受けないと分かりません。
※参考資料:銀座心療内科クリニック/ ASDのセルフチェック
セルフチェック後に確定診断がほしいと感じた方
セルフチェックはあくまで主観的な評価です。そのため、確定診断にはなりません。
確定診断を希望する方は、専門病院で精密検査を受ける必要があります。
ASDの確定診断に用いられる検査は、以下の通りです。
- ・問診
- ・認知・知能検査
- ・心理検査
- ・血液検査
- ・MRIや脳波検査
ただし、臓器などの病気と違い、裏付けとなる客観的なデータはありません。そのため、上記の検査に加えて、診察する医師の知識や経験により多少左右されることもあります。
診断基準は、アメリカ精神医学会の精神疾患の診断・統計マニュアル(DSM-5)を用いて行われます。
問診では、日常生活を送る上で難しいことを聞き、ASDの症状と照らし合わせます。例えば、社会人なら「人間関係が上手くいかない」「同じミスを何度も繰り返す」などあれば、自閉症スペクトラムを疑う材料になります。
認知・知能検査とは、テスト形式にて実年齢と実際の知識を比較し、脳の発達が年齢に伴っているか探る検査です。必要に応じてMRIや脳波検査を行い、これらの検査から総合的に診断を行います。
確定診断をしてもらうことには、以下の意義があります。
- ・悩みや不安の原因が明らかになる
- ・社会生活を営むための方法を模索できる(社会生活を諦めずに済む)
- ・社会的なサポート制度を受けられる
確定診断を受けるとこれまで悩んでいた様々な問題と正面から向き合い、解決するための一歩が踏み出せるのです。
普通の社会生活を営める?|ASD(自閉症スペクトラム障害)の3つのの治療
適切な治療を受ければ、ASDの方でも通常の社会生活を送ることができます。
ASDの主な治療法は以下の3つです。
- 治療①:環境調整
- 治療②:カウンセリング・認知行動療法
- 治療③:薬物療法
症状の程度やその時の状況に合わせて適切な治療が行われます。
治療①:環境調整
最もベーシックな方法として、身の回りの環境調整をする治療法があります。
例えば、ASD で営業職の方がいるとします。ASDは他者とのコミュニケーションが苦手であり、営業職がストレスになるでしょう。一方で、単独作業が得意であるため、技術職や事務職への異動を希望すると仕事上のストレスを減らせるかもしれません。
また、同じミスを繰り返すならメモ帳を持ち歩いたり、ToDoアプリやチェックリストを活用したりすることで予防できます。
できないことを障害の責任にするのではなく、どのようにすればできるかを考えて環境を調整していくことが重要なのです。
治療②:カウンセリング・認知行動療法
カウンセリングや認知行動療法により心理的なストレスを解消する治療法もあります。
臨床心理士やその他専門職のカウンセリングで、あなたが抱える悩みや課題を明らかにしましょう。そして、課題をどのように解決していくか一緒に考えてもらうだけでも、心理的なストレスを減らすことができます。
また、物事の捉え方を変える認知行動療法も、ASDには効果的な治療法です。
例えば、会社で全10ページの資料作成を頼まれたとします。5ページ目まで作り終えた時点で「まだ5枚もある…」か「たったの5枚で終わる!」と考えるだけで、取り組むハードルやモチベーションが変わってきますよね。
カウンセリング・認知行動療法を受けることで、心理的なストレスを減らせます。
治療③:薬物療法
日常や社会生活を営む上で支障が出るほどの症状がある方は、薬物療法で改善を目指します。
例えば、抑うつや癇癪(かんしゃく)など感情コントロールが難しく、会社での人間関係が上手くいかないなら、抗精神薬の内服が進められます。感情コントロールができると必要以上に落ち込むことがなくなり、周囲との人間関係の構築がスムーズになります。
この他にもてんかんが合併しているなら、脳神経細胞の興奮を抑える抗てんかん薬が使用されます。急なてんかん発作の予防ができるだけでも、安心して日々の仕事ができるのではないでしょうか?
このようにASDの治療は現在の症状をコントロールして、上手く付き合っていくことを目的にしています。
※参考資料:NCNP 国立精神・神経医療研究センター/自閉スペクトラム症(ASD)
【具体例】社会人になったASDの方の悩みごとと5つの対処法
自分がASDであることに気付かず社会人になると、様々な悩みが出てきます。
具体例として以下の5つが挙げられます。
- 悩みごと①:グループ業務が苦手
- 悩みごと②:話が噛み合わない
- 悩みごと③:自己流を優先して周りから反感を買う
- 悩みごと④:抽象的な指示が理解できない
- 悩みごと⑤:外的刺激に過敏で仕事に集中できない
具体的な悩みごとを知り、あなたの傾向と対策を考えるきっかけにしてもらえると嬉しいです。
悩みごと①:グループ業務が苦手
社会人になると、他のスタッフとの協調や協力が求められます。しかし、ASDの方はチーム業務を苦手と感じるため、人間関係や共同作業に支障が出ることがあるでしょう。
実際、ASDの症状の一つに「対人コミュニケーション障害」があります。社会人になると様々な性格や価値観を持った人と関わらなければいけません。そして、常に臨機応変な対応が求められるのです。もちろん、チーム業務を進めていく上でも必須のスキルになります。
そこでASDの特性を踏まえて、以下の対処法をしてみましょう。
- ・チャットなどのコミュニケーションに変更してもらう
- ・チームでの自分の役割を明確にする
- ・相手の立場に立って物事を考えてみるよう意識する
- ・相談相手を作っておく
相手の気持ちを理解するのが苦手というASDの特徴から、チャットなどの間接的なコミュニケーションに変更してもらうと、落ち着いて意思疎通ができます。そして、チャットならコミュニケーションの経過を後でも確認できるため、仕事の抜け漏れが予防できます。
また、自分の気持ちを上手く伝えられない時は第三者に入ってもらい、コミュニケーションをとると円滑に話を進められるでしょう。自分1人で解決できない問題は、同僚などに協力してもらうことも必要です。
悩みごと②:話が噛み合わない
ASDの方が会話をする際の特徴は、以下の通りです。
- ・一方的に話し続ける
- ・独特なニュアンスの表現をする
- ・冗談や皮肉が通じない
- ・会話のレベルを相手に合わせられない
- ・気持ちや感情を表現するのが苦手
- ・話が細かすぎて分かりにくい
これらの特徴から上手く話が伝わらなかったり、会話が噛み合わなかったりします。
また、一方的に自分の言いたいことだけを伝えるため、相手の気持ちや考えが置き去りになり、結果として言葉のキャッチボールが成立していない状態になります。例えるなら、壇上から1人で講演会をしているイメージです。
そこで、以下の対処法を意識すると良いでしょう。
- ・ゆっくり話す
- ・聞き取った内容をメモに残す
- ・相手に質問を投げかける
- ・話す内容を事前にリスト化しておく
例えば、ゆっくり話したり、途中にメモを取ったりして、相手が会話に入ってくる隙間を作れます。加えて、「〇〇さんはどのように考えておられますか?」など、必ず会話のバトンを渡すようにしましょう。
また、あらかじめ話す内容をリスト化することもポイントです。会話の方向性がズレたり、噛み合わなかったりするなどのコミュニケーションエラーを予防できるでしょう。
会話はお互いのキャッチボールで初めて成立します。
悩みごと③:自己流を優先して周りから反感を買う
ASDの方はある特定のことに強いこだわりがあります。時にマニュアルやルールよりも自己流を優先して、周りから反感を買うこともあります。
特に社会人になると会社の規則やルールがあり、協調性を求められます。自己流で仕事をしたり、周りと違う行動をしたりすると会社から不要な人間と思われかねません。
対策としては、会社の規則やマニュアルなどを見直し、自己流だけで仕事をしていないかを確認しましょう。また、上司や同僚から客観的に評価をしてもらい自分よがりになっていないかを知るのも効果的です。
あなただけでは気づけない課題や解決策を見つけてもらえるかもしれません。
悩みごと④:抽象的な指示が理解できない
ASDの方は口頭や文章だけで伝えられる抽象的な指示が嫌いです。
というのも、図解やイラストなど視覚情報が少ないことはイメージが難しく、理解に時間がかかるという特性があるからです。
例えば、会社で上司から「A社のプレゼン資料を作っておいて」と言われたとします。この指示に対してASDの方は、以下のような疑問や不安を抱きます。
- ・明日の何時までに何ページの資料を作ればいいの?
- ・どのくらい掘り下げた内容で資料を求めているの?
- ・完成したものを一度上司に確認してもらった方がいいの? でも時間がないしどうしよう…。
- ・他の仕事もあるのに、スケジュールをどうやって変更したらいいの?
このような疑問や不安が頭の中をループして、結局全ての仕事が手につかず、思考停止状態になるのです。
そこで、以下の対策を試してみましょう。
- ・細かな指示まで確認する
- ・何かあった時の相談先を作る
具体的な内容を確認しておくとゴールや完成図がイメージできるため、ASDの方でも安心して仕事に取り組めます。場合によっては他の方よりも仕事が早く、仕事の精度が上がることも少なくありません。
また、何かあった際の相談先があれば安心して仕事に取り組むことができるでしょう。
悩みごと⑤:外的刺激に過敏で仕事に集中できない
音や光・匂いなどの外的な刺激に過敏になり、仕事に集中できない悩みもあるのではないでしょうか?
例えば、私の友人でASDと診断を受けていた看護師の方がいました。医療現場では職員の会話だけでなく、モニター音や電源の光、医療処置のニオイなど外的な刺激の宝庫です。その結果、仕事が手につかず、周りからは「仕事が遅い看護師」と陰口を言われていました。
しかしその後、静かな環境で働ける産業看護師に転職すると、職場からは「仕事ができる信頼できる社員」と言われ、本人も楽しそうに働いていました。
このように外的な刺激の少ない職場環境に変えるなどの環境調整は、ASDの方にとって一つの対策になるでしょう。
生活が劇的に改善|ASDの方がすべきたった2つの行動
ASDの方が生活を劇的に改善するためには、以下の2つの行動がおすすめです。
- 行動①:生活環境を見直す
- 行動②:周囲へ自分の症状を認知・理解してもらう
障害と上手く付き合っていくためのヒントになるため、ぜひ最後までご覧ください。
行動①:生活環境を見直す
ASDであるなら、まずは生活環境の見直しを始めましょう。
生活環境はあなたの生活を支える土台となる部分です。日々の行動に難しさやストレスを感じていないか探りつつ、改善・解決方法を考えることが重要です。
例えば、社会人1年目で仕事を続けるのが難しいと考えているASDの方がいるとします。そこで、以下の内容を考えてみると良いでしょう。
- ・会社での「人間関係」や「仕事環境」は自分に合っているか?
- ・就職後のプライベートがどのように変化したか?
- ・一人暮らしなどの生活環境の変化は?
ASDの方は些細な環境変化でも症状が出やすい特徴があります。これらの生活環境の変化がASDの症状に影響を及ぼしているかを考えることこそ、障害の理解の第一歩になります。
また、解決できそうなことは積極的に改善していきましょう。
例えば、抽象的な指示が理解できないという症状があるなら、明確な指示メールを出してもらうように上司に相談すると良いでしょう。面と向かってコミュニケーションを取るのが苦手なら、社内の方だけでもチャットで連絡できないか相談するのもおすすめです。
できないことを無理して続けると症状が悪化することもあるため、自分なりに上手く付き合っていく環境調整が必要になります。
行動②:周囲へ自分の症状を認知・理解してもらう
障害を受け入れ、上手く付き合っていくためには、周囲の理解や協力が不可欠になります。
そこで、周りの方に障害について説明・理解を得ることから始めましょう。理解をしてもらわないと、「この人は変な人」「変わり者だから注意しないと」という誤解をもたれたまま過ごすことになりかねません。
確実な方法として、医師の診断書とともに説明することが挙げられます。障害があるからこそ、上手く付き合っていく必要があると説明できるでしょう。
また、上司や同僚に説明する際は、具体的な状況と例に説明するとより理解してもらいやすいでしょう。
例えば、ASDは抽象的な指示が理解できないと説明します。その上で「これまでよりも具体的な指示を出してもらえると、大幅な修正やミスを防ぐことができます」といった感じです。
ASDという障害やその症状について気づいてもらうだけでも、関係性や関わり方が改善します。
障害をカミングアウトするのは、非常に勇気のいる行動です。時には心ないことを言われるかもしれません。しかし、あなたの過ごしやすい環境を作ることこそ、症状と上手く付き合うための方法なのです。
ASDの方が向いている仕事の3つの特徴と具体的な職種
ASD の方は自分の特徴を理解した上で仕事を選ぶ必要があります。
特徴を理解せずに仕事を選ぶと過度なストレスを感じたり、症状の悪化を招いたりする原因になるからです。
そのため、この章で紹介する内容をしっかりと押さえてから仕事を選ぶようにしましょう。
特徴①:徹底したマニュアル管理がされている
徹底したマニュアル管理の仕事ならイレギュラーな事態が発生しにくく、ASDの方でも安心して働けます。
ASDの特徴として、以下が挙げられます。
- ・イレギュラーな事態へ臨機応変に対応ができない
- ・抽象的な指示が理解できない
ASDの方は急なスケジュール変更やイレギュラーな事態を嫌います。これらは過度なストレスやパニック・思考停止の原因になるからです。
そこで、ASDの方には以下の仕事がおすすめです。
- ・法務・経理・財務系:官公庁、銀行員、弁護士
- ・情報管理系:SE(システムエンジニア)、プログラマー
- ・オペレート系:コールセンター、テクニカルサポート
イレギュラーな事態へ臨機応変に対応するのが苦手なら、ルールやマニュアルが徹底された仕事を選ぶだけでも、心理的なストレスはかなり減らせるでしょう。また、徹底したマニュアルがあれば、上司からの指示内容も具体的にしてもらえるため理解に苦しむこともありません。
特徴②:1人作業かつ専門性が高い
協調性がなく対人関係が苦手と感じる ASD の方は、1人作業かつ専門性が高い仕事がおすすめです。
ASDの方は、以下の特徴があるからです。
- ・対人コミュニケーションが苦手
- ・興味のあることはとことんする
- ・特定のことに強いこだわりがある
具体的な仕事として、以下がおすすめです。
- ・制作系:SE(システムエンジニア)、プログラマー、映像制作、イラストレーター
- ・運送系:トラック運転手、荷物搬入
- ・警備系:警備員、施設管理
- ・清掃系:清掃員、廃品回収、自宅清掃
人と関わることでストレスを感じるなら、1人でもできる仕事を選びましょう。また、人と関わらなければいけない仕事でも、チャットやメールなどを活用することで対人コミュニケーションによるストレスを抑えられます。
特徴③:視覚情報が多い
文字や文章だけだと理解ができないASDの方は、視覚情報が多い仕事を選ぶと良いでしょう。
具体的な仕事として、以下のものが挙げられます。
- ・工業系:建築デザイナー、設計士
- ・IT系:CAD(コンピューター支援設計)、映像制作・動画編集
- ・サービス業:アパレル
- ・医療系:放射線技師
視覚情報が多いと頭の中でイメージしやすく具体的な行動に移せます。そして、ASDの方はイメージできたことに対しては、的確に動けます。 また、他人に自分の考えを伝えるのが苦手なASDの方にとっても、視覚情報が多いと情報伝達ミスを予防できるでしょう。
まとめ: ASDの確定診断は病院しかできない
以上、ASDの診断に関する内容を解説しました。
ASDの確定診断は病院でなければできません。しかし、いざ病院を受診するとなるとハードルが高いと感じる方も多いのではないでしょうか?
そこでこの記事で紹介したチェックリストを活用すると、ご自身がASDかどうかを簡単に確認できます。ASDの可能性があれば病院へ相談し、適切な治療を受ければ良いのです。
ASDは完治する障害ではないので、症状をコントロールしながら上手く付き合っていく方法を一緒に考えてもらいましょう。