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子どもが自閉症スペクトラムと感じても、確定診断を受けるまでは確信できません。
しかしながら、初めから病院に受診するのはハードルが高いと感じる方も多いのではないでしょうか?
そこでこの記事では、子どもの軽度自閉症スペクトラムの特徴や症状、育児中の困りごとについて解説します。
自閉症スペクトラムの基礎知識を学ぶことで、病院へ受診が必要なのか検討できるようになるので、この記事を参考にしていただけると嬉しいです。
子どもの軽度自閉症スペクトラム(ASD)とは?
自閉症スペクトラムは子どもの頃から発症します。そして症状の軽度から重度まで様々です。
そこでこの章では、子どもの軽度自閉症スペクトラムについて、以下の内容を解説します。
- ・自閉症スペクトラムとは?
- ・自閉症スペクトラムの原因
- ・自閉症スペクトラムの発症率
- ・自閉症スペクトラムの併存率と代表的な併存症
では、解説します。
自閉症スペクトラムとは?
自閉症スペクトラム(ASD)とは、先天的な脳機能の発達障害です。対人関係や物事に対する取り組み方に偏りがあり、症状が重度かつ慢性化したりすると日常生活に支障が出ることもあります。
ASDの障害についてイギリスの児童精神科医ローナ・ウィングは、以下3つがあると提唱しています。
- ・社会性の質の違い
- ・コミュニケーションの質の違い
- ・想像力の質の違い
自閉症スペクトラムの症状は軽症から重症まで様々です。軽症であれば、症状が目立つことや日常生活に支障もないため、障害自体に気がついていないケースも少なくありません。一方で重症になると継続的な治療による症状のコントロールなどが必要になります。
幼少期から学童期では障害があっても個性やキャラクターとして成立します。しかし、社会人になると徐々に障害が目立つようになり、自覚症状として感じ始めるのです。
では、次に自閉症スペクトラムの原因について見ていきましょう。
※参考資料:プライマリケア/発達障害
自閉症スペクトラムの原因
自閉症スペクトラムが発症したのは「育児や生活環境が原因では?」と自分を責める方も少なくありません。
そんな方はもう自分を責めなくても大丈夫です。
というのも、自閉症スペクトラムの原因は生まれ育った生活環境ではなく、先天的(お腹にいる間)に起こる障害だと分かっているからです。
具体的には、脳機能が発達する段階で成長に偏りが生じることが原因と言われています。つまり、発達障害は生まれながらにしてすでに発症しているということです。
ただし、現代の技術ではここまでしか解明されておらず、まだまだ詳しい原因は分かっていません。
自閉症スペクトラムの発症率
厚生労働省のデータによると、閉症スペクトラムは「約100人に1人」の割合で発症します。そして男性は女性に比べて「約4倍」も発症する確率が高いことが分かっています。
そして、知的障害が伴わない発達障害の方は、自分の障害に気づいていないことも少なくありません。そのため、本人が日常・社会生活を送るのに違和感があったとしても、周りからのサポートを受けられない問題もあります。
※参考資料
厚生労働省/発達障害|こころの病気を知る|メンタルヘルス
厚生労働省 e-ヘルスネット/ASD(自閉スペクトラム症、アスペルガー症候群)について
自閉症スペクトラムの併存率と代表的な併存症
厚生労働省のデータによると、1つの精神疾患が併存している可能性が「約70%」、2つ以上が「約40%」であることが分かっています。
代表的な併存症として、以下の障害が挙げられます。
- ・知的能力障害(知的障害)
- ・ADHD(注意欠如・多動症)
- ・LD(学習障害・限局性学習症)
- ・発達性協調運動症(DCD)
- ・不安症
- ・抑うつ障害
- ・てんかん
- ・睡眠障害
- ・便秘
特に「知的能力障害」「ADHD」「LD」の併存は多く、特徴的な行動や言動から自閉症スペクトラムの発見が早期にできることもあります。一方で、これらの障害を伴わない自閉症スペクトラムは本人も障害に気づかず生活しているケースもすくなくありません。
※参考資料:厚生労働省 e-ヘルスネット/ASD(自閉スペクトラム症、アスペルガー症候群)について
【時期別】軽度の自閉症スペクトラムの特徴と具体的な症状
自閉症スペクトラムの特徴が分かれば、自分の子どもと比較して障害を早期に発見できる可能性があります。
しかし、時期別に具体的な症状を紹介している記事は少なく、イメージしにくいと感じているのではないでしょうか?
そこでこの章では、時期別に見た自閉症スペクトラムの超具体的な症状について紹介します。
前提知識として、自閉症スペクトラムの特徴は、以下の3つです。
- ・対人コミュニケーション障害
- ・特定の物事への強いこだわりがある
- ・外的な刺激に過敏
この他にも行動パターンが一定だったり、感情表現が苦手だったりする特徴もあります。これらの特徴を踏まえて子どもの時期別に症状を見ていきましょう。
幼少期:0歳〜小学校就学
幼少期(0歳〜小学校就学)の自閉症スペクトラムの具体的な症状は、以下の通りです。
- ・名前を呼んでも反応しない
- ・喜怒哀楽が少ない
- ・集団で遊ぼうとしない
- ・いつも同じ遊びしかしない
- ・公園デビューや保育園など新しい環境を嫌がる
幼少期の自閉症スペクトラムは発見が遅くなる傾向にあります。というのも、学童期以前の子どもは感情表現のレパートリーが少なく、相手に自分の気持ちを伝えるのが下手だからです。
そのため、障害をその子の個性やキャラクターとして捉えたり、「周りと比べて少し成長が遅い子」と思ったりするだけで、受診までに時間がかかってしまいます。
また、新しい遊びをすることに不安や恐怖を感じるため、いつも1人で同じ遊びをすることが多いでしょう。お友達に一緒に遊ぼうと誘われても集団に加わろうとせず、あくまで自分の興味を持ったことをするのが優先になります。
児童期:小学校就学~卒業
児童期(小学校就学〜卒業)の自閉症スペクトラムの具体的な症状は、以下の通りです。
- ・友達との人間関係が上手く築けない
- ・落ち着きがなく衝動行動が多い(ADHDの併存)
- ・勉強が苦手(LDの併存)
- ・文章や言葉では頭に残らない
- ・視覚情報(イラストや図解)だと理解力や記憶能力が上がる
相手の気持ちを想像するのが苦手な自閉症スペクトラムの子どもは、周りとの友人関係でトラブルになることがしばしばあります。
例えば、友達が遊んでいるゲームやおもちゃを強引に奪って怒らせても、なぜ相手が怒っているのかを想像するのは難しいといった感じです。
特に小学生からは集団生活を通して社会性を学びます。協調性が求められる中で、相手の気持ちを考えて動けないと悪目立ちすることもあるでしょう。
また、LD(学習障害)が併存していると学習面の遅れも気になります。特に国語や算数など文章や数字だけの科目が苦手な傾向があります。一方で図工や美術、その他視覚的な情報から学ぶ授業は得意とします。
ただし、児童期といってもまだまだ子どもです。そのため、自閉症スペクトラムの症状と個性を見極めるのは難しく、障害の発見が遅れる可能性も十分あります。
思春期:中学校就学~
思春期(中学校就学〜)の自閉症スペクトラムの具体的な症状は、以下の通りです。
- ・コミュニケーション方法が独特
- ・テレビや本で覚えた難しい言葉や表現を使う
- ・相手を怒らせても気づかない
- ・興味のあることへは集中力や才能を発揮する
思春期になるとコミュニケーション方法が独特になります。例えば、テレビや本で覚えた難しい言葉や表現を使ったり、特徴的な言い回しをしたりして、周りに理解してもらえない状況も出てくるでしょう。
一方で興味のあることには誰よりも集中して取り組めます。周りにはない特別な才能として開花するかもしれません。周りから「〇〇博士」「〇〇先生」と呼ばれるなど「その分野なら〇〇君」と認識されたりすることもあります。
成人期:社会人(20歳〜)
成人期(社会人:20歳〜)の自閉症スペクトラムの具体的な症状は、以下の通りです。
- ・会社での人間関係が上手くできない
- ・仕事の指示やアドバイスを素直に受け入れられない
- ・抽象的な指示が分からない
- ・協調よりも自分流を押し通す
- ・「なぜ自分のことを理解してもらえないの?」と1人で悩むことが多い
- ・会社や営業先など新しい環境に適応するまでの時間が長い
- ・光や音などの外的な刺激が気になって仕事に集中できない
社会で働くようになると協調性が求められます。会社に属している以上、一生付き合っていく人もいるため、良好な人間関係を築くことが極めて重要です。
一方で自閉症スペクトラムの方は、相手の気持ちをイメージしたり、抽象的な指示が理解できなかったりする特徴があります。その結果、良好な人間関係が築けず、仕事のミスが多いという理由から信用を失うこともあります。
そこで、相手の気持ちや指示を確認したり、言われたことはすぐにメモに残したりするなど自分に合った工夫が必要になるでしょう。
また、エンジニアやデザイナーなど視覚情報が多く、専門性が高い1人でできる仕事を選ぶのも社会で上手く働くためのポイントです。適正を見極めて自分の能力を活かせる職場を見つけられると良いですね。
軽度の自閉症スペクトラムの困りごと
周りに気付かれないほど軽度の自閉症スペクトラムの方でも、困っていることは必ずあります。
そこでこの章では、 軽度自閉症スペクトラムの「本人」「育児をするご両親」に分けて、具体的な困りごとを解説します。
自閉症スペクトラムを抱える本人の困りごと
軽度の自閉症スペクトラムの子どもが困る具体的な困りごとは、以下の通りです。
- ・友達の輪に入れない
- ・すぐに怒らせてしまう
- ・「空気が読めない」と言われる
- ・学習に遅れがある
- ・特定の刺激(音やニオイなど)に過敏になる
- ・同じミスを繰り返す
- ・マイペース
- ・急なスケジュール変更が苦手
- ・抽象的な指示やアドバイスが理解できない
自閉症スペクトラムの子どもは相手の気持ちを理解するのが少しだけ苦手です。そのため、会話中に相手を不快にさせたり、嫌がられる行動をしたりして怒らせてしまうこともあります。
申し訳なさはあるものの「なぜ怒ったのか?」が分からないため、1人で悩み苦しんでいることも少なくありません。また、感情表現が苦手であるため、周りに相談することもできずにいます。
そこで、周りの大人たちが注意してあげることが大切です。「いつもよりも表情が暗い」「口数が極端に少ない」などがあれば、早めの対処で症状の悪化を予防できます。
自閉症スペクトラムの育児をする両親の困りごと
軽度の自閉症スペクトラムの育児をする両親の具体的な困りごとは、以下の通りです。
- ・育児の正解が分からない
- ・周りの人に障害を理解してもらいにくい
- ・子どもの行動が悪目立ちすると「親の育て方の責任」と言われてしまう
- ・一つひとつに時間がかかる
- ・急なスケジュール変更ができない
- ・環境変化(入園・入学など)の時期は症状が悪化しないか不安
- ・通院や治療で身体的・経済的な負担が大きい
- ・専門家以外の人から育児の問題点を指摘される
- ・保育園や小学校で自分の子どもだけ「腫れ物に触る」ように扱われる
自閉症スペクトラムの育児に正解はありません。そのため、実際に育児をしている両親は終わりのないレースをしている感覚に陥ります。そして、育児方法が原因で自閉症スペクトラムになったのではないかと自分を責めたり、不安になったりします。
また私の知人は、症状が悪目立ちすると「親の育て方が悪いから」と心ない一言を言われたことがあると話してくれました。このことより、発達障害に対する理解が進んでいない現状があることも分かります。
自閉症スペクトラムの診断基準とその意義
「自分の子どもが自閉症スペクトラムではないか?」と疑っても、確定診断されるまでは確信に変えることはできません。
そこでこの章では、自閉症スペクトラムの「診断基準」と「診断される意義」について解説します。
診断基準
自閉症スペクトラムは、身体疾患のように客観的データ(検査結果や数値で測れる所見など)で明確に診断はできません。というのも、脳機能の障害の程度により症状が人それぞれ全く異なるからです。
そのため、診断する医師の知識や経験に左右される部分もあることも知っておきましょう。
自閉症スペクトラムには、以下の2つの診断基準が使われます。
- ・アメリカ精神医学会の精神疾患の診断・統計マニュアル(DSM-5)
- ・WHO(世界保健機構)の国際疾病分類(ICD-11)
これら2つの世界的に普及した診断基準に加えて、以下の検査結果を総合して確定診断が行われます。
- ・問診
- ・スクリーニング検査
- ・血液検査
- ・MRI・脳波検査
その時の状況により診断結果が変わる可能性もあるため、何度でも再診察してもらえます。
実際、初心で「自閉症スペクトラムではない」と診断されても、後々診断されるというケースも少なくありません。
そのため一度で確定診断を受けられなくて、ご両親が怪しいと思ったタイミングで再受診しても良いのです。障害や症状に早期から気づき対処すると、悪化予防や本人のストレスを軽くしたりもできるでしょう。
※参考資料:WHO(世界保健機構)/ICD-11 国際疾病分類第11版 健康診断情報のグローバルスタンダード
診断されることの意義
自閉症スペクトラムの確定診断は、子どもの障害を認めることでもあります。自分の子どもが障害者であると認めたくない思いから、受診行動が遅れることもあります。
しかし、受診が遅くなるだけ「症状の悪化」や「お子様が1人で悩む期間が延びる」などの問題があります。
子どもの障害を受け入れるには相当の覚悟が必要である一方で、以下のような意義もあります。
- ・早期治療
- ・社会的なサポートや助成金を受けて、経済的な負担を減らせる
- ・障害への理解が得られやすい
専門的な治療なしで症状を改善するのは難しいでしょう。そのため、早期発見・早期治療こそ自閉症スペクトラムと上手く付き合っていく第一歩なのです。
また、障害者手帳の申請ができることで、公共料金や一部通院費用の免除など経済的な負担を減らせるでしょう。発達障害者を支援する助成金や支援団体の交流も増えて、育児への具体的な相談やアドバイスを受けられます。
※参考資料:厚生労働省/精神障害者保健福祉手帳
軽度の自閉症スペクトラムの3つの治療法
自閉症スペクトラムの治療法は以下の3つです。
- ・環境調整
- ・カウンセリング
- ・薬物療法
自閉症スペクトラムという障害自体が完治することはありません。しかし、障害による症状や二次的な障害は治療により予防や改善することは可能です。
これらの治療法については「子どもの自閉症の特徴|原因や検査・診断・治療までを流れで詳しく解説」の記事で詳しく解説しているので、ぜひご覧ください。
「自閉症スペクトラムかな?」と感じた親が今すぐできる3つの対策
自閉症スペクトラムを疑っているのに放っておくのは危険です。
というのも早めに気づいて対処することで親子共にストレスの少ない関係性を築けるからです。そのために、以下の3つの対策を行うようにしましょう。
- 対策①:病院で診断してもらう
- 対策②:相談先を作る
- 対策③:社会的なサポート体制を活用する
では、詳しく解説します。
対策①:病院で診断してもらう
診断前から両親だけで悩んでも解決しないため、病院に診断してもらいましょう。
病院なら確定診断とともに、その後の対応方法や治療について専門的なアドバイスをしてもらえます。
診断時間には30分程度のスクリーニング検査やその他問診などが行われます。症状の程度により、診断に半日以上かかることもあるため、時間に余裕を持って受診しましょう。
自閉症スペクトラムと診断されることは決して悪いことではありません。むしろ、ご両親が早めに気づいて受診したことで、お子様が1人で苦しまずに障害と向き合うこともできます。
受診行動は障害に対して前向きな姿勢の現れなのです。
対策②:相談先を作る
自閉症スペクトラムなどの障害に対してネガティブなイメージを持つ両親は少なくありません。障害について誰かに相談するのは「恥ずかしい」「気が引ける」と感じ、誰にも相談できず1人で悩む方がいるのも事実です。
しかし、自閉症スペクトラムの育児について1人で悩んでも解決することはありません。そこで、いざという時に相談できる相手を見つけておくことが大切です。
具体的な相談先として、以下が考えられます。
- ・病院
- ・発達障害者支援センター
- ・児童相談所
この他にも仲の良い親戚や知人など信用できる人がいれば、相談相手になってもらいましょう。
それぞれの相談先の特徴については「子どもの高機能自閉症とは?アスペルガーとの違いや特徴・両親が関わる際のコツ」の記事で詳しく解説しているので、ぜひご覧ください。
対策③:社会的なサポート体制を活用する
自閉症スペクトラムと診断されたら、社会的なサポート体制を活用しましょう。
社会的なサポート体制を活用すると、社会的な支援や免除を受けることができます。
具体的な内容については「発達障害の種類|子どもの成長具合が心配な親が今すべき全ての行動を解説」の記事で詳しく解説していますので、ぜひご覧ください。
軽度の自閉症スペクトラムの子どもと関わる時の4つのコツ
軽度の自閉症スペクトラムの子どもと関わる時は、以下の4つのコツを押さえておく必要があります。
- コツ①:気持ちを代弁する
- コツ②:予定変更があれば早めに伝える
- コツ③:親のペースに合わせようとしない
- コツ④:好きなことは伸ばしてあげる
コツをして関わるだけでスムーズにコミュニケーションをとれるようになるため、ぜひご活用ください。
コツ①:気持ちを代弁する
気持ちを代弁することで、相手の思いや考えをイメージするきっかけを作ってあげましょう。
自閉症スペクトラムの子どもは相手の気持ちをイメージするのが苦手だからです。なぜ相手が怒っているかが分からないと謝ったり、改善したりすることができません。
具体的な伝え方として、以下の言い方が良いでしょう。
「〇〇くん(ちゃん)の〜(という行動)で、△△くん(ちゃん)は〜だと思ったんじゃないかな?」
質問形式で相手の気持ちを代弁することで、自閉症スペクトラムの子供に考える余地を与えるのがポイントです。相手の気持ちが分かればその後の行動や今後の課題としての学びがあります。
「できない」と諦めたり、頭ごなしに怒ったりするのではなく、できない部分を両親や周りの大人たちが補ってあげることが関わるときのコツになります。
コツ②:予定変更があれば早めに伝える
予定を変更する時は早めに伝えておきましょう。
自閉症スペクトラムの子どもは急な予定変更が苦手です。最悪の場合、パニックや思考停止になることもあります。また、行動がパターン化する特徴もあるため、自分のペースを乱されることを極端に嫌います。
そこで、日々の行動はできるだけ習慣化しておき、いざ予定変更があった際は最小限の変更に留める工夫が必要でしょう。
例えば、朝起きてから学校に行くまでの準備はタイムスケジュールで管理しつつ、病院の受診日が決まったら1週間前くらいには伝えておくなどといったイメージです。
急なスケジュール変更は未来が予測しにくく、不安な気持ちになります。自閉症スペクトラムの子どもは、この不安が私たちよりも少しだけ強く現れるのが特徴です。
自閉症スペクトラムの子どもが安心できるようにスケジュール管理することも関わる際のコツです。
コツ③:親のペースに合わせようとしない
育児をしていると、どうしても親のペースに合わせようとします。実際、私も子育て中ですが、心に余裕がない時は自分のペースに合わせようとして失敗することも多々あります。
しかし、子どもには子どものペースがあります。特に自閉症スペクトラムの子どもは、マイペースである特徴があります。無理に自分のペースに合わせようとすると怒らせたり、自主的な行動を邪魔したりします。
心に余裕を持ち、ゆっくり見守ってあげることも自閉症スペクトラムの子どもと関わっていくコツなのです。
コツ④:好きなことは伸ばしてあげる
好きなことは満足するまで伸ばしてあげる関わりをしましょう。
というのも、自閉症スペクトラムの子どもは興味・関心があることに没頭したり、周りよりも集中して取り組んだりできる強みがあるからです。興味が高じて、学生時代の糧になったり、将来の仕事につながったりすることも少なくありません。
また、興味のあることは自主的に行動できます。つまり、物事へ取り組む前向きな姿勢を学ぶきっかけにもなるということです。
好きなことに誰よりも集中できる強みを最大限活かせるように関わることも重要になります。
まとめ: 「軽度の自閉症スペクトラム?」と疑ったなら受診が最優先!
以上、軽度の自閉症スペクトラムについて、ご両親でも簡単に確認できる特徴や症状をお伝えしました。自閉症スペクトラムの子どもには、以下の3つの特徴がありましたね。
- ・社会性の質の違い
- ・コミュニケーションの質の違い
- ・想像力の質の違い
これらの特徴により、以下の症状や困りごとが起こることも分かりました。
- ・人間関係が上手く築けない
- ・1人で遊ぶことが多い
- ・環境やスケジュール変更が苦手
またADHD(注意欠如・多動症)や、LD(学習障害・限局性学習症)などの二次的な障害を併存している可能性も高く、発見が遅れると子どもが1人で苦しむことになります。
そうならないためにも、軽度自閉症スペクトラムの時期に病院を受診して、治療を始められると良いですね。
この記事が、子どもの自閉症スペクトラムを疑っているご両親の不安解消に役立てれば幸いです。