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高齢出産は何歳から?リスクや初産と経産婦のちがいを解説

仲田洋美 医師

この記事の監修:仲田洋美(臨床遺伝専門医)

ミネルバクリニック院長。臨床遺伝専門医・総合内科専門医・がん薬物療法専門医として遺伝医療に携わっています。

高齢出産とは、日本産科婦人科学会の定義では「35歳以上の初産婦」の出産を指します。定義は初産婦に限られていますが、妊娠・出産のリスクは経産婦でも年齢とともに同じように上がります。2人目・3人目だから安心、とは言えないのです。この記事では、高齢出産が何歳からなのかという定義と、35歳以上の妊娠・出産で高まるリスク、初産婦と経産婦の違い、妊娠中にできることを、臨床遺伝専門医が解説します。

この記事でわかること
📖 読了時間:約12分
🤰 高齢出産・初産婦・経産婦
★ 臨床遺伝専門医監修

Q. 高齢出産は何歳からですか?

A. 日本産科婦人科学会の定義では、35歳以上で初めて出産する場合(35歳以上の初産婦)を高齢出産といいます。2人目・3人目の出産(経産婦)は定義には含まれませんが、流産、胎児の染色体異常症、妊娠高血圧症候群、妊娠糖尿病などのリスクは、経産婦でも年齢とともに上がります。

  • ➤定義 → 35歳以上の初産婦(以前は30歳以上)
  • ➤経産婦 → 定義には含まれないが、年齢によるリスクは同じように上がる
  • ➤主なリスク → 妊娠率の低下、流産、染色体異常症、妊娠高血圧症候群、妊娠糖尿病、帝王切開、妊産婦死亡
  • ➤初産と経産の違い → 経産婦はお産が進みやすい傾向があるが、年齢による合併症のリスクは変わらない

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1. 高齢出産は35歳以上の初産。経産婦でも年齢によるリスクは同じように上がる

日本産科婦人科学会は、35歳以上の初産婦を「高年初産婦」と定義しており、一般にはこれを高齢出産と呼んでいます。この定義は初めて出産する人を対象としたもので、2人目・3人目を出産する経産婦には年齢の定義は設けられていません。

高年初産婦の定義は、以前は30歳以上でした。出産年齢が上がる晩産化などを背景に、1990年代初めに現在の35歳以上へ改められています。

一方で、出産年齢は上がり続けています。厚生労働省の人口動態統計によると、第1子を出産するときの母親の平均年齢は約31歳です[1]。第1子を30代前半で出産すれば、2人目・3人目の妊娠が35歳を超えることは珍しくありません。

ここで大切なのは、定義に経産婦が含まれないことと、経産婦のリスクが低いことは別の話だという点です。卵子の加齢や、血圧・血糖などの体の変化は、出産経験の有無にかかわらず年齢とともに進みます。そのためこの記事では、初産・経産を問わず、35歳以上の妊娠・出産のリスクを扱います。

2. 高齢出産のリスク

35歳以上の妊娠・出産では、妊娠のしやすさ、妊娠中の合併症、お産、産後の回復のそれぞれで、若い年代より注意が必要なことが増えます。ここでは代表的なものを順に見ていきます。

妊娠率の低下

35歳を超えると、卵子の数が減り、質も低下していくため、妊娠しにくくなります。不妊の原因は女性側だけにあるわけではありませんが、女性の年齢が上がるほど、自然妊娠の可能性は低くなります。不妊治療を受けても、年齢が上がると妊娠に至る確率は下がります。

下の図は、不妊治療を受けた方の年齢別の妊娠率です。年齢が上がるにつれて、妊娠率が下がっていくことがわかります[2]。

不妊治療を受けた女性の年齢別妊娠率のグラフ

出典:厚生労働省|不妊治療の実態に関する調査研究 最終報告書

年齢と妊娠率の関係は、年齢別に見た妊娠確率で詳しく解説しています。

流産のリスクが高まる

母体が35歳以上になると、流産の可能性も高まります。流産の多くは、受精卵の染色体の数の異常によるもので、卵子の加齢とともにその割合が増えるためです。

不妊治療で妊娠した女性の年齢別流産率のグラフ

出典:厚生労働省|不妊治療の実態に関する調査研究 最終報告書

上の図は、不妊治療で妊娠した方の年齢別の流産率です。30代前半までは大きな差はありませんが、35歳を過ぎると流産率がはっきり上がっていきます[2]。なお、これは不妊治療で妊娠した方のデータで、自然妊娠を含む妊婦全体の数字ではありません。

染色体異常症が発生するリスクが高まる

母体の年齢が上がると、ダウン症候群(21トリソミー)など、胎児の染色体異常症が起こる確率が上がります。卵子のもとになる細胞は生まれる前からつくられて長い間とどまっており、年齢を重ねると、卵子ができる過程(減数分裂)で染色体がうまく分かれない誤りが起こりやすくなるためです。これは初産婦でも経産婦でも同じで、35歳以上のすべての女性に起こりうることです。年齢別の確率は第3章で詳しく紹介します。

妊娠高血圧症候群のリスクが高まる

妊娠高血圧症候群は、妊娠中に血圧が上がる病気で、重症になると脳出血やけいれん(子癇)、肝機能障害などを起こし、母体の命にかかわることがあります。胎盤の血流が悪くなることで、赤ちゃんの発育が遅れたり、胎内で亡くなったりすることもあります。

妊婦さんのおよそ20人に1人が発症するとされ、もともと血圧が高い方、肥満の方、糖尿病や腎臓病のある方ではさらに起こりやすくなります。母体が40歳以上になると、そのリスクはいっそう高まります。

妊娠糖尿病のリスクが高まる

妊娠糖尿病は、妊娠中に初めて見つかる血糖の上昇で、母体の年齢とともに起こりやすくなります。妊娠前からの糖尿病も年齢とともに増え、40歳以上では20代に比べて明らかに多くなります。

妊娠前からの糖尿病は、赤ちゃんの先天異常や周産期のトラブルと関係します。一方、妊娠糖尿病でとくに問題になるのは、赤ちゃんが大きくなりすぎる巨大児と、それにともなう難産や新生児の低血糖などです。

帝王切開になる割合が高まる

母体の年齢が上がるほど、帝王切開で出産する割合は高くなります。理由のひとつが、胎盤が子宮の出口をふさぐ前置胎盤や、出口の近くにある低置胎盤です。前置胎盤では赤ちゃんが産道を通れないため帝王切開になり、通常より出血が多くなることもあります。ただし、妊娠の早い時期に胎盤の位置が低いと言われても、週数が進むにつれて正常な位置になり、経腟分娩ができることもあります。

妊娠経過が順調でも、陣痛が強くならない、陣痛促進剤を使っても子宮口がなかなか開かないといった理由で、お産の途中で帝王切開に切り替わることがあります。高齢出産では、お産の直前や最中に予定が変わる可能性もあると、心づもりしておくとよいでしょう。

妊産婦の死亡率が上がる

日本で妊娠・出産によって母体が亡くなることはとても少なくなりましたが、その割合は年齢とともに上がります。日本産婦人科医会の妊産婦死亡報告事業で2010〜2016年に集められた事例を解析した報告では、年齢別の妊産婦死亡率は20代前半に比べて30代後半で2.8倍、40歳以降で4.7倍と、年齢とともに高くなることが示されています[3]。

1990年代の国内の検討では、高齢の妊婦さんに多い死因として、妊娠中毒症(現在の妊娠高血圧症候群)、分娩時の出血、血栓症や羊水塞栓症が挙げられています。35歳以上の妊娠では、羊水塞栓症のリスクが25〜29歳の約8倍、産科的ショックのリスクが約3倍になるとされていました[4]。

産後の回復が遅れやすい

35歳以上での出産は、産後の体の回復にも時間がかかりやすい傾向があります。出産後6〜8週間の産褥期は、とくにトラブルが起こりやすい時期です。年齢が上がると、子宮が元に戻るのが遅れる子宮復古不全が起こりやすくなるといわれます。体力が十分に戻らないまま育児が始まると、心身の負担が大きくなり、産後うつにつながることもあります。一人で抱え込まず、家族の手助けや自治体の産後ケアなどを利用しましょう。

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3. 高齢出産でリスクが高まる染色体異常症とは?

染色体異常症は、どの年齢の妊娠でも起こりうるものですが、その確率は母体の年齢とともに上がります。代表的なものに、ダウン症候群(21トリソミー)、エドワーズ症候群(18トリソミー)、パトウ症候群(13トリソミー)があります。いずれも、特定の染色体が通常より1本多い状態です。確率は、妊婦さんの年齢のほか、家族歴や過去に染色体異常症のお子さんを妊娠したことがあるかどうかによっても変わります。

年齢別に見た染色体異常症の確率

米国の研究者フックが、出生児のデータをもとに母親の年齢別の確率を推計した報告がよく知られています[5][6]。

🧬 母親の年齢別に見た、出生児の染色体異常症の確率

母親の年齢 ダウン症候群 臨床的に重要な染色体異常症全体
30歳 - 約270人に1人
35歳 約385人に1人 約180人に1人
39〜40歳 約137人に1人(39歳) 約60人に1人(40歳)
45歳 約30人に1人 約20人に1人

※出生時点での推計値(Hook EB, 1981[5]、ダウン症候群の値は同データをまとめた資料[6]による)。妊娠中の時期によって確率は異なり、妊娠初期ほど高くなります。

染色体異常症全体の確率は、35歳で約180人に1人、40歳で約60人に1人、45歳で約20人に1人と、35歳を過ぎると急に上がっていきます[5]。ダウン症候群がその中心ですが、ほかの染色体異常症も年齢とともに増え、高い年齢での全体の確率を押し上げています。

エドワーズ症候群・パトウ症候群も年齢とともに増える

エドワーズ症候群(18トリソミー)とパトウ症候群(13トリソミー)は、ダウン症候群よりまれですが、どちらも母体の年齢とともに確率が上がります。いずれも心臓などに重い合併症をともなうことが多く、妊娠中に流産や死産となることも少なくありません。

💡 用語解説:トリソミー

トリソミーとは、通常は2本1組である染色体が3本ある状態のことです。21番染色体が3本あるとダウン症候群(21トリソミー)、18番ではエドワーズ症候群(18トリソミー)、13番ではパトウ症候群(13トリソミー)になります。多くは、卵子や精子ができる過程で染色体がうまく分かれなかったことで起こり、母体の年齢が上がるほど起こりやすくなります。

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4. 35歳以上の初産婦と経産婦の違い

35歳以上の初産婦と経産婦でいちばん違うのは、お産の進みやすさです。一方、年齢による妊娠中の合併症や染色体異常症のリスクは、初産か経産かで変わりません。

20代のころに比べ、30代になると肌の張りが失われていくのと同じように、体の結合組織は年齢とともに硬くなっていきます。子宮の出口にあたる子宮頸管や腟、会陰の組織も硬くなって伸びにくくなるため、高齢の初産婦は若い妊婦さんに比べてお産に時間がかかりやすく、難産になりやすい傾向があります。そのため、より安全なお産のために帝王切開が選ばれる割合も高くなります。

これに対して、35歳以上の経産婦は、一度お産で産道が広がった経験があるため、お産が進みやすく、分娩時間も短い傾向があります。ただし、前回が帝王切開だった場合は、今回のお産の方法を改めて検討する必要があります。

🤰 35歳以上の初産婦と経産婦の比較

項目 35歳以上の初産婦 35歳以上の経産婦
高齢出産の定義 含まれる(高年初産婦) 含まれない
お産の進み方 時間がかかりやすく、難産になりやすい 進みやすく、分娩時間が短い傾向
流産・染色体異常症 年齢とともに同じように上がる
妊娠高血圧症候群・妊娠糖尿病 年齢とともに同じように上がる

5. 何歳まで出産できるのか?

何歳まで出産できるかに、はっきりした線引きはありません。40歳を過ぎて出産する方はたくさんいますし、50歳前後で出産した例もあります。ただし、年齢とともに卵子の数と質が低下するため、妊娠そのものが難しくなります。体外受精などの不妊治療を行っても妊娠に至らないことが増え、自然妊娠の確率はさらに低くなります。卵子の状態や体力面を考えると、一般に45歳前後がひとつの目安といわれます。

6. 男性の年齢も妊娠に影響する

以前は、男性の年齢は妊娠にあまり関係しないと考えられていましたが、現在では男性の年齢も影響することがわかっています。年齢が上がると、精子の数や運動する力が少しずつ低下し、妊娠までにかかる時間が長くなる傾向があります。

世界保健機関(WHO)は、精液検査の結果を評価するための参考値として、精液1mLあたりの精子の数や、動いている精子の割合の下限を示しています。年齢が上がると、この参考値を下回る方や、よく動く精子の割合が低い方が増えていきます。

女性の妊娠率は、男性パートナーが35〜45歳を過ぎると下がり始め、45歳を超えると妊娠率の低下や流産率の上昇がみられるとする報告もあります。日ごろ運動をしていて体力に自信がある方でも、見た目の若さや体力と精子の状態は一致しません。男性も年齢の影響を知っておくことが大切です。

7. 高齢出産にはメリットもある

ここまでリスクを中心に説明してきましたが、高齢出産にはこの年代ならではのよさもあります。母体と赤ちゃんの健康の面では早めの出産が望ましいことに変わりはありませんが、次のようなメリットも知っておいてください。

経済的に安定していることが多い

35歳以上の方は社会人としての経験が長く、経済的なゆとりがある場合が少なくありません。出産や子育てにはさまざまな費用がかかるため、金銭的な不安が少ない状態で出産・子育てに臨めるのは大きな安心材料です。

キャリアを積んでから出産・育児に臨める

キャリアを積んだ後に出産することで、産休・育休を経た職場復帰もしやすくなります。若いうちに仕事に打ち込み、経験を重ねてから出産を迎えられるのも、この年代で出産するよさのひとつです。

精神的に余裕を持って子育てに向き合える

人生経験を重ねてからの子育ては、気持ちにゆとりを持って向き合いやすいといわれます。子育てでは自分のことを後回しにする場面も多くありますが、やりたいことをある程度経験したうえでの出産は、その折り合いをつけやすくなることがあります。

8. 高齢で妊娠中にやっておきたいこと

年齢そのものは変えられませんが、妊娠前から妊娠中の過ごし方で、減らせるリスクもあります。初産・経産を問わず、次のことを意識しましょう。

葉酸を摂る

赤ちゃんの脳や脊髄のもとになる神経管がうまく閉じない「神経管閉鎖障害」を予防するため、妊娠前からの葉酸の摂取がすすめられています。神経管は妊娠6週ごろまでに閉じるため、妊娠がわかってからではなく、妊娠を考えた時点で摂り始めるのが効果的です。葉酸で高齢出産による流産などのリスクを下げられるわけではありませんが、意識して摂るようにしましょう。

体重を適切に管理する

35歳以上の妊娠では、妊娠高血圧症候群や妊娠糖尿病が起こりやすくなります。肥満はこれらのリスクをさらに高めるため、生活習慣を整えて体重を適切に管理しましょう。主食・主菜・副菜をそろえ、不足しがちなビタミンやミネラル、カルシウムを意識して、いろいろな食品を組み合わせることが基本です。一方で、急激なダイエットは体への負担が大きく、赤ちゃんの発育にも影響します。体重の目安は、妊婦健診で医師や助産師と相談しながら決めましょう。

妊婦健診をきちんと受ける

35歳以上でも40歳以上でも、出産まで妊婦さんをサポートしている医療機関はたくさんあります。妊婦健診を欠かさず受けることで、妊娠高血圧症候群や妊娠糖尿病を早く見つけ、早めに対応できます。赤ちゃんに何らかの病気が見つかった場合も、生まれてすぐに治療を始める準備ができます。

適度に体を動かす

妊娠中の適度な運動は、体重管理や気分転換につながります。年齢とともに代謝は落ちていくため、ウォーキングなど無理のない運動で体力を保つことは、妊娠高血圧症候群や妊娠糖尿病の予防にも役立ちます。運動の内容や量は、妊娠の経過に合わせて健診で相談しましょう。

ストレスをためこまない

強いストレスが続くと、体は緊張した状態になり、睡眠や食事のリズムも乱れやすくなります。ストレスをなくすことは難しくても、気分転換の時間をつくったり、心配ごとを家族や周りの人と共有したりして、一人で抱え込まないようにしましょう。

9. 35歳以上で2人目・3人目を妊娠したときの出生前診断(NIPT)

2人目・3人目の妊娠では、初めての妊娠のときには受けなかった出生前診断を、受けるかどうか改めて考えるご夫婦が少なくありません。上のお子さんを出産したときより年齢が上がり、染色体異常症の確率が高くなっていることに加え、すでにいるお子さんの生活や将来も考えるようになるためです。

NIPT(非侵襲性出生前遺伝学的検査)は、妊婦さんの血液を調べて、赤ちゃんの染色体異常症の可能性を調べる検査です。採血だけで行えるため、流産のリスクはありません。ただし、NIPTは確定診断ではなく、陽性の結果が出た場合には羊水検査などで確かめる必要があります。

出生前診断を受けるかどうか、結果をどう受け止めるかに正解はありません。検査でわかることとわからないこと、結果が出た後の選択肢を知ったうえで、ご夫婦で話し合って決めることが大切です。

仲田洋美院長

🩺 院長コラム【「経産婦だから大丈夫」ではない理由】

高齢出産の定義が初産婦に限られているため、2人目・3人目の妊娠では「一度産んでいるから大丈夫」と考えてしまう方もいるかもしれません。けれども、卵子は体と同じように年齢を重ねます。染色体異常症の確率も、妊娠中の合併症のリスクも、出産経験の有無ではなく年齢で決まる部分が大きいのです。

出生前診断は、受けることも受けないことも、どちらも尊重されるべき選択だと考えています。大切なのは、年齢によるリスクを正しく知ったうえで、ご家族にとって納得できる選択をすることです。そのための情報提供と、結果が出た後の支えまで含めて行うのが、臨床遺伝専門医の役割だと考えています。

よくある質問(FAQ)

Q1. 高齢出産は何歳からですか?

日本産科婦人科学会の定義では、35歳以上で初めて出産する場合(35歳以上の初産婦)を高齢出産といいます。以前は30歳以上でしたが、1990年代初めに35歳以上に改められました。

Q2. 2人目・3人目の出産(経産婦)も高齢出産になりますか?

定義上は、経産婦には年齢の定義がなく、高齢出産(高年初産婦)には含まれません。ただし、流産、染色体異常症、妊娠高血圧症候群、妊娠糖尿病などのリスクは、経産婦でも年齢とともに同じように上がります。

Q3. 35歳の妊娠で、ダウン症候群の確率はどのくらいですか?

出生児のデータにもとづく推計では、母親が35歳のときのダウン症候群の確率は約385人に1人、45歳では約30人に1人とされています。染色体異常症全体では、35歳で約180人に1人、40歳で約60人に1人です。

Q4. 初産婦と経産婦で、高齢出産のリスクは違いますか?

経産婦は一度お産を経験しているため、お産が進みやすく、分娩時間が短い傾向があります。一方で、年齢による妊娠中の合併症や染色体異常症のリスクは、初産か経産かで変わりません。

Q5. 男性の年齢も妊娠に関係しますか?

関係します。年齢が上がると精子の数や運動する力が少しずつ低下し、妊娠までに時間がかかる傾向があります。男性パートナーが45歳を超えると、妊娠率の低下や流産率の上昇がみられるとする報告もあります。

まとめ

高齢出産は、日本産科婦人科学会の定義では35歳以上の初産婦の出産を指します。経産婦は定義には含まれませんが、流産、染色体異常症、妊娠高血圧症候群、妊娠糖尿病、帝王切開、妊産婦死亡などのリスクは、経産婦でも年齢とともに同じように上がります。初産婦と経産婦の違いは主にお産の進みやすさで、「2人目だから大丈夫」とは言えません。

必要以上に不安になることはありませんが、年齢によるリスクを知っておくことは、妊娠中の過ごし方や出生前診断を考えるうえで役に立ちます。ご家族の状況とあわせて、納得できる選択をしていきましょう。

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ミネルバクリニックは、臨床遺伝専門医が在籍するNIPT実施施設です。妊娠9週(ご希望の方は妊娠6週)からNIPTを受けられます。検査の前には検査でわかること・わからないことを、結果が出た後にはその意味と次の選択肢を、臨床遺伝専門医がご説明します。

参考文献

  • [1] 厚生労働省. 平成29年(2017)人口動態統計月報年計(概数)の概況. [厚生労働省]
  • [2] 厚生労働省. 不妊治療の実態に関する調査研究 最終報告書. [厚生労働省]
  • [3] 日本産婦人科医会. 妊産婦死亡報告事業 2010年~2016年に集積した事例の解析結果. [日本産婦人科医会]
  • [4] 妊産婦死亡における年令因子の検討. [国立保健医療科学院]
  • [5] Hook EB. Rates of chromosome abnormalities at different maternal ages. Obstet Gynecol. 1981;58(3):282-285. [PubMed 6455611]
  • [6] Antenatal Diagnosis of Chromosomal Abnormalities. The Global Library of Women’s Medicine (GLOWM). [GLOWM]

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プロフィール

この記事の筆者:仲田洋美(医師)

ミネルバクリニック院長・仲田洋美は、日本内科学会認定総合内科専門医、日本臨床腫瘍学会認定がん薬物療法専門医 、日本人類遺伝学会認定臨床遺伝専門医として従事し、患者様の心に寄り添った診療を心がけています。

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