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高齢出産でダウン症を患うリスクと出生前診断を受けるべき理由

晩婚化が進む中、高齢で妊娠・出産することに対するさまざまなリスクが指摘されています。

高齢出産・高齢妊娠のリスクは何となく聞いたことはあっても「何が問題なのかはっきり分からない」という方も多いのではないでしょうか?

高齢出産はダウン症などの疾患を患う確率が高くなり、妊娠中に出生前診断を受けてその有無を確かめる妊婦さんがたくさんいます。

特にNIPT新型出生前診断)は、他の非確定検査よりも高い99%と精度を誇りながら血液を採取するだけの検査という手軽さから受検する妊婦さんがこの数年で増えています。

そこでこの記事では、高齢出産でダウン症を患うリスクと出生前診断を受けるべき理由をわかりやすく説明していきます。

35歳以上の妊婦さんへ

高齢出産だからお子さんの先天性の病気が心配・・そんな方は出生前診断(NIPT)をご検討してみませんか?

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高齢出産について

医師と妊婦

高齢出産を迎える妊婦さんは「病気のない健康な子どもが生まれてほしい」と願うものですが、加齢に伴って染色体異常症合併症が発生するリスクが生じます。

まずは、高齢出産とは何かを詳しくご説明します。

何歳から高齢出産にあたるのか?

医学上では、35歳以上で初産することを「高齢出産」と呼んでいます。

一定の年齢以上での妊娠・出産を高齢出産と区別する場合、妊婦さんの体力や身体機能など個人差が大きく関係してきますが、一般的には30歳を超えたころから妊娠・出産に伴うリスクが徐々に高くなるため医療機関に注意喚起を促しています。

日本では女性の社会進出が進むにつれて晩婚化が増えてきました。厚生労働省のデータでは、平均初婚年齢は長期的にみると男女ともに上昇を続け、晩婚化が進んでいます。

2015年(平成27)で男性が31.1歳、女性が29.4歳になり、30年前と比較すると男性は2.9歳、女性は3.9歳平均結婚年齢が上昇しました。

そして、晩婚化に伴い出産年齢も遅くなり、近年では35歳以上での高齢出産も珍しいことではなくなりました。不妊治療が進歩した結果、高年初産が増えたという面もあるでしょう。

しかし、高齢出産に臨む場合は染色体異常流産など気をつけなければならない点がいくつかあります。

待ちに待った赤ちゃんを迎えるためにも、高齢出産に対する必要最低限の知識を身につけておきましょう。

高齢出産でダウン症を患うリスク

ダウン症の女児
母親の年齢が高くなるほど卵子も老化し、染色体異常が起こりやすくなります。

染色体異常が起こることでさまざまな疾患を患う可能性があり、実際に疾患を持って生まれてくる子どもの多くに染色体異常がみられています。

妊婦さんに広く認知されているダウン症も、通常2本ずつがペアになっている染色体の数が3本になったことにより発生する可能性があります。

染色体異常が起こる原因は卵母細胞の分裂異常であることが多く、妊婦さんの加齢によって発生する確率が高くなります。

ダウン症の場合は、35歳では626分の1、40歳で68分の1、45歳では16分の1と発生頻度はどんどん上昇していきます。

ダウン症の症状・特徴

ダウン症の多くの乳児には心臓と消化器の先天異常がみられ、筋肉の緊張が健常な乳児より若干低下しています。小児は頭が小さく顔は広く扁平で、つり上がった眼と低い鼻をもつ傾向があります。出生時には正常に見えても、幼少期に特徴的な顔つきになる場合もあります。

また、舌が大きいこともあり、顔の筋肉の緊張が低いため、しばしば口を開いたままになります。耳の後ろの皮膚が余っていることもあり耳が小さくて丸く、頭部の低い位置に付いているという特徴もみられます。

身体的な特徴は他にもあります。

  • 低身長
  • 手が一般的に短く幅広
  • 肥満になるリスクが高い
  • 首の関節が不安定
  • 排便や排尿の機能障害
  • 難聴や視覚障害を起こす傾向がある
  • 歩き方と腕や手の使い方に変化が生じる

ダウン症の症状は個人差が大きく心疾患などを伴うことも多いですが、医療の発達により近年ではほとんどのダウン症児が普通に生活を送ることができています。

必ずしもすべての合併症が起こるわけではないことを覚えておきましょう。

その他のリスクについて

リスクのイメージ画像
高齢出産に伴うリスクは染色体異常だけではありません。

ここからは、代表的な合併症についてご紹介していきます。

妊娠高血圧症候群を患うリスク

高齢出産の妊婦さんが注意したい妊娠中の合併症の筆頭は、妊娠高血圧症候群です。

妊娠高血圧症候群は、それまで正常な血圧だった人が妊娠20週以降に高血圧になった場合に診断されるもので、発症すると出産を終えるまでは治りません。

高血圧で最も恐ろしい合併症は、脳出血や痙攣などで、万が一発生すると母体の生命に関わる重篤な事態になりかねません。母体だけでなく、赤ちゃんも危険にさらされてしまいます。また、妊娠高血圧症候群を発症すると胎児の発育不全を起こすこともあります。

妊娠高血圧症候群の一番の治療は、端的には妊娠を終了させることです。妊婦さんや胎児の健康状態が悪い場合は、たとえ早産でもベストな方法として帝王切開などで分娩することもあります。たかが高血圧とあなどってはいけません。

妊娠糖尿病を患うリスク

妊娠糖尿病とは、妊娠中に発見または発症した糖尿病ほどではない軽い糖代謝異常です。

妊娠前から既に糖尿病と診断されている場合や、妊娠中に明らかな「糖尿病」と診断された場合は妊娠糖尿病より重度の状態ですので、血糖をより厳密に管理する必要があります。

妊娠糖尿病は高齢出産で高まるリスクがあり、症状がほとんどありません。妊婦さんの血糖値が高くなるとお腹の赤ちゃんも血糖値が高くなり、母親と胎児に以下のような合併症が発生するリスクが生じます。

【母親に生じる合併症のリスク】

  • 妊娠高血圧症候群
  • 羊水過多
  • 網膜症
  • 腎症
  • 肩甲難産
  • 流産

【胎児に生じる合併症のリスク】

  • 巨大児
  • 心臓の肥大
  • 低血糖
  • 多血症
  • 電解質異常
  • 黄疸
  • 胎児死亡

気づかないうちに血糖値が高くなっていることがありますので、きちんと検診を受けることが重要です。

流産・早産に至るリスク

早産とは、正期産(妊娠37週0日~妊娠41週6日まで)以前に赤ちゃんが生まれることを指します。日本では妊娠22週0日~妊娠36週6日までの出産を早産、妊娠22週未満の出産は流産といいます。

高齢出産の場合、流産や早産などのトラブルが起こる確率が高まります。流産率は30~34歳までは15%、35歳~39歳は17~18%、40歳以上は25~30%と、年齢が高くなるにつれ確率が上がってきます。

流産になるのは、胎児に妊娠を継続できない原因があって起こるケースがほとんどです。精子と卵子の染色体が結合して受精するときに染色体に傷がついて、不分離が起こることがあります。それでも多くは修復しながら大きくなっていきますが、修復しきれずに成長できなくなったものが流産となるのです。

染色体異常の場合は、受精した段階で流産の可能性がかなり高かったということです。

また、母体が持っている卵子は年齢を重ねるうちに少しずつ老化していくため、そのことも流産率を高くする要因のひとつだと考えられています。

男性の高齢出産におけるリスク

加齢は男性の精子に影響を及ぼし、歳を重ねるとともに筋力・柔軟性・耐性が衰えるのと同じように精子の量も落ちていく傾向にあります。

その理由は、精子の質自体が低下することに加え、男性ホルモンのテストステロンレベルが自然と減少していくからです。高齢の父親のもとに生まれた子どもは統合失調症と診断される可能性が高く、父親が25歳以下の場合は141人に1人の割合であったのに対し、父親が50歳以上の場合は47人に1人の割合だったという調査結果も報告されています。

一方で自閉症のリスクは父親が30歳で高まり、40歳以降になると横ばいとなり、50歳以降で再び高まるという結果があります。

男性が高齢の場合、パートナーの女性の年齢が25歳以下であっても妊娠しづらいという特徴は必ず理解しておきましょう。

父親になるのを先送りにしたい男性は、パートナーの女性と子どもの健康のためにも、35歳になる前、または少なくとも45歳までには精子を凍結保存しておくという手段もあります。

出生前診断を受けるべき理由

遺伝子のイメージ画像
出生前診断を受ける妊婦さんは年々増加しています。その背景にあるのが晩婚化です。

女性の社会進出によって職場でのキャリア形成をしやすくなるといった環境の変化や一人で過ごすことを容認していく社会の見る目が変わっていったことも挙げられます。

そのため出産年齢が上がり、出産への不安から出生前診断を受ける妊婦さんは増えてきています。

それでは、出生前診断を受けるべき理由についてご説明していきます。

染色体異常症の有無を検査可能

出生前診断とは、妊娠中に胎児の染色体の数や形態を調べる検査を指します。

出生前に胎児の状態や疾患等の有無を調べておくことによって、生まれてくる赤ちゃんの状態に合わせた最適な分娩方法や療育環境を検討することを主な目的に行われます。

出生前診断は、非確定的検査と確定的検査の2種類に分けられますが、どちらの検査もダウン症などの染色体異常症を持っているかどうかを調べることができます。

出生前診断で推奨されるNIPTについて

出生前診断の中でも「NIPT」というとても精度の高い検査があることをご存じでしょうか?

ダウン症(21トリソミー)を始めとする染色体異常による疾患の可能性を調べられる検査で、安全性も高く、妊婦さんに是非おすすめしたい出生前診断です。

NIPTは、確定的検査である羊水検査絨毛検査よりも安全な非確定的検査で、母体から採取した血液で胎児の染色体異常による疾患を調べることができます。

確定的検査の羊水検査は300人に1人、絨毛検査は100人に1人という確率で流産や死産のリスクが伴いますが、NIPTならそのリスクをゼロにすることができます。NIPTは確定的検査ではありませんが、100%に近い高い精度により染色体異常の発見ができるため、妊婦さんが安全にお腹にいる子の状態を調べられる出生前診断として推奨されています。

まとめ

高齢出産でダウン症を患うリスクと出生前診断を受けるべき理由をわかりやすくご説明しましたが、いかがでしたか?

高齢出産には流産や染色体異常症などのリスクが伴い、妊婦さんやパートナーの方が必要最低限の知識をしっかりと身につけておくことが大事です。

染色体異常症の可能性を調べたい場合は、高精度且つ安全性が高く、流産や早産のリスクがない新型出生前診断「NIPT」を受けることをおすすめします。

NIPT無認可施設であれば妊娠初期となる妊娠10週目0日(ミネルバクリニックでは9週0日)から検査を受けていただくことができます。

少しでも高齢出産に対して不安やお悩みを抱えている妊婦さんは、大学病院レベルの遺伝専門医(院長)がNIPTを無認可施設で提供する唯一のクリニック「ミネルバクリニック」をおすすめいたします。

ミネルバクリニック」は遺伝子専門のクリニックであり、臨床遺伝専門医によるカウンセリングや世界的信頼性の高い各国のラボと提携もあり、NIPTに対する豊富な知識と高い技術力が保証されております。

染色体異常症を検査する施設選びにお困りの際は、この機会に是非「ミネルバクリニック」までご相談ください。

プロフィール

この記事の筆者:仲田洋美(医師)

ミネルバクリニック院長・仲田洋美は、日本内科学会内科専門医、日本臨床腫瘍学会がん薬物療法専門医 (がん薬物療法専門医認定者名簿)、日本人類遺伝学会臨床遺伝専門医(臨床遺伝専門医名簿:東京都)として従事し、患者様の心に寄り添った診療を心がけています。

仲田洋美のプロフィールはこちら

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