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妊娠初期に頭痛が起こる原因は?対処法をわかりやすく解説

妊娠してすぐに始まるつわりにはさまざまな症状がありますが、そのなかでも頭痛は約6人に1人が経験しています。妊娠初期に頭痛が起こる原因は主に2つあり、適切な対処法を知れば痛みを和らげることが可能です。

本記事では、妊娠初期に起こる頭痛の原因や対処法などについて解説します。市販薬を服用できるかという疑問についてもお答えしますので、ぜひ参考にしてください。

妊娠初期に頭痛が起こる原因

妊娠初期に頭痛が起こる原因は?対処法をわかりやすく解説

妊娠初期に頭痛が起こる原因は?対処法をわかりやすく解説痛の場合は症状が継続するため、血の巡りを改善する生活を継続することが必要です。頭痛がひどい場合は無理をせず、ご自分とお腹の赤ちゃんの体を第一に考えてゆっくりと体を休めましょう。

妊娠初期に頭痛が起こったときの対処法

妊娠初期に頭痛が起こったときの対処法を3つ紹介します。

血流をコントロールする

先述のとおり、妊娠初期の頭痛には偏頭痛と緊張型頭痛の2つがあります。どちらも血流が大きく関係しており、偏頭痛の場合は血流が良くなりすぎないよう、安静にすることが大切です。一方、緊張型偏頭痛の場合は、血流の改善によって症状を和らげることができます。
まずは自分が偏頭痛と緊張型頭痛のどちらなのかを見極め、それぞれの血流コントロールを実践しましょう。

1日30分のウォーキング

偏頭痛の場合は安静第一です。緊張型頭痛の場合は血流を改善するため、1日30分程度のウォーキングを取り入れましょう。適度な運動で体のコリがほぐれ、頭痛が改善されやすくなります。
ただし、ひどいつわりの症状がある場合は自分の体と相談し、無理のない範囲で運動しましょう。

頭痛を引き起こしやすい食品を避ける

頭痛を引き起こしやすい食品を避けることも有効です。

食品や成分 理由
赤ワイン、アルコール アルコール全般は頭痛を誘因する
(妊娠中は禁酒が望ましい)
亜硝酸、硝酸 食品添加物に含まれ、頭痛の原因になる
グルタミン酸ナトリウム 中華料理の化学調味料などに含まれ、過剰摂取すると頭痛を引き起こす

以前は赤ワインと並び片頭痛を引き起こす食品として知られていたチョコレートですが、今では科学的に問題ないことが証明されています。つわりで甘いものを食べたくなるかもしれませんが、チョコレートの食べすぎには注意しましょう。

妊娠初期に頭痛が起こったときは市販薬を使っても良い?

黒人の女の子は、白い錠剤と瓶を手に持っています。 ヘルスケアと医学の概念、患者は処方薬を毎日服用し、気分が悪くなり、抗生物質、鎮痛剤、または抗うつ薬を服用します。 閉じる

妊娠初期に頭痛が起きた場合、市販薬に頼りたくなるかもしれません。また、妊娠に気づかず、市販の頭痛薬をすでに服用してしまった人もいるかもしれません。
ここでは、妊娠初期に頭痛が起こったときに市販薬を使っても良いのか、という疑問にお答えします。

少量であれば問題ない

結論からいうと、市販薬を服用した場合でも少量であればそれほど問題はないでしょう。市販の頭痛薬は病院で処方される薬よりも成分が弱く、お腹の赤ちゃんへの影響が少ないと考えられるためです。
とはいえ、安易に市販薬を服用するのはおすすめできません。市販薬に添付されている注意書きは必ず確認し、心配なときはかかりつけの産婦人科で相談しましょう。

市販薬を選ぶ際の基準

妊娠初期に市販薬を使用したいときは、以下の基準を満たしているものを選ぶとよいでしょう。

主成分がアセトアミノフェン

アセトアミノフェンとは、カロナールの有効成分として知られる薬物です。アセトアミノフェンはほかの鎮痛剤とは違い、妊婦やお腹の赤ちゃんへの影響が比較的小さいといわれています。
また、アセトアミノフェンは消化器官への影響が小さいのも特徴です。空腹時でも服用できるため、つわりで食事を取れない妊婦にとって使いやすいというメリットもあります。

消炎鎮痛薬を含んでいない

妊婦はロキソニンが使えないということを一度は耳にしたことがあるかもしれませんが、これは消炎鎮痛薬を含んでいるためです。
消炎鎮痛薬はお腹の赤ちゃんの発達に影響をおよぼす可能性があるとされています。ただし、最近では使用する時期によってはお腹の赤ちゃんに影響しないという研究結果もあります。使用に迷う場合は、担当の産婦人科医に相談しましょう。

カフェインを含んでいない

一部の頭痛薬にはカフェインを含む製品があり、鎮痛剤を服用しただけなのに知らないうちにカフェインを摂取していたという事例も報告されています。カフェインは覚醒成分の一種で、妊婦が摂取すると流産につながる可能性があることがわかっています。
妊娠したらカフェインはできるだけ控えるようにいわれるはずですが、自覚のないうちに摂取していたということがないように、市販薬を選ぶ際は十分に注意しましょう。

服薬については、主治医に確認するのが基本

妊娠初期はお腹の赤ちゃんの体の器官が作られるとても重要な時期です。自己判断で市販薬を使用する前に、かかりつけの産婦人科で相談することをおすすめします。
もし、すでに薬を服用した場合は以下の内容を主治医に伝え、判断を仰ぎましょう。

  • ・飲んだ薬の種類
  • ・量
  • ・期間(回数)

また、妊娠前から片頭痛持ちで薬を常用しているという方は注意が必要です。すぐに主治医に相談し、頭痛がひどいようであれば妊娠中でも服用できる頭痛薬を処方してもらいましょう。

【まとめ】妊娠初期の頭痛は血流改善がカギ!痛みが治まらないときは産婦人科医に相談しよう!

病気の患者

妊娠初期の頭痛は、誰にでも起こりうるつわりの症状です。原因は「片頭痛」と「緊張型頭痛」のいずれかと考えられ、血流が大きく関係しています。
片頭痛の場合はなるべく安静にして血流を落ち着かせ、一方で緊張型頭痛の場合は適度な運動などを取り入れて血流を良くすることで症状が改善されることが期待できます。
妊娠初期の頭痛に悩んでいる方は、まずは生活習慣を見直して頭痛の原因と思われる行動を改善しましょう。

なお、頭痛の対処法として市販の頭痛薬を使用する場合は、カフェインなどが含まれないものを選びましょう。ただし、妊婦の体質やお腹の赤ちゃんの状態によっては市販薬の服用が好ましくないケースもあるので、まずはかかりつけの産婦人科で相談してください。
妊娠初期の頭痛の多くは、つわりの時期が終わると症状が落ち着きます。痛みを我慢することはありませんが、母体とお腹の赤ちゃんのことを第一に考えて行動しましょう。

プロフィール

この記事の筆者:仲田洋美(医師)

ミネルバクリニック院長・仲田洋美は、日本内科学会内科専門医、日本臨床腫瘍学会がん薬物療法専門医 (がん薬物療法専門医認定者名簿)、日本人類遺伝学会臨床遺伝専門医(臨床遺伝専門医名簿:東京都)として従事し、患者様の心に寄り添った診療を心がけています。

仲田洋美のプロフィールはこちら

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