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無痛分娩のリスクとデメリット|どれくらい痛い?和痛分娩との違いと自閉症との関係を臨床遺伝専門医が解説

目次

仲田洋美 医師

この記事の監修:仲田洋美(臨床遺伝専門医)

ミネルバクリニック院長。臨床遺伝専門医として遺伝医療に携わっています。

無痛分娩は、硬膜外麻酔などで陣痛の痛みを大きく和らげるお産の方法です。副作用はありますが、多くは一時的で対処できるもので、命に関わる重い合併症はまれです。「無痛分娩で生まれた子は自閉症になりやすい」という話は、2020年の1つの研究から広まりましたが、その後、きょうだい同士を比べる方法を含む大規模な研究で、因果関係を支持する結果は得られていません。自閉症(自閉スペクトラム症)のなりやすさの大部分は遺伝要因で説明され、現在の研究では無痛分娩が自閉症の原因であることを支持する根拠は得られていません。この記事では、和痛分娩との違い、実際の痛み、お母さんと赤ちゃんへのリスク、自閉症との関係を順に解説します。なお、ミネルバクリニックは分娩を扱っていません。

この記事でわかること
📖 読了時間:約14分
🤰 無痛分娩・和痛分娩・自閉症
★ 臨床遺伝専門医監修

Q. 無痛分娩のリスクは?自閉症の原因になりますか?

A. よくある副作用は血圧低下、発熱、足のしびれ、尿が出にくくなることなどで、硬膜穿刺後頭痛は100〜200人に1人程度、血腫や膿がたまる合併症は数万人に1人程度とされています。赤ちゃんに届く麻酔薬はごくわずかです。自閉症との因果関係は、きょうだい比較を含む大規模研究やメタ解析で支持されていません。

  • ➤無痛分娩 → 主に硬膜外麻酔で陣痛を和らげる方法。日本の実施率は2023年に13.8%
  • ➤和痛分娩 → 学会の統一した定義はなく、施設によって意味が違う
  • ➤お産への影響 → 吸引・鉗子分娩は増えることがあるが、帝王切開は増えない
  • ➤自閉症 → 遺伝の影響が約8割と推定され、分娩方法では説明できない

1. 無痛分娩とは?和痛分娩との違い

無痛分娩とは、麻酔を使って陣痛やお産の痛みを和らげながら、経腟分娩(下から産むお産)をする方法です。全身麻酔とは違い、お母さんは意識がはっきりしたまま、赤ちゃんが生まれる瞬間を迎えられます。「無痛」という名前ですが、痛みを完全にゼロにするというより、耐えがたい痛みを我慢できる程度まで下げる方法だと考えると実態に近くなります。

日本での実施は増えています。厚生労働省の資料では、帝王切開を除く分娩のうち無痛分娩が占める割合は、2020年の8.6%から2023年には13.8%(8,140件)に増えました[1]。およそ7人に1人の割合です。

硬膜外麻酔で痛みを和らげるしくみ

日本の無痛分娩の多くは、硬膜外麻酔(こうまくがいますい)で行われています。背骨の中には脊髄(せきずい)という太い神経の束が通っていて、その外側を硬膜という膜が包んでいます。硬膜のさらに外側にあるすき間が硬膜外腔です。ここに細くやわらかい管(カテーテル)を入れ、局所麻酔薬や医療用麻薬(オピオイド)を少しずつ流すと、子宮や産道からの痛みを脳に伝える神経の働きが弱まります[2]。

管は背中に入れたままにできるので、お産が長引いても薬を追加して痛みを抑え続けられます。硬膜外麻酔に、脊髄のすぐ近くへ少量の薬を入れる脊髄くも膜下麻酔を組み合わせる方法(脊髄くも膜下硬膜外併用鎮痛)もあり、こちらは効き始めが速いのが特徴です[2]。一方、点滴から鎮痛薬を入れる方法もありますが、呼吸への影響があり、硬膜外麻酔ほどの鎮痛効果は期待しにくいとされています。

💡 用語解説:硬膜外麻酔(こうまくがいますい)

背骨の中の脊髄を包む「硬膜」の外側のすき間(硬膜外腔)に麻酔薬を入れ、その高さの神経が伝える痛みを和らげる方法です。手術の痛み止めにも使われます。お産では、細い管を留置して薬を少しずつ流し続けるため、効果を長時間保てます。

計画無痛分娩と、陣痛が来てからの無痛分娩

無痛分娩の受け方には、大きく2つの形があります。1つは、あらかじめお産の日を決めて入院し、陣痛を起こす薬などでお産を始めてから麻酔をする計画無痛分娩です。もう1つは、自然に陣痛が来てから病院に行き、痛みが強くなった段階で麻酔を始める方法です。

日本では計画分娩で行う施設が多くあります。日本産科麻酔学会は、その理由を「365日24時間、安全に無痛分娩に対応できる体制が整っている施設は限られている」ためと説明しています[3]。麻酔を担当する医師がいる曜日や時間帯に合わせて、お産の日を決めるわけです。同学会は、妊娠39週での適切な分娩誘発は安全性が確認されており、子宮の出口(子宮頸管)の熟し具合を確認したうえで行うことが大切だとしています[3]。

24時間対応の施設では、陣痛が来てからの無痛分娩を選べることがあります。どちらの形で受けられるかは施設ごとに違うので、妊婦健診の早い時期に確認しておくと予定を立てやすくなります。

和痛分娩とは何が違う?

「和痛分娩」には、学会が定めた統一の定義がありません。同じ言葉でも、施設によって指している中身が違います。日本産科麻酔学会の一般向けQ&Aも「和痛分娩」という用語は使わず、鎮痛の方法(硬膜外鎮痛、脊髄くも膜下硬膜外併用鎮痛、点滴による鎮痛)で説明しています[2]。

実際には、主に次の3つの使われ方があります。1つ目は、硬膜外麻酔を使っているものの「痛みを完全には取らない」ことを強調して和痛分娩と呼ぶ場合です。2つ目は、硬膜外麻酔ではなく点滴の鎮痛薬などで痛みを軽くする方法を和痛分娩と呼ぶ場合です。3つ目は、無痛分娩と和痛分娩を同じ意味で使っている場合です。

📘 「無痛分娩」と「和痛分娩」の使われ方

呼び方 主な麻酔・鎮痛の方法 確認したいこと
無痛分娩 硬膜外麻酔、脊髄くも膜下硬膜外併用鎮痛が中心 計画分娩か、24時間対応か
和痛分娩(硬膜外を使う場合) 硬膜外麻酔。痛みを「和らげる」ことを強調した呼び方 薬の量や方針が無痛分娩と違うのか
和痛分娩(硬膜外を使わない場合) 点滴の鎮痛薬、ガスの吸入など どの薬を使い、どの程度の効果か

※呼び方は施設によって異なります。名前ではなく「どの方法で、どこまで痛みを取るのか」を確認してください。

名前だけで比べると誤解のもとになります。「硬膜外麻酔を使うのか」「麻酔は誰が担当するのか」「どの時点から始めるのか」の3点を確かめれば、その施設の方法がどれに当たるかがわかります。

日本ではどのくらい行われている?

日本の無痛分娩は、2023年時点で分娩の13.8%でした[1]。増えてはいるものの、まだ一部のお産で選ばれている段階です。

「なぜみんな無痛分娩にしないの?」という疑問には、いくつかの事情が重なっています。まず、麻酔を担当できる医師を24時間配置できる施設が限られていることです[3]。分娩を扱う施設の中には、麻酔を担当する医師の確保が難しいところも少なくありません。次に、費用の問題があります。無痛分娩の麻酔は健康保険の対象外で、分娩費用とは別に自己負担が生じます。さらに、「お産は痛みに耐えるもの」という考え方が根強く残っていることも、選ばれにくさにつながってきました。

安全面の取り組みも進んでいます。無痛分娩関係学会・団体連絡協議会(JALA)は、医療スタッフ向けの講習会の開催、実施施設の情報公開、有害事象の収集・分析を行っており、2025年3月末時点で447の医療機関がJALAのサイトに情報を登録しています[1]。

2. 無痛分娩はどれくらい痛い?

無痛分娩でも、麻酔が効き始めるまでは陣痛の痛みがあります。麻酔が効いてからは、お腹が張る感覚や押される感じは残るものの、強い痛みはかなり和らぐのが一般的です。ただし効き方には個人差があり、お産の最後にいきむ時期に痛みを感じる人もいます。

お産の痛みそのものがどれほど強いかというと、日本産科麻酔学会は、研究によってはがんの痛みや関節痛などよりも強い痛みとされていると紹介しています[4]。痛みの場所も時期によって変わります。子宮の出口が開いていく分娩第1期は、お腹の下のほうから腰にかけて、はじめは生理痛のような痛みで、進むにつれて強くなります。赤ちゃんが下りてくる分娩第2期は、外陰部から肛門のまわりの痛みが特に強くなり、「焼けつくような痛み」と表現されます[4]。

麻酔が効くまでと、効いてから

硬膜外麻酔を始めるタイミングについて、日本産科麻酔学会は「陣痛が始まって妊婦さんが痛み止めをほしいと感じた時点で開始することが妥当」としています。一般的には子宮の出口が3〜5cm開くころに始めることが多いものの、妊婦さんの状態や施設の方針によって異なります[5]。「子宮口が全開になるまで麻酔は使わない」という説明を見かけることがありますが、実際にはお産の早い段階から始められます。陣痛が規則的になり、痛みがつらくなってきた時点で相談できます。

管から薬を入れると、20〜30分ほどで少しずつ効いてきます[5]。効いてくると、陣痛のたびに感じていた強い痛みが、お腹が硬くなる感覚や軽い圧迫感に変わっていきます。足の感覚が鈍くなり、力が入りにくくなるため、多くの施設ではベッドの上で過ごします。尿意も感じにくくなるので、管を入れて尿を出すことがあります[6]。飲食の制限は施設によって違い、水やお茶は飲める施設もあれば、絶飲食の施設もあります。

背中にカテーテルを入れるときの痛み

「背中に針を刺すのが怖い」という声はよく聞かれます。実際の手順では、横向きに寝るか座った姿勢で背中を丸め、まずとても細い針で皮膚に局所麻酔をします。その後、管を入れるための針を刺します。処置は数分から10分程度で、体に残るのはやわらかい管だけです[5]。

日本産科麻酔学会は、皮膚の局所麻酔が効いているので「痛くはありませんが、押される感じがあります」と説明しています[5]。最初の局所麻酔の注射はチクッとしますが、採血と同じくらいと感じる人が多い程度です。処置中に陣痛が来ることもあるので、動かないように声をかけてもらいながら進めます。

「最後は痛い」と言われる理由

無痛分娩の体験談で「最後は痛かった」という声が出る理由は、いくつかあります。1つは、赤ちゃんが下りてきて産道が強く押し広げられる分娩第2期の痛みが、第1期とは別の神経を通って伝わるため、麻酔がその範囲まで十分に広がっていないと痛みを感じやすいことです[4]。

もう1つは、麻酔の効き方にムラが出ることです。管の位置によって、左右の片側だけが効く「片効き」や、まだらに効く状態になることがあります。この場合は、薬の追加や体の向きの調整、管の入れ直しで対応します。また、いきむ力を残すために、お産の最後に薬を控えめにする施設もあります。「無痛分娩なのに痛かった」と感じるのは、多くがこうした理由によるもので、麻酔が失敗したとは限りません。

3. 無痛分娩のリスク・デメリット(お母さん)

無痛分娩のリスクは、よく起こるけれど一時的なものと、まれでも重いものに分けて考えるとわかりやすくなります。よくある副作用はほとんどが対処できるもので、命に関わる合併症はきわめてまれです。ただし、ゼロではありません。

よくある副作用

日本産科麻酔学会が挙げる副作用には、血圧の低下、足のしびれや力の入りにくさ、尿が出にくくなること、かゆみ(医療用麻薬を使った場合)、体温の上昇などがあります[7]。体温の上昇は15〜25%程度に起こるとされ、比較的よく見られます[7]。

血圧が下がると、お母さんが気分が悪くなったり、赤ちゃんの心拍が一時的に遅くなったりすることがあります。そのため、麻酔を始めた後は血圧と胎児の心拍を続けて確認し、下がった場合は点滴や昇圧薬で対応します。足のしびれや尿の出にくさは麻酔の作用によるもので、薬が切れれば戻ります。

お産の進み方への影響

硬膜外麻酔によって帝王切開が増えることはありませんが、吸引分娩・鉗子分娩(器械で赤ちゃんを引き出すお産)が増えることがあります。40の臨床試験、1万1,000人以上を分析したコクランのシステマティックレビュー(2018年)では、硬膜外麻酔で器械分娩が増えました(リスク比1.44)。ただし2005年以降の試験に限ると、この差は小さくなっていました(リスク比1.19)。低濃度の薬を使う現在の方法では、影響が小さい可能性があります[8]。帝王切開については差がありませんでした(リスク比1.07)[8]。

同じレビューでは、血圧の低下、足の運動の麻痺、発熱、尿閉(尿が出なくなること)、お産の時間の延長、陣痛促進剤(オキシトシン)の使用が増えていました。一方、点滴の医療用麻薬と比べると、お母さんの呼吸抑制や吐き気は少なくなっていました[8]。日本産科麻酔学会も、分娩時間については研究によって結果が一致していないとしたうえで、麻酔の後に陣痛が弱まり、陣痛促進剤の点滴を使う機会が増えるという報告が多いと説明しています[9]。

💡 用語解説:リスク比

ある出来事がどのくらい起こりやすくなるかを比べる数字です。1なら差がなく、1.44なら「起こる割合が約1.44倍」という意味です。統計上の誤差の範囲(95%信頼区間)が1をまたぐ場合は、差があるとはいえません。

まれだが重い合併症

まれに起こる合併症として、日本産科麻酔学会は、硬膜に針が当たって穴が開いたことによる頭痛(硬膜穿刺後頭痛)を100〜200人に1人程度、背中の中で血液が固まる、あるいは膿がたまる合併症を数万人に1人と示しています[7]。硬膜穿刺後頭痛は、起き上がると強くなるのが特徴で、多くは安静や点滴で治まり、続く場合は自分の血液を背中に注入する処置(硬膜外自己血パッチ)が行われます。

米国の産科麻酔学会が30施設、約25万7,000件の産科麻酔を集計した研究では、重い合併症は全体で約3,000件に1件でした[10]。内訳は次のとおりです。

⚠️ 産科麻酔の重い合併症の頻度(米国SOAP SCORE研究)

合併症 頻度 どういう状態か
高位神経ブロック 約4,336件に1件 麻酔が想定より広く効き、呼吸や血圧に影響する
分娩室での呼吸停止 約10,042件に1件 麻酔の広がりや薬の影響で呼吸が止まる
脊髄くも膜下への誤留置の見逃し 約15,435件に1件 管が意図しない場所に入っていることに気づかない
硬膜外膿瘍・髄膜炎 約62,866件に1件 背中の中や脳を包む膜の感染
硬膜外血腫 約251,463件に1件 背中の中で出血して血の塊ができ、神経を圧迫する

※D’Angelo ら(Anesthesiology, 2014)による。無痛分娩だけでなく帝王切開の麻酔も含む集計で、麻酔に関連した妊産婦死亡はこの研究期間中に報告されていません[10]。

高位神経ブロックや局所麻酔薬中毒(薬が血管に入り、耳鳴り、口のしびれ、けいれんなどが起こる状態)は、早く気づいて対応すれば重い結果を防げます。こうした合併症の頻度そのものより、起きたときにすぐ対処できる体制があるかどうかが、安全性を大きく左右します。

安全に受けるための体制

日本では、厚生労働省の研究班(平成29年度)が「無痛分娩の安全な提供体制の構築に関する提言」をまとめました。現在は、この提言をもとにした自主点検表や、JALAによる講習会、施設情報の公開、有害事象の収集・分析が行われています[1]。

施設を選ぶときは、麻酔を担当する医師が誰か、急変時に対応できる設備やスタッフがそろっているか、無痛分娩の年間件数、夜間や休日の対応を確認しておくと判断材料になります。JALAのサイトでは、各施設がこうした情報を公開しています[11]。

4. 無痛分娩は赤ちゃんに影響する?

硬膜外麻酔で使う薬は背中の中に入れるため、赤ちゃんに届く量はごくわずかです。全身麻酔や点滴の鎮痛薬と比べて、赤ちゃんへの直接の影響は小さいと考えられています。

麻酔薬が赤ちゃんに届く量

国立成育医療研究センターの研究グループは2026年2月、現在主流の方法(一定時間ごとに薬を自動で追加する方法と、お母さん自身がボタンで追加する方法)で無痛分娩を受けた50人を対象に、へその緒の静脈血に含まれる麻酔薬の濃度を測った結果を公表しました。濃度は赤ちゃんの呼吸を抑える水準ではなく、生まれて5分後の赤ちゃんの状態(アプガースコア)はすべて良好でした[12]。

日本産科麻酔学会も、薬を薄めた局所麻酔薬に少量の医療用麻薬を加える現在の方法では、生まれた直後の赤ちゃんの反応は正常だったという研究を紹介しています[13]。前述のコクランのレビューでも、新生児集中治療室への入院やアプガースコアの低さに明らかな差はありませんでした[8]。

胎児心拍の一時的な変化とお母さんの発熱

赤ちゃんに間接的に影響しうるのは、お母さんの体の変化です。麻酔を始めた後にお母さんの血圧が下がると、子宮への血流が減って、赤ちゃんの心拍が一時的に遅くなることがあります。そのため、麻酔中は胎児心拍を連続して確認し、変化があれば血圧を戻す処置や体の向きの調整を行います。

もう1つはお母さんの発熱です。先に述べたとおり、硬膜外麻酔を受けた人の15〜25%程度で体温が上がります[7]。原因の多くは感染ではなく麻酔に伴う炎症反応と考えられていますが、感染との区別が難しいため、赤ちゃんの感染症の検査や抗菌薬の投与が行われることがあります。

授乳への影響

日本産科麻酔学会は、最新の報告では「分娩時の硬膜外鎮痛は、母乳育児の確立に影響しない」としています。局所麻酔薬だけの場合と医療用麻薬を併用した場合で、生後6週と3か月の母乳育児に差は見られませんでした[14]。

一部の研究では、硬膜外鎮痛を受けた人で母乳の分泌が少なかったという報告もありますが、その理由はまだわかっていません。同学会は、硬膜外鎮痛そのものが母乳育児を妨げるものではなく、産後の継続的なサポートが重要だとまとめています[14]。

5. 無痛分娩と自閉症(ASD)の関係は?

無痛分娩が自閉症(自閉スペクトラム症、ASD)の原因になることを示した研究はありません。2020年に「関連がある」とする研究が発表されて注目されましたが、その後の大規模研究、特にきょうだい同士を比べる方法では関連が消えています。

2020年 米国関連ありと報告
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2021年 カナダ・デンマーク関連は弱い/なし
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2023年 北欧3か国きょうだい比較で消失
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2026年 メタ解析説得力ある証拠なし

2020年のJAMA Pediatrics報告

発端となったのは、2020年に米国の小児科の医学誌JAMA Pediatricsに掲載された研究です。カリフォルニア州で経腟分娩により生まれた14万7,895人の子どもを調べたところ、硬膜外麻酔を受けたお母さんの子どもでは1.9%、受けなかったお母さんの子どもでは1.3%が自閉症と診断されており、硬膜外麻酔を受けた群のリスクは1.37倍(ハザード比1.37)でした[15]。

この研究に対しては、発表直後に米国麻酔科学会、米国産婦人科学会、米国産科麻酔周産期学会などの5学会が共同声明を出しました。声明は、硬膜外麻酔は分娩の痛みを取る方法として確立されたものであり、この研究は「硬膜外麻酔が自閉症を引き起こすという信頼できる科学的根拠を示していない」としています[16]。硬膜外麻酔を選ぶお母さんとそうでないお母さんとでは、年齢、持病、お産の経過など、もともとの条件が違う可能性があり、その違いを十分に取り除けていないという指摘です。

カナダ・デンマーク・北欧の大規模研究で関連が弱まった

2021年には、同じ疑問を確かめる大規模研究が相次いで発表されました。カナダのマニトバ州で12万3,175人を調べた研究では、条件をそろえると関連は認められませんでした(ハザード比1.08、95%信頼区間0.97〜1.20)[17]。カナダのブリティッシュコロンビア州で38万8,254人を調べた研究では、わずかな関連(ハザード比1.09)が見られたものの、同じお母さんから生まれたきょうだいで比べると差はなくなりました(ハザード比1.07、95%信頼区間0.87〜1.30)。著者らは、残った交絡の影響を考えると、関連を強く支持する結果ではないと結論づけています[18]。デンマークで47万9,178人を調べた研究でも、関連は認められませんでした(ハザード比1.05、95%信頼区間0.98〜1.11)[19]。

決定的だったのが、フィンランド、ノルウェー、スウェーデンの約450万人を対象にした研究です。集団全体で比べると、硬膜外麻酔を受けたお母さんの子どもの自閉症のリスクは1.12倍でした。ところが、上の子は硬膜外麻酔あり、下の子はなしといった、同じお母さんから生まれたきょうだい同士で比べると、ハザード比は0.98(95%信頼区間0.93〜1.03)となり、差は消えました[20]。きょうだいは遺伝の半分を共有し、家庭環境や社会的な条件もほぼ同じです。その状態で差がなくなったということは、集団全体で見えた関連は麻酔そのものではなく、家族が共有する要因で説明できることを意味します。

2026年には、英国の麻酔科の医学誌British Journal of Anaesthesiaに、19の研究をまとめたメタ解析が掲載されました。集団全体の比較ではハザード比1.10でしたが、きょうだい比較では1.06(95%信頼区間0.98〜1.14)で統計的な差はなく、著者らは「神経軸索鎮痛(硬膜外麻酔など)が自閉症、注意欠如・多動症、その他の神経発達症のリスクを高めるという説得力のある証拠はない」と結論づけています[21]。

📊 無痛分娩(硬膜外麻酔)と自閉症の主な研究

研究(発表年) 対象 結果
米国カリフォルニア州(2020) 14万7,895人 ハザード比1.37。関連ありと報告
カナダ・マニトバ州(2021) 12万3,175人 1.08(0.97〜1.20)。関連なし
カナダ・ブリティッシュコロンビア州(2021) 38万8,254人 1.09。きょうだい比較では1.07(0.87〜1.30)で差なし
デンマーク(2021) 47万9,178人 1.05(0.98〜1.11)。関連なし
北欧3か国(2023) 約450万人 集団1.12、きょうだい比較0.98(0.93〜1.03)で差なし
メタ解析(2026) 19研究 集団1.10、きょうだい比較1.06(0.98〜1.14)で差なし

※かっこ内は95%信頼区間。出典は本文の各文献[15][17][18][19][20][21]。

日本のエコチル調査の報告をどう読むか

日本でも、環境省の大規模なコホート研究「子どもの健康と環境に関する全国調査(エコチル調査)」のデータを使い、硬膜外麻酔と3歳時点の自閉症との関連を調べた論文が2025年に発表されました[22]。2026年には、硬膜外麻酔と陣痛促進剤(オキシトシン)の使用を組み合わせて調べた論文も発表されています[23]。日本から「関連がある」とする結果が出たことで、SNSなどでも話題になっています。

ただし、これらはお母さんがどちらを選んだかを後から比べる観察研究で、きょうだい比較は行われていません。3歳の時点で自閉症と診断される子どもの数は少なく、推定の幅は大きくなりがちです。海外で「集団全体では関連があるように見えるが、きょうだいで比べると消える」という結果がくり返し示されていることを踏まえると、日本の報告も、因果関係を示すものではなく、家族が共有する要因による見かけの関連を含んでいる可能性を考えて読む必要があります。

「関連がある」と「原因になる」は違う

2つのことが同時に起こりやすい(関連がある)ことと、一方がもう一方を引き起こす(因果関係がある)ことは別です。この違いを生む大きな理由が交絡因子です。

たとえば、お母さんの年齢が高い、お産が長引いた、お母さん自身に発達の特性がある、といった条件があると、硬膜外麻酔を選ぶ(あるいは使う)割合が変わる可能性があります。同時に、これらの条件の一部は子どもの自閉症のなりやすさとも関係します。そうすると、麻酔そのものに影響がなくても、「麻酔を受けた群で自閉症が多い」という結果が出てしまいます。これが交絡です。日本産科麻酔学会も、2020年の研究について、硬膜外無痛分娩と自閉症に共通する因子があるために関連しているように見えるのではないか、という考察を紹介しています[13]。

💡 用語解説:交絡因子(こうらくいんし)

調べたい原因(ここでは硬膜外麻酔)と結果(自閉症)の両方に関係する、第3の要因のことです。交絡因子の影響を取り除かないと、実際には関係がないのに関係があるように見えることがあります。きょうだい比較は、遺伝や家庭環境という大きな交絡因子をまとめて取り除ける方法です。

仲田洋美院長

🩺 院長コラム【「関連あり」の見出しに振り回されないために】

「無痛分娩で自閉症リスク○倍」という見出しだけでは、因果関係の有無までは判断できません。けれども観察研究で見える「関連」は、何と何を比べたかによって大きく変わります。集団全体では差があるように見えても、同じお母さんから生まれたきょうだいで比べると消える。これは、集団全体で観察された差の少なくとも一部が、麻酔そのものではなく、家族が共有する遺伝的・環境的要因などの交絡で説明される可能性を示しています。

観察研究を評価するときは、「交絡をどのように扱ったか」を確認することが重要です。1本の論文の数字だけで判断せず、研究デザインの強さと、複数の研究で結果が一貫しているかを確認する必要があります。

6. 遺伝の視点:自閉症の原因の大部分は遺伝要因

自閉症のなりやすさの約8割は、遺伝要因で説明されると推定されています。お産の方法が自閉症の主な原因だと考える根拠はなく、「無痛分娩を選んだから」と自分を責める必要はありません。

双子の研究でわかる遺伝の大きさ

ある特徴のばらつきのうち、どのくらいが遺伝の違いで説明できるかを表す数字を「遺伝率」といいます。遺伝子をすべて共有する一卵性の双子と、約半分を共有する二卵性の双子やきょうだいを比べることで推定します。

スウェーデンで約3万7,000組の双子や260万組以上のきょうだいなどを分析した研究では、自閉症の遺伝率は83%(95%信頼区間79〜87%)と推定されました[24]。デンマーク、フィンランド、スウェーデン、イスラエル、オーストラリアの5か国、約200万人を対象にした研究でも、遺伝要因で説明される割合は約80%(80.8%)で、お母さんを通じた影響(母体効果)はごくわずかでした[25]。

自閉症は、1つの遺伝子だけで決まる病気ではなく、多くの遺伝子のわずかな違いが積み重なり、そこに環境の要因が加わる多因子の性質を持っています。前の章で、きょうだい比較をすると硬膜外麻酔との関連が消えることを紹介しました。これは、自閉症のなりやすさが家族の遺伝に強く結びついていることと、よく一致する結果です。詳しくは自閉症と遺伝の関係で解説しています。

💡 用語解説:遺伝率

集団の中で見られる違いのうち、遺伝の違いで説明できる割合です。「遺伝率80%」は「その人の自閉症の80%が遺伝で決まる」「親から80%の確率で遺伝する」という意味ではありません。集団全体のばらつきを説明する数字で、個人の確率を表すものではない点に注意が必要です。

見つかっている遺伝要因

自閉症に関わる遺伝要因は、大きく2つに分けられます。1つは、多くの人が持っているありふれた遺伝子の違いで、1つひとつの影響は小さいものの、たくさん積み重なることでなりやすさに影響します。親から受け継がれるため、家族の中で似た特性が見られることがあります。

もう1つは、まれだけれども影響の大きい変化です。代表的なのが、親は持っておらず子どもで新しく生じた新生突然変異(de novo変異)や、染色体の一部が欠けたり増えたりするコピー数変異(CNV)です。

🧬 新生突然変異と父親の年齢

アイスランドの親子の全ゲノムを調べた研究では、子どもに生じる新生突然変異の数は父親の年齢とともに増え、父親の年齢が1歳上がるごとにおよそ2個ずつ増えると報告されています[26]。精子のもとになる細胞は生涯分裂を続けるため、そのたびにDNAの複製ミスが蓄積していくと考えられています。自閉症と関連する新生突然変異の一部もこの仕組みで生じます。詳しくは父親の年齢と子どもの病気の関係をまとめた記事をご覧ください。

つまり、自閉症のなりやすさには、親から受け継ぐ要因と、受精の時点で新しく生じる要因の両方が関わっています。これらの遺伝要因は、親から受け継がれる、または配偶子形成や受精前後に新たに生じるものであり、分娩時の硬膜外麻酔がこれらの遺伝子変化を生じさせることを示す根拠はありません。

分娩方法を悔やむより大切なこと

お子さんに発達の特性があるとわかったとき、「あのとき無痛分娩にしなければ」と考えてしまう方がいます。けれども、ここまで見てきた研究を踏まえると、分娩方法を振り返っても原因にはたどり着けません。

次のお子さんを考えるときや、きょうだいへの影響が気になるときに役立つのは、遺伝の観点から整理することです。親から遺伝する確率の考え方は自閉症ASDが親から遺伝する確率で、妊娠中の検査でわかる範囲はNIPTで自閉症はわかるかで解説しています。原因となる遺伝子の変化を調べる自閉症の遺伝子検査や、結果の意味を臨床遺伝専門医と整理する遺伝カウンセリングもあります。

仲田洋美院長

🩺 院長コラム【お産の選び方と、子どもの特性は切り分けて考える】

お産の痛みをどう乗り切るかは、お母さんの体と気持ちに合わせて選んでよいことです。無痛分娩を選ぶかどうかは、麻酔の副作用や施設の体制を踏まえて決めることであり、子どもの発達の特性への心配を理由に避ける必要はないと考えています。

自閉症のなりやすさには遺伝要因が大きく関与しますが、個人の発症が遺伝だけで決まるわけではありません。遺伝の話は「誰のせいか」を探すためのものではありません。家族それぞれの状況を正確に理解し、次の選択を考えるための情報だと考えています。

7. 無痛分娩ができない人・初産でも受けられる?

硬膜外麻酔ができないのは、血液が固まりにくい状態、大量出血や強い脱水、背骨の変形や脊髄の病気、背中や全身の感染、局所麻酔薬へのアレルギーがある場合です。日本産科麻酔学会は、これらの状態では出血や感染、急な血圧低下、神経の損傷などの危険が高くなるため、硬膜外鎮痛を行えないとしています[27]。

血液を固まりにくくする薬(抗凝固薬など)を飲んでいる人や、血小板が少ない人は、背中の中で出血するリスクが高くなるため、薬の種類や中止のタイミング、血液検査の結果をもとに判断します。腰のヘルニアの手術や側弯症(背骨が横に曲がる病気)の既往がある人は、管が入れにくかったり、薬の広がりが不均一になったりすることがあるため、事前に麻酔を担当する医師の評価を受けます。肥満は硬膜外麻酔ができない理由には当たりませんが、背骨の位置がわかりにくく処置が難しくなることがあるため、施設によってはBMI(肥満度)の上限を設けています。

初産でも無痛分娩は受けられます。ただし、初めてのお産は経過が長くなりやすく、計画分娩でも陣痛促進剤を使ってもお産が進まず日をまたぐことがあります。そのため、施設によっては初産の計画無痛分娩を受け付けていない、あるいは条件を設けている場合があります。「初産ではできない」という話は医学的な禁止ではなく、施設の運用によるものです。お産の進みが速すぎて管を入れる時間がない場合も、結果的に無痛分娩ができないことがあります。

8. 施設の選び方と費用の目安

ミネルバクリニックは分娩を扱っていないため、無痛分娩を受けることはできません。無痛分娩を希望する場合は、分娩を扱う施設で妊婦健診の早い時期に相談してください。予約の締め切りが早い施設や、無痛分娩の説明外来の受診を条件にしている施設もあります。

施設探しには、JALAの施設検索が役立ちます[11]。各施設の麻酔担当者、年間の実施件数、対応できる時間帯などが公開されています。地域ごとの分娩費用や無痛分娩の対応状況を比べるには、サイト内の全国産院なびも参考になります。

費用は施設ごとに大きく異なります。無痛分娩の麻酔は健康保険の対象外で、通常の分娩費用に加えて麻酔の費用がかかります。休日・夜間の対応、陣痛促進剤などの追加の薬、入院日数の延長で、さらに費用が増えることがあります。東京都では、2025年10月1日以降に都内の対象医療機関で出産した人を対象に、硬膜外麻酔の手技や管理、麻酔の薬剤など無痛分娩に関する費用を最大10万円助成する制度が始まりました(室料差額や食事代は対象外、住民登録などの条件あり)[28]。助成の条件や対象医療機関は変わることがあるため、最新の情報を東京都の案内で確認してください。

よくある質問(FAQ)

Q1. 無痛分娩はやめたほうがいいですか?

やめたほうがよいと一律にいえる根拠はありません。痛みを大きく和らげられる一方で、血圧低下や発熱、吸引・鉗子分娩の増加などの副作用があり、まれに重い合併症も起こります。帝王切開は増えないことがわかっています。麻酔の担当者や急変時の体制を確認したうえで、ご自身の希望と体の状態に合わせて選ぶ方法です。

Q2. 無痛分娩は赤ちゃんの頭や発達に影響しますか?

硬膜外麻酔で赤ちゃんに届く薬の量はごくわずかで、生まれた直後の状態に大きな影響はないとされています。長期的な発達、特に自閉症との関係は、きょうだい比較を含む大規模研究や2026年のメタ解析で、関連を支持する説得力のある証拠はないと結論づけられています。

Q3. 陣痛促進剤は自閉症に影響しますか?

硬膜外麻酔と陣痛促進剤(オキシトシン)の組み合わせと自閉症の関連を調べた観察研究は日本からも報告されていますが、きょうだい比較は行われておらず、因果関係を示したものではありません。現時点で、陣痛促進剤が自閉症を引き起こすと結論できる根拠は示されていません。

Q4. 無痛分娩で亡くなることはありますか?

きわめてまれですが、可能性はゼロではありません。米国で約25万7,000件の産科麻酔を集計した研究では、重い合併症は約3,000件に1件で、麻酔に関連した妊産婦死亡は報告されていませんでした。重い合併症の多くは早く気づいて対応すれば防げるため、急変時に対応できる体制のある施設を選ぶことが大切です。

Q5. 自然分娩の途中で無痛分娩に切り替えられますか?

施設によっては可能です。日本産科麻酔学会は、陣痛が始まって痛み止めがほしいと感じた時点で始めるのが妥当としています。ただし、麻酔担当の医師がいる時間帯でないと対応できない施設や、事前の説明と同意、血液検査が必要な施設が多いため、妊婦健診のうちに切り替えの可能性を相談しておくと話が早く進みます。

Q6. 「無痛分娩はずるい」と言われました。

無痛分娩も、10か月近くお腹の中で赤ちゃんを育て、陣痛を経て産むお産です。麻酔が効くまでの陣痛は通常のお産と同じようにありますし、痛みの感じ方も人それぞれです。医学的には、痛みを和らげることでお母さんの体の負担を減らす方法であり、お産の価値に優劣をつけるものではありません。

Q7. ミネルバクリニックで無痛分娩はできますか?

いいえ、行っていません。ミネルバクリニックは分娩を扱っていないため、無痛分娩についてのご予約・お問い合わせはお受けしていません。無痛分娩を希望される場合は、分娩を扱う医療機関(産科・産婦人科)にご相談ください。

まとめ

無痛分娩は、主に硬膜外麻酔で陣痛の痛みを和らげるお産の方法で、日本では2023年に分娩の13.8%で行われました[1]。「和痛分娩」には統一した定義がなく、名前よりも「どの方法で、どこまで痛みを取るのか」を確認することが大切です。麻酔が効くまでは陣痛の痛みがあり、効いた後も最後の時期に痛みを感じることがあります。

お母さんのリスクとしては、血圧低下や発熱、足のしびれなどの一時的な副作用が多く、器械分娩は増えることがありますが、帝王切開は増えません[8]。重い合併症はまれで、急変時に対応できる体制が安全性を左右します。赤ちゃんに届く麻酔薬はごくわずかです[12]。

自閉症との関係は、2020年の報告以降、きょうだい比較を含む大規模研究とメタ解析で因果関係を支持する証拠は得られていません[20][21]。自閉症のなりやすさの大部分は遺伝要因で説明され[24][25]、無痛分娩が自閉症の原因であることを支持する根拠は得られていません。

🏥 無痛分娩をお考えの方へ

ミネルバクリニックでは、分娩および無痛分娩を行っておりません。
この件についてのご予約・お問い合わせはお受けしておりません。
無痛分娩を希望される場合は、分娩を扱う産科・産婦人科の医療機関へご相談ください。この記事は無痛分娩を正しく知っていただくための解説であり、当院での診療をご案内するものではありません。なお、お子さんの発達の特性について具体的な遺伝学的評価が必要と判断された場合に限り、遺伝カウンセリングが関係することがあります。

参考文献

  • [1] 厚生労働省 医政局地域医療計画課. 安全な無痛分娩の提供体制について(第4回 小児医療及び周産期医療の提供体制等に関するワーキンググループ 資料2). 2026年2月18日. [厚生労働省]
  • [2] 日本産科麻酔学会. 無痛分娩Q&A Q3. 無痛分娩で用いられる鎮痛法にはどんな方法があるのですか? [JSOAP]
  • [3] 日本産科麻酔学会. 無痛分娩Q&A Q8.「無痛分娩を希望するなら計画分娩(誘発分娩)になります」といわれました。 [JSOAP]
  • [4] 日本産科麻酔学会. 無痛分娩Q&A Q2. お産のときはどこが痛いのですか?どのくらい痛いのですか? [JSOAP]
  • [5] 日本産科麻酔学会. 無痛分娩Q&A Q9. 硬膜外鎮痛は、いつ、どのように始めるのですか? [JSOAP]
  • [6] 日本産科麻酔学会. 無痛分娩Q&A Q10. 硬膜外鎮痛の管が入ったあとはどうなるのですか? [JSOAP]
  • [7] 日本産科麻酔学会. 無痛分娩Q&A Q14. 硬膜外鎮痛の副作用が心配です。 [JSOAP]
  • [8] Epidural versus non-epidural or no analgesia for pain management in labour. Cochrane Database Syst Rev. 2018;CD000331.pub4. [Cochrane Library]
  • [9] 日本産科麻酔学会. 無痛分娩Q&A Q15. 硬膜外鎮痛はお産に影響するでしょうか? [JSOAP]
  • [10] Serious Complications Related to Obstetric Anesthesia: The Serious Complication Repository Project of the Society for Obstetric Anesthesia and Perinatology. Anesthesiology. 2014;120(6):1505-1512. [Anesthesiology]
  • [11] 無痛分娩関係学会・団体連絡協議会(JALA). 無痛分娩取扱施設検索. [JALA]
  • [12] 国立成育医療研究センター. 無痛分娩の麻酔薬が赤ちゃんに与える影響を評価 臍帯静脈血の麻酔薬濃度・健康状態を測定し、安全性を再確認(プレスリリース). 2026年2月20日. [国立成育医療研究センター]
  • [13] 日本産科麻酔学会. 無痛分娩Q&A Q16. 硬膜外鎮痛を受けると赤ちゃんに影響はありませんか? [JSOAP]
  • [14] 日本産科麻酔学会. 無痛分娩Q&A Q17. 硬膜外鎮痛は授乳に影響を与えますか? [JSOAP]
  • [15] Association Between Epidural Analgesia During Labor and Risk of Autism Spectrum Disorders in Offspring. JAMA Pediatr. 2020. [PubMed 33044486]
  • [16] American Society of Anesthesiologists. Labor epidurals do not cause autism; safe for mothers and infants, say anesthesiology, obstetrics, and pediatric medical societies. 2020年10月. [ASA]
  • [17] Epidural Labor Analgesia and Offspring Risk of Autism Spectrum Disorders. JAMA Pediatr. 2021. [DOI 10.1001/jamapediatrics.2021.0376]
  • [18] Association of Epidural Analgesia During Labor and Delivery With Autism Spectrum Disorder in Offspring. JAMA. 2021. [PMC8479579]
  • [19] Association of Labor Epidural Analgesia With Autism Spectrum Disorder in Children. JAMA. 2021. [PMC8479581]
  • [20] Labor epidural analgesia and subsequent risk of offspring autism spectrum disorder and attention-deficit/hyperactivity disorder: a cross-national cohort study of 4.5 million individuals and their siblings. Am J Obstet Gynecol. [AJOG]
  • [21] Li Y, Shuai B, Huang H. The impact of neuraxial labour analgesia on neurodevelopmental disorders in offspring: a systematic review and meta-analysis. Br J Anaesth. 2026;136(5):1534-1545. [DOI 10.1016/j.bja.2026.02.002]
  • [22] Labor epidural analgesia and autism spectrum disorder in 3-year-old offspring based on data from the Japan Environment and Children’s Study: a prospective cohort study. J Matern Fetal Neonatal Med. 2025. [PubMed 40414821]
  • [23] Association of intrapartum epidural analgesia and oxytocin exposure with offspring autism and neurodevelopment from the Japan Environment and Children’s Study. Sci Rep. 2026. [PubMed 42151209]
  • [24] The Heritability of Autism Spectrum Disorder. JAMA. 2017. [PubMed 28973605]
  • [25] Association of Genetic and Environmental Factors With Autism in a 5-Country Cohort. JAMA Psychiatry. 2019. [PubMed 31314057]
  • [26] Kong A, Frigge ML, Masson G, et al. Rate of de novo mutations and the importance of father’s age to disease risk. Nature. 2012;488(7412):471-475. [PubMed 22914163]
  • [27] 日本産科麻酔学会. 無痛分娩Q&A Q18. 硬膜外鎮痛をしてはいけない場合はあるのでしょうか? [JSOAP]
  • [28] 東京都福祉局. 無痛分娩費用の助成. [東京都福祉局]

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プロフィール
仲田洋美 医師(臨床遺伝専門医)

この記事の監修・執筆者:仲田 洋美

(臨床遺伝専門医/がん薬物療法専門医/総合内科専門医)

ミネルバクリニック院長。1995年に医師免許を取得後、
臨床遺伝学・内科学・腫瘍学を軸に診療を続けてきました。
のべ10万人以上のご家族の意思決定と向き合ってきた臨床遺伝専門医です。

出生前診断(NIPT・確定検査・遺伝カウンセリング)においては、
検査結果の数値そのものだけでなく、
「結果をどう受け止め、どう生きるか」までを医療の責任と捉え、
一貫した遺伝カウンセリングと医学的支援を行っています。

ハイティーンの時期にベルギーで過ごし、
日本人として異文化の中で生活した経験があります。
価値観や宗教観、医療への向き合い方が国や文化によって異なることを体感しました。
この経験は現在の診療においても、
「医学的に正しいこと」と「その人にとって受け止められること」の両立を考える姿勢の基盤となっています。

また、初めての妊娠・出産で一卵性双生児を妊娠し、
36週6日で一人を死産した経験があります。
その出来事は、妊娠・出産が女性の心身に与える影響の大きさ、
そして「トラウマ」となり得る体験の重みを深く考える契機となりました。
現在は、女性を妊娠・出産のトラウマから守る医療を使命の一つとし、
出生前診断や遺伝カウンセリングに取り組んでいます。

出生前診断は単なる検査ではなく、
家族の未来に関わる重要な意思決定です。
年齢や統計だけで判断するのではなく、
医学的根拠と心理的支援の両面から、
ご家族が後悔の少ない選択をできるよう伴走することを大切にしています。

日本人類遺伝学会認定 臨床遺伝専門医/日本内科学会認定 総合内科専門医/
日本臨床腫瘍学会認定 がん薬物療法専門医。

2025年には APAC地域における出生前検査分野のリーダーとして国際的評価を受け、
複数の海外メディア・専門誌で特集掲載
されました。

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