InstagramInstagram

NIPT双子検査: 双子妊娠でのダウン症の確率、NIPTの重要性とリスク

この記事では、NIPT新型出生前診断)を用いた双子の検査における重要な情報を提供します。NIPTは双子の妊娠においても有用であり、その方法や精度について解説します。また、遺伝医学の専門医師(臨床遺伝専門医)の監修の下で行うことで、より確かな結果を得ることができます。

NIPTとは: 双子の妊娠における重要性

NIPT(新型出生前診断)は、妊娠中の胎児の遺伝異常や性別を非侵襲的に評価する先進的な検査方法です。通常、NIPTは母体の血液中に存在する胎児のセルフリーDNA(cffDNA)を解析することによって行われます。双子妊娠において、NIPTは次の役割を果たします。

1. 双子妊娠における性別判定:
NIPTを用いて、双子の性別を確認できます。双子が同じ性別の場合、性別判定は比較的容易です。異なる性別を持つ双子についても、少なくとも1人の胎児の性別を確認できます。
2. 主要な染色体異常のスクリーニング:
NIPTは、双子の妊娠においても主要な染色体異常(例: 21トリソミー18トリソミー)のスクリーニングを行うために使用できます。これは、双子妊娠においても染色体異常のリスクを評価し、必要な医療対応を計画するために役立ちます。

NIPTの双子の妊娠への適用

NIPTは双子の妊娠にも適用可能ですが、いくつかのポイントを考慮する必要があります。

双子の性別判定
双子の性別判定についての説明は上記と同じです。
cffDNAの量
NIPTの精度はcffDNAの量に影響を受けます。双子妊娠の場合、血液中のcffDNAが増加することがあるため、性別判定や染色体異常スクリーニングの精度が高くなる可能性があります。
追加オプションの可否
双子の場合は、単胎の場合には追加できるオプションが追加できないことがありますので、医療機関でご確認ください。

NIPTは双子の妊娠においても有用であり、性別判定や染色体異常スクリーニングに役立つツールです。ただし、専門医の指導の下で行うことが必要で、個々の状況に応じた適切なアプローチが求められます。

単胎および双胎妊娠におけるトリソミー21(ダウン症)の確率

年齢 単胎 二卵性双生児 一卵性双生児
20 1/1484 1/1107 1/4364
21 1/1470 1/1097 1/4324
22 1/1452 1/1084 1/4272
23 1/1430 1/1067 1/4205
24 1/1400 1/1045 1/4118
25 1/1362 1/1017 1/4007
26 1/1315 1/981 1/3866
27 1/1255 1/937 1/3691
28 1/1182 1/882 1/3477
29 1/1095 1/817 1/3221
30 1/994 1/742 1/2924
31 1/881 1/657 1/2590
32 1/759 1/566 1/2231
33 1/634 1/473 1/1864
34 1/513 1/383 1/1509
35 1/403 1/301 1/1185
36 1/308 1/230 1/906
37 1/231 1/173 1/681
38 1/172 1/129 1/507
39 1/129 1/96 1/379
40 1/98 1/73 1/288
41 1/76 1/57 1/224
42 1/61 1/45 1/179
43 1/50 1/38 1/148
44 1/43 1/32 1/126
45 1/38 1/28 1/111

二卵性の場合は、単胎と比べてダウン症のリスクが上がることがわかると思います。

参考文献:
pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/17362564/
pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/24495335/

双子の妊娠におけるNIPTの適用範囲

NIPTは単胎の場合には、追加オプションが豊富となっています。基本的なトリソミーY染色体の有無(性別判定)に関しては双胎でも可能です。一部のオプションは、双胎だと出来ないことがありますので、NIPTを受ける医療機関で確認しましょう。

NIPT双子検査の精度と関連するリスク

米国では、州により、新型出生前検査 (NIPT) が、在胎週数、母体年齢、その他の要因に関係なく、すべての双胎妊娠を対象として推奨されて提供されています。また、妊娠初期スクリーニング (コンバインド検査) は中止され、可能な場合には、項部半透明 (NT)を検出するたっめの超音波検査が推奨されています。

国際出生前診断学会は2021年10月、「高い検出率と高い的中率を備えた低い偽陽性率を示す十分な証拠が得られた」として、双胎妊娠に対するNIPTの使用を支持する声明をを発表しました。

但し、双子の場合、NIPTでは結果が得られない可能性が高まるというリスクがあることに注意が必要です。双子のfailureは1.6~13.2%の範囲で、中央値は3.6%となっています。失敗率は単胎妊娠よりも双胎妊娠の方が高いようです。

まとめ

双子の妊娠におけるNIPTは、非侵襲的で高精度な遺伝子検査による胎児疾患検出方法であり、性別判定や染色体異常スクリーニングにおいて役立ちます。双子妊娠においても、NIPTは情報提供とリスク評価に貢献し、将来の医療計画に役立つでしょう。ただし、個々の状況に応じて医師の指導を受け、検査を行うことが重要です。双子の親となる皆さんにとって、NIPTは安心を提供してくれるでしょう。

院長アイコン

ミネルバクリニックでは、以下のNIPT検査(新型出生前診断)を提供しています。少子化の時代、より健康なお子さんを持ちたいという思いが高まるのは当然のことと考えています。そのため、当院では世界の先進的特許技術に支えられた高精度な検査を提供してくれる検査会社を遺伝専門医の目で選りすぐりご提供しています。オンライン診療+地元で採血、という形で全国からミネルバクリニックにお越しになることなく受けられます。

プロフィール

この記事の筆者:仲田洋美(医師)

ミネルバクリニック院長・仲田洋美は、日本内科学会内科専門医、日本臨床腫瘍学会がん薬物療法専門医 (がん薬物療法専門医認定者名簿)、日本人類遺伝学会臨床遺伝専門医(臨床遺伝専門医名簿:東京都)として従事し、患者様の心に寄り添った診療を心がけています。

仲田洋美のプロフィールはこちら

関連記事