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ネフロン癆の遺伝子検査|31遺伝子でわかること・症状と寿命・遺伝のしかた

目次

仲田洋美 医師

この記事の監修・執筆:仲田洋美(臨床遺伝専門医)

ミネルバクリニック院長。臨床遺伝専門医・総合内科専門医・がん薬物療法専門医。1995年に医師免許を取得し、遺伝医療と出生前診断に携わっています。

記事の作り方(編集方針)

ネフロン癆の遺伝子検査

ネフロン癆(ネフロンろう)は、尿を濃くする働きが落ちて多飲・多尿から始まり、多くは30歳ごろまでに末期腎不全に至る遺伝性の腎臓の病気です。原因になる遺伝子はたくさんあり、どの遺伝子かによって、目や肝臓、脳など腎臓以外に気をつけることも変わります。原因がわかれば、お子さんの見通しと合併症への備えが決まり、次のお子さんで同じことが起こる確率と、次の妊娠での備え方も具体的に考えられるようになります。このページでは、症状・寿命の見通し・遺伝のしかたと、31の遺伝子をまとめて調べるネフロン癆の遺伝子パネル検査でわかることを、臨床遺伝専門医が解説します。

⏱️ 30秒でわかる要約

🧬 Q. この検査で何がわかりますか?

ネフロン癆の原因として知られる31の遺伝子をまとめて調べ、病気の原因になる変化があるかを確かめます。NPHP1遺伝子がまるごと欠けている変化など、最も多い原因も調べる対象です。

🧬 Q. どんな人が受けるとよいですか?

多飲・多尿や夜尿、薄い尿が続き腎臓の働きが落ちてきたお子さん・若い方、ご家族にネフロン癆の方がいる方、次のお子さんの確率を知りたいご両親です。

🧬 Q. 費用・日数・検体は?

検査費用は税込330,000円、結果までは2〜3週間です。検体は血液・唾液・頬の粘膜などで、オンライン診療でも受けられます。遺伝カウンセリング料(30分22,000円・税込)が別にかかります。

🧬 Q. 結果のあとはどうなりますか?

結果は臨床遺伝専門医が遺伝カウンセリングで直接ご説明してから、マイページにアップします。原因がわかれば、きょうだいの確率(4分の1)や出生前診断の計画まで一緒に考えます。意義がまだわからない変化(VUS)の扱いもご説明します。

\ 一生変わらない遺伝子を知って、これからの計画に /

📅この検査を予約する(遺伝カウンセリングの予約)

検査の前に臨床遺伝専門医が遺伝カウンセリングを行い、結果も臨床遺伝専門医が直接ご説明します。

お問い合わせはこちら | どの検査がよいか迷う方へ

1. ネフロン癆とは:指定難病335の遺伝性の腎臓の病気

ネフロン癆は、腎臓の尿細管と、そのまわりの間質が少しずつ傷んで硬くなり(線維化)、腎臓の働きが落ちていく遺伝性の病気です。読み方は「ネフロンろう」で、英語の nephronophthisis(ネフロノフティシス)からNPHと略されます。腎臓の働きの単位である「ネフロン」が、やせ衰えていく(癆)という意味の名前です。

遺伝性疾患の解説書GeneReviewsでは、ネフロン癆は多くの場合30歳までに末期腎不全に進むとされています[1]。日本では指定難病335に指定されています(難病情報センター、2026年10月時点で確認)。

どれくらいの人がなる病気か

難病情報センターによると、日本の患者さんの正確な人数は不明ですが、100〜200人程度いると推測されています。10歳前後で見つかることが多く、男女差はほぼないとされています。

ただし、見つかっていない方もいると考えられています。成人してから末期腎不全になった5,606人を調べたヨーロッパなどの研究では、0.5%にあたる26人が、NPHP1遺伝子が2本ともまるごと欠けているネフロン癆でした。このうちネフロン癆と診断されていたのは3人(12%)だけで、多くは「原因のわからない慢性腎臓病」とされていました[3]。原因がわからないまま腎臓の病気と付き合っている方の中に、遺伝子検査で初めて病名がつく方がいる、ということです。

原因:一次繊毛と原因遺伝子

ネフロン癆の原因は、細胞の表面から1本だけ突き出たアンテナのような構造「一次繊毛」の形や働きに関わる遺伝子の変化です。一次繊毛は全身の細胞にあるため、同じしくみで腎臓だけでなく、目・肝臓・脳・骨にも症状が出ることがあります。こうした一次繊毛の病気をまとめて「シリオパチー(繊毛病)」と呼びます。

難病情報センターによると、原因遺伝子は2023年現在でおよそ40個わかっており、最も多いのはNPHP1遺伝子の変化です。GeneReviewsでは、NPHP1遺伝子がまるごと欠ける変化(約290kbの欠失)が、ネフロン癆の原因として最も多い(約25%)とされています[1]。

2. ネフロン癆の症状:多飲・多尿から始まる

ネフロン癆の最初の症状は、尿を濃くする働きが落ちることによる多飲・多尿であることが多く、夜尿や昼間のおもらし、成長の遅れで気づかれることもあります。GeneReviewsでも、若年型は10代までに多飲・多尿で見つかることが多いとされています[1]。

初期症状:多飲・多尿・夜尿・成長の遅れ

小児慢性特定疾病情報センターの解説(日本小児腎臓病学会)では、多飲・多尿、尿を濃くする力の低下、いったんおさまった夜尿がまた始まる(二次性の夜尿)、成長の遅れが、4〜6歳ごろから出てくるとされています。腎臓の働きが落ちてくると、貧血や高血圧も出てきます(難病情報センター)。

  • ●のどが渇いて水をよく飲み、尿の量が多い(多飲・多尿)
  • ●夜尿がなかなかおさまらない、またはいったんおさまった夜尿がまた始まる
  • ●昼間のおもらしがある
  • ●背が伸びにくい・体重が増えにくい(成長障害)
  • ●治療しても改善しにくい貧血[1]

多飲・多尿は、腎性尿崩症など、ほかの病気でも起こります。症状だけで病名を決めることはできません。

学校検尿で見つかりにくい理由

ネフロン癆は、学校検尿で見逃されることが多い病気です。小児慢性特定疾病情報センターの解説では、初期の尿検査はほぼ正常で、出てくる蛋白尿もβ2ミクログロブリンなどの小さな蛋白(低分子蛋白尿)が中心のため、アルブミンを主に測る一般的な試験紙では見つかりにくいとされています。

日本のネフロン癆の患者さん35人を調べた研究では、薄い尿(尿比重1.010以下)が約75%、低分子蛋白尿が85%にみられました。一方、学校検尿の蛋白尿をきっかけに見つかったのは18%にとどまり、ほかの症状の検査や健診で腎臓の働きの低下に気づかれた方(23%)、成長の遅れや貧血などをきっかけに見つかった方も多くいました[2]。

💡 用語解説:尿比重と低分子蛋白尿

尿比重は尿の濃さの目安で、尿を濃くする力が落ちると、いつも薄い尿(低い比重)になります。低分子蛋白尿は、β2ミクログロブリンなどの小さな蛋白が尿に出ることで、尿細管の働きが落ちたサインです。どちらも、ネフロン癆を疑うきっかけになります。

腎臓以外の症状(約10〜20%)

GeneReviewsでは、ネフロン癆の方の約10〜20%に腎臓以外の症状があり、何らかの症候群の一部である手がかりになるとされています[1]。難病情報センターでは、腎臓以外の症状として発達の遅れと網膜色素変性症が最も多く、次に小脳虫部の低形成や眼球運動の異常が多いとされています。

👁️ ネフロン癆に伴うことがある腎臓以外の症状

症状 どんな病気・症候群と関係するか
目(網膜) 網膜色素変性症を伴うものをシニア・ローケン症候群と呼びます。生まれつき目が見えにくいレーバー先天性黒内障を伴うこともあります
脳(小脳) 小脳虫部の低形成や発達の遅れ。ジュベール症候群の一部として起こることがあります
肝臓 肝臓の線維化など。COACH症候群などで起こることがあります
内臓の左右 内臓の左右が入れ替わる内臓逆位。INVS・NPHP3などで起こることがあります
骨・指 胸郭が小さい・指が多い(多指)などの骨格の異常

※GeneReviews[1]と難病情報センターの記載による。どの症状が出やすいかは、原因の遺伝子によって違います(第6章の表)。

3. ネフロン癆の型と寿命・予後

ネフロン癆は、末期腎不全になる年齢によって乳児型・若年型・成人型に分けられます。根本的な治療法はありませんが、末期腎不全になったあとは透析や腎移植で治療でき、移植した腎臓にネフロン癆は再発しないとされています。[1]

型ごとの末期腎不全になる時期

📅 ネフロン癆の型と末期腎不全になる時期

型 末期腎不全になる時期 腎臓の特徴
乳児型 3歳より前。進み方が速い 腎臓がやや大きく、嚢胞がある
若年型(最も多い) 中央値13歳 腎臓は小さめ〜正常の大きさ。皮質と髄質の境目に小さな嚢胞ができることがある
成人型 中央値はまだわかっていない 若年型と同じ

※GeneReviews[1]による。成人型では、NPHP1遺伝子が2本とも欠けている方の末期腎不全の年齢の中央値が30歳(18〜61歳)だったという報告がある[3]。

ネフロン癆の寿命は?

ネフロン癆で問題になるのは、腎臓の働きが失われることです。末期腎不全になったら、腹膜透析・血液透析か、生体腎移植・献腎移植で治療します(難病情報センター)。GeneReviewsでは、移植した腎臓にネフロン癆は再発せず、末期腎不全になったときの治療として腎移植が望ましいとされています[1]。

そのため、ネフロン癆の見通しは「腎臓の病気」だけでは決まらず、腎臓以外の症状(目・脳・肝臓など)があるかどうかで大きく変わります。同じ「ネフロン癆」でも、原因の遺伝子によって気をつけることが違うのは、このためです。

治療:腎臓を守り、合併症に備える

今のところ、ネフロン癆そのものを治す治療法はありません(難病情報センター)。体液や電解質のバランスの調整、貧血の治療、腎臓の働きの低下による成長障害への成長ホルモン療法などで、腎臓の働きを守り、合併症に備えます[1]。GeneReviewsは、少なくとも年に1回、腎臓の働き・成長・貧血などを確かめることを勧めています[1]。

4. 遺伝のしかた:常染色体潜性遺伝

ネフロン癆は主に常染色体潜性(劣性)遺伝です。ご両親がともに同じ遺伝子の保因者の場合、お子さん1人ごとに4分の1の確率で発症します。[1]

ご両親は保因者、きょうだいは4分の1

常染色体潜性遺伝では、対になった2本の遺伝子の両方に変化があると発症します。1本だけに変化がある人を「保因者」といい、ふつうは症状がありません。お子さんがネフロン癆と診断された場合、ご両親はそれぞれ保因者であることがほとんどです。GeneReviewsでは、ご両親がともに保因者のとき、きょうだいは受精の時点で、4分の1の確率で発症し、2分の1の確率で保因者になるとされています[1]。保因者のしくみは劣性遺伝(潜性遺伝)と保因者のしくみでも解説しています。

⚠️ 遺伝子の変化は、誰のせいでもありません

保因者であることは珍しいことではなく、誰もがいくつかの潜性遺伝の病気の保因者だと考えられています。ご両親が保因者だったことは、誰かの責任ではありません。原因がわかることは、次のお子さんの確率を具体的に知り、備え方を選べるようになることにつながります。

ご本人が将来お子さんを持つとき

常染色体潜性遺伝によるネフロン癆の方は、原因となる遺伝子の2本のコピーそれぞれに病的な変化があるため、お子さんにはそのうち1つの変化が必ず受け継がれます。お子さんが保因者になるか発症するかは、パートナーが同じ遺伝子の病的な変化をもっているかどうかで異なります。OFD1関連疾患などX連鎖性の場合は、別の考え方が必要です。パートナーが同じ遺伝子の保因者でなければ、お子さんが発症することは通常ありません。パートナーが保因者かどうかを調べることで、お子さんの確率を具体的に考えられます(第8章)。

例外:OFD1遺伝子はX連鎖

このパネルの31遺伝子のうち、OFD1遺伝子はX染色体にあり、X連鎖の遺伝のしかたをします[4]。この場合は、お母さんが変化をもっているかどうかで、次のお子さんの確率の考え方が変わります。

5. どんな人がこの検査を受けるとよいか

多飲・多尿や薄い尿が続き腎臓の働きが落ちてきたお子さん・若い方、ご家族にネフロン癆の方がいる方、そして「次のお子さんで同じことが起こるか」を知りたいご両親に向く検査です。

症状があり、原因を知りたい方

  • ●子どものころから多飲・多尿・夜尿があり、尿がいつも薄い
  • ●低分子蛋白尿があり、腎臓の働き(クレアチニン・eGFR)が落ちてきた
  • ●超音波検査で、腎臓の輝度が高い・皮質と髄質の境目がはっきりしない・小さな嚢胞がある
  • ●原因のわからない慢性腎臓病・末期腎不全と言われている(若い方や大人の方も)
  • ●網膜色素変性症、小脳の異常、肝臓の線維化、内臓逆位など、腎臓以外の症状もある

GeneReviewsでは、ネフロン癆の診断に腎生検は必須ではないとされています[1]。遺伝子検査で原因がわかれば、腎臓の組織をとらなくても病名がつくことがあります。病名がわかると、受けるべき目や肝臓の検査、使える制度(指定難病・小児慢性特定疾病)が決まります。

原因を知りたい、次のお子さんのことを考えたいご両親

お子さんがネフロン癆、または原因のわからない腎臓の病気と言われたご両親にとって、遺伝子検査は「次のお子さん」のことを考えるための出発点になります。原因の遺伝子と変化がわかれば、次のお子さんで同じことが起こる確率(多くは4分の1)がはっきりし、次の妊娠で出生前診断を計画することもできます。原因がわからないままでは、出生前に何を調べればよいかを決められません。

ほかのお子さん(きょうだい)が将来、結婚や出産を考えるときにも、保因者かどうかを知る手がかりになります。症状のないきょうだいの検査を考えるときは、検査の意味を遺伝カウンセリングでご一緒に考えます。

この検査より別の検査が向いている場合

ネフロン癆が疑われるときはこの検査が基本です。ただ、症状によっては、次の検査のほうが向いていることがあります。比べる相手は検査の種類です。

🔍 症状に合わせた検査の選び方

こんなとき 向いている検査
多飲・多尿、薄い尿、腎臓の働きの低下が中心 このページの検査(ネフロン癆 31遺伝子)
腎臓に嚢胞が多く、多発性嚢胞腎かネフロン癆か区別がつかない 多発性嚢胞腎・ネフロン癆遺伝子パネル検査(78遺伝子)
腎臓が大きく嚢胞が多い・ご家族に多発性嚢胞腎の方 多発性嚢胞腎遺伝子パネル検査
小脳の異常(モラートゥースサイン)や発達の遅れが目立つ ジュベール・メッケル症候群の遺伝子パネル検査
網膜色素変性症と腎臓の病気がある シニア・ローケン症候群NGS遺伝子検査
肥満・多指・網膜の病気など多くの症状がある バルデー・ビードル症候群NGSパネル遺伝子検査、繊毛病症候群NGS遺伝子検査パネル
症状が多く、病気をしぼれない 全エクソーム検査(WES)

※どの検査が合うかは、症状・画像・ご家族の情報で変わります。遺伝カウンセリングで一緒に決めましょう。

\ 原因がわかれば、次のお子さんへの備え方が決まります /

📅この検査を予約する(遺伝カウンセリングの予約)

ご両親とも保因者だった場合、妊娠したときの羊水検査・絨毛検査による出生前診断まで院内で受けられます(2025年6月から産婦人科を併設)。

お問い合わせはこちら | どの検査がよいか迷う方へ

6. この検査で調べる31遺伝子と、関係する病気

この検査では、ネフロン癆と、ネフロン癆を伴う繊毛病の原因として知られる31の遺伝子を、一度にまとめて調べます。GeneReviewsによると、ネフロン癆の原因として多いのはNPHP1(20〜25%)、NPHP4(3〜4%)、CEP290・IQCB1・TMEM67(各2〜3%)、INVS・NPHP3(各1〜2%)で、ほかの遺伝子はそれぞれ1%未満です[1]。

🧬 ネフロン癆遺伝子パネル検査で調べる31遺伝子

遺伝子 関係する病気・主な特徴 遺伝のしかた
AHI1 ジュベール症候群(ジュベール症候群3型) 常染色体潜性
ANKS6 ネフロン癆(NPHP16)。肝臓の病気・内臓逆位・先天性心疾患を伴うことがある 常染色体潜性
CC2D2A ジュベール症候群(9型)・メッケル症候群6・COACH症候群2 常染色体潜性
CEP164 ネフロン癆(NPHP15)。網膜の病気・肝臓の病気・多指を伴うことがある 常染色体潜性
CEP290 ネフロン癆(NPHP6)・ジュベール症候群5・シニア・ローケン症候群6・メッケル症候群4・レーバー先天性黒内障10 常染色体潜性
CEP83 ネフロン癆(NPHP18)・ジュベール症候群 常染色体潜性
DCDC2 ネフロン癆(NPHP19)。肝臓の病気・難聴を伴うことがある 常染色体潜性
GLIS2 ネフロン癆(NPHP7) 常染色体潜性
IFT172 ネフロン癆(NPHP17)・ジュベール症候群・短肋骨胸郭異形成症10型 常染色体潜性
INVS ネフロン癆(NPHP2・乳児型)。内臓逆位・先天性心疾患を伴うことがある 常染色体潜性
IQCB1 ネフロン癆(NPHP5)・シニア・ローケン症候群。網膜色素変性症を伴う 常染色体潜性
MAPKBP1 ネフロン癆(NPHP20)。側弯・顔つきの特徴を伴うことがある 常染色体潜性
NEK8 ネフロン癆(NPHP9)。肝臓の病気・内臓逆位・先天性心疾患・膵臓の異常を伴うことがある 常染色体潜性
NPHP1 ネフロン癆1(最も多い原因)・シニア・ローケン症候群1・ジュベール症候群 常染色体潜性
NPHP3 ネフロン癆3。内臓逆位・先天性心疾患・肝臓の病気を伴うことがある 常染色体潜性
NPHP4 ネフロン癆4・シニア・ローケン症候群・ジュベール症候群 常染色体潜性
OFD1 口顔指症候群1型・ジュベール症候群 X連鎖
PKHD1 常染色体潜性の多発性嚢胞腎(ARPKD) 常染色体潜性
RPGRIP1L ネフロン癆(NPHP8)・ジュベール症候群・COACH症候群 常染色体潜性
SDCCAG8 ネフロン癆(NPHP10)・シニア・ローケン症候群。肥満・性腺の発達の遅れを伴うことがある 常染色体潜性
SLC41A1 ネフロン癆に関係する遺伝子として、このパネルに含まれている(まれな原因) 常染色体潜性
TMEM138 ジュベール症候群 常染色体潜性
TMEM216 ジュベール症候群 常染色体潜性
TMEM237 ジュベール症候群 常染色体潜性
TMEM67 ネフロン癆(NPHP11)・ジュベール症候群・COACH症候群。肝臓の病気・多指を伴うことがある 常染色体潜性
TRAF3IP1 シニア・ローケン症候群 常染色体潜性
TTC21B ネフロン癆(NPHP12)。骨格の異常・内臓逆位・肝臓の病気を伴うことがある 常染色体潜性
WDR19 ネフロン癆(NPHP13)・シニア・ローケン症候群。肝臓(カロリ病)・膵臓・骨格の異常を伴うことがある 常染色体潜性
WDR35 繊毛に関係する遺伝子として、このパネルに含まれている(まれな原因) 常染色体潜性
XPNPEP3 ネフロン癆に関係する遺伝子として、このパネルに含まれている(まれな原因) 常染色体潜性
ZNF423 ネフロン癆(NPHP14・乳児型)。神経の症状・内臓逆位を伴うことがある 常染色体潜性

※遺伝子は当院の検査の対象遺伝子(31遺伝子)。関係する病気と特徴はGeneReviewsのネフロン癆関連繊毛病[1]・ジュベール症候群[4]の記載による。「〜を伴うことがある」は、その遺伝子で報告されている特徴で、全員に起こるわけではありません。

ジュベール症候群は、小脳の形の異常(MRIでのモラートゥースサイン)と発達の遅れを特徴とする繊毛病で、GeneReviewsでは23〜38%に腎臓の病気を伴うとされています[4]。このように、ネフロン癆の原因遺伝子は、ほかの繊毛病の原因遺伝子と重なっています。原因の遺伝子がわかると、腎臓以外にどこを調べておくべきかが見えてきます。

7. この検査でわかること・わからないこと

GeneReviewsでは、ネフロン癆の方で原因となる遺伝子の変化が見つかるのは50〜60%とされています[1]。日本の35人の研究でも、ネフロン癆の遺伝子の変化が見つかったのは19人でした[2]。これらはネフロン癆の患者さんを対象とした研究などの数値であり、当院の31遺伝子パネル検査固有の診断率を示すものではありません。検査で原因が見つからない場合もあります。

わかること

  • ●遺伝子の小さな変化:31遺伝子のタンパク質をつくる部分(エクソン)とその境目で、1文字の変化や小さな挿入・欠失を調べます。
  • ●遺伝子の欠失・重複:遺伝子がまるごと欠けている変化を調べられます(血液・頬の粘膜の検体)。2つ以上続くエクソンの欠失・重複は血液の検体で調べられます。見つかった欠失・重複は、別の原理の方法(qPCR法やMLPA法)でもう一度確かめてから報告します。

💡 NPHP1の「まるごと欠ける変化」と検体

日本の35人の研究では、NPHP1遺伝子の変化が見つかった13人のうち10人が、遺伝子がまるごと欠ける大きな欠失でした[2]。この変化は、通常の塩基配列の変化を調べる解析だけでは見逃されることがあり、コピー数の変化(欠失)を検出する解析が必要です[1]。当院のページの記載では、遺伝子がまるごと欠ける変化は血液・頬の粘膜の検体で調べられるとされています。どの検体で受けるかは、遺伝カウンセリングでご相談ください。

わからないこと(検査の限界)

  • ●調べていない遺伝子:原因遺伝子はおよそ40個わかっており(難病情報センター)、この31遺伝子以外の原因や、まだ見つかっていない原因は調べられません。
  • ●調べられない種類の変化:染色体の入れ替わり(転座・逆位)、繰り返し配列の伸長、遺伝子の働きを調節する部分やエクソンから離れた部分(イントロンの深い部分)の変化は調べられません。1つのエクソンだけの欠失・重複は、見つからないことがあります。
  • ●よく似た配列:よく似た配列が別の場所にある遺伝子では、変化を見分けにくいことがあります。
  • ●モザイク:体の一部の細胞にだけ変化がある状態(モザイク)を見つけることは、この検査の目的に含まれていません。
  • ●意義がまだわからない変化(VUS):病気の原因かどうか、まだ判断できない変化が見つかることがあります。
  • ●陰性でも否定はできません:原因が見つからなくても、ネフロン癆ではないとは言えません。

8. 結果が出たあと

結果は、臨床遺伝専門医が遺伝カウンセリングで直接ご説明してから、マイページにアップします。結果だけをお送りすることはありません。陽性・陰性・VUSのそれぞれで、次にできることが違います。

陽性だったとき:病名がつき、気をつけることが決まる

常染色体潜性遺伝の病気では、同じ遺伝子の2本のコピーそれぞれに病的な変化があることが確認され、症状や検査所見とも一致すれば、遺伝学的な診断につながります。一方、OFD1関連疾患のようなX連鎖性の病気では、性別や遺伝子の変化の種類によって診断の考え方が異なります。GeneReviewsは、診断がついたら、必要に応じて目の検査(視力・視野・網膜の病気の有無)と肝臓の検査(肝機能・アルブミン・ビリルビン・凝固の検査)を行い、少なくとも年に1回、経過をみることを勧めています[1]。原因の遺伝子がIQCB1なら網膜、INVSやNPHP3なら心臓や内臓の左右、TMEM67なら肝臓など、遺伝子ごとに気をつける場所が変わります。

ご家族への影響と、ご家族が検査を受けるとき

お子さんで原因がわかった場合、ご両親がそれぞれ保因者かを確かめると、次のお子さんの確率がはっきりします。きょうだいも、同じ変化をもっているか(発症しているか・保因者か)を調べられます。ご家族の中で原因がわかっていると、ほかのご家族は同じ場所を調べることで確かめられます。

陰性だったとき

原因が見つからなかった場合も、ネフロン癆の可能性は残ります(第7章)。症状・画像・腎臓の組織の検査を合わせて判断し、必要に応じて、多発性嚢胞腎・ネフロン癆遺伝子パネル検査や全エクソーム検査(WES)などを考えます。

意義がまだわからない変化(VUS)が見つかったとき

VUSは、それだけで診断に使ったり、ご家族の検査に使ったりはしません。研究が進んで、のちに意味がはっきりすることもあります。扱い方はVUS(意義不明変異)の臨床的取り扱いでも解説しています。調べた目的と別の病気の原因が見つかった場合の扱いは、当院の二次的所見の開示方針をご覧ください。

次の妊娠を考えている方:出生前診断と保因者検査

GeneReviewsは、ご家族で原因となる2つの変化がわかっていれば、出生前の遺伝学的検査ができるとしています[1]。当院では、羊水検査・絨毛検査を院内で行っています(2025年6月から産婦人科を併設)。次の妊娠の前にご家族の原因を確かめておくことが、出生前診断を計画するための出発点になります。出生前診断の遺伝カウンセリング料は30分33,000円(税込)です。

ネフロン癆の方やきょうだいが結婚・妊娠を考えるときは、パートナーの保因者検査が手がかりになります。当院の拡大版保因者スクリーニング(女性版787遺伝子)・男性版714遺伝子にネフロン癆の遺伝子が含まれるかは、それぞれの遺伝子一覧でご確認ください。妊娠中の方には、NIPTと同じ日に採血できるカップルの保因者検査「ファミリーセーフティ プラス」(単独では受けられません)もあります。

9. 日本の制度(2026年10月時点)

ネフロン癆は指定難病335です。難病情報センターのネフロン癆のページ(令和6年11月更新)で確認できます。また、小児慢性特定疾病情報センターでは、慢性腎疾患の対象疾病としてネフロン癆が掲載されています(2026年10月時点で確認)。

難病情報センターでは、ネフロン癆に深く関連する病名として、ジュベール症候群、バルデ・ビードル症候群、ジューン症候群、メッケル・グルーバー症候群、センセンブレナー症候群、コーチ症候群、シニア・ローケン症候群、有馬症候群、口腔顔面指趾症候群などが挙げられています。ただし、これらの病名でも医療費助成の対象にならないことがあります。認定の基準や申請の方法は、難病情報センター・小児慢性特定疾病情報センターや、お住まいの自治体の窓口でご確認ください。

10. 検査の流れ・費用・結果までの日数・検体

検査費用は税込330,000円、結果までは2〜3週間です。唾液・頬の粘膜・血液のいずれの検体でも、オンライン診療で受けられます。

ご予約
▶
遺伝カウンセリング臨床遺伝専門医
▶
検体の採取お支払い後にキット送付
▶
結果のご説明2〜3週間後・マイページへ

💴 費用・日数・検体

項目 内容
検査内容 ネフロン癆に関係する31遺伝子の塩基配列と欠失・挿入(料金に含まれる)
検査費用 税込330,000円
結果までの期間 2〜3週間
至急オプション 55,000円(結果までの期間が約7日短くなります)
VUS除外 意義がまだわからない変化(VUS)を報告に含めない選択(無料)
検体 血液(EDTAチューブ4ml×2本)、抽出DNA、頬の粘膜(スワブ)、唾液
遺伝カウンセリング料 30分22,000円(税込)※検査費用とは別
オンライン診療 唾液・頬の粘膜・血液のいずれも可能。血液の場合は全国の提携医療機関で採血します。オンラインの場合は、遺伝カウンセリング料金を事前にお支払いください。

※ご夫婦・カップルで同じ検査を同じ日に一緒に受ける場合は、遺伝カウンセリング料が1人分になります(検査費用の割引はありません)。

オンライン診療(ビデオ通話)で遺伝カウンセリングを行ったあと、検体を当院にお送りいただきます。検体採取キットは、検査料金のお支払いのあとにお送りします。検体の取り違えや品質の問題を防ぐため、ご自身で勝手に検体を採取しないでください。

遺伝カウンセリングでは、検査で何がわかり、何がわからないか、結果がご家族にとってどういう意味をもつかをご説明します。検査を受けるかどうかは、説明を聞いて納得してから決めていただきます。

\ 人生に一度の遺伝子検査を、ご家族とこれからの計画に /

📅この検査を予約する(遺伝カウンセリングの予約)

臨床遺伝専門医が常駐し、結果も臨床遺伝専門医が直接ご説明してからマイページにアップします。

お問い合わせはこちら | 多発性嚢胞腎・ネフロン癆パネルと比べる

11. 院長コラム

仲田洋美院長

🩺 院長コラム【原因がわかってはじめて、次の一歩が決まる】

ネフロン癆は、多飲・多尿や夜尿といった、よくある症状から始まる病気です。学校検尿でも見つかりにくく、腎臓の働きがかなり落ちてから気づかれることもあります。お子さんの病気がわかったとき、ご両親の頭に浮かぶのは「なぜ」と「次の子はどうなるのか」だと思います。

私は、その答えに近づく手がかりが、原因の遺伝子を確かめることだと考えています。原因がわかれば、目や肝臓など腎臓以外に何を見ておくべきかが決まり、次のお子さんで同じことが起こる確率もはっきりします。原因がわかっていれば、次の妊娠で出生前診断を計画することもできます。原因がわからないままでは、出生前に何を調べればよいかを決められません。

私自身、希少な常染色体顕性(優性)遺伝性疾患の当事者です。子どもに病気を受け渡したくない、という遺伝の病気をもつ方の思いはよくわかります。また、お子さんが重い症状で発症したのをきっかけに、ご自身も同じ遺伝子の変化を持っていたとわかり、自分のせいだと責めてしまう親御さんを、何度も見てきました。私の当事者としての話は、遺伝性疾患の当事者として、臨床遺伝専門医になった理由に書いています。ネフロン癆のような潜性遺伝の病気では、ご両親が保因者であることは珍しいことではなく、誰のせいでもありません。

遺伝子検査は、やってみないとわからないことを、何度も経験してきました。検査をしないと何も言えない、というのが私の確固たる考えです。こうした経験から、当院では、検査を受けずにリスクだけをご説明することはしておりません。検査をせずにリスクをお伝えするほうが、かえって危険だと考えているためです。わからないまま悩み続けるより、わかったことから次を考えるほうが前に進める、と考えています。次のお子さんを考えるご両親にも、将来結婚や出産を考えるきょうだいにも、出生前診断まで当院で続けて支えられる体制を整えています。どの選択をされても、その選択を尊重します。

よくある質問(FAQ)

Q1. ネフロン癆の読み方は?

「ネフロンろう」と読みます。英語では nephronophthisis(ネフロノフティシス)といい、NPHと略されます。腎臓の尿細管と間質が少しずつ傷み、腎臓の働きが落ちていく遺伝性の病気です。

Q2. ネフロン癆は指定難病ですか?

はい。ネフロン癆は指定難病335です(難病情報センター、2026年10月時点で確認)。子どもの場合は、小児慢性特定疾病(慢性腎疾患)の対象疾病にも掲載されています。医療費の助成を受けるには、それぞれの制度の認定の条件を満たし、申請する必要があります。

Q3. ネフロン癆の寿命は?

ネフロン癆そのものに根本的な治療法はなく、多くは30歳ごろまでに末期腎不全になります。ただし、末期腎不全になったあとは透析や腎移植で治療でき、遺伝性疾患の解説書GeneReviewsでは、移植した腎臓にネフロン癆は再発しないとされています。見通しは、型や腎臓以外の症状によって変わります。

Q4. ネフロン癆の患者数は何人ですか?

難病情報センターによると、正確な人数は不明ですが、日本に100〜200人程度いると推測されています。10歳前後で見つかることが多く、男女差はほぼないとされています。大人になってから見つかる方もいます。

Q5. ネフロン癆は遺伝しますか?

主に常染色体潜性(劣性)遺伝です。ご両親がともに同じ遺伝子の保因者の場合、お子さん1人ごとに4分の1の確率で発症します。ご両親は保因者でも、ふつうは症状がありません。OFD1遺伝子による場合はX連鎖の遺伝のしかたになります。

Q6. ネフロン癆の治療法は?

今のところ、ネフロン癆そのものを治す治療法はありません。体液や電解質のバランスを整える治療、貧血や成長障害の治療など、腎臓の働きを守り合併症に備える治療を行います。末期腎不全になったら、透析や腎移植を行います。

Q7. ネフロン癆とネフローゼ症候群の違いは?

名前は似ていますが、別の病気です。ネフローゼ症候群は尿にたくさんの蛋白が出てむくみが出る病気です。ネフロン癆は尿を濃くする働きが落ちて多飲・多尿から始まることが多く、初期には、むくみ・血尿・蛋白尿・高血圧は通常みられないとされています。

Q8. 検査で原因が見つからなかったら、ネフロン癆ではないのですか?

そうとは限りません。GeneReviewsでは、ネフロン癆の方で原因となる遺伝子の変化が見つかるのは50〜60%とされています。見つからない場合も、症状・画像・腎臓の組織の検査を合わせて判断し、必要に応じて別の検査を考えます。

🧬 一度の検査で、お子さんとご家族のこれからを考える

生まれ持った遺伝子は一生変わりません。ネフロン癆の原因がわかれば、お子さんの合併症への備えだけでなく、きょうだいの検査や、次の妊娠の計画を考える手がかりになります。当院では臨床遺伝専門医が常駐し、検査の前後の遺伝カウンセリングから、羊水検査・絨毛検査による出生前診断まで、院内で続けて受けていただけます。

お電話でのお問い合わせ:03-3478-3768

参考文献

  • [1] Stokman M, Lilien M, Knoers N. Nephronophthisis-Related Ciliopathies. In: GeneReviews®. University of Washington, Seattle; 2016 Jun 23 (Updated 2023 Mar 2). [NCBI Bookshelf NBK368475](PMID: 27336129)
  • [2] Sugimoto K, Miyazawa T, Enya T, et al. Clinical and genetic characteristics of Japanese nephronophthisis patients. Clin Exp Nephrol. 2016;20:637-649. [DOI: 10.1007/s10157-015-1180-5]
  • [3] Snoek R, van Setten J, Keating BJ, et al. NPHP1 (Nephrocystin-1) gene deletions cause adult-onset ESRD. J Am Soc Nephrol. 2018;29(6):1772-1779. [DOI: 10.1681/ASN.2017111200]
  • [4] Glass IA, Dempsey JC, Parisi M, Doherty D. Joubert Syndrome. In: GeneReviews®. University of Washington, Seattle; 2003 Jul 9 (Updated 2026 Feb 12). [NCBI Bookshelf NBK1325]

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仲田洋美 医師(臨床遺伝専門医)

この記事の監修・執筆者:仲田 洋美

(臨床遺伝専門医/がん薬物療法専門医/総合内科専門医)

ミネルバクリニック院長。1995年に医師免許を取得後、 臨床遺伝学・内科学・腫瘍学を軸に診療を続けてきました。 当サイトの記事は、院長が自ら執筆し、医学的な内容を確認してから公開しています。

出生前診断(NIPT・確定検査・遺伝カウンセリング)においては、 検査結果の数値そのものだけでなく、 「結果をどう受け止め、どう生きるか」までを医療の責任と捉え、 一貫した遺伝カウンセリングと医学的支援を行っています。

ハイティーンの時期にベルギーで過ごし、 日本人として異文化の中で生活した経験があります。 価値観や宗教観、医療への向き合い方が国や文化によって異なることを体感しました。 この経験は現在の診療においても、 「医学的に正しいこと」と「その人にとって受け止められること」の両立を考える姿勢の基盤となっています。

また、初めての妊娠・出産で一卵性双生児を妊娠し、 36週6日で一人を死産した経験があります。 その出来事は、妊娠・出産が女性の心身に与える影響の大きさ、 そして「トラウマ」となり得る体験の重みを深く考える契機となりました。 現在は、女性を妊娠・出産のトラウマから守る医療を使命の一つとし、 出生前診断や遺伝カウンセリングに取り組んでいます。

出生前診断は単なる検査ではなく、 家族の未来に関わる重要な意思決定です。 年齢や統計だけで判断するのではなく、 医学的根拠と心理的支援の両面から、 ご家族が後悔の少ない選択をできるよう伴走することを大切にしています。

日本人類遺伝学会認定 臨床遺伝専門医/日本内科学会認定 総合内科専門医/ 日本臨床腫瘍学会認定 がん薬物療法専門医。 2025年には APAC地域における出生前検査分野のリーダーとして国際的評価を受け、 複数の海外メディア・専門誌で特集掲載されました。

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