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妊活を始めるにあたって、「まず何の検査を受ければいいの?」と迷う方は少なくありません。妊活の検査には大きく分けてブライダルチェックと不妊検査があり、この2つは目的がまったく異なります。違いを知らないまま進めると、時間を無駄にしてしまうことも。この記事では、妊活前に受けたい検査の種類・男女別の項目・費用の目安・受けるタイミングを、臨床遺伝専門医がわかりやすく整理します。不妊原因の約半数は男性側にあるため、パートナーと一緒に読んでいただける内容です。
Q. 妊活を始める前に、まず何の検査を受ければいいですか?
A. まずは「ブライダルチェック」がおすすめです。妊娠・出産に影響する病気や感染症がないかを確認する検査で、妊娠を考えるすべての方に向いています。すでに1年以上妊娠しない場合は、原因を調べる「不妊検査」が適しています。どちらも男性の検査が大切です。
- ➤ブライダルチェック → 妊娠・出産に影響する病気や感染症がないかを確認
- ➤不妊検査 → 妊娠しにくい根本原因を調べる(1年以上妊娠しない場合)
- ➤男女別の検査項目 → 女性・男性それぞれの具体的な検査を一覧で
- ➤いつ受ける・費用 → タイミングと費用の目安、よくある疑問
- ➤遺伝子検査でわかること → 保因者スクリーニング・不妊症遺伝子検査
妊活前に受けておきたい検査の種類と目的
妊活前といっても、ライフステージや目的ごとに受けるべき検査は異なります。これから妊活を始めようとしている人、以前検査を受けたけれど何年も経っている人、できるだけ早く妊娠したい人とでは、必要とされる検査が変わってきます。妊活の検査は、大きく次の2つに分けて考えると整理しやすくなります。
- ブライダルチェック:妊娠・出産や胎児に影響する病気・感染症がないかを確認する検査。妊娠を考えるすべての方向け。
- 不妊検査:妊娠しにくい根本的な原因がないかを調べる検査。1年以上妊娠しない場合などに。
まずはこの2つの違いを理解することが、妊活の検査選びの第一歩です。それぞれ、女性・男性別に見ていきましょう。
ブライダルチェックとは|妊娠・出産に影響する病気・感染症を確認
ブライダルチェックとは、妊娠や出産に関係する病気や感染症がないかを確認する検査のことです。妊娠・出産や胎児に影響を与える病気・感染症の有無を調べ、早めに治療したり予防接種を受けたりといった対策ができます。妊娠前から自分の体の状態を確認しておくことは、とても重要です。基本的には1回の受診で完結します。
ブライダルチェック:女性の検査項目
| 検査項目 | 検査内容 | 方法 |
|---|---|---|
| 子宮頸がん検査 | 子宮頸がんの有無 | 細胞採取 |
| 子宮・卵巣の超音波検査 | 子宮筋腫や卵巣嚢腫、子宮内膜症の有無 | 超音波検査 |
| 性感染症の検査 | 淋菌・梅毒・クラミジア・HIVなどの感染症の有無 | おりもの検査・血液検査 |
| 風疹抗体検査 | 風疹の抗体があるか | 血液検査 |
| 甲状腺機能検査 | 甲状腺ホルモンの値に異常がないか | 血液検査 |
| 肝機能検査 | B型肝炎など母子感染リスクのある疾患がないか | 血液検査 |
| 貧血検査 | 貧血がないか | 血液検査 |
| 糖尿病検査 | 血糖値に異常がないか | 血液検査 |
※検査項目は病院によって異なります。事前に受診先へ確認しておくと安心です。
💡 妊娠前の「風疹抗体」は特に大切です
妊娠初期に風疹にかかると、赤ちゃんに難聴・心疾患・白内障などの先天性風疹症候群が起こることがあります。抗体が不十分な場合は、妊娠前にワクチンを接種しておくことが推奨されます(接種後は一定期間の避妊が必要)。風疹抗体検査は、パートナーである男性も一緒に受けておくと安心です。
ブライダルチェック:男性の検査項目
性感染症は男性も罹患しますし、不妊の原因の約半数は男性側にあると言われています。ブライダルチェックは、パートナーである男性も一緒に受けることが重要です。
| 検査項目 | 検査内容 | 方法 |
|---|---|---|
| 精液検査 | 精子の数や運動率、奇形率など | 精液採取 |
| 超音波検査 | 陰嚢・精索・精巣・膀胱・前立腺などに異常がないか | 超音波検査 |
| 内分泌ホルモン検査 | FSH・LH・プロラクチン・テストステロンの値 | 血液検査 |
| 性感染症検査 | 淋菌・梅毒・クラミジア・HIVなどの感染症の有無 | 血液検査 |
| 尿検査 | 尿路の感染や異常がないか | 尿検査 |
不妊検査とは|妊娠しにくい根本原因を調べる
不妊検査とは、妊娠しにくい根本的な原因がないかどうかを調べる検査です。原因が特定できるまで検査を続けるのが特徴です。日本産科婦人科学会は、不妊を「妊娠を望む健康な男女が避妊をしないで性交をしているにもかかわらず、1年を経過しても妊娠しないもの」と定義しています。妊活を始めて1年以上妊娠しない場合などは、不妊検査で原因を調べ、治療を検討するのも一つの選択です。
不妊検査:女性の主な検査
- 内診・経腟超音波検査:子宮内膜・子宮筋腫・卵巣嚢腫などの病気がないかを調べます。疑いがあればMRIや腹腔鏡検査を行うこともあります。
- 子宮卵管造影検査:卵管が詰まっていないか、子宮の形に異常がないかを調べます。この検査の後に自然妊娠することも少なくない、大切な検査です。
- ホルモン検査(血液検査):女性ホルモンの分泌、甲状腺機能、糖尿病など全身疾患に関わる検査。月経期・黄体期などに分けて行うことがあります。
- 性交後試験(ヒューナーテスト):排卵直前に性交し、翌日に子宮頸管粘液を採取して運動精子がいるかを調べます。
不妊検査:男性の主な検査
- 精液検査:総精子数・精子濃度・総運動率・前進運動率などを調べます。産婦人科や泌尿器科で受けられます。
- 診察(問診・視触診・超音波):既往歴や生活の悩みを確認し、男性不妊で最も頻度の高い精索静脈瘤などがないかを調べます。
- 内分泌検査:テストステロン・LH・FSH・プロラクチンなどのホルモン値を採血で調べます。
👨 男性の検査は「精液検査」から
「妊活の検査=女性が受けるもの」というイメージが根強いですが、不妊原因の約半数は男性側にあります。男性の検査は精液検査が中心で、負担が少なく結果も比較的早く出ます。お二人そろって早めに受けておくことが、遠回りを避ける近道です。
ブライダルチェックと不妊検査の違い
2つの検査は、目的がまったく異なります。ブライダルチェックは「妊娠・出産に影響する病気や感染症がないか」を確認する検査、不妊検査は「妊娠しにくい根本原因がないか」を調べる検査です。
| ブライダルチェック | 不妊検査 | |
|---|---|---|
| 目的 | 妊娠・出産に影響する病気・感染症の確認 | 妊娠しにくい根本原因の特定 |
| 向いている人 | これから妊娠を考えるすべての人 | 1年以上妊娠しない・早く原因を知りたい人 |
| 回数 | 基本的に1回で完了 | 原因が特定できるまで継続 |
妊娠・出産に関係する病気や、赤ちゃんに問題となりうる感染症がないかを確認したい方はブライダルチェック、できるだけ早く妊娠したい・不妊の原因を早めに知りたい方は不妊検査が適しています。
プレコンセプションケアという考え方
2012年にWHOは、プレコンセプションケア(Preconception care)を「妊娠前の女性とカップルに医学的・行動学的・社会的な保健介入を行うこと」と定義し、推奨しています。日本でも2015年に国立成育医療研究センターに、日本で初めてのプレコンセプションケアセンターが誕生しました。自分のからだの状態を知り、生活習慣を見直し、将来の妊娠・出産・子育てに備えて正しい知識を身につけることは、自分自身とご家族の健康に役立ちます。妊活前の相談先の一つとして知っておきましょう。
妊活の検査はいつ受ける?費用は?
🗓️ 受けるタイミング
ブライダルチェックは、妊娠を考え始めたら早めに受けておくのがおすすめです。抗体がなければワクチン接種の時間も必要になるため、余裕をもって。不妊検査は、避妊せず1年たっても妊娠しない場合が一つの目安ですが、年齢が高めの方(目安として35歳以上)は、半年程度でも早めに相談することが勧められます。検査には月経周期に合わせて行うものもあるため、受診先で最適な時期を相談してください。
💰 費用の目安
ブライダルチェックは自費診療が基本で、項目数によりおおよそ数千円〜数万円程度と幅があります(受診先・項目により異なります)。この金額は、保因者スクリーニング検査などの遺伝子検査を含まない『一般的なブライダルチェック(感染症やホルモン検査など)』の場合の費用です。不妊検査は、2022年4月から不妊治療の一部が保険適用となり、条件を満たせば保険で受けられる検査もあります。遺伝子検査など専門的な検査は自費となることが多いです。具体的な費用は受診先にご確認ください。
遺伝子から見る妊活の検査|ミネルバクリニックの特徴
ミネルバクリニックでは、一般的なブライダルチェックや不妊検査に加えて、遺伝子の観点からスクリーニングを行う「遺伝子ブライダルチェック」と「不妊症遺伝子検査」を実施しています。臨床遺伝専門医による遺伝カウンセリングを必ずセットで行い、検査だけを単独で提供することはありません。
遺伝子ブライダルチェック(保因者スクリーニング)
通常のブライダルチェックが「今ある病気・感染症」を調べるのに対し、遺伝子ブライダルチェックは遺伝子に含まれるリスク要因(保因者かどうか)を調べる検査です。米国産科婦人科学会(ACOG)は、妊娠を考えるすべての女性に保因者スクリーニングを提供することを推奨しています。ご夫婦がともに同じ病気の保因者だった場合に、お子さんへのリスクを事前に把握でき、家族計画の指針になります。
不妊症遺伝子検査
不妊症や反復流産を経験しているカップルのうち、一定の割合で遺伝子に原因があると言われています。ミネルバクリニックでは、不妊の要因となりうる遺伝子・染色体の異常を特定できる不妊症遺伝子検査を行っています。正確な原因を知ることは、適切な診断や治療を進める上でとても重要です。とくに年齢に不釣り合いなAMH低下(卵巣予備能の低下)や早発卵巣不全が疑われる場合には、その背景を調べる意義があります。
🩺 院長コラム【検査は「安心」を得るためのもの】
妊活の検査と聞くと、「悪い結果が出たらどうしよう」と身構えてしまう方が多くいらっしゃいます。でも、検査の本当の目的は、不安を煽ることではなく、今の状態を正しく知って、必要な備えを前もってしておくことです。
たとえば風疹抗体がないとわかれば妊娠前に接種できますし、保因者とわかれば選択肢を検討する時間ができます。何も知らないまま進むより、知って備えるほうが、ずっと心穏やかに妊活に臨めます。検査は、お二人の未来のための「安心」への投資だと考えていただけたらと思います。
よくある質問(FAQ)
Q. 妊活の検査は、いつから受けるべきですか?
ブライダルチェックは、妊娠を考え始めたら早めがおすすめです。風疹抗体がない場合はワクチン接種と接種後の避妊期間が必要になるため、余裕をもって受けましょう。不妊検査は、避妊せず1年たっても妊娠しない場合が一つの目安ですが、35歳以上の方は半年程度でも早めに相談することが勧められます。
Q. 妊活の検査は男性も受けたほうがいいですか?
はい、ぜひお二人で受けてください。不妊の原因の約半数は男性側にあるとされています。男性の検査は精液検査が中心で、負担が少なく結果も比較的早く出ます。女性だけが検査を受けて原因が見つからず時間が過ぎてしまう、という遠回りを避けるためにも、早い段階でパートナーも受けることをおすすめします。
Q. 妊活の検査にはどのくらい費用がかかりますか?
ブライダルチェックは自費が基本で、項目数によりおおよそ数千円〜数万円程度と幅があります。この金額は、保因者スクリーニング検査などの遺伝子検査を含まない『一般的なブライダルチェック(感染症やホルモン検査など)』の場合の費用です。不妊検査は2022年4月から不妊治療の一部が保険適用となり、条件を満たせば保険で受けられる検査もあります。遺伝子検査など専門的な検査は自費となることが多いです。正確な費用は受診先にご確認ください。
Q. 妊活中にレントゲン・バリウム・CTなどの検査を受けても大丈夫ですか?
妊娠に気づかない時期の一般的なX線検査(胸部レントゲンや歯科など)の被ばく量は非常に少なく、胎児に影響が出るレベルではないとされています。ただし、妊娠の可能性がある時期の腹部CTやバリウム検査などは、念のため月経周期を考慮して時期を選ぶのが安心です。検査を受ける際は「妊娠の可能性がある」ことを必ず担当者に伝え、判断を仰いでください。心配な場合は主治医にご相談を。
Q. ブライダルチェックと不妊検査、どちらを受ければいいですか?
これから妊娠を考える段階で、まだ妊活を始めていない、または始めて間もない方は、まずブライダルチェックがおすすめです。すでに1年以上(35歳以上なら半年以上)避妊せず妊娠しない場合や、できるだけ早く原因を知りたい方は、不妊検査が適しています。迷う場合は、受診先で目的を相談して決めるとよいでしょう。
🏥 妊活の検査・遺伝子検査のご相談
ミネルバクリニックでは、ブライダルチェック・不妊検査に加え、
遺伝子の観点からのスクリーニングを臨床遺伝専門医が提供しています。
オンラインで全国どこからでもご相談いただけます。
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参考文献・出典
- 日本産科婦人科学会「不妊症」 [公式サイト]
- 国立成育医療研究センター「プレコンセプションケアセンター」 [公式サイト]
- 厚生労働省「風しんについて」 [公式サイト]
- ACOG. Carrier Screening(米国産科婦人科学会) [公式サイト]
※本記事は臨床遺伝専門医・仲田洋美の監修のもと、一般的な医学情報として作成しています。
※検査項目・費用・保険適用は受診先や時期により異なります。詳細は受診先にご確認ください。
※本記事の情報は2026年8月現在のものです。






