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不妊症遺伝子検査

不妊症遺伝子検査

原因を知って最も適した治療法を特定可能な検査

原因を知って最も適した治療法を特定可能な検査

不妊症や反復性妊娠喪失を経験されるカップル・ご夫婦のうち10%ほどが遺伝に原因があると推定されています。不妊症遺伝子検査は不妊の要因となる遺伝子の異常を特定できる検査です。

不妊の正確な原因を知ることは、適切な診断・治療を進める上でとても重要です。「なぜ子供が授からないのだろう」と悩み心を傷めるのではなく、患者様ご自身が前向きに早期に治療をお受けいただけるきっかけにもなります。また、お子さんのリスクに関するカウンセリングも充実したものとなることでしょう。

不妊遺伝子検査はお子さんを望むカップル・ご夫婦の前向きな選択を支援できる可能性のあるものです。

不妊症の原因

不妊症の原因

結婚・出産を考える年齢で避妊をせずに性行為を行っているのであれば、半年で7割、1年で9割、2年で10割が妊娠するとされています。日本産婦人科学会では「避妊せずに性行為を行っているものの1年妊娠しない」ケースを不妊としています。
「不妊の原因は女性にある」そう思っている方は少なくありませんが実はそんなことはありません。不妊の原因は男女それぞれにある可能性がありますし、年齢も関係します。実際にWHO(世界保健機関)は不妊症原因の統計では41%が女性、24%が女性男性両方、24%が男性、11%は原因不明と発表しています。不妊治療をお受けになるのであれば、女性だけが悩むのではなく、ご夫婦で原因を正しく知ることが大切です。

女性の不妊症

女性の不妊症

日本生殖器学会によれば、子供を望んでいるのに授からないとお悩みのご夫婦は10組に1組だとされています。世界的に見た場合、調査された時代により不妊症の比率が時代や国によって大きく変わるものの、全体を通してみるとおよそ9%になると推定されています。つまり、不妊症でお悩みのご夫婦はだいたい10%前後と考えられます。

また、年齢は女性の不妊と大きな関わりがあります。妊孕率は20代後半から徐々に低下し、それに伴い不妊症も増加していきます。不妊の頻度は20代後半で8.9%、30代前半で14.6%、30代後半で21.9%、40代前半になると28.9%になります。

※参考データwww.jsrm.or.jp/public/funinsho_qa22.html

不妊症の原因

不妊症の原因は様々あり、原因を特定するのが難しいのが不妊症の悩ましいところです。ただ、原因として考えられるものはいくつかあります。

  • 排卵因子
  • 卵管因子
  • 頸管因子
  • 免疫因子
  • 子宮因子

このうち、不妊の原因が女性にある場合、子宮や卵子に不調・疾患などの何らかの異常があると考えられます。他にも卵管閉塞、無排卵症といった病気が原因となることがあります。その場合は専門医による適切な不妊治療が必要です。

症状改善のためにできること

症状改善のためにできること

不妊症を改善するには正しい原因を知り、クリニックで適切な診療を受けることが大切です。それ以外にも、日常的に意識することで症状改善しやすくなる行動もあります。具体的に女性側でできることを紹介します。

1.ストレスを溜めずにリラックス

1.ストレスを溜めずにリラックス

女性ホルモンは脳から分泌されます。しかし、視床下部や脳下垂体はストレスに弱いといわれ、ストレスが溜まってしまうと女性ホルモンの分泌が正常に行われにくくなります。妊活中はなるべくリラックスする、適度にストレス解消をするのがおすすめです。

2.適度な運動で妊娠しやすい身体づくり

2.適度な運動で妊娠しやすい身体づくり

軽いジョギングやストレッチなど適度な運動は血行を良くしてくれます。骨盤内の血液循環も良くなることで生殖器官の働きが改善され、妊娠しやすい体質に近づける可能性があります。どのような運動でもかまいませんが、できる限り毎日継続できるようなものを選ぶことをおすすめします。

3.冷え性を改善する

3.冷え性を改善する

身体を冷やすと血流が悪くなり卵巣に酸素や栄養が届きにくくなります。そのため卵巣機能が低下しやすくなり、妊娠しにくくなる可能性があります。身体を温める意識はもちろんですが、食事や生活習慣を見直すことが冷え性の改善には大切です。

4.栄養バランスを考えた食事

4.栄養バランスを考えた食事

卵子は体内でつくられるものですから、その源となる食事に気を使うことも妊活では重要です。実際に適切な栄養を摂取している場合、良好な受精卵になりやすいとされています。タンパク質、ビタミンABE、鉄、亜鉛、カルシウム、コレステロールなどは妊娠に必要な栄養素とされています。

逆に過度なダイエットはホルモン分泌が阻害され、難治性の排卵障害を引き起こすリスクがあるためおすすめできません。
また、当たり前のことですが、妊活中はたばこや飲酒も控えることをおすすめします。

女性不妊症に関連する遺伝子変異スクリーニングに含まれる対象遺伝子

AIRE ANOS1 EIF2B3 BMP15 CAPN10 CHD7 CYP11A1 CYP17A1 CYP19A1 DENND1A DUSP6 EIF2B2 FEZF1 FGF8 FGF17 FGFR1 FIGLA FLRT3 FMR1 FOXL2 FSHB FSHR GALT GDF9 GNAS GNRH1 GNRHR HESX1 HS6ST1 INSR IRS1 IRS2 KISS1 KISS1R LHB LHCGR IL17RD  INS NOBOX NR5A1 NSMF POF1B  POLG PROK2 PROKR2 PSMC3IP SEMA3A SPRY4 STAG3 TAC3 TACR3 THADA WDR11 WT1 ZP1

以上の50遺伝子

男性の不妊症

男性の不妊症

不妊の原因は女性にあると思われがちですが、実は不妊の初期検査をすると約半数が男性側にも原因があることが判明します。男性の不妊症は見た目や一般的な健康状態から判断することはほぼできません。そのため、適切な検査を行い原因の有無を調べることが不妊の解決には大切です。

ただ、生活習慣的に精子の質を悪くしてしまうような行動をしてしまっている可能性はあります。例えば、サウナによく入る、ブリーフを愛用している、ノートパソコンを膝の上に置いて仕事をする時間が長いというものです。こうした男性の場合、睾丸を温め過ぎてしまい質の良い精子がつくられにくくなる可能性があるとされています。
いずれにせよ、適切な検査を行うことが妊活ではとても大切であることは間違いありません。

不妊症の原因

不妊症の原因

睾丸(精巣)を温め過ぎると質の良い精子がつくられにくくなります。そのため運動機能が弱まり、卵子にまで行き届かずに妊娠しにくくなる可能性が高まります。その他にも、男性側の不妊症の原因としては以下の要因があります。

  • ストレスが多い
  • 過度のアルコール摂取
  • 喫煙者である
  • 肥満や糖尿病
  • 何らかの病気や薬の影響
  • 精巣が損傷している、機能障害である
  • 精子の産出量が低い、質が悪い

これら以外にも先天性の遺伝要因や後天的な性機能不全(勃起障害やオルガスムス障害等)も原因として考えられます。

症状改善のためにできること

症状改善のためにできること

不妊改善のためには原因の特定と適切な治療が大切です。それとともに、生活習慣を見直して体質を改善することも妊活に良い影響を与えてくれます。例えば、以下のようなことを実践してみるのがおすすめです。

1.適度な運動を継続的に行って肥満を解消・予防する。
2.栄養バランスを考えた食生活を送る。例えば亜鉛の適切な補充は男性不妊症の改善に効果的。
3.1日7時間程度を目安に睡眠をとる。決まった時間に就寝・起床することも意識する。
4.質の良い精子をつくるために、熱い湯船への長風呂や長時間のサウナを避ける。
5.睾丸(精巣)周囲の血管を圧迫しやすい自転車やバイクに長時間乗るのを避ける。
6.アルコール摂取はほどほどにする。
7.禁煙する。

男性不妊症に関連する遺伝子変異スクリーニング

男性不妊症の原因となる遺伝子変異を調べることが可能です。
性染色体の変化
低ゴナドトロピン性性腺機能低下症
Kallmann症候群などの疾患

遺伝子検査のメリット:こうした遺伝子変異は治療の予後を左右します

無精子症の男性は、正常な精子を持つ男性よりも、Y染色体上の微小欠失の頻度が高い。
治療の前に遺伝子検査を受けて病因を明らかにする必要がある。
無精子症と関連する3つの欠失のうち、精巣精子採取術(TESE)で精子を回収できる可能性があるのは1つだけです。

男性不妊症に関連する遺伝子変異スクリーニングに含まれる対象遺伝子

ANOS1 AR AURKC CATSPER1 CFTR CHD7 DAZL DDX25 DUSP6 FGF17  FGF8 FGFR1  FLRT3 FMR1 FSHB FEZF1 FSHR GNRH1 GNRHR HESX1  HS6ST1 IL17RD KISS1 KISS1R LHB LHCGR NR5A1 NSMF PRM1 PROK2 PROKR2 SEMA3A  SRD5A1 SRY SPRY4 TAC3 TACR3 USP26 USP9Y WDR11
以上の45遺伝子

不妊症遺伝子検査のメリット

不妊症遺伝子検査のメリット

不妊症遺伝子パネル検査は遺伝子を調べる不妊症の新しい検査方法です。不妊症や性染色体異常に関わる遺伝子変異を特定できるメリットがあります。変異の有無がわかることで正確な予後判定ができるため、患者様に適した不妊治療を知ることができるのも大きなメリットです。
不妊症の原因がはっきりしない、どんな治療をしたらいいのかわからないとお悩みのカップル・ご夫婦にとって、不妊症遺伝子検査は道を照らす灯火となることでしょう。

遺伝子ブライダルチェックパネル検査|保因者検査+不妊検査+59のActionable疾患遺伝子

不妊症遺伝子パネル検査がすすめられる方

不妊症遺伝子パネル検査は以下のような方におすすめです。

  • 妊活を1年以上しているが結果がでない
  • 月経不順である、月経がない
  • 精子の数が少ない、形態異常、動きが鈍い
  • 性器が小さい、第二次性徴が不規則である
  • 不妊症であると診断された
  • 1回以上の流産を経験した

このような場合は遺伝子に何らかの変異があるかもしれません。不妊症遺伝子パネル検査をぜひお受けください。

女性不妊症に関連する遺伝子変異スクリーニング

女性の不妊症に関する遺伝子変異を調べることができ、以下の疾患を対象としています。

  • 早発卵巣機能不全
  • 多嚢胞性卵巣症候群
  • 卵巣過剰刺激症候群
  • 低ゴナドトロピン性性腺機能低下症
  • コールマン症候群

例えば、早い段階で卵巣機能不全リスクを知ることができれば、若いうちに卵子を採取して凍結保存して将来に備えることができます。

習慣性流産の原因となる血栓症の原因遺伝子検査も追加可能です

ACE AGT AGTR1 APOB APOE F13A1 F5 GP1BA GSTP1 ITGA2 ITGA2B ITGB3 MTHFR MTR MTRR SERPINE1
以上の16遺伝子

費用

検査費用(税込)

男性、女性ともお一人で受ける場合 187,000円
カップルで同時検査はお二人 352,000円
オプション追加
お二人同時
14,300円
22,000円

遺伝カウンセリング料(税込)

基本料金 30分16,500円
以後15分ごとに8,250円加算

わかりやすく動画で紹介

【不妊症、本当の原因は遺伝子かもしれません】現役医師がこっそり教えます

プロフィール

この記事の筆者:仲田洋美(医師)

ミネルバクリニック院長・仲田洋美は、日本内科学会内科専門医、日本臨床腫瘍学会がん薬物療法専門医 、日本人類遺伝学会臨床遺伝専門医として従事し、患者様の心に寄り添った診療を心がけています。

仲田洋美のプロフィールはこちら