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SCA31(脊髄小脳変性症31型)の遺伝子検査|症状・遺伝する確率と、わかったあとにできること

目次

仲田洋美 医師

この記事の監修・執筆:仲田洋美(臨床遺伝専門医)

ミネルバクリニック院長。臨床遺伝専門医・総合内科専門医・がん薬物療法専門医。1995年に医師免許を取得し、遺伝医療と出生前診断に携わっています。

記事の作り方(編集方針)

小脳を示した脳の模式図と、女性医師に相談する女性を配した、SCA31(脊髄小脳変性症31型)の遺伝子検査の紹介画像

SCA31(脊髄小脳変性症31型・脊髄小脳失調症31型)は、日本人に多い遺伝性の脊髄小脳変性症のひとつで、多くは60歳前後から、ふらつきやろれつの回りにくさがゆっくり進む病気です。原因は、16番染色体のBEAN1遺伝子とTK2遺伝子にまたがる場所に入りこんだ、5つの塩基の繰り返し配列(TGGAAなど)です。このページの「BEAN1遺伝子リピート伸長検査」は、この挿入を調べてSCA31かどうかを確かめます。生まれ持った遺伝子は一生変わりません。ご家族にSCA31の方がいる方にとって、一度の検査でわかったことは、仕事・結婚や出産・住まいなど、これからの計画を立てる手がかりになります。症状・遺伝する確率・検査でわかることと、わかったあとにできることを、臨床遺伝専門医が解説します。

⏱️ 30秒でわかる要約

🧬 Q. この検査で何がわかりますか?

SCA31(脊髄小脳変性症31型)の原因となる、BEAN1遺伝子の領域に入りこんだ繰り返し配列(リピート)があるかを調べます。症状のある方の診断の確定にも、ご家族がSCA31の方の発症前の検査にも使います。

🧬 Q. どんな人が受けるとよいですか?

ご家族にSCA31の方がいて、ご自身も同じ変化を受け継いでいるか知りたい方、高齢になってからふらつきが始まり型を確かめたい方、お子さんに伝わるかが心配な方です。型がわからない場合は、まとめて調べる検査のほうが向いています。

🧬 Q. 費用・日数・検体は?

検査費用は税込275,000円、結果までは約2週間です(至急オプション55,000円で約7日短くなります)。検体は血液・唾液・口の内側の粘膜などで、オンライン診療でも受けられます。遺伝カウンセリング料(30分22,000円・税込)が別にかかります。

🧬 Q. 結果のあとはどうなりますか?

結果は臨床遺伝専門医が遺伝カウンセリングで直接ご説明してから、マイページにアップします。SCA31と確定した方のお子さんが受け継ぐ確率は、1人ごとに2分の1です。リハビリや見張り方、ご家族の検査、妊娠を考えるときの選択肢までご説明します。

\ 一生変わらない遺伝子を知って、これからの計画に /

📅この検査を予約する(遺伝カウンセリングの予約)

検査の前に臨床遺伝専門医が遺伝カウンセリングを行い、結果も臨床遺伝専門医が直接ご説明します。

お問い合わせはこちら | 型がわからない方:運動失調リピート伸長パネル

1. SCA31(脊髄小脳変性症31型)とは

SCA31は、小脳が少しずつ縮んでいくことで、歩くときのふらつきや話しにくさが出る、常染色体顕性(優性)遺伝の脊髄小脳変性症です。日本の常染色体顕性遺伝の小脳失調症のなかで、最も多い型のひとつとされています[1]。「SCA」は英語の spinocerebellar ataxia(脊髄小脳失調症)の略で、「脊髄小脳変性症31型」「脊髄小脳失調症31型」は同じ病気を指します。

脊髄小脳変性症には、遺伝と関係なく起こるもの(孤発性)と、遺伝性のものがあります。難病情報センターによると、日本の脊髄小脳変性症のうち孤発性は67.2%、常染色体顕性(優性)遺伝性は27%、常染色体潜性(劣性)遺伝性は1.8%とされ、日本で多い遺伝性の型として、SCA3(マシャド・ジョセフ病)・SCA6・SCA31・DRPLA(歯状核赤核淡蒼球ルイ体萎縮症)が挙げられています(2026年10月時点で確認)。

日本人に多く、日本で原因が見つかった型

SCA31は、日本の研究グループが原因を突き止めた病気です。まず16番染色体の16q22.1という場所に原因があることが家系の研究でわかり[2]、2009年に、その場所に入りこんだ繰り返し配列が原因であると報告されました[3]。

日本の患者さんは、共通の祖先から受け継いだと考えられる同じ型の染色体の領域を持っており、強い創始者効果があるとされています。日本以外では、韓国・台湾・中国などからの少数の報告にとどまり、欧米の小脳失調症の320家系では見つかっていません[1]。

原因:BEAN1とTK2にまたがる場所に入りこんだ繰り返し配列(検査名がBEAN1の理由)

SCA31の原因は、遺伝子の文字(塩基)が1つ変わることではなく、2.5〜3.8kb(キロ塩基)ほどの長い繰り返し配列が「入りこむ」ことです[1]。この挿入は、(TGGAA)n・(TAGAA)n・(TAAAA)n・(TAAAATAGAA)n という5塩基単位の繰り返しが組み合わさった複雑な形をしています。

挿入がある場所は、BEAN1遺伝子とTK2遺伝子が、互いに逆の向きに読まれながら共有しているイントロン(たんぱく質の設計図にならない部分)です。TK2は体中で働く遺伝子ですが、BEAN1は脳でだけ読まれます[1]。病気が脳(小脳)に限って起こることから、検査名には「BEAN1遺伝子リピート伸長検査」という名前が使われています。なお、SCA31の患者さんの小脳を調べた研究では、TK2のRNAやたんぱく質の量は、病気でない人と比べてはっきりした差がありませんでした[8]。

💡 用語解説:TGGAAの繰り返しがカギ

日本人の対照集団で調べた染色体の99.7%では、この場所に「TAAAA」が8〜20回並ぶだけの短い配列が見られました。SCA31の原因となる(TGGAA)nの繰り返しは、調べた範囲では病気でない人からは見つかっていません[1]。一方で、TGGAAを含まない別の挿入を持つ人もいて、それだけでは病気とは関係しないと考えられています[1][4]。

RNAが細胞を傷つけるしくみ

挿入された配列からは、(UGGAA)nという繰り返しをもつRNAが作られます。このRNAは、小脳のプルキンエ細胞の核の中で「RNAフォーカス」と呼ばれるかたまりを作ります。ショウジョウバエを使った研究では、このRNAの毒性は長さと量に応じて強くなり、TDP-43・FUSなどのRNAに結合するたんぱく質が毒性をやわらげうることが示されています[1]。遺伝子の配列ではなく、作られたRNAそのものが害になるしくみはRNA毒性・RNAフォーカスで、繰り返し配列が伸びて起こる病気全体はリピート伸長病(トリプレットリピート病)で詳しく解説しています。

2. SCA31の症状・初期症状・発症年齢

SCA31の症状は、歩くときのふらつき、ろれつの回りにくさ(構音障害)、手足の動きのぎこちなさといった小脳の症状が中心で、多くは60歳前後に始まり、ゆっくり進みます[1]。ほかの多くの型と比べて、小脳以外の症状が目立ちにくいのが特徴です。

初期症状:ふらつき・ろれつが回りにくい

はじめに気づかれやすいのは、歩くときのふらつき、つまずきやすさ、階段の下りにくさ、話すときのろれつの回りにくさです。これらは脊髄小脳変性症の多くの型に共通する症状で、症状だけでSCA31と決めることはできません。型を確かめるには遺伝子検査が必要です。

小脳以外の症状:難聴を伴うことがある

SCA31では、手足の突っ張り(錐体路の症状)や手足のしびれ(末梢神経の症状)、目の動きの制限といった小脳以外の症状は見られないとされています[1]。一方、原因が16番染色体にあるとわかった最初の家系の研究では、聴力検査から、感音難聴が失調と関係している可能性が示されました[2]。別の家系の報告でも、進行する難聴を伴うことが記載されています[9]。聞こえにくさがあるときは、耳鼻咽喉科での聴力検査もご相談ください。

何歳から始まり、どう進むか(MRI・予後)

発症は平均すると60歳前後で、ゆっくり進む失調が特徴です[1]。MRIでは、脳幹は保たれたまま小脳が縮む所見が見られます[1]。病理の研究では、小脳のプルキンエ細胞が縮み、そのまわりを特徴的な物質が取り囲む変化が報告されています[9]。

難病情報センターは、脊髄小脳変性症の予後は型によって違い、一般に小脳の症状に限られる型のほうが予後はよいとしています(2026年10月時点で確認)。ただし、ゆっくりでも進む病気なので、転びやすさへの備えや、仕事・運転・住まいの計画を、早めに考えておくことに意味があります。

3. 脊髄小脳変性症31型は遺伝する?子ども・孫・きょうだいへの確率

SCA31は常染色体顕性(優性)遺伝で、親がSCA31の場合、お子さん1人ごとに2分の1の確率で原因の挿入を受け継ぎます[1]。性別には関係せず、父親からでも母親からでも同じように伝わります。

常染色体顕性(優性)遺伝:お子さんへは2分の1

常染色体顕性(優性)遺伝では、対になった2本の染色体のうち1本に原因があれば発症しうるため、親から子へ伝わる確率は、お子さん1人ごとに2分の1です。上のお子さんが受け継いだかどうかで、下のお子さんの確率が変わることはありません。受け継いでいないお子さんからは、その先の世代へ伝わることはありません。

孫・きょうだいに遺伝する確率

祖父母がSCA31の場合、間にいる親が受け継いでいるか(2分の1)、さらにお孫さんが受け継ぐか(2分の1)で、お孫さんの確率は、親の状態がわからない段階では4分の1と考えます。親が受け継いでいるとわかれば、お孫さんは2分の1、受け継いでいないとわかれば、その家系の原因を受け継ぐ心配はなくなります。きょうだいの場合も、親がSCA31なら、それぞれが2分の1です。ご家族の誰が受け継いでいるかで確率が変わるので、一人ひとりの状況をうかがって考えます。

世代を重ねると早く・重くなる?(表現促進現象)

世代を重ねるごとに発症が早くなる現象を表現促進現象といいます。SCA31では、挿入が長いほど発症が早い、という弱い関係が報告されています[1][4]。親子14組を調べた研究では、子の発症は親より平均6.4年早かった一方で、挿入の長さは伸びた組(6組)と縮んだ組(5組)があり、世代間での長さの変化ははっきりしないと結論づけられました[5]。今の知見では、世代をこえて挿入が大きく伸びていく、はっきりした表現促進現象があるとまでは言えません。

家族歴がはっきりしないことがある理由

SCA31は高齢になってから始まることが多いため、親御さんが発症する前に別の病気で亡くなっていたり、「年のせい」と思われていたりして、家族歴がはっきりしないことがあります。そのため、遺伝と関係ない小脳の病気と区別がつきにくいことがあります。ご家族に思い当たる方がいなくても、高齢で始まった小脳だけの失調では、SCA31を調べる意味があります。

4. どんな人がこの検査を受けるとよいか

ご家族にSCA31の方がいて、ご自身が受け継いでいるか知りたい方、高齢で始まったふらつきの型を確かめたい方、お子さんに伝わるかが心配な方に向く検査です。あなたの1回の検査は、ご両親・きょうだい・お子さんが自分のことを考える手がかりにもなります。

ふらつきなどの症状があり、型を確かめたい方

  • ●中年以降に、歩くときのふらつきや、ろれつの回りにくさが始まった方
  • ●MRIで小脳が縮んでいると言われ、小脳以外の症状が目立たない方
  • ●ご家族に同じような症状の方がいる、またはSCA31と診断された方がいる方

ご家族がSCA31で、ご自身も受け継いでいるか知りたい方(発症前の検査)

症状のない方が、将来発症する可能性を調べる検査を「発症前の検査(予測的検査)」といいます。当院は、ライフステージごとに患者さんの人生をサポートするという考え方で診療しています。知りたいと願う方を拒むことはしません。遺伝カウンセリングで十分に考えたうえで、ご本人が知りたいと決めた場合は、その意思を尊重して検査まで行います。知らないでいる選択も、同じように尊重します。

先が見えないまま過ごすより、わかったうえで、仕事・結婚や出産・住まい・ご家族の介護の準備など、これからの人生を計画したいと考える方もいます。英国でハンチントン病の発症前検査を受けた人の理由として最も多かったのは「不確実さを減らすため」(70.5%)でした[6]。病気は違いますが、「知ることで計画を立てたい」という思いは、SCA31のご家族にも通じるものだと考えています。

一方で、結果を知ったあとの気持ちの変化は、陽性でも陰性でも起こりえます。当院では、結果をお伝えしたあとも、遺伝カウンセリングで相談を続けていただけます。なお、日本医学会の「医療における遺伝学的検査・診断に関するガイドライン」(2022年3月改定)は、成年期以降に発症する病気の未成年者への発症前の検査は、原則として本人が成人し自律的に判断できるまで延期すべきとしています。お子さんの検査は、この考え方を踏まえてご相談ください。

「自分もなるかもしれない」という不安を抱えている方へ

親御さんやきょうだいがSCA31を発症したあと、少しつまずいただけ、言葉が少しもつれただけで「始まったのでは」と心配しながら暮らしている方もいます。そうした不安を、一人で抱えなくてよいように、当院では検査の前後に臨床遺伝専門医と時間をかけて考えていただけます。

検査で、ご家族の原因の挿入を受け継いでいないとわかれば、その家系のSCA31について、ご家族と同じ確率を心配する必要はなくなります(ほかの原因による小脳の病気まで否定できるわけではありません)。受け継いでいるとわかった場合も、できることがあります(第7章の「病的変異が見つかったら、次にできること」)。そして、知らないでいることも、ひとつの選択です。

結婚・妊娠を考えている方

結婚するか、子どもを持つかは、その人の生き方そのものに関わる大きな選択です。知ってから決めるのと、知らずに決めるのとでは、意味が違います。ご自身が原因の挿入を持っているかどうかを妊娠の前に知っておくと、お子さんへの確率がわかり、出生前診断やPGT-M(着床前遺伝学的検査)を含めて、選べることが増えます。どれを選ぶか、何も選ばないかは、ご本人とご家族が決めることです。

この検査より別の検査が向いている場合

ご家族の型がSCA31とわかっているなら、このページの検査です。型がわからないなら、まとめて調べる検査が向いています。

🔍 状況に合わせた検査の選び方

こんなとき 向いている検査
ご家族がSCA31と診断されている このページの検査(BEAN1遺伝子リピート伸長検査)
脊髄小脳変性症だが型がわからない・高齢で始まった原因不明の失調 運動失調リピート伸長遺伝子パネル検査(BEAN1を含む18遺伝子)
ご家族がSCA3(マシャド・ジョセフ病)・SCA6・DRPLAとわかっている ATXN3リピート伸長遺伝子検査(SCA3)・SCA6 CACNA1A遺伝子リピート伸長検査・ATN1遺伝子検査(DRPLA)
遅く始まった失調で、ふらつきが発作のように強まることがある FGF14遺伝子GAAリピート伸長検査(SCA27B)・遅発性運動失調症遺伝子パネル検査
リピート伸長の検査で原因が見つからなかった 運動失調症遺伝子検査パネル(遺伝子の小さな変化を読む検査)

※リピート伸長を調べる検査と、遺伝子の配列を読む検査(NGSパネル)は、見つけられる変化が違います。ハンチントン病などほかのリピート伸長の病気は単一遺伝子のリピート伸長遺伝子検査、ふるえと失調が中心のときはFMR1遺伝子リピート伸長検査(FXTAS)もご覧ください。

\ 妊娠の前に知れば、選べることが増えます /

📅遺伝カウンセリングを予約する(ご希望があれば検査まで受けられます)

当院では、羊水検査・絨毛検査を院内で受けられます(2025年6月から産婦人科を併設)。海外でPGT-Mを考えている方には、英語の検査結果をお渡しできます(検査の時にお申し出ください)。

お問い合わせはこちら | どの検査がよいか迷う方へ

5. この検査で調べること

この検査では、BEAN1遺伝子(とTK2遺伝子が共有する)イントロンの領域に、SCA31の原因となる繰り返し配列の挿入があるかを調べます。方法は、繰り返し配列を目印にして増やすPCR(リピートプライムPCR)と、増えたDNAの長さを測る解析です。

🧪 対象遺伝子と、わかる病気

遺伝子 調べる変化 関係する病気・遺伝のしかた
BEAN1(1遺伝子) BEAN1とTK2が共有するイントロンへの、(TGGAA)nを含む繰り返し配列の挿入 脊髄小脳失調症31型(SCA31)・常染色体顕性(優性)遺伝

※挿入の構造と場所は文献[1][3]による。

この検査は、遺伝診療先進国・米国の3大遺伝子検査会社の一角で行います。※

※「3大遺伝子検査会社」は、遺伝性がんや周産期(出生前検査・保因者検査)を含む遺伝子検査全般を手がける米国の検査専業会社のうち、2025年通期の売上高が上位の3社を指します(各社の決算発表にもとづく当院調べ)。がん検診やリキッドバイオプシーに特化した会社は含みません。

6. この検査でわかること・わからないこと

この検査でわかるのは、SCA31の原因となる繰り返し配列の挿入があるかどうかです。一方で、遺伝子検査には必ず限界があります。

  • ●正確な繰り返しの数:大きな挿入では、繰り返しの正確な数までは測れないことがあります。
  • ●挿入があっても病気とは限らない場合:長野県の研究では、病気でない人405人のうち3人(0.7%)に、TGGAAを含まない短めの挿入が見つかっています。挿入があることや、その長さだけでは、病気の原因と決められないとされています[4]。結果は、挿入の中身を含めて臨床遺伝専門医がご説明します。
  • ●調べていない変化:この検査はリピートの挿入だけを調べます。遺伝子の配列を読む検査(シーケンス)や、欠失・重複の検査、メチル化の検査は含まれていません。染色体の組み換わり(転座・逆位)、遺伝子の働きを調節する場所の変化、体の一部の細胞にだけある変化(モザイク)も、この検査の対象外です。
  • ●陰性でもほかの型は否定できません:この検査はSCA31だけを調べます。挿入が見つからなくても、SCA3・SCA6・DRPLAなど、ほかの型の脊髄小脳変性症の可能性は残ります。
  • ●発症の時期や重さ:挿入が長いほど発症が早い傾向は報告されていますが、関係は弱く[1][4]、長さから一人ひとりの発症年齢や進み方を予測することはできません。

7. 結果が出たあと

結果は、臨床遺伝専門医が遺伝カウンセリングで直接ご説明してから、マイページにアップします。結果だけをお送りすることはありません。報告書の見方はNIPT/遺伝子検査結果の見かたで解説しています。

結果は、基本的に日本語版でお渡ししています。海外でPGT-Mを受けるなど、英語の原本が必要な方には英語版をお渡ししますので、検査の時にお申し出ください。英語版と日本語版の双方を希望される方は、追加料金5,500円で承ります。

陽性だったとき:診断の確定

症状のある方では、SCA31と診断が確定し、病名がはっきりします。症状のない方では、将来SCA31を発症する可能性が高いことがわかります。ただし、いつ始まるか、どこまで進むかは、この検査ではわかりません。ご両親・きょうだい・お子さんも、同じ挿入を持っている可能性があります。

病的変異が見つかったら、次にできること

わかるだけで終わりではありません。立場ごとに、次にできることがあります。治療やリハビリは、脳神経内科などの専門の医療機関で受けていただきます。

① 症状のある方:病名が決まると、受ける治療・リハビリ・使える制度が決まります。脊髄小脳変性症の運動失調には、タルチレリン(商品名セレジスト)が「脊髄小脳変性症における運動失調の改善」の効能で承認されています(添付文書2025年12月改訂版で確認)。小脳だけが障害される型の脊髄小脳変性症の方42人を対象にした日本の研究では、4週間の集中的なリハビリ(平日1日2時間・週末1時間の理学療法・作業療法)で、失調・歩く速さ・日常生活の動作が、すぐにリハビリを始めなかった群より改善し、歩行の改善は24週後まで続きました[7]。転びやすさへの備え(手すり・杖・住まいの工夫)や、聞こえにくさの確認も大切です。

② 症状のない方(発症前の検査で受け継いでいるとわかった方):すぐに治療が必要になるわけではありません。ふらつきやろれつの変化に気づいたら脳神経内科を受診する、という見張り方を決めておけます。仕事・運転・住まい・介護の準備、ご家族との話し合いを、時間のあるうちに進められます。

③ 研究の状況:病気の原因となる(UGGAA)nのRNAに結びつく低分子化合物が、RNAフォーカスをほどき、ショウジョウバエのモデルで症状をやわらげたという報告があります[10]。ただし、これは動物モデルでの研究段階で、人での治療としてはまだ確立していません。最新の治験の情報は、主治医にご確認ください。

④ 子どもを持つときの選択肢:お子さん1人ごとに2分の1の確率で受け継ぎます。知ってから選べることには、自然に妊娠して出生前診断を受ける、PGT-M(日本産科婦人科学会の審査を経て国内で、または海外で)を考える、そして何もしないでそのまま産む、があります。どれも、その方の選択として尊重されるものです(くわしくは下の2つの見出しで)。考え方は遺伝性疾患があっても、子供を諦めないでほしいでも解説しています。

⑤ ご家族:ご家族の中で原因がわかっていると、きょうだい・親・いとこが同じ挿入を持っているかを、同じ方法で調べられます。症状のないご家族の検査は発症前の検査になるため、ご本人の意思で、検査の前に遺伝カウンセリングを受けていただきます。

⑥ 当院でのその後:結果は臨床遺伝専門医が遺伝カウンセリングでご説明し、次にどうするかを一緒に考えます(遺伝カウンセリング料は30分22,000円・税込)。

陰性だったとき

ご家族の原因がSCA31とわかっていて、ご自身に挿入が見つからなかった場合は、その家系のSCA31は受け継いでいないと考えます。症状があるのに挿入が見つからなかった場合は、ほかの型の脊髄小脳変性症や、ほかの病気を考え、運動失調リピート伸長パネルや運動失調症遺伝子検査パネルを検討します。

判断が難しい結果・意義がまだわからない変化(VUS)

TGGAAを含まない挿入など、病気との関係をすぐに判断できない結果が出ることがあります。遺伝子検査全般では、病気の原因かどうかまだわからない変化をVUS(臨床的意義不明のバリアント)と呼びます。こうした結果は、それだけで診断やご家族の発症予測の根拠にはしません。ただし、その変化が病気と関係するかを確かめるために、ご家族の検査を検討することはあります。研究が進んで、のちに意味がはっきりすることもあります。結果の伝え方については、当院の二次的所見の開示方針もあわせてご覧ください。

妊娠を考えている方:出生前診断の相談

ご家族で原因の挿入がわかっていれば、妊娠したときに赤ちゃんが同じ挿入を受け継いでいるかを調べることが考えられます。

絨毛・羊水からの胎児の出生前診断は当院で承っております。

ただし、SCA31のように大人になってから発症する病気の出生前診断をどう扱うかは、病気の重さや国内の指針を踏まえて個別に考える必要があります。妊娠を考えるときは、出生前診断ができるかも含めて、妊娠を考えている段階から当院でご相談いただけます。当院の羊水検査・絨毛検査は院内で行っています(2025年6月から産婦人科を併設)。

海外でPGT-M(着床前遺伝学的検査)を考えている方へ:英語の検査結果をお渡しできます

PGT-Mは、体外受精でできた受精卵(胚)の一部の細胞を調べ、ご家族でわかっている遺伝子の変化を受け継いでいない胚を選んで子宮に戻す検査です。当院には、海外でPGT-Mを受けたいというお問い合わせが多く寄せられています。当院は体外受精・PGT-Mを行っていません。当院でできるのは、原因の確定、英語の検査結果のご用意、遺伝カウンセリング、ご家族の遺伝子検査、妊娠後の絨毛検査・羊水検査です。英語の原本が必要な方には英語版をお渡ししますので、検査の時にお申し出ください。

欧州ヒト生殖学会(ESHRE)の指針は、PGT-Mの準備として、①病気の原因と確かめられた遺伝子の変化があること、②その変化が書かれた元の報告書、③ご家族の検体を挙げています[11]。受精卵から取れるDNAはごくわずかで、変化を直接読むだけでは判定を誤るおそれがあるため、変化のある場所の両側の目印をたどって「変化をもつ染色体」を家系の中で確かめる方法(ハプロタイプ解析)を組み合わせます。顕性遺伝の病気では、その目安として、患者さん少なくとも1人(できれば2人)、および/または発症していない方1人のDNAが挙げられています[11]。ご本人の検査結果だけでは、PGT-Mの準備はふつう整いません。血縁者がいない場合について、指針は受精卵や精子を使って調べる方法も挙げていますが、できるかどうかは施設や家系の状況で大きく変わり、受けられないこともあります[11]。

海外でPGT-Mを考えている方は、ご本人の検査の段階から、検査に協力していただけるご家族(とくに同じ変化をもつ方)がいるかを考えておくことが大切です。当院では、ご家族の遺伝子検査も、遺伝カウンセリングのうえでお受けしています。臨床遺伝専門医としての判断では、意義がまだわからない変化(VUS)をそのままPGT-Mの対象にするのは難しく、海外の施設によって求められる書類や検体も違うため、受ける予定の施設にも前もって確認しておくことをおすすめします。

⚠️ PGT-Mは診断ではなく、スクリーニング検査です

PGT-Mは受精卵のごく一部の細胞を調べる検査で、結果が赤ちゃんの状態と食い違うことがあります。ESHREの指針は、多くの施設で誤った結果になる割合は全体で1〜3%まで下げられているとしたうえで、PGTのあとに妊娠したすべての方に出生前診断を提案すべきとしています[12]。PGT-Mで選んだ胚で妊娠した場合も、妊娠中に赤ちゃんそのものを調べる確定検査(絨毛検査・羊水検査)で確かめることが望ましいと当院は考えています。当院では絨毛検査・羊水検査を院内で行っており、海外でPGT-Mを受けたあとの妊娠でもご相談いただけます。

日本では、日本産科婦人科学会の「重篤な遺伝性疾患を対象とした着床前遺伝学的検査(PGT-M)に関する指針」(2026年9月改定)にもとづき、症例ごとに学会の審査を受け、実施施設の倫理委員会が承認して行われます。この指針の「重篤」は、原則として、成人に達する前に日常生活が著しく損なわれる、または生存が危ぶまれる状態になる疾患で、有効な治療法がないか、あっても高度かつ侵襲度の高いもの、とされています。成人に達する前に生存が危ぶまれるわけではないが日常生活が著しく損なわれる疾患では、その病気の専門医の意見書などを追加で出す仕組みもあります。対象になるかは審査で個別に決まります。

PGT-Mの対象になる病気は、国によって違います。日本では学会が症例ごとに審査しており、2025年7月〜2026年6月の1年間に審査した73件のうち37件が審査継続中でした(2026年9月の学会発表)。英国では、公的機関(HFEA)がPGT-Mを使える病気の一覧を公表しており、2026年9月17日更新の一覧には2,067の病気が載っています。脊髄小脳失調症も、SCA3(マシャド・ジョセフ病)を含む多くの型が載っており、一覧にない病気は施設を通じて申請し、HFEAが審査します。米国にはPGTを直接規制する連邦や州の法律はなく、主に医師・施設の判断で行われています[13]。米国生殖医学会の倫理委員会は2024年に、大人になってから発症する病気に対するPGT-Mも倫理的に許容されうるとする意見を出しています[14]。どの病気がPGT-Mの対象になるかは、国や制度、施設によって違います。同じ病気でも、ある国では対象になり、別の国では個別の審査が必要になることがあります。受ける国の制度と、施設の条件を前もって確かめてください。準備に必要なことは海外でPGT-M(着床前診断)を考えている方へでくわしく解説しています。

8. 日本の制度(2026年10月時点)

SCA31を含む脊髄小脳変性症は、指定難病18「脊髄小脳変性症(多系統萎縮症を除く)」の対象です。難病情報センターのページ(2025年12月情報更新)では、医療受給者証の所持者は25,447人(2012年度)とされています(2026年10月時点で確認)。

医療費の助成を受けるには、診断基準と重症度の基準を満たし、申請する必要があります。遺伝子検査で型が確定していることは、診断の手がかりになります。認定の基準や申請の方法は、難病情報センターやお住まいの自治体の窓口でご確認ください。

9. 検査の流れ・費用・結果までの日数・検体

検査費用は税込275,000円、結果までは約2週間です。唾液・口の内側の粘膜・血液のいずれでも、オンライン診療で受けられます。

ご予約
▶
遺伝カウンセリング臨床遺伝専門医・オンライン可
▶
検体の採取お支払い後にキット送付
▶
結果のご説明約2週間後・マイページへ

💴 費用・日数・検体

項目 内容
検査内容 BEAN1遺伝子リピート伸長検査(1遺伝子、リピート伸長解析)
検査費用 税込275,000円
結果までの期間 約2週間(至急オプション:55,000円で約7日短くなります)
検体 血液(EDTAチューブ4ml×2本、紫色のキャップ)、抽出したDNA(3μg)、口の内側の粘膜(頬粘膜スワブ)、唾液
遺伝カウンセリング料 30分22,000円(税込)※検査費用とは別
オンライン診療 唾液・口の内側の粘膜・血液のいずれも可能(血液は全国の提携医療機関で採血)

※当院の検査・遺伝カウンセリングはすべて自費診療です。ご夫婦・カップルで同じ検査を同じ日に一緒に受ける場合は、遺伝カウンセリング料が1人分になります(検査費用の割引はありません)。

オンライン診療(ビデオ通話での診療)で遺伝カウンセリングを行ったあと、検体を当院にお送りいただく流れです。オンラインの場合は、遺伝カウンセリング料金を事前にお支払いください。検体採取キットは、検査料金をお支払いいただいたあとにお送りします。検体の取り違えを防ぎ、検査に使える品質を保つため、ご自身の判断で先に検体を採らないでください。

遺伝カウンセリングでは、検査で何がわかり、何がわからないか、結果がご家族にとってどういう意味をもつかをご説明します。検査を受けるかどうかは、説明を聞いて納得してから決めていただきます。

\ 人生に一度の遺伝子検査を、ご家族とこれからの計画に /

📅この検査を予約する(遺伝カウンセリングの予約)

臨床遺伝専門医が常駐し、結果も臨床遺伝専門医が直接ご説明してからマイページにアップします。

お問い合わせはこちら | 型がわからない方:運動失調リピート伸長パネル

10. 院長コラム

仲田洋美院長

🩺 院長コラム【「年のせい」と決める前に、知ってから選ぶ】

私自身、希少な常染色体顕性(優性)遺伝性疾患の当事者です。子どもに病気を受け渡したくない、という遺伝の病気をもつ方の思いはよくわかります。また、お子さんが重い症状で発症したのをきっかけに、ご自身も同じ遺伝子の変化を持っていたとわかり、自分のせいだと責めてしまう親御さんを、何度も見てきました。私の当事者としての話は、遺伝性疾患の当事者として、臨床遺伝専門医になった理由に書いています。

SCA31は、多くが60歳前後から始まる病気です。そのため、ご本人が発症に気づくころには、お子さんがすでに結婚や出産を考える年齢になっていることも少なくありません。結婚するか、子どもを持つかは、その人の生き方そのものに関わる大きな選択です。知ってから決めるのと、知らずに決めるのとでは意味が違う、と私は考えています。遺伝子の変化は誰にでも起こりうるもので、誰のせいでもありません。

遺伝子検査は、やってみないとわからないことを、何度も経験してきました。検査をしないと何も言えない、というのが私の確固たる考えです。たとえば、家族歴が濃いものの、ご本人は大学を卒業して会社に勤めていた方が、念のため検査を受けたところ、染色体の微小欠失が見つかったことがあります。こうした経験から、当院では、検査を受けずにリスクだけをご説明することはしておりません。検査をせずにリスクをお伝えするほうが、かえって危険だと考えているためです。

わからないまま悩み続けるより、わかったことから次を考えるほうが前に進める、と考えています。知ったうえで結婚や妊娠を考えたい方には、出生前診断まで当院で続けて支えられる体制を整えています。知る・知らない、子どもを持つ・持たない、どの選択をされても、その選択を尊重します。

よくある質問(FAQ)

Q1. SCA31(脊髄小脳変性症31型)の初期症状は?

歩くときのふらつき、つまずきやすさ、ろれつの回りにくさから気づかれることが多く、多くは60歳前後に始まってゆっくり進みます。手足の突っ張りやしびれなど小脳以外の症状は目立ちにくい一方、難聴を伴うことがあると報告されています。症状だけでは型を決められないため、確かめるには遺伝子検査が必要です。

Q2. 脊髄小脳変性症31型は子どもや孫に遺伝しますか?遺伝する確率は?

SCA31は常染色体顕性(優性)遺伝で、親がSCA31の場合、お子さん1人ごとに2分の1の確率で受け継ぎます。お孫さんの確率は、間にいる親が受け継いでいるかがわからない段階では4分の1と考え、親が受け継いでいるとわかれば2分の1です。父親からでも母親からでも同じように伝わります。

Q3. 親がSCA31です。自分も発症するか、症状が出る前に調べられますか?

調べられます。当院は知りたいと願う方を拒むことはせず、遺伝カウンセリングで十分に考えたうえで、ご本人が知りたいと決めた場合は検査まで行います。知らないでいる選択も同じように尊重します。日本医学会のガイドライン(2022年3月改定)にもとづき、未成年の方の発症前の検査は、原則として成人してご自身で判断できるまで延期します。

Q4. SCA31の余命・予後は?治療法はありますか?

難病情報センターは、脊髄小脳変性症の予後は型によって違い、一般に小脳の症状に限られる型のほうが予後はよいとしています。SCA31はゆっくり進む型です。原因そのものを治す治療はまだありませんが、運動失調に使われる薬(タルチレリン)があり、集中的なリハビリで失調や歩行が改善したという日本の研究もあります。治療やリハビリは脳神経内科などの専門の医療機関で受けていただきます。

Q5. 家族に脊髄小脳変性症の人がいると、結婚に差し支えますか?

遺伝の確率は、病気の型と、ご家族の誰が原因を持っているかで変わります。検査で、ご自身が原因を受け継いでいるか、お子さんへの確率がどれくらいかを知ることができます。受け継いでいた場合も、出生前診断やPGT-Mなど、知ったうえで選べる選択肢があります。結婚前に考えたいことは、結婚前に考えたい遺伝性疾患のリスクのページでも解説しています。

Q6. 脊髄小脳変性症の遺伝子検査はどこで受けられますか?費用は?

当院では、SCA31を調べるBEAN1遺伝子リピート伸長検査を税込275,000円で行っており、結果までは約2週間です。唾液・口の内側の粘膜・血液で、オンライン診療でも受けられます。遺伝カウンセリング料(30分22,000円・税込)が別にかかり、当院の検査・遺伝カウンセリングはすべて自費診療です。

Q7. 型がわからない場合、どの検査を受ければよいですか?

ご家族の型がSCA31とわかっていればこの検査が向いています。型がわからない場合は、SCA31の原因のBEAN1を含む18遺伝子のリピート伸長をまとめて調べる運動失調リピート伸長遺伝子パネル検査が向いています。どちらが合うかは、遺伝カウンセリングで一緒に決めます。

Q8. 海外でPGT-Mを受けたいのですが、英語の検査結果はもらえますか?

はい。英語の原本が必要な方には英語版をお渡ししますので、検査の時にお申し出ください。英語版と日本語版の双方を希望される方は、追加料金5,500円で承ります。当院は体外受精・PGT-Mを行っていません。また、ご本人の検査結果だけでは、PGT-Mの準備はふつう整いません。顕性遺伝の病気では、患者さん少なくとも1人(できれば2人)、および/または発症していない方1人など、ご家族の検体が必要になることがあります。

Q9. SCA31は指定難病ですか?

はい。SCA31を含む脊髄小脳変性症は、指定難病18「脊髄小脳変性症(多系統萎縮症を除く)」の対象です(2026年10月時点、難病情報センターの情報)。医療費の助成を受けるには、診断基準と重症度の基準を満たし、申請する必要があります。

結婚前の不安については結婚前に考えたい遺伝性疾患のリスク、海外でのPGT-Mは海外でPGT-M(着床前診断)を考えている方へもご覧ください。

🧬 一度の検査で、ご自身とご家族のこれからを考える

生まれ持った遺伝子は一生変わりません。SCA31(脊髄小脳変性症31型)を受け継いでいるかがわかれば、ご自身の見張り方やリハビリ、仕事・住まいの計画だけでなく、ご家族の検査や、結婚・妊娠の計画を考える手がかりになります。当院では臨床遺伝専門医が常駐し、検査の前後の遺伝カウンセリングから、羊水検査・絨毛検査による出生前診断の相談まで、院内で続けて受けていただけます。

お電話でのお問い合わせ:03-3478-3768

参考文献

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仲田洋美 医師(臨床遺伝専門医)

この記事の監修・執筆者:仲田 洋美

(臨床遺伝専門医/がん薬物療法専門医/総合内科専門医)

ミネルバクリニック院長。1995年に医師免許を取得後、 臨床遺伝学・内科学・腫瘍学を軸に診療を続けてきました。 当サイトの記事は、院長が自ら執筆し、医学的な内容を確認してから公開しています。

出生前診断(NIPT・確定検査・遺伝カウンセリング)においては、 検査結果の数値そのものだけでなく、 「結果をどう受け止め、どう生きるか」までを医療の責任と捉え、 一貫した遺伝カウンセリングと医学的支援を行っています。

ハイティーンの時期にベルギーで過ごし、 日本人として異文化の中で生活した経験があります。 価値観や宗教観、医療への向き合い方が国や文化によって異なることを体感しました。 この経験は現在の診療においても、 「医学的に正しいこと」と「その人にとって受け止められること」の両立を考える姿勢の基盤となっています。

また、初めての妊娠・出産で一卵性双生児を妊娠し、 36週6日で一人を死産した経験があります。 その出来事は、妊娠・出産が女性の心身に与える影響の大きさ、 そして「トラウマ」となり得る体験の重みを深く考える契機となりました。 現在は、女性を妊娠・出産のトラウマから守る医療を使命の一つとし、 出生前診断や遺伝カウンセリングに取り組んでいます。

出生前診断は単なる検査ではなく、 家族の未来に関わる重要な意思決定です。 年齢や統計だけで判断するのではなく、 医学的根拠と心理的支援の両面から、 ご家族が後悔の少ない選択をできるよう伴走することを大切にしています。

日本人類遺伝学会認定 臨床遺伝専門医/日本内科学会認定 総合内科専門医/ 日本臨床腫瘍学会認定 がん薬物療法専門医。 2025年には APAC地域における出生前検査分野のリーダーとして国際的評価を受け、 複数の海外メディア・専門誌で特集掲載されました。

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