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妊活をしていても思うように妊娠しないと不妊症を疑うのは当然の流れです。そして調べていく中で、女性だけでなく男性も不妊症になるということを知った方も多いのではないでしょうか?
そこでこの記事では、男性不妊を疑っている方向けに、以下の内容をお伝えします。
- ・男性不妊とは?
- ・男性不妊の原因・検査・治療法
男性不妊を疑っている方が始めに知っておくべき基礎知識を集約した記事になっているため、ぜひ最後までご覧ください。
また、最後まで読むことで今あなたにできる解決方法についても考えられるようになります。不妊症を改善もしくは、不妊症の疑いを解消して、1日でも早く妊娠できるようになりましょう。
男性不妊とは?
妊活を目的に通常の性生活を送っていても思うように妊娠しないなら、不妊症を疑うのは当然の流れです。そして、女性だけでなく男性も例外ではありません。
そして女性不妊に関する情報は多いため、インターネットを通じて様々なデータを得ることができます。しかし、男性不妊に関する情報はまだまだ少ないのが現状です。
そこでこの章では、男性不妊について以下の内容を解説します。
- ・男性不妊とは?
- ・【セルフチェック可】男性不妊になりやすい人の特徴
- ・日本における男性不妊の割合
「不妊症かもしれない」と1人で悩んでいる男性の方は、男性不妊の基礎知識を深めるのにご活用ください。
男性不妊とは?
男性不妊とは、男性側に原因があり不妊症になることです。不妊症は女性だけでなく、男性が原因にもなることもあり、2017年のWHO(世界保健機構)のデータによると男女比は以下の通りになります。
- ・女性:41%
- ・男性:24%
- ・男女共:24%
- ・不明:11%
男性不妊の原因の「約80%」は、造精機能障害であることも分かっています。造精機能障害とは、活動性のある精子を作れない障害のことです。つまり、精子を受け入れる女性(卵子)がどれほど元気な状態であっても、受精する可能性は低いということです。
そして、男性不妊を一人で解決するのは難しく、放っておくと妊娠する機会を確実に失います。妊娠できないと悩む前に、次に紹介する簡単なチェックリストで男性不妊の可能性があるかを確認してみましょう。
参考資料:朝日新聞/不妊治療の保険適用 社会全体で必要な目配りは
【セルフチェック可】男性不妊になりやすい人の特徴
「不妊症では?」と疑っても一人で確認する方法がありません。特に男性不妊は注目され始めて日が浅いため情報が少なく、確認方法が分かりにくい弱点があります。
そこで、男性不妊かどうかを簡単に調べる以下のチェックリストを作成しました。
- ・陰嚢に熱や違和感・痛みを感じる
- ・20際以降で流行性耳下腺炎(おたふく風邪)にかかったことがある
- ・鼠径ヘルニアの手術をしたことがある
- ・抗がん剤治療中もしくは治療後
- ・早漏・遅漏など射精に何らかの問題がある
- ・勃起しない
- ・糖尿病神経障害もしくはその可能性がある
チェックリストに複数当てはまる方は男性不妊の可能性があるため、泌尿器科のある病院やメンズクリニックを受診しましょう。
とは言っても始めから病院を受診するのは、ハードルが高いと感じる方もいるのではないでしょうか?
そこで、これらのチェックリストに加えて、最近では男性不妊を調べる市販の検査薬もあります。男性不妊の80%を占める造精機能障害の原因である精子の活動率や濃度を調べられ、自宅で簡単にできることがメリットです。
例えば、「seem(シーム)」という商品があります。スマホと連動して自宅で簡単に検査できる優れものなので、気になる方はぜひチェックしてみてください。
参考資料:seem(シーム)
日本における男性不妊の割合
世界保健機構(WHO)の報告によると、男性全体の「約24%」、つまり「4人に1人」が不妊であるとしています。このデータからも分かるように、現代社会において男性不妊は珍しいことではありません。
また厚生労働省の調査によると、不妊症の疑いや診断があった夫婦が実際に不妊治療を始める割合は「5.5組に1組」と少ないことも分かります。つまり、不妊症と認めたり、実際に治療を始めたりするのには、高いハードルがあると考えられます。
加えて知人や職場の人などに相談しにくいデリケートな悩みだけに、診断されていない男性不妊の方も含めると、もう少し割合は高くなりそうです。
一方で近年、不妊症への社会的な理解が進んでおり、当事者が最初の一歩を踏み出しやすい社会になりつつあることも事実です。
参考資料:厚生労働省/不妊症治療と仕事との両立サポートハンドブック P2
男性不妊の4つの原因
男性不妊になる原因は、以下の4つが考えられます。
- ・造精機能障害
- ・性機能障害
- ・副性器機能異常
- ・精路通過障害
症状が乏しく、知らず知らずのうちに不妊症になっていたという方もいます。そのため、これらの原因とあなた自身を照らし合わせながら、不妊症の可能性を探ってみましょう。
原因①:造精機能障害
造精機能障害とは受精するための活動性の高い精子が作られていない障害のことです。
特発性に発症し、原因は未だに解明されていません。ただし、以下の病気や症状が原因で発症することもあると考えられています。
- ・視床下部、下垂体障害
- ・精索静脈瘤
- ・先天性精管欠損
- ・停留精巣
- ・無精子症
- ・染色体異常症
これらの病気や症状が原因で活動性の高い精子が作られていない可能性があります。例えば停留精巣であれば、陰嚢が下降しておらず体温が伝わることで、熱に弱い精子の活動が低下したり、死滅したりします。
他にもクラインフェルター症候群という染色体異常症が有名です。極度に精巣が萎縮しているため、精子自体が作れません。生まれつきの障害である上に治療の術がないため、絶対的な不妊症とも言われます。
この様に妊娠するための精子自体が弱っている、もしくは作れていない状態のことを造精機能障害と言います。
参考資料:兵庫医科大学 泌尿器科学教室/男性不妊症・機能障害
原因②:性機能障害
性機能障害とは精子自体に異常はないものの、パートナーの生殖器に精子が届かず妊娠しない障害のことです。
性機能障害には、以下の3種類があります。
- ・性交障害
- ・射精障害
- ・性欲障害
早漏や遅漏、射精不可能などの射精障害や性行為のモチベーションが維持できない性欲障害など、性機能障害の原因は様々です。夫婦の関係性や性行為に対する考えの違いなど、非常にデリケートな問題が隠れていることがあります。
そのため、カウンセリングを通して心の問題がないかを探ったり、症状に対しては薬物療法で改善を目指すのが一般的です。詳しくは、第4章の「障害別|男性不妊の治療法」で詳しく解説します。
また、近年注目を集めているバイアグラは、勃起不全(ED)という性交障害の治療薬として有名です。性機能障害の改善と妊娠率の向上が期待されているため、勃起不全(ED)と診断された場合は、処方してもらいましょう。
原因③:副性器機能異常
副性器機能異常tは、精巣上体・精管・精のう・前立腺などの睾丸以外の臓器の機能不全が原因で起こる障害のことです。
静液検査で精液中の白血球の数が基準値よりも多いと副性器機能異常が疑われます。主に各臓器の炎症が原因で発症すると考えられており、抗生物質を服用しながら治療方針を考えます。
例えば、精嚢や前立腺が炎症を起こしているなら性感染症(STD)を疑い、クラミジアやその他の性感染症の検査を行います。特に男性はクラミジアにかかっていても自覚症状に乏しい傾向にあるため、発見に時間がかかるケースも稀ではありません。
また、性感染症であればパートナーもかかっている可能性が高いため、一緒に検査してもらうことをおすすめします。
原因④:精路通過障害
精子の通り道である精路が狭くなったり、塞がったりすることで、1回の射精に対して精子量が確保されない障害のことです。具体的には、以下の症状があります。
- ・乏精子症(精液中の精子数が基準に満たない)
- ・無精子症
- ・逆行性射精
- ・閉塞性無精子症
例えば、クラミジアなどの性感染症の炎症で精巣上体や精管が圧迫されると、精路通過障害を発症します。
重度の精路通過障害になると、射精した感覚はあるが精液が出ない「逆行性射精」になります。射精したはずの精子は膀胱に逆流して排尿時の違和感や炎症の原因にもなるため、早急な治療が求められるでしょう。
男性不妊の検査
男性不妊が疑われた場合、まずは原因を特定するために各種検査を行います。
検査の種類については、以下の3つに分類できます。
- ・静液検査
- ・内科的検査
- ・外科的検査
検査によっては羞恥心や苦痛を伴うものもあり、事前に検査内容を知っておかないと後悔したということにもなりかねません。
検査①:静液検査
妊娠するためには精子の質が重要です。いくら射精されているといっても活動性が低かったり、数が少なかったりすると妊娠率は格段に落ちます。
そこで、これらを評価するために「静液検査」が行なわれます。
精液検査で確認できることは、以下の通りです。
- ・精液の量(一回射精量)
- ・精子の数(精液中の濃度)
- ・運動率(活動性があるか)
- ・精子の形態(奇形などの異常がないか)
2日〜1週間の禁欲を行い、その後の射精で採取した精液を顕微鏡で分析します。精液の中に精子がない状態を「無精子症」、精子1mLあたりに1,500万個未満しかいないと「乏精子症」と診断されます。
以下の表は、日本生殖医学会の静液検査の結果と考えられる症状の一覧です。
(一般社団法人 日本生殖医学会/Q7.不妊症の検査はどこで、どんなことをするのですか?より画像引用)
精子の質は射精したタイミングにより左右されるため、再検査で違う結果になることもあります。ただし、精液検査は保険適応外であり全額自己負担となるため、検査費用による経済的な負担も考慮して、再検査を検討する必要があります。
また、検査には羞恥心が伴うため、プライバシーに十分配慮しながら行えるかを事前に確認しておくと安心して受けられるでしょう。
参考資料:一般社団法人 日本生殖医学会/Q7.不妊症の検査はどこで、どんなことをするのですか?
検査②:内科的検査
内科的検査では、不妊症に関わる病気や状態を診察や各種検査をしながら確認します。
具体的には、以下の検査が行われます。
- ・診察・問診
- ・エコー検査(超音波検査)
- ・染色体検査
- ・ホルモン検査
- ・抗精子抗体
- ・Y染色体検査
- ・AMH(アンチミューラリアンホルモン)
- ・性感染症検査
- ・HTLV
診察を通して不妊を誘発する原因がないかを探ります。また。血液検査にてホルモンや染色体・遺伝子異常がないかを確認します。特に無精子症の方は染色体・遺伝子異常が原因の可能性が高いため、検査項目として必須と言えるでしょう。
この他にもエコー検査では、生殖機能の形態異常や精索静脈瘤などが発見できます。例えば、陰嚢・精索・精巣に形態異常があるなら、精路通過障害が疑われます。
ごく稀に精巣がんなどの重篤な病気が見つかるケースもあるので、エコー検査は簡便かつ有用な検査と言えるでしょう。
検査③:外科的検査
精巣静脈瘤や停留精巣が発見されると手術適応となります。手術を受けるためには、以下の外科的な検査(術前検査)をしなければいけません。
心肺機能検査は手術に耐えられる体力があるかを、レントゲン・CTは病変部分の状況を詳しく把握するために行います。手術を受ける病院やクリニックにより術前検査の内容は異なるため、かかりつけ医に確認するようにしましょう。
障害別|男性不妊の治療法
男性不妊の検査について一通り理解できたら、次に気になるのが実際に行われる治療内容ではないでしょうか?
「どんな治療をされるのか?」や「痛みや苦痛が伴うのか?」など気にし出したらキリがありません。
そこでこの章では、男性不妊の治療法について4つの障害別に解説します。
- ・造精機能障害の治療
- ・性機能障害の治療
- ・副性器機能異常の治療
- ・精路通過障害の治療
男性不妊の治療に対するイメージを持ち、少しでも不安を解消した状態で臨むための参考にしていただけると幸いです。
造精機能障害の治療
絶対的な原因が解明されていない造精機能障害に対しては、もちろん治療法も確立されていません。ただし、精索静脈瘤や停留精巣など手術による根治的な治療ができるものもあります。
また、視床下部や下垂体障害が原因で男性ホルモンが乱れている場合は、ホルモン剤や漢方による薬物療法の適応となります。
一方で染色体異常症などの原因不明な病気や症状については、治療効果が期待できないことも十分考えられます。治療前に医師から説明される現状と治療方針についてしっかりと理解した上で、最善を尽くせるようにしましょう。
性機能障害の治療
精神的な原因が大きい性機能障害に対しては、カウンセリングや薬物療法が行われます。
例えば、習慣的なマスターベーションが起因で発症する早漏や遅漏などの射精障害は、ホルモン異常が原因のケースがあります。そこでホルモン剤の内服やマスターベーションの習慣化に対するカウンセリングをフォローアップするのが一般的です。
例えば、勃起障害(ED)であれば、近年注目を集めているバイアグラ(勃起不全改善薬)の内服にて経過観察となるでしょう。勃起障害の原因は、性行為に対する精神的なストレスが関わっていることもあるため、カウンセリングを合わせて受けると効果的です。
性欲障害であれば、妊活や夫婦の肉体関係へのカウンセリングを行うこともできます。妊活は夫婦で協力して行うものなので、夫婦の関係性に問題があれば解決していく必要もあるでしょう。
このように性機能障害の種類によって治療法は異なります。まずは精密検査にて性機能障害の原因を探ることから始めましょう。
副性器機能異常の治療
副性器機能異常の主な原因はクラミジア感染症です。クラミジア感染症による「尿道炎」や「精巣上体炎」に対しては、抗生物質の内服により経過観察を行います。その後、再検査にて「陰性」が確認できれば完治です。
また、クラミジアと診断されたら、できるだけ早く治療を始めましょう。というのも、クラミジアは1回の性行為で相手に「30〜50%」の可能性で感染するからです。パートナーに感染すると、女性不妊の原因になるリスクも十分考えられます。
クラミジアの治療が完了して、妊活を再開するまでに、パートナーにも検査を受けてもらうように相談しましょう。
また、副性器機能異常の予防法や悪化防止法は、以下の通りです。
- ・コンドームを正しい方法で使用
- ・小まめな水分摂取と排尿
周囲への感染拡大を防ぐとともに、尿道についたクラミジアを洗い流すためにも小まめな水分摂取と排尿を心がけましょう。
精路通過障害の治療
ソケイヘルニア手術後の精管閉塞などの精路通過障害に対しては、精路再建術が行われます。ただし、精子自体が正常に作られており、射精する道筋に問題があることが前提条件になります。
例えば、通過障害になっている精巣上体や精管をつなぎ合わせる手術などがあります。術後1年ぐらいで精路が開通すると考えられており、その後は自然妊娠も可能です。術後、ある程度経過した時点で精液検査を行い、精子が適正量出ているかを確認します。
性行為を再開するタイミングは、手術担当医に適宜相談しながら決めましょう。
参考資料:東邦大学/顕微鏡下精路再建手術(閉塞性無精子症)
セルフケアで改善できる?男性不妊の悪化予防法
実は、あなたの生活習慣が男性不妊の症状を悪化させている可能性があります。無意識の行動で男性不妊を悪化させているとしたら、非常に残念です。
特に以下の項目が当てはまるなら注意しましょう。
- ・陰部やその周囲を温めすぎる
- ・「精巣の動きが悪くなる」もしくは「ホルモンバランスが乱れる」生活習慣
陰部やその周囲を温めすぎると精子の活動性が低下します。というのも、精子はタンパク質の塊であるため42度以上の熱で温められると変性を起こすからです。最悪の場合、熱により死滅することも考えられます。
具体的に以下の習慣がある方は、今後は控えておく方が良いでしょう。
- ・長風呂・長サウナ
- ・ノートパソコンを足に乗せて作業する
一方の「精巣の動きが悪くなる」もしくは「ホルモンバランスが乱れる」生活習慣には、以下のようなものがあります。
- ・不規則な生活リズム
- ・運動習慣がない
- ・過度な飲酒・喫煙
- ・ブリーフなど陰部の締め付けが強い下着の着用
- ・自転車やバイクなど長時間の走行
- ・過度な禁欲
これらの生活習慣は今すぐ改善できます。治療の継続と悪化予防により1日でも早く妊娠できるようになりましょう。
男性不妊の治療費【※保険適応】妊娠率の変化も解説
治療を始めるにあたって気になるのは、治療費ではないでしょうか?
不妊治療は普段馴染みがないため、どれぐらい治療費が必要なのかイメージがつきませんよね。
結論、治療内容により費用は大きく異なります。しかし、男性の不妊治療も保険適応内であるため、経済的な負担を軽くしつつ治療を進めることができます。
(厚生労働省/不妊治療の保険適用について P2・3より画像引用)
また厚生労働省によると、「体外受精」や「顕微鏡下精巣内精子回収法」など生殖医療についても、助成金の対象になったことが分かります。
(厚生労働省/不妊治療の保険適用について P2・3より画像引用)
ただし、不妊症の診断をするために行う検査に関しては、保険適応外という点に注意しましょう。
男性の不妊治療の費用は、以下の通りです。
(厚生労働省/不妊治療の実態に関する調査研究について P12より画像引用)
対象者の厳密な条件を満たす必要があるため、事前に確認しておくことをおすすめします。経済的な理由で子どもを諦めるのは非常に残念です。保険適応内や助成金を上手く活用しながら妊娠を目指しましょう。
参考資料
厚生労働省/不妊治療の保険適用について P2・3
厚生労働省/不妊治療の実態に関する調査研究について P12
【インタビュー内容】男性不妊に悩んだ過去から4人家族になった歩み
Aさん「男性不妊は盲点だった」
こう話す知人Aは、男性不妊だと気づくまでに5年間かかりました。
元々、奥様が女性不妊の診断を受けており、治療をしていました。しかし治療完了後も2年ほど妊娠できませんでした。そこで他の原因を探るため再度受診したところ、男性不妊の可能性が浮上したとのことでした。
急いで泌尿器科を受診すると「精索静脈瘤」と診断され、すぐに手術を実施しました。術後合併症もなく順調な経過を辿り、現在では年子で子どもに恵まれ、家族4人で幸せに暮らしています。
不妊症と聞くと女性のイメージが強いですが、男性不妊も少なくありません。「自分だけは大丈夫」と思い込まず、勇気を持って検査を受けましょう。気持ちの良い妊活ができるよう一歩踏み出すことが大切です。
まとめ: もう1人で悩まない|妊娠希望なら要受診
以上、男性不妊に関する基礎知識について詳しく解説しました。
この記事のポイントを一緒に振り返りましょう。
不妊と聞くと女性がなるものというイメージをお持ちの方も多かったのではないでしょうか?
しかし女性と同じように男性も不妊症になることが、この記事を読んでくださった方なら十分理解できたと思います。
男性不妊の原因の「約80%」が健康な精子が作れない造精機能障害と言われています。そして、原因についてはまだまだ解明されていない部分が多々あるのが現状です。しかし、手術や内服によりある程度の改善が見込めるケースもあるため、諦めるのはまだ早いでしょう。
また、不妊症は治療を始める時期が早いほど治療成績が上がります。家で1人悩んでいる時間があるなら、まずは泌尿器科に受診してみましょう。
また不妊治療と聞くと高額な治療費が必要になるイメージが強く、始めるまでのハードルを高く感じる方もいます。
しかし、令和4年度から男女問わず不妊治療が保険対象となりました。これまで経済的な負担を理由に不妊治療を諦めていた方でも、始めやすいのではないでしょうか?
不妊症は1人で悩んでも解決しないため、1日でも早く病院やクリニックを受診しましょう。医師をはじめ、看護師や臨床心理士などの専門家から適切なアドバイスをもらい、1日でも早く妊娠できる日を迎えられることを願っています。
この記事が、男性不妊に対する不安や疑問の解消に役立てれば嬉しいです。