ESMO Congress 2023(マドリッド、10月20~24日)で発表された結果によると、切除可能な局所進行性MMR(ミスマッチリペア)欠損(dMMR)結腸癌(LBA31)患者19人において、ニボルマブ+レラトリマブのネオアジュバント療法(術前化学療法)により、病理学的完全奏効率79%、主要病理学的奏効率89%、全病理学的奏効率100%が得られた事が報告された。初回投与から外科的切除までの間隔は中央値で7.4週間であり、全例が遅滞なく手術を受けた。
NICHE-3試験では全例が病理学的奏効を達成
LBA31_NICHE3_ESMO23
図. NICHE-3試験のMMR欠損結腸癌患者全員が、ネオアジュバント・ニボルマブ+レラトリマブで全病理学的奏効を達成した(ESMO Congress 2023、LBA31)。
dailyreporter.esmo.org/esmo-congress-2023/gastrointestinal-cancers/neoadjuvant-nivolumab-plus-relatlimab-shows-benefit-in-mmr-deficient-colon-cancersより引用
全体として、74%の患者がグレード1-2の免疫関連有害事象(irAE;immune-related adverse event)を経験し、最も多かったのは輸液関連反応(32%)であった。グレード3のirAE(甲状腺機能亢進症)を経験した患者は1例のみであった。このうち1例は甲状腺機能低下症で、他の3例は二次性副腎不全を伴う副腎皮質機能低下症であった。グレード4-5のirAEは認められなかった。
NICHE-3試験は、dMMR(MMR-deficient)結腸癌におけるニボルマブ/レラトリマブ併用療法の有効性と安全性を証明した最初の試験である。NICHE-3試験は、dMMR大腸がんに対するネオアジュバント・ニボルマブ/イピリムマブ併用療法の有効性を示し、ESMO総会(2022年)で報告されたNICHE-2試験と、メラノーマに対するネオアジュバント・ニボルマブ/レラトリマブ併用療法の有望な有効性を示した第II相試験(Nature.2022;611:155-160)から得られた良好な知見に基づいている。さらに、抗PD-1阻害薬ドスタリマブは、dMMR直腸がん患者において、驚異的な完全奏効率を示した(N Engl J Med, 2022;386:2363-2376)。NICHE-3では、事前に規定された奏効基準である15/19例以上を達成し、現在も登録が継続されている。
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