ハイリスクと言われる高齢出産、35歳以上の出産の知っておきたい意外な10のリスクとは

35歳以上を高齢出産と言いますが、高齢出産におけるリスク染色体異常だけではありません。知っておきたい高齢出産の意外なリスクを10個お伝えします。
お医者さん

日本産科婦人科学会では35歳以上の初産を「高齢出産」と定義していて、35歳未満の出産よりもハイリスクとなることが知られています。

厚生労働省の統計によると、2019年における母の年齢が 40 歳以上の出生では、出生数は5万 840 人であり、うち第1子は1万 8378 人で、40 歳以上の出生に占める第1子の割合は 36.1%となっています。
第1子出生時の母の平均年齢、つまり平均の初産年齢は上昇傾向にあったが、平成 27 年から 30.7 歳となっています。

高齢出産で実は増えているがあまり知られていない意外なリスクとは?

高齢出産の意外なリスクその1:子宮外妊娠

子宮外妊娠は、妊娠初期における母体の死亡および罹病の大きな要因です。母親の年齢が35歳以上であると、若い女性と比較して子宮外妊娠のリスクが4~8倍高くなっています。高齢女性で子宮外妊娠のリスクが高まるのは、骨盤内感染、卵管の病態など、長期にわたるリスク因子の蓄積を反映している可能性が高いと考えられます。

高齢出産の意外なリスクその2:実は意図していない妊娠が多い

しかし、高齢女性では避妊薬を使用しないことも多く、意図しない妊娠に至ることが多くなっています。25歳未満の女性は意図しない妊娠の割合が最も高いのですが、35歳以上の女性は意図しない妊娠で中絶する割合が最も高くなっています

高齢出産の意外なリスクその3:40歳以上で8倍になる羊水塞栓症のリスク

35歳以上の高齢出産の産科的な合併症には、たとえば染色体異常などの加齢のみに関連すると考えられるものもあれば、多胎妊娠、出産回数の増加、慢性的な個人の医学的状態などの共存する要因が大きく関係しているものもあり、例えば糖尿病や高血圧など若い女性では観察されにくい要因も増加してしまいます。これらはいずれも、高齢女性で報告されている妊娠関連の母体罹病率の増加に寄与している可能性がありそうです。
アメリカのワシントン州からの830,000例近くを対象とした集団ベースの研究では、40歳以上の女性は、25~29歳の女性と比較して羊水塞栓症のリスクが8倍高いことが報告されています。
羊水塞栓症は、あまり耳にしたことはないかもしれませんが、子宮内で赤ちゃんを包んでいる羊水が母体血中に入ってしまうことで、肺の毛細血管の閉塞と、それに引き続くる肺高血圧症、呼吸循環不全が順番に引き起こされます。日本においても妊産婦死亡の24.3%と第1位を占めています。

高齢出産の意外なリスクその3:40歳以上で3倍になる産科的ショックのリスク

医学用語のショックとは、皆さんが日常「ショックを受けた」という使い方とまったく違いますのでご注意ください。医学用語のショックというのは、血圧が下がって大事な臓器の血流が悪くなり、酸素が足らなくなり、手足が冷たくなったり、身体の機能に影響が出る状態を言います。このショックが妊娠・分娩と直接関係のある原因でおこることを産科的ショックといい、原因はさまざまです。重症になると脈拍が触れなくなり(このとき収縮期血圧は大体60以下です)、呼吸不全となります。出血性ショックがその9割を占めます。

高齢出産の意外なリスクその4:45~49歳で16倍になる腎不全リスク

45~49歳の女性では、腎不全のリスクが16倍高く、産科的介入と集中治療室への入院の両方のリスクがほぼ5倍高くなっていると報告されています。

高齢出産の意外なリスクその5:35歳以上で2~4倍になる高血圧リスク

高血圧は、妊娠中に遭遇する最も一般的な医学的問題で、特に高齢女性に多くなっています。慢性高血圧と診断される率は、35歳以上の女性の方が30~34歳の女性よりも2~4倍高くなっています。

高齢出産の意外なリスクその6:40歳歳以上で3倍、50歳以上で10倍になるになる子癇前症リスク

子癇前症は重い妊娠合併症で、妊婦の約2~8%に発症します。血圧上昇やタンパク尿で判明しますが、最初は無症状なことが殆どです。子癇前症がおこると胎盤の血管が収縮してしまい、胎児への栄養や酸素の供給が十分ではなくなり、胎児の成長が妨げられてしまい、早産の原因となります。子癇前症では腎臓、肝臓、脳および血液凝固系の問題が認められます。大体は妊娠後期に発症して、時間経過とともに悪化します。重い場合には赤血球が壊れたり、血小板(出血を止める働きをします)が減ったり、肝機能が悪くなったり、腎機能が悪くなったり、むくんだり、肺水腫(肺のむくみ)がきて息切れしたり、視覚障害を来したりします。 子癇前症は母体と赤ちゃんの両方の転帰不良(死亡)のリスクを増加するものですので、産科合併症ではできれば避けたいものです。
一般の産科集団における子癇前症の発症率は3~4%ですが、40歳以上の女性では5~10%に増加し、50歳以上の女性では35%にも達すると報告されています。

高齢出産の意外なリスクその7:40歳歳以上で3~6倍、50歳以上で10倍になるになる糖尿病リスク

糖尿病の有病率は母体の年齢とともに上昇します。既存の糖尿病と妊娠糖尿病の両方の割合は、20~29歳の女性と比較して40歳以上の女性で3~6倍に上昇し、一般産科集団における妊娠糖尿病の発症率は3%であるのに対して40歳以上の女性では7~12%、50歳以上の女性では20%と急激に増加します。
既存の糖尿病は先天異常、周産期死亡、周産期罹病のリスク増加と関連しているのですが、妊娠糖尿病の主要な合併症は巨大児とその後遺症です。

高齢出産の意外なリスクその8:40歳歳以上で10倍になるになる前置胎盤リスク

胎盤早期剥離や前置胎盤等の胎盤の問題の有病率は、高齢女性の方が高くなっています。年齢ならびに出産歴は、前置胎盤の独立した危険因子であると考えられています。40歳以上の未経産婦は20~29歳の未経産婦と比較して前置胎盤のリスクが10倍高くなっています。

高齢出産の意外なリスクその9:35歳以上だと難産にないりゃすいため増加する帝王切開リスク

高齢の女性の出産に最適な妊娠期間は不明です。35歳以上の女性は若い女性より難産となりやすく、帝王切開で出産することが多くなると報告されています。
高齢女性の手術分娩率が高い理由は議論の余地があるのですが、内科的合併症の有病率の増加、胎位異常などのほか、帝王切開を行うための閾値が患者と医師の両方で低いことなどが挙げられるでしょう。母親から帝王切開が要望されるケースは、特に高齢の妊婦に多くなります。
過去の帝王切開後に通常分娩する高齢女性は、分娩の失敗と子宮破裂の両方のリスクが高まります。

高齢出産の意外なリスクその10:40歳以上で増加する出産後の出血性脳卒中リスク

妊娠自体からのからだの変化や、健康に悪影響を及ぼす妊娠関連合併症のリスク増加のため、35歳以上の母親の高齢での妊娠経験は、その後の健康に影響を及ぼす可能性があります。米国Women’s Health Initiativeの観察研究では、40歳未満で最後に妊娠した女性と比較して、40歳以上で最後に妊娠した女性で出血性脳卒中のリスクが増加する傾向が報告されましたが、逆の結果の報告もあり、この矛盾は、生殖以外の要因が関与している可能性を示唆しており、さらに多くの研究が必要です。

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まとめ

高齢出産はハイリスクと言われていて、一般の方々はほとんど、ダウン症候群などの染色体異常をご心配されているのではないでしょうか。
高齢出産では確かに染色体異常のリスクも40歳と20歳では16倍とハイリスクになるのですが、そのほかにも意外なリスクがたくさんありましたね。
こんなにたくさん心配事があるなんて驚きです。

それでなくてもお産は心配事が絶えないのに、これではうつ状態になる人が多くなっちゃいそうですね。(実際高齢だとうつ状態も増えると言われています)
そこで、母体血を採血するだけで赤ちゃんの染色体異常などの有無を知ることができるNIPTをご検討してはいかがでしょうか。
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この記事の筆者:仲田洋美(医師)

仲田洋美(医師)

プロフィール

1995年医師免許取得。血液・呼吸器・感染症内科を経て、臓器別・疾患別の縦割りの医療の在り方に疑問を感じ、人を人として”全人的”に診療したいという思いを強くし、臓器を網羅した横断的専門医となり、2010年にがん薬物療法専門医取得(2019年現在全国1200人程度)。臓器を網羅すると遺伝性がんへの対策が必要と気づき、2011年に臨床遺伝専門医取得(2019年現在全国1000人程度)。遺伝相談はセンシティブな分野にもかかわらず、昼間の短い時間しか対応できない大病院のありかたに疑問を感じて、もっと必要な人がハードルを感じずに診療を受けられるようにしたいと2014年12月に開業。以来、全国から大学病院でも難しい内容の対応を求める人々を受け入れ、よろづお悩み相談所として多くの人々の様々な”家族(計画)の問題”を改善に導く。

著書に”女性のがんの本当の話”(ワニブックス)、”遺伝するがん・しないがん”(法研)がある。
少ない専門家で、正直で嘘のない言葉選びから週刊誌等の取材も多く、医療系の特集に時折コメントが掲載。(週刊現代、週刊ポスト、週刊新潮など)。
テレビ出演も時々あり、小林真央さんの病状を市川海老蔵さんが初めて記者会見した日、フジテレビの午後4時台のニュース番組に生出演して解説。その他TBS, AbemaTVなど出演。

一人一人の事情に合わせた個別対応をするべく、しっかり時間を取って本当のニーズは何かを聞き取りすることを大切にしている。短い時間でもお互いが出会ったことが相手の人生に大きな意味があるような医師患者関係の構築を理想として日々精進。

患者さんが抱えている問題を解決するにはどうしたらよいのかを考えて医師歴8年目に法学部に学士入学した程度に”凝り性”。女医が少なかった時代に3人の母親として難関専門医を3つ取得して社会進出を続けた経験から、女性のライフスタイルを医学以外の部分でも支援したいと願っている。いろんな人生経験から心に響く言葉を投げかけるため、”会うと元気になる”ということで有名。飼いネコ3匹。

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