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中絶手術の現状について
現代の女性は多くの負担がのしかかっていて妊娠出産するのにも大変な環境になっています。10代の学生の頃は生理が遅れるたびに自分の甘さに後悔をしながら妊娠検査薬を天にかざして祈り、遅れてきた生理に安心して過ごしてい女性も少なからずいるでしょう。20代になれば、社会人としての責任が求められて男性と同等の仕事をこなしている日々です。入社直後に妊娠出産なんてできないし、慣れてきた頃には責任のある仕事をしていて妊娠出産もできない既婚女性もたくさんいます。
ところが、30代になって子どもが欲しいと思い妊活に励むけど、35歳以上になると卵子が老化して妊娠しにくくなります。また、先天性疾患を持つ子どもを妊娠してしまう確率も年を追うことに上がってくるためせっかく妊娠しても泣く泣く中絶を選ぶ女性も少なくありません。
厚生労働省の調査(令和元年度衛生行政報告例)によると、年間で15万6430件も人工中絶手術手術があったという報告も上がっています。中絶は肉体的・精神的な負担が大きいにもかかわらずこれだけの件数があるのが現状です。
Yahoo!知恵袋に寄せられた中絶の相談内容
Yahoo!知恵袋には中絶に関するたくさんの相談が寄せられています。調べてみると驚くような内容もあるのが現状です。
性行為の際ゴムをつけてくれないらしく、先月妊娠して中絶しました。2回目だそうです。Bにも社会人の彼氏がいます。Bの彼氏もゴムをつけてくれないらしく、Bも2回妊娠して中絶しました。
その話を聞いた時に、私は2人にAにも Bにも彼氏と別れた方がいいと言ったのですが、中絶はそんなに珍しくないし、親に見つからずに中絶できる場所もあるから心配ないと言われました。
現在交際2ヶ月の彼と望まない妊娠をしてしまい中絶を決断しました。彼は産んで欲しいと泣いていて私はお金もなく育児をする覚悟もなく彼と今後一緒にいれるのかなど沢山の不安がありそういう決断に至りました。
病院に行き手術の日程まで決めました。
でも中絶のことについて調べていると自分のそういった理由で子供の命をなくしていいものにはならないという意見を目にし本当にその通りだなと涙が溢れてきました。
こうした相談が続いており、上記以外にも10代の高校生や大学生、30代の女性など幅広い年代から中絶についての相談が投稿されています。時には男性からの相談もありますけど、身勝手な内容もあって目を背けたくなりときもあります。
こうして日々人知れず中絶しようかどうか悩んでいる女性が後を絶たないのだと思うと気持ち沈んでしまいます。しかしながら、これが現在の中絶に関する状況の一つなのです。
新型出生前診断で陽性中絶のトラウマ
当院にも以前、他の無認可クリニックで新型出生前診断を受けて陽性の結果が出てしまった妊婦さんがいます。相談しようにも相談できずに羊水検査を受けても同じ診断だったので中絶手術を受けようとしたけど22週目ギリギリだったためトラウマになったそうです。
関連記事:NIPTを無認可Aで採血だけで受けてT21陽性中絶のトラウマ
ヒロクリニックのNIPT|T21と判定されて中絶のトラウマ
新型出生前診断は確定診断ではありません。そのため陽性の判定が出たら羊水検査を受ける可能性が高くなります。無認可のクリニックで受けた場合、羊水検査の費用を負担するだけで精神的に不安な妊婦さんに寄り添えるような体制にはなっていません。マスコミや日本産婦人科学会でも指摘されている問題点です。
しかしミネルバクリニックは無認可であっても新型出生前診断の検査を受けた後はもちろん、受検前にもカウンセリングを実施して妊婦さんの負担が和らぐようにしています。
関連記事:NIPT(新型出生前診断 )|東京のミネルバクリニック
実は高齢の中絶も増えてきている
先述した厚生労働省の調査(令和元年度衛生行政報告例)によると、20歳未満については12,678件で、各歳でみると19歳が5,440 件と最も多く、次いで18歳が3,285件となっています。また40~44歳は13,589件、45~49歳は1,399件と、40歳以上の中絶例も若者と変わらないのが現状です。
ただ、2015年以降の結果を見ていると全体的には中絶手術の件数は減ってきている中、45~49歳の件数が増加しています。理由として考えられるのは40代の方の場合、多くは、体力がない・経済的に無理・すでに複数の子どもがいる・高齢出産に対する不安が大きいなどです。10代20代の女性とは違う形であれ、望まない妊娠による中絶は高齢の女性にも起こり得えます。
少しでも「望まない妊娠」を減らすためにも正しい避妊法や性知識が必要なのだと思います。
中絶手術は選択肢の一つでしかない
中絶を選択したことを後悔した女性はたくさんいます。ネット上でも体験談として中絶がきっかけで「彼氏と別れた」「離婚してしまった」といった内容がブログやSNSにも投稿されています。中絶を選択した理由は「経済的に苦しい」「パートナーが結婚していた」などさまざまです。
だからこそ望まない妊娠をしてしまったことでいつまでもご自分を責めないでほしいと思います。確かに中絶は望ましいことではありません。特に日本は産むことを美徳と考える風潮が根強く残っており、中絶に対する風当たりはあります。でも、望まない妊娠で生まれてきた子どもは幸せになれるでしょうか? もちろん幸せに暮らしている子もたくさんいるでしょう。自分の意志を曲げて、「産めばなんとかなるさ」などという無責任な姿勢で子を産むことだけは避けてください。
妊娠する性をもつ女性にとって「産む」ことも「産まない」ことも重みは変わりません。どちらを選択して生きていくかは女性一人一人の問題です。中絶は決して罪ではありません。大切なのは失敗を繰り返さないことです。そのことを忘れずに日々の生活を過ごしてほしいと思います。
中絶をしないためにも性知識が必要
望まない妊娠をしてしまった原因の多くは「避妊の失敗」です。日本人の多くが避妊具と聞くとコンドームを想像すると思いますが、コンドームが適正に使用できていないケースも多く見受けられます。コンドームはきちんと使用すれ妊娠率は3%ですが、実際の確率は14%です。
避妊効果の目安となる「パール指数」で比較してみると、いかに危険なのかがわかると思います。パール指数とは「各種避妊法使用開始1年間の失敗率(100人の女性が1年間に妊娠する率)」のことです。
- ・低用量ピル……0.27人
- ・子宮内避妊具IUD……0.6~2人
- ・子宮内避妊システムIUS……0.1~0.2人
- ・不妊手術(男性)……0.1人
- ・不妊手術(女性)……0.5人
- ・コンドーム……2~15人
- ・リズム法……1~25人
- ・殺精子剤……6~26人
確実な避妊をしたければ、ピルを飲むか子宮内避妊具を入れるかどちらかです。もし、今は妊娠の望んでないけど性行為をする場合はどちらかの方法を選ぶのがいいでしょう。ご要望であれば普段お世話になっている婦人科の医師に相談してみてください。
万が一「危ない」と思ったら緊急避妊法も選択肢に入れましょう
もし、何かしらの理由で避妊に失敗してしまったときには緊急避妊法という事後に避妊の処置をとるものもあります。最も一般的な方法が、緊急避妊ピルと呼ばれるものです。時には、子宮内避妊具も使用されることがあります。
ピルを使うのは、性行為後、72時間以内に服用することです。 これで排卵を止めたり、排卵を遅らせたりして妊娠しないようにします。妊娠経験がある女性であれば、銅付加IUDもあります。性行為の後、5日以内に行うと妊娠する確率を下げられます。 IUDの場合は、その後もずっと入れておくことで、長期間の避妊も可能です。こちらもご要望であれば婦人科の医師に相談をしてください。
まとめ
繰り返しになりますけど、望まない妊娠をして中絶をするのは決して悪いことではありません。中絶手術をしてしまって後悔しても悔やみきれない女性もいますけど必要以上にご自分を責めないでください。もし、望まない妊娠をして中絶手術を選んだときにどこの医院に相談したらいいのか下記のサイトを参考にしていただけると幸いです。
全国中絶クリニックなび|妊娠初期・中期中絶実施病院費用週数など詳細比較|都道府県別
大切なのは次に妊娠したら悩まずに出産を選べる環境にすることです。もし妊娠したけどお腹の中にいる赤ちゃんが正常なのかご心配ならばミネルバクリニックまでお気軽にご相談ください。出産経験のある臨床遺伝専門医があなたに寄り添ってお話を伺います。