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46,XX精巣性性分化疾患(46,XX精巣性DSD・SRXX2)とは?SRYがなくても精巣ができる「XX男性」を遺伝専門医が解説

仲田洋美 医師

この記事の監修:仲田洋美(臨床遺伝専門医)

のべ10万人以上の意思決定に伴走。国際医療誌『Medical Care Review APAC』『Global Woman Leader』の2誌で表紙を飾り、「Top Prenatal Testing Service in APAC 2025」に選出されるなど、世界基準の遺伝医療を提供。

染色体を調べると「46,XX(一般的には女性型)」なのに、体の中には卵巣ではなく精巣ができていて、外見も心も男性——。そんな状態が46,XX精巣性性分化疾患(46,XX精巣性DSD)です。とても稀な疾患ですが、その原因を解き明かす過程で「性はY染色体だけで決まるのではない」という発生生物学の常識が書き換えられました。ですからこの病気を理解することは、性分化のしくみ全体を理解することにもつながります。本記事では、代表的なタイプである46,XX Sex Reversal 2(SRXX2)を軸に、原因・症状・診断・不妊・再発リスクまでを、遺伝専門医がやさしく解説します。

この記事でわかること
📖 読了時間:約18分
🧬 性分化疾患・SOX9・RSPO1・遺伝カウンセリング
臨床遺伝専門医監修

Q. 46,XX精巣性性分化疾患(XX男性)とは、まず何がどうなっている状態ですか?

A. 染色体は46,XXなのに、性腺が卵巣ではなく精巣として発育している状態です。多くの方は外見も心も男性で、思春期以降に女性化乳房や無精子症による不妊をきっかけに気づかれます。原因の8割ほどは、父親のY染色体から精巣をつくる遺伝子SRYがX染色体に移ってきたケースですが、SRYがまったくないのに精巣ができる例もあります。その代表がSOX9という遺伝子の「スイッチ」の重複で起こるSRXX2です。

  • どんな状態か → 核型46,XXで性腺が精巣化。約85%は正常男性型の外性器、約15%は尿道下裂などの非典型的外性器を示す
  • SRY陽性と陰性 → 全体の約8割はSRYの転座(陽性)、約2割はSRY陰性。SRXX2はSRY陰性の代表格
  • SRXX2の原因 → SOX9遺伝子そのものではなく、その上流にある「スイッチ(エンハンサー)」が重複してSOX9が過剰に働く
  • 不妊 → 精子形成に必須のY染色体領域がないため、原則として無精子症となり、自然妊娠は望めない
  • 遺伝カウンセリングの要点 → 再発リスクは原因によって大きく異なり、健康なお父さんが変化を持つ場合もある

🧬 46,XX精巣性性分化疾患とSRXX2の基本情報

項目 内容
疾患名 46,XX精巣性性分化疾患(46,XX Testicular DSD)は上位概念で、46,XX Sex Reversal 2(SRXX2)はその一病型です。略称は46,XX精巣性DSD/SRXX2(かつてはXX男性症候群・de la Chapelle症候群とも呼ばれました)
原因遺伝子 SRY(陽性例)/SOX9上流の精巣特異的エンハンサーを含む制御領域の重複・三重化などのCNV/構造異常(SRXX2)/RSPO1・SOX3・特定のNR5A1変異・WT1 など(SRY陰性例)
遺伝形式 SRXX2=常染色体顕性(優性)・性染色体構成に依存する性特異的な表現/RSPO1型=常染色体潜性(劣性)/SRY転座型=多くは父親の精子形成過程で新たに生じた(de novo)SRY転座で、同胞再発リスクは一般に低い
OMIM表現型番号 278850(SRXX2)
頻度・報告例数 出生男児 約2万〜2.5万人に1人。男性不妊の約2%を占めるとされます
主な症状 無精子症による不妊/小精巣・女性化乳房/一部で尿道下裂・小陰茎などの非典型的外性器
診断の決め手 核型46,XXの確認+SRYの有無(FISH・マイクロアレイ)+SOX9上流のコピー数変異や関連遺伝子の解析
鑑別すべき疾患 クラインフェルター症候群(47,XXY)/46,XX卵精巣性DSD/先天性副腎皮質過形成による外性器の男性化
再発率・保因者 原因により異なる。SRY転座型は多くがde novoで同胞再発リスクは一般に1%未満/SRXX2では原因CNV自体は次子へ50%の確率で伝わるが、46,XX精巣性・卵精巣性DSDとして表現されるかは児の性染色体構成などに依存/RSPO1型は保因者どうしの両親から同胞に25%
検査上の注意 SRXX2の原因となるSOX9上流制御領域の重複・三重化などのCNV/構造異常は、遺伝子の配列だけを読む検査では見逃されることがあり、コピー数・構造を調べる解析が必要です

各項目の根拠と詳しい解説は、本文の該当セクションをご覧ください。

1. 「XX男性」とは ─ 染色体は女性型、体は男性型

46,XX精巣性性分化疾患とは、染色体の組み合わせが46,XXでありながら、性腺(卵巣か精巣になる前の器官)が精巣として発育している状態です。かつては「XX男性症候群」「de la Chapelle症候群」あるいは「性転換症候群」といった呼び名が使われてきましたが、これらの言葉は正確さを欠き、ご本人やご家族を傷つける面もあったため、現在は国際的な合意にもとづき、性の発達が非典型的な状態全般を性分化疾患(DSD)という中立的な用語でまとめて扱います[1]

この疾患は、出生男児の約2万〜2.5万人に1人という頻度で、男性不妊のおよそ2%を占めるとされます[1]。表れ方には幅があり、約85%の方は出生時の外性器が正常な男性型で、思春期以降に女性化乳房や、成人してからの無精子症(不妊)の検査ではじめて46,XXと判明します。一方、残りの約15%の方では、生まれたときから尿道下裂・小陰茎・停留精巣などの非典型的な外性器がみられ、新生児期に精密検査の対象となります[1]。同じ病名でも、赤ちゃんのときに気づかれる方と、大人になって不妊の相談で気づかれる方がいる、ということです。

ご本人やご家族にとって大切なのは、これは「性別が間違っている」状態ではないという点です。多くの方は男性としての性自認をしっかり持って成長されます。染色体という一つの情報と、体の発達や本人の感じ方は別の層にあり、どれか一つで人の性が決まるわけではありません。この記事では、なぜ46,XXで精巣ができるのか、その仕組みを順番にたどっていきます。仕組みが分かると、「なぜ自分(家族)にこれが起きたのか」「子どもに伝わるのか」といった問いに、筋道立てて向き合いやすくなります。

💡 用語解説:性分化疾患(DSD)とは

性分化疾患(Disorders / Differences of Sex Development:DSD)とは、性染色体・性腺・内外性器のいずれかの発達が、多くの人とは異なる先天的な状態の総称です。かつて使われた「半陰陽」という言葉は、現在は用いません。染色体の組み合わせ(46,XY・46,XXなど)と、性腺やホルモン、体の形がどう発達したかによって多くのタイプに分かれ、46,XX精巣性DSDはその一つです。診断名は「異常」を意味するのではなく、体で起きたことを正確に説明するための言葉だと考えています。

2. 性はどう決まるのか ─ SOX9とβ-cateninの「綱引き」

この病気を理解する結論を先にお伝えすると、性腺が精巣になるか卵巣になるかは、精巣をつくる力(SOX9)と卵巣を守る力(β-catenin)の“綱引き”で決まります。そして46,XX精巣性DSDは、この綱引きで精巣側が勝ってしまった状態にほかなりません。

かつては「女性の体はほうっておけばできる初期設定(デフォルト)で、Y染色体があるときだけ男性へ切り替わる」と考えられていました。しかし近年の研究で、この考えは覆されました。卵巣づくりは決して受け身の過程ではなく、精巣づくりを積極的に抑え込み続ける能動的なプロセスであることが分かったのです[3]。実際、卵巣分化のかなめであるRSPO1を働かせなくしたマウスでは、XXであっても性腺が雄性化することが示されています[3]

男性(46,XY)では、Y染色体にある精巣決定遺伝子SRYが引き金を引き、精巣づくりの実行役であるSOX9のスイッチを入れます。いったんSOX9が十分に働き出すと、SOX9は自分自身のスイッチを押し続ける仕組み(正のフィードバック)に入り、SRYが消えたあとも精巣化が後戻りしなくなります。SOX9は性腺を支えるセルトリ細胞への分化を決め、抗ミュラー管ホルモン(AMH)を出させて子宮などの元になる管を退縮させます。一方、女性(46,XX)ではSRYがないため、代わりにRSPO1・WNT4・β-cateninという卵巣づくりの経路が働きます。

最も重要なのは、この2つの経路が互いに相手を強く抑え合う「拮抗(相互抑制)」の関係にあることです[3]。46,XXで卵巣が正常にできて保たれるには、卵巣側の経路が精巣化のかなめSOX9を生涯にわたって抑え込み続ける必要があります。ですから、何らかの理由でSOX9が不適切に強く働いたり、卵巣側の「ブレーキ」が外れたりすると、SRYがなくても性腺は精巣へと傾いてしまうのです。これが46,XX精巣性DSDの本質です。

精巣側が優勢になったときに体の中で何が起きるかも、具体的に見ておくと理解が深まります。十分に働き出したSOX9は、FGF9などのシグナルを介した正のフィードバックで自分の発現を維持しつつ、性腺の支持細胞をセルトリ細胞へと分化させます。セルトリ細胞はただちにAMHを分泌して、子宮や卵管の元になるミュラー管を退縮させます。同時に間質の細胞がライディッヒ細胞となってテストステロンを産生し、テストステロンとその変換体であるDHT(ジヒドロテストステロン)が、精巣上体・精管や外性器の男性化を進めます。46,XX精巣性DSDでは、この一連の流れがSRYなしで起動してしまうため、体は男性型へと形づくられていくのです。ご本人にとっては、「なぜ染色体はXXなのに体は男性なのか」という問いの答えが、まさにこのカスケードの中にあります。

性決定の「綱引き」モデル ── 精巣側(SOX9)対 卵巣側(β-catenin)

SRY → SOX9 精巣をつくる 未分化の性腺 どちらにもなれる 状態からの分かれ道 RSPO1・WNT4 β-catenin 卵巣をつくる・守る 互いに抑制し合う

未分化の性腺は、精巣を促す経路(SRY・SOX9)と卵巣を促す経路(RSPO1・WNT4・β-catenin)の綱引きで運命が決まります。46,XXでは通常は卵巣側がSOX9を抑え込みますが、この抑制がくずれると、SRYがなくても精巣がつくられます。

3. SRXX2の正体 ─ SOX9そのものではなく「スイッチ」の重複

46,XX Sex Reversal 2(SRXX2)の結論を先に言うと、代表的な原因はSOX9遺伝子そのものの配列変異ではなく、SOX9から離れた上流の精巣特異的エンハンサーを含む制御領域が重複・三重化するなど、SOX9の発現を増加させるCNV/構造異常が生じることです。国際的なデータベースOMIMでは、SRXX2は常染色体顕性(優性)として登録されており、表現型は性染色体構成に強く依存します[4]

代表的には、17番染色体の17q24.3という場所で、SOX9本体から数十万塩基対上流に位置する、タンパク質をコードしない精巣特異的制御領域(歴史的にRevSex領域などと呼ばれてきた領域を含みます)の重複がみられます。報告例には重複だけでなく三重化や、より広い17q24.3領域を巻き込む構造異常もあります[4]。通常、46,XXの胎児ではSRYがないためこのスイッチは静かなままで、SOX9の発現はしっかり抑えられています。ところがこの領域が重複・三重化などでコピー数が増加すると、本来低く保たれるはずのSOX9発現を促すスイッチが異常に強く働き、SRYがまったくないのにSOX9が「場違いに、かつ過剰に」発現してしまいます。いったんSOX9が閾値を超えると、前章で述べた自己増幅ループが動き出し、性腺は精巣方向へ強く傾き、46,XX精巣性DSDまたは卵精巣性DSDとして表現されることがあります。

2018年の研究では、SOX9の上流に精巣づくりに必須の中心的なエンハンサーが複数存在し、これらが重複すると46,XXの精巣化を、逆に欠失すると46,XYの女性化を引き起こすことが示されました[5]。つまり、同じ領域が「増えるか・減るか」で、正反対の性分化疾患が生じます。増えた側が本記事のSRXX2、減った側が46,XY性分化疾患10(SRXY10)です。この対称性は、ご家族に説明するときにも「同じスイッチのボリュームが上がったか下がったか」というイメージで伝えると理解が進みます。

報告されている重複の大きさや位置には、家系ごとにかなりの幅があります。数十キロベースの比較的小さな重複から、1メガベースを超える大きな重複まで知られていますが、いずれにも共通しているのは、SOX9本体ではなく、その上流にある精巣特異的なエンハンサーを含む「重なり合う最小の領域」を巻き込んでいる点です。研究が進むにつれて、精巣化の決め手となるこの領域は少しずつ狭く絞り込まれてきました[5]。臨床の現場でこれが意味するのは、この上流領域を確実にとらえられる解像度の検査を選ばないと、SRXX2を見逃してしまうということです。逆に言えば、検査の設計しだいで結論が変わりうるため、「配列は正常でした」という一言だけで安心するのではなく、コピー数まできちんと評価されているかを確認することが大切です。ご家族にとっては、こうした検査の限界と設計をあらかじめ理解しておくことが、納得のいく診断への近道になります。

💡 用語解説:エンハンサーとコピー数変異(CNV)

エンハンサーとは、遺伝子から離れた場所にあっても、その遺伝子の発現を「いつ・どこで・どれくらい」働かせるかを調節する“スイッチ”のような配列です。コピー数変異(CNV)は、DNAのある区間がまるごと増えたり減ったりする変化のこと。SRXX2では、SOX9本体の設計図は正常でも、スイッチにあたる区間が重複して数が増えることで、SOX9の“音量”が上がりすぎてしまいます。だからこそ、遺伝子の文字(配列)だけを読む検査では見つからず、区間の数を数える検査が必要になります。

4. 健康なお父さんから伝わるという不思議

SRXX2でとりわけ臨床的に重要なのが、健康で子どもをもうけられるお父さんが、この重複を持っていることがあるという点です。これは一見すると矛盾のように見えますが、2011年に報告された家系がそのしくみを鮮やかに説明しました[6]

この報告では、細胞遺伝学的には女性(46,XX)でありSRY陰性である3人の成人男性(2人の兄弟と父方のおじ)からなる稀な家系が調べられました。詳しいゲノム解析の結果、彼らはSOX9の約600キロベース上流に約178キロベースの重複を持っていました。そして最も注目すべきことに、まったく同じ重複を、発端者の健康で生殖能力のある46,XYのお父さんも持っていたのです[6]

なぜお父さんは正常で、子どもは影響を受けるのでしょうか。お父さん(46,XY)はもともとY染色体にSRYを持っているので、正常に精巣ができます。ここで上流スイッチの重複があっても、それは「正常な男性の発生をさらに後押しする」だけで、健康にも生殖能力にも悪い影響はありません。ところが、この重複を持つ17番染色体が、精子を通じて本来は娘になるはずだった46,XXのお子さんに受け継がれると、重複した“スイッチ”が存在しないSRYの代役を果たし、SOX9を強制的に起動させて精巣をつくってしまいます。こうして、お父さんは正常な男性なのに、その子ども(核型はXX)が男性化して不妊になる、という性特異的な優性遺伝のパターンが生じるのです[6]

この知見は、ご家族にとって現実的な意味を持ちます。SRY陰性の46,XX精巣性DSDと診断された場合、健康なお父さんが原因となる重複の保因者である可能性を考える必要があり、次のお子さんへの再発リスクの評価に直結するからです。重複を持つお父さんから見ると、次の子がその原因CNVを受け継ぐ確率は50%です。受け継いだ子が46,XXの場合には46,XX精巣性DSDまたは卵精巣性DSDとして表現されるリスクがあり、46,XYの場合には典型的な男性表現型となることが多いと考えられます。したがって「50%」は疾患そのものの一律の発症率ではなく、原因CNVの伝達確率を意味します。こうした複雑な伝わり方は、家系図を用いて遺伝カウンセリングで丁寧に整理していくことが大切だと考えています。

5. SRY陽性と陰性、そして多様な原因遺伝子

46,XX精巣性DSDは、一つの均一な病気ではなく、原因の異なる複数のタイプの集まりです。まず大きく、SRYを持つ「SRY陽性」と、持たない「SRY陰性」に分かれます。全体の約8割はSRY陽性で、これは父親の精子ができる過程でX染色体とY染色体のあいだに不均等な組み換え(転座)が起き、Y染色体上のSRYがX染色体に移った結果です。多くは父親の精子形成過程で新たに生じた(de novo)SRY転座で、患者さんご本人は通常無精子症のため次の世代へ伝わりません。残りの約2割がSRY陰性で、ここに本記事のSRXX2をはじめとするさまざまな遺伝的原因が含まれます[2]

タイプ かかわる遺伝子・領域 おおまかな仕組み
SRXX1(SRY陽性) SRYの転座 SRYがX染色体に移り精巣化。全体の約8割を占める。多くは新生(de novo)
SRXX2 SOX9上流エンハンサーの重複 SOX9の“スイッチ”増幅で過剰発現。常染色体顕性・性特異的
SRXX3 SOX3周辺の重複・再編成 SOX9と構造が似たSOX3が過剰に働き、SOX9の役割を代替する
SRXX4 NR5A1(SF-1)の特定の機能変化型変異(代表:p.Arg92Trp) 通常はXY DSDの原因だが、特定の変異がXXの精巣化を招くことがある
RSPO1型(症候群性) RSPO1の両アレル性変異 卵巣側のブレーキが外れて精巣化。掌蹠角化症・皮膚がん素因を伴う(常染色体潜性)

このほか、WT1などがSRY陰性の46,XX精巣性DSDに関連します。DMRT1は主として46,XY DSDとの関連が確立しており、46,XX精巣性DSDの代表的原因として一括して扱うべき遺伝子ではありません。また、近年報告が加わったNR2F2(COUP-TFII)なども46,XX DSDとの関連が研究されていますが、表現型や機序は多様で、今後さらに知見の蓄積が必要です。この遺伝的な多様さは、ご本人にとっては「同じ病名でも原因が違えば、伝わり方も合併しうる症状も違う」ということを意味します。ですから、正確な分子診断は単なる分類ではなく、その後の見通しと家族への説明を左右する重要な出発点になります。性決定にかかわる遺伝子群の全体像は、性分化疾患の入門解説でも紹介しています。

もう一つ知っておきたいのが、同じ個体の中に卵巣の組織と精巣の組織が混在する卵精巣性DSD(旧称:真性半陰陽)という状態です。46,XX精巣性DSDとは地続きのスペクトラムにあり、SOX9上流の重複やRSPO1の変異など、共通する原因から生じることがあります。同じ変化を持っていても、体の中で精巣化が全身におよぶか一部にとどまるかによって、精巣性DSDになるか卵精巣性DSDになるかが変わってくると考えられています。また、最も多いSRY陽性例では、父親の精子ができる過程(減数分裂)でX染色体とY染色体のあいだに本来は起こらないはずの組み換えが生じ、SRYを含むY染色体の小さな断片がX染色体側へ移ります。この場合、患者さんご自身は無精子症で子をもうけられないため、その変化が次の世代へ伝わることは通常ありません。ご家族にとっては、「同じ病名でも、伝わるものと伝わらないものがある」ことを知っておくと、いたずらに不安を広げずにすみます。

6. RSPO1変異による46,XXでの精巣方向への性腺分化と皮膚がん素因

SRY陰性のもう一つの重大な原因がRSPO1遺伝子の変異です。結論を先に言うと、このタイプは46,XXで精巣性または卵精巣性の性腺分化を生じうることに加えて、手のひら・足の裏の皮膚が厚くなる掌蹠角化症と、皮膚扁平上皮癌の発症が報告されている点が大きな特徴で、皮膚病変を継続的に観察することが重要です。

2006年、イタリアの研究グループは、RSPO1の両アレル性(父由来・母由来の両方)の機能喪失変異が、46,XXでの精巣性/卵精巣性の性腺分化・掌蹠角化症・皮膚扁平上皮癌への素因という3つの特徴からなる常染色体潜性(劣性)の症候群を引き起こすことを報告しました[7]。これは「一つの遺伝子経路の破綻だけでも、SRYがなくても46,XX性腺が精巣方向へ分化しうる」ことを世界で初めて示した歴史的な発見でもあり、卵巣づくりが能動的な過程であることの決定的な証拠となりました。OMIMにもこの症候群は登録されています[8]

💡 用語解説:掌蹠角化症と扁平上皮癌

掌蹠角化症(しょうせきかくかしょう)とは、手のひら(掌)と足の裏(蹠)の皮膚が異常に厚く硬くなる状態です。RSPO1型では幼少期から現れることがあります。扁平上皮癌は皮膚の表面をつくる細胞から生じるがんで、RSPO1型では皮膚扁平上皮癌の発症が報告されており、その素因に注意が必要です。だからこそ、内分泌のフォローだけでなく、皮膚科と連携した定期的な観察と、疑わしい病変の早期の検査が欠かせません。

なぜRSPO1の変化が皮膚のがんにまでつながるのでしょうか。RSPO1は、卵巣づくりを支える経路の一部であると同時に、皮膚では土台にあたる細胞から分泌され、その上をおおう表皮の細胞が正しく成熟して規則正しく積み重なるように支えています。この支えが失われると、表皮の細胞は成熟の指示をうまく受け取れず、細胞どうしの接着や並び方が乱れて過剰に増えるようになります。手のひらや足の裏で見られる皮膚の肥厚(掌蹠角化症)は、その表れの一つです。そして、こうした皮膚の恒常性の乱れが長く続く土壌の上に、扁平上皮癌が生じやすくなると考えられています。皮膚の変化を単なる体質と片づけず、定期的に観察し続けることが重要なのは、このためです。

つまりRSPO1は、性を決める遺伝子であると同時に、皮膚の恒常性を保つ遺伝子でもあります。RSPO1変異を持つ46,XX男性の方にとっては、テストステロン補充などの内分泌管理に加え、皮膚病変の継続的な観察と、疑わしい病変の早期評価が長期的な健康管理で重要だという点が、ほかのタイプとの大きな違いです。ご本人・ご家族には、「性の話」と「皮膚・がんの話」を分けて、しかしどちらも欠かさずお伝えすることを大切にしています。

7. からだの特徴とホルモンの検査

結論から言うと、症状の程度は胎児期に精巣がどれだけ機能し、どれだけ男性ホルモンを出せたかによって連続的に変わります。多くの症候群性でない46,XX精巣性DSD(SRXX2を含む)では、身長はクラインフェルター症候群でみられるような高身長にはならず、顔つきなどの重い症候群的特徴も伴いません[1]

思春期以降に気づかれる方(約85%)は、外性器は正常な男性型ですが、精巣の発育が乏しく小精巣となり、テストステロンの不足から女性化乳房が生じたり、無精子症による不妊の検査で診断に至ったりします。新生児期に気づかれる方(約15%)は、胎児期のテストステロンが不十分だったために外性器の男性化が完成せず、尿道下裂・小陰茎・停留精巣などがみられます[1]。子宮などのミュラー管由来の器官は、胎児期に分泌されたAMHによって退縮しているため、超音波やMRIで子宮は確認されないのが一般的です。

検査項目 典型的な所見 意味
LH・FSH 上昇 精巣の働きが不十分なため、脳が「もっと働け」と刺激を強めている状態(高ゴナドトロピン性)
テストステロン 低下しやすい 二次性徴の遅れや女性化乳房、骨量の低下につながることがある
精液検査 非閉塞性無精子症 Y染色体上の精子形成に必須の領域(AZF)がないため、精子がつくられない

ホルモンのパターンをもう少し詳しく見ておきましょう。精巣を刺激するLHとFSHが上昇するのは、精巣から出るテストステロンやインヒビンBが不足し、脳が「もっと働け」と代償的に指令を強めているためです。とくにインヒビンBは、精子をつくる場であるセルトリ細胞の量を映す指標で、これが低いことは精子形成の場が乏しいことを示します。診療の場面では、必要に応じてhCG負荷試験でライディッヒ細胞がテストステロンを出す予備能を確かめたり、AMHの値からセルトリ細胞の状態を推し量ったりすることもあります。これらの所見はいずれも、精巣が形としては存在していても、機能の面では力を失っていることを反映しています。数字の意味が分かると、なぜ補充療法が必要になるのかも納得しやすくなります。

これらの数字は、ご本人にとっては「なぜ疲れやすいのか」「なぜ不妊なのか」を説明してくれる手がかりになります。特にテストステロンの不足を放置すると、骨がもろくなる(骨粗鬆症)など将来の健康に影響しうるため、ホルモンの評価は診断の入り口としても、その後の健康管理としても重要です。

8. 診断の進め方 ─ 段階を追って原因にたどり着く

診断は、核型の確認から始めて、SRYの有無、そして原因遺伝子の解析へと、段階を追って進めます。最初のかなめは、染色体検査で核型が46,XXであることを確かめ、よく似た所見を示すクラインフェルター症候群(47,XXYなど)と区別することです[1]

46,XXと分かったら、次にSRYの有無をFISH法やマイクロアレイ染色体検査で調べます。ここで全体の約8割を占める「SRY陽性」か、稀な「SRY陰性」かが切り分けられます。SRY陰性と判明した場合は、さらに踏み込んで、SOX9上流のコピー数変異を高解像度マイクロアレイなどで探し、あわせて次世代シーケンサーによる遺伝子解析でRSPO1・NR5A1・WT1などを調べていきます[1]。特に掌蹠角化症などの皮膚の所見がある場合や、ご両親が血縁関係にある場合は、RSPO1の解析が優先されます。

検査を考えるときは、「生まれる前」と「生まれた後」で調べる検体が違うことも知っておくと役立ちます。出生前診断では絨毛検査・羊水検査で胎児由来の細胞を、出生後は血液を用いてマイクロアレイなどを行います。SRXX2の原因である上流エンハンサーの重複は、遺伝子の配列だけを読む検査では見逃されうるため、コピー数や構造まで含めて調べる設計が重要です。当院ではこうした性分化にかかわる複数の遺伝子をまとめて調べる性分化疾患(DSD)遺伝子検査パネルを用意しています。

確定診断がつくことには、ご本人だけでなくご家族にとっても意味があります。原因となる変化が特定できれば、血縁者のうち誰が保因者になりうるかを見通せるようになり、将来の妊娠に向けた選択肢を落ち着いて検討する材料になります[1]。もちろん、現在の検査でも原因がはっきりしないことはありますが、その場合も「今わかっていること」と「まだわからないこと」を丁寧に切り分けてお伝えすることが、次の一歩を選ぶ助けになると考えています。あいまいなまま不安だけが残る状態を避け、事実にもとづいて見通しを持てるようにすることが、検査と診断のいちばんの目的です。

9. 治療・遺伝カウンセリング・検査の実際

治療は一人ひとりの状況に応じた集学的なチーム医療で、生涯にわたって行われます。中心となるのは、精巣機能の不全(テストステロン欠乏)に対するテストステロン補充療法で、二次性徴を支え、女性化乳房の進行を防ぎ、骨密度を保つ目的で行われます[1]。出生時に外性器の非典型的な所見が目立つ場合には形成的な手術が、停留精巣がある場合には腫瘍リスクを下げるための精巣固定術が検討されます。RSPO1型では、前述のとおり皮膚がんのスクリーニングが特に重要です。

不妊については、正直にお伝えすべき現実があります。核型が46,XXで、精子形成に必須のY染色体領域(AZF)が欠けているため、通常は非閉塞性無精子症となり、現在の臨床では本人由来の精子を用いた生殖は期待できません。TESE/micro-TESEによる精子回収も一般に期待できません[1]。これは大きな喪失感を伴う知らせです。家庭を築くことを望まれる場合には、第三者の精子提供や養子縁組といった選択肢についての情報提供と、心理的な支えを、時間をかけてご一緒に考えていくことが大切だと考えています。

再発リスクは原因によって大きく異なります。SRY転座型は多くが父親の精子形成過程で新たに生じた(de novo)SRY転座で、同胞再発リスクは一般に低く、1%未満とされます。ただし、まれに父親がSRY転座を保有する家系があるため、必要に応じて父親の解析を検討します。一方、SRXX2では原因となるCNV自体は保因者から次子へ50%の確率で伝わりますが、46,XX精巣性/卵精巣性DSDとして表現されるかどうかは児の性染色体構成などによって異なります[6]。RSPO1型は常染色体潜性のため、保因者どうしのご両親からは同胞に25%の再発リスクがあります[7]。この数字の違いこそ、正確な分子診断を行う臨床的な意味であり、遺伝カウンセリングでは家系図を用いてご家族ごとに整理します。当院ではこの役割を臨床遺伝専門医が担います。

そして忘れてはならないのが、心のケアです。ご自身の染色体が一般には女性を意味する46,XXであること、そして不妊であることの告知は、大きな喪失感や戸惑いを招くことがあります。ここで大切にしたいのは、診断はご本人の性自認を否定するものではないという点です。多くの方は男性として生活しておられ、その事実は染色体の情報によって揺らぐものではありません。告知は一度きりで終わらせず、年齢や気持ちの準備に合わせて段階的に行うこと、同じ経験を持つ方とのつながり(ピアサポート)についての情報をお伝えすること、そしてテストステロン不足による骨量の低下といった将来の健康リスクにも継続して目を配ることが、長い伴走のなかで大切だと考えています。医学の進歩によって将来の選択肢が広がる可能性もありますから、今わかっていることの輪郭を正確にお渡ししながら、必要なときにいつでも相談できる関係を保っておくことが、何よりの支えになると考えています。

⚠️ NIPT(出生前検査)との関係 ─ ここは正確に

SOX9は当院のダイヤモンドプランインペリアルプランの対象遺伝子に含まれますが、これらのNIPTが調べるのはSOX9の配列(コード領域)の変化であり、カンプメリック異形成症などが対象です。SRXX2の原因である「SOX9上流エンハンサーの重複」は、これらのNIPTの対象ではありません。したがって「SRXX2がNIPTで分かる」わけではない点にご注意ください。出生前の評価では、まず染色体全体をみる検査が優先されます。NIPT全般についてはNIPTトップを、検査で気がかりが生じたときの支援としては互助会もあわせてご覧ください。

10. よくある誤解

誤解①「XXだから本当は女性のはず」

染色体は性を決める一つの情報にすぎません。46,XX精巣性DSDの方は性腺が精巣として発育し、多くは男性としての性自認を持って成長されます。「染色体が女性型だから女性」という単純な図式は当てはまりません

誤解②「SRYがなければ精巣はできない」

SRYは引き金にすぎません。実際に精巣化を実行・維持するのはSOX9です。SRYがなくてもSOX9が過剰に働けば精巣ができ、それがまさにSRXX2で起きていることです。

誤解③「SRXX2はNIPTで分かる」

SOX9はNIPTの対象遺伝子ですが、調べるのは配列の変化です。SRXX2の原因である上流エンハンサーの重複はNIPTの対象ではなく、コピー数・構造を調べる別の検査が必要です。

誤解④「ホルモン治療をすれば子どもを持てる」

テストステロン補充は体調や二次性徴を支えますが、精子をつくり出すものではありません。Y染色体の精子形成領域がないため、現時点では自然妊娠や本人の精子を用いた不妊治療はできません。

📌 このページを読んだあなたへ

この記事にたどり着いた方は、たとえばご自身やパートナーが46,XX精巣性DSDと言われた方お子さんの検査結果を受け取ったご家族、あるいは不妊の検査ではじめて染色体のことを知った方かもしれません。次に整理しておくとよい観点を挙げます。

  • 原因と遺伝形式:SRY陽性か陰性か、SRXX2か、RSPO1型かで伝わり方が変わります(SOX9遺伝子
  • 再発リスク・血縁者への影響:健康なお父さんが保因者のこともあり、家系図での整理が役立ちます
  • 「反対向き」のDSDとの違い:上流の欠失で起こる46,XY性分化疾患10や、精巣ができないSwyer症候群・腎症を伴うFrasier症候群と比べると、位置づけが見えやすくなります
  • 確定診断の選択肢性分化疾患パネルで複数の関連遺伝子をまとめて評価できます。ただし、SRXX2の原因となるSOX9上流エンハンサー領域のCNVは通常の遺伝子パネルでは十分に評価できないため、疑われる場合にはマイクロアレイなどコピー数・構造を評価できる検査が必要です

よくある質問(FAQ)

Q1. 46,XX精巣性性分化疾患(XX男性)とはどんな状態ですか?

染色体が46,XX(一般的には女性型)でありながら、性腺が卵巣ではなく精巣として発育している状態です。多くの方は外見も心も男性で、思春期以降の女性化乳房や無精子症による不妊をきっかけに気づかれます。原因の約8割は父親のY染色体からSRYがX染色体に移った「SRY陽性」ですが、SRYがないのに精巣ができる「SRY陰性」もあり、その代表がSOX9上流の重複で起こるSRXX2です。かつてはXX男性症候群などとも呼ばれました。

Q2. XX男性は必ず不妊になりますか?

46,XX精巣性DSDでは、精子をつくるのに必須のY染色体上の領域(AZF)がないため、原則として非閉塞性無精子症となり、自然妊娠は望めません。現在の臨床では本人由来の精子を用いた生殖は期待できず、TESE/micro-TESEによる精子回収も一般に期待できません。つらい現実ですが、家庭を築くことを望まれる場合には第三者の精子提供や養子縁組といった選択肢もあります。心理的な支えも含めて、時間をかけて一緒に考えていくことが大切だと考えています。

Q3. SRXX2は子どもに遺伝しますか?

再発リスクは原因によって異なります。SRXX2ではSOX9上流の原因CNV自体は保因者から次のお子さんへ50%の確率で伝わりますが、これは疾患そのものの一律の発症率ではありません。受け継いだお子さんが46,XXの場合には46,XX精巣性DSDまたは卵精巣性DSDとして表現されるリスクがあり、46,XYの場合には典型的な男性表現型となることが多いと考えられます。一方、SRY陽性の転座型は多くが父親の精子形成過程で新たに生じた(de novo)SRY転座で、同胞再発リスクは一般に低く1%未満とされますが、まれな家族性SRY転座では別途評価が必要です。RSPO1型は常染色体潜性のため、保因者どうしのご両親では同胞の再発リスクは25%です。正確な原因が分かってはじめて、ご家族ごとのリスクを整理できます。

Q4. 健康な父からXX男性の子が生まれるのはなぜですか?

SRXX2ではSOX9上流の原因CNVを持つ健康な46,XYの父親が保因者のことがあります。父親はY染色体にSRYを持つため、上流の制御領域のコピー数増加があっても典型的な男性表現型となることが多いと考えられます。ところがそのCNVが46,XXのお子さんに伝わると、SRYがなくてもSOX9発現を強く促し、精巣性または卵精巣性の性腺分化を生じることがあります。こうして同じCNVでも性染色体構成によって表現型が異なる、性特異的な常染色体顕性遺伝のパターンが生じます。

Q5. SRXX2はNIPT(出生前検査)で分かりますか?

分かりません。SOX9は当院のダイヤモンドプランやインペリアルプランの対象遺伝子ですが、これらのNIPTが調べるのはSOX9の配列(コード領域)の変化であり、SRXX2の原因である上流エンハンサーの重複は対象外です。したがって「SRXX2がNIPTで分かる」わけではありません。上流領域のコピー数の変化を調べるには、マイクロアレイなど別の検査が必要になります。出生前の評価では、まず染色体全体をみる検査が優先されます。

Q6. クラインフェルター症候群とはどう違うのですか?

どちらも小精巣や無精子症を示すことがありますが、染色体が異なります。クラインフェルター症候群は47,XXYなどY染色体を持つのに対し、46,XX精巣性DSDはY染色体を持ちません。また身長にも違いがあり、46,XX精巣性DSDではクラインフェルター症候群のような高身長にはなりにくい傾向があります。この区別は核型検査で行われ、診断の最初の重要なステップになります。

Q7. RSPO1が原因のタイプで皮膚がんに注意が必要と聞きました。

RSPO1の両アレル性変異による常染色体潜性のタイプでは、46,XXで精巣性または卵精巣性の性腺分化を生じうることに加えて、手のひらや足の裏の皮膚が厚くなる掌蹠角化症と、皮膚扁平上皮癌の発症素因を伴うことが報告されています。そのため、内分泌のフォローだけでなく、皮膚科と連携した生涯にわたる定期的な観察と、疑わしい病変の早期の検査がとても重要です。ご自身のタイプがどれかを知ることが、必要な備えを整える第一歩になります。

Q8. 診断されたら性別を変える必要がありますか?

いいえ。46,XX精巣性DSDの多くの方は、男性としての性自認をしっかり持って成長されます。染色体という一つの情報が「本当の性別」を意味するわけではありません。診断は、体で起きたことを正確に理解し、必要な健康管理につなげるためのものであって、性別を否定したり変えたりするためのものではありません。不安なお気持ちも含めて、臨床遺伝専門医が中立の立場で一緒に整理していきます。

🏥 性分化疾患(DSD)の遺伝子診断・遺伝カウンセリング

46,XX精巣性DSD・SRXX2をはじめとする性分化疾患に関する
遺伝子検査と遺伝カウンセリングは
臨床遺伝専門医が在籍するミネルバクリニックにご相談ください。

参考文献

  • [1] Nonsyndromic 46,XX Testicular Disorders/Differences of Sex Development. GeneReviews®. [NBK1416]
  • [2] 46,XX testicular difference of sex development. MedlinePlus Genetics(NIH/NLM). [MedlinePlus]
  • [3] Activation of β-catenin signaling by Rspo1 controls differentiation of the mammalian ovary. Hum Mol Genet. 2008. [Hum Mol Genet]
  • [4] 46,XX SEX REVERSAL 2; SRXX2. OMIM #278850. [OMIM 278850]
  • [5] Human sex reversal is caused by duplication or deletion of core enhancers upstream of SOX9. Nat Commun. 2018. [PubMed 30552336]
  • [6] A SOX9 duplication and familial 46,XX developmental testicular disorder. N Engl J Med. 2011. [PubMed 21208124]
  • [7] R-spondin1 is essential in sex determination, skin differentiation and malignancy. Nat Genet. 2006. [PubMed 17041600]
  • [8] PALMOPLANTAR HYPERKERATOSIS WITH SQUAMOUS CELL CARCINOMA OF SKIN AND SEX REVERSAL. OMIM #610644. [OMIM 610644]

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仲田洋美 医師(臨床遺伝専門医)

この記事の監修・執筆者:仲田 洋美

(臨床遺伝専門医/がん薬物療法専門医/総合内科専門医)

ミネルバクリニック院長。1995年に医師免許を取得後、 臨床遺伝学・内科学・腫瘍学を軸に診療を続けてきました。 のべ10万人以上のご家族の意思決定と向き合ってきた臨床遺伝専門医です。

出生前診断(NIPT・確定検査・遺伝カウンセリング)においては、 検査結果の数値そのものだけでなく、 「結果をどう受け止め、どう生きるか」までを医療の責任と捉え、 一貫した遺伝カウンセリングと医学的支援を行っています。

ハイティーンの時期にベルギーで過ごし、 日本人として異文化の中で生活した経験があります。 価値観や宗教観、医療への向き合い方が国や文化によって異なることを体感しました。 この経験は現在の診療においても、 「医学的に正しいこと」と「その人にとって受け止められること」の両立を考える姿勢の基盤となっています。

また、初めての妊娠・出産で一卵性双生児を妊娠し、 36週6日で一人を死産した経験があります。 その出来事は、妊娠・出産が女性の心身に与える影響の大きさ、 そして「トラウマ」となり得る体験の重みを深く考える契機となりました。 現在は、女性を妊娠・出産のトラウマから守る医療を使命の一つとし、 出生前診断や遺伝カウンセリングに取り組んでいます。

出生前診断は単なる検査ではなく、 家族の未来に関わる重要な意思決定です。 年齢や統計だけで判断するのではなく、 医学的根拠と心理的支援の両面から、 ご家族が後悔の少ない選択をできるよう伴走することを大切にしています。

日本人類遺伝学会認定 臨床遺伝専門医/日本内科学会認定 総合内科専門医/ 日本臨床腫瘍学会認定 がん薬物療法専門医。 2025年には APAC地域における出生前検査分野のリーダーとして国際的評価を受け、 複数の海外メディア・専門誌で特集掲載されました。

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