目次
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NIPT(新型出生前診断)を受けにいらした40代後半のご夫婦が、それよりも先に「自閉症の遺伝子検査をしてほしい」と希望された、当院の事例です。親の年齢が上がると、子どもが自閉スペクトラム症と診断される割合は少し上がると報告されていますが、大多数のお子さんは自閉スペクトラム症ではありません。また、遺伝子検査で病的な変化が見つからなくても、「自閉症にならない」という保証にはなりません。この記事では、ご夫婦の相談の経過と、親の年齢と自閉症の関係、遺伝子検査とNIPTでわかること・わからないことを、臨床遺伝専門医の立場から整理します。当院で妊娠中に調べられる範囲は、東京のNIPT(新型出生前診断)のページにまとめています。
⏱️ 30秒でわかる要約
🧩 Q. どんな事例ですか?
40代後半で思いがけず自然妊娠したご夫婦が、「高齢だと自閉症のリスクが高まる」とインターネットで読み、NIPTに加えて自閉症の遺伝子検査を受けた事例です。NIPTでも遺伝子検査でも病的な変化は見つからず、お子さんは無事に生まれました。
🧩 Q. 高齢出産だと自閉症になりやすいのですか?
親の年齢が上がると割合は少し上がると報告されています。約570万人の大規模研究では、父親50歳以上で約1.66倍、母親40代で約1.15倍でした。ただし大多数のお子さんは自閉スペクトラム症ではありません。
🧩 Q. 自閉症の遺伝子検査で異常がなければ安心ですか?
「調べた遺伝子に、病的な変化が見つからなかった」という意味です。自閉スペクトラム症には多くの遺伝子と環境が関わるため、陰性でも自閉症にならない保証にはなりません。
🧩 Q. 妊娠中に自閉症かどうかわかりますか?
自閉症そのものを妊娠中に診断する検査はありません。ただし一部の自閉症・発達障害の原因は、当院のNIPTで生まれる前に調べられます(22q11.2欠失症候群など)。陽性なら確定検査で確かめます。
- ➤事例 → 40代後半で自然妊娠したご夫婦が、自閉症の遺伝子検査を希望した経緯と結果
- ➤親の年齢 → 父親・母親の年齢で自閉スペクトラム症の割合はどのくらい変わるか
- ➤遺伝子検査 → 自閉症の遺伝子検査でわかること・わからないこと
- ➤妊娠中 → 当院のNIPTで調べられる、自閉症の特徴を伴うことがある病気
📋 この事例と自閉症の遺伝子検査の基本情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| ご相談の方 | 40代後半のご夫婦。結婚10年以上で、自然妊娠 |
| ご相談の内容 | 「高齢になると自閉症のリスクが高まる」と知り、自閉症の検査をしないと子どもを迎える気持ちになれない |
| 受けた検査 | NIPT(当時いちばん多くの項目を調べられるプラン)と、ご夫婦お二人の自閉症の遺伝子検査 |
| 結果 | NIPTは検査対象の範囲で陰性。遺伝子検査は約3週間後に結果が出て、病的な変化は見つからなかった。お子さんは無事に誕生 |
| 親の年齢と自閉症 | 父親50歳以上で約1.66倍、母親40代で約1.15倍(20代と比べた相対リスク)[1] |
| 検査の限界 | 遺伝子検査で自閉症は診断できない。陰性でも自閉症にならない保証ではない |
1. 事例:40代後半のご夫婦が「自閉症の検査」を希望した
NIPTを受けたいと来院されたご夫婦が、本当に知りたかったのは「生まれてくる子どもが自閉症かどうか」でした。ここでは、元の記事に書いた相談の経過を、個人が特定されないように整理してご紹介します。
結婚10年以上、思いがけない自然妊娠
来院されたのは40代後半のご夫婦です。ご主人はとても思いつめた表情で、奥さまは落ち着いたご様子でした。結婚して10年以上。子どもが欲しいと強く思った時期もありましたが、体外受精などには抵抗があり、不妊治療に踏み出せないまま年齢を重ねてきたそうです。生理が来なくなったので閉経したのだと思っていたところ、自然に妊娠していたことがわかりました。
本来なら喜びでいっぱいになりそうな知らせです。けれども、ご主人は「高齢になると自閉症のリスクが高まる」とインターネットで読み、そのことが頭から離れなくなっていました。NIPTも受けたいけれど、それより何より自閉症の検査をしてほしい。自閉症の検査をしないと、子どもを迎える気持ちになれない、というご相談でした。
「50歳手前で育てていけるのか」という不安
ご主人の心配の背景には、「自閉症と診断される子どもが昔よりずっと増えている」という話や、50歳を目前にして、もし自閉症のお子さんだったら育てていく自信がない、という思いがありました。ご主人は、中絶してしまうことすら頭をよぎる程度に悩んでいました。
NIPTは、当時当院で行っていた中でいちばん多くの項目を調べられるプランを選ばれました。それでも自閉症のことが心配だったため、ご夫婦の状況に合わせて、ご夫婦お二人の遺伝子検査を行い、自閉症に関わる遺伝子を調べることになりました。検査の前には、自閉症には多くの遺伝子の変化の組み合わせや、環境などの要因も関わること、そのため遺伝子検査で異常がなくても自閉症にならないとは言えないことを説明しています。
先にNIPT、約3週間後に遺伝子検査の結果
結果はNIPTのほうが先に出ました。調べた範囲に異常はありませんでした。ところが、ご主人はあまりうれしそうではありません。気になっているのは自閉症のことだったからです。
約3週間後、遺伝子検査の結果が出ました。調べた多くの遺伝子のどれにも、病的な変化は見つかりませんでした。結果をお伝えすると、ご主人は満面の笑顔になりました。改めて「この結果は、お子さんが自閉症にならないことを保証するものではありません」とお伝えしましたが、それでも笑顔のままでした。
このご夫婦は、子どもを授かることそのものに自信が持てずにいたのだと思います。検査の結果を見て、ようやく授かった命を素直に喜べるようになった、という経過でした。
その後
お子さんは無事に生まれました。元の記事を書いた当時は新型コロナウイルス感染症が流行していて、気軽にお会いできる状況ではありませんでした。
🩺 院長コラム【不安を「見える形」にする検査のあり方】
遺伝子検査は、病気の原因を探すためだけのものではないと考えています。限界を理解したうえで受け、結果によって不安が目に見える形で整理され、お子さんのいる暮らしへ踏み出す勇気につながるのであれば、そうした検査のあり方があってもよいと思います。
このご夫婦の背中を押したのだと思います。世の中にはこうして、わたしがいなかったら存在しないかもしれない命が意外とたくさんあるんです。そう思うと、出生前診断の現場に専門医として立ってよかったと感じます。
ただし、そのためには、検査の前に「わかること」と「わからないこと」をきちんと知っていただくことが欠かせません。結果が陰性でも保証にはならないことを知ったうえで選ぶのか、知らないまま安心してしまうのかで、検査の意味はまったく違うものになります。
2. 高齢出産で自閉症の割合は上がる?親の年齢と自閉スペクトラム症
親の年齢が上がると、子どもが自閉スペクトラム症と診断される割合は少し上がると報告されています。ただし、上がり方は「数倍」ではなく、大多数のお子さんは自閉スペクトラム症ではありません。このご夫婦が心配していた「高齢だと自閉症のリスクが高まる」という情報は、まったくの誤りではありませんが、数字の大きさで受け取り方が大きく変わります。
5か国・約577万人の研究:父親50歳以上で約1.66倍、母親40代で約1.15倍
デンマーク・イスラエル・ノルウェー・スウェーデン・西オーストラリアの5か国・地域で、1985〜2004年に生まれた約577万人(自閉スペクトラム症3万902人)を調べた研究では、20代の親と比べて、父親が50歳以上で相対リスク1.66倍、母親が40代で1.15倍でした[1]。この研究では、母親が20歳未満でも1.18倍と、若い側でもわずかに高くなっていました[1]。
母親の年齢については、それ以前のメタ解析(自閉スペクトラム症2万5,687人・対照865万5,576人)で、35歳以上の母親は25〜29歳と比べて、ほかの要因で調整した相対リスクが1.31倍と報告されています[2]。母親の年齢の影響は「小さいがゼロではない」と言えます。
父親の年齢と「新しく起こる遺伝子の変化」
父親の年齢が関係する理由の一つと考えられているのが、親から受け継いだのではなく、精子ができる過程で新しく起こる遺伝子の変化(de novo変異(新生突然変異))です。アイスランドの78組の親子の全ゲノムを調べた研究では、子どもに新しく起こる変化は、父親の年齢が1歳上がるごとに約2個ずつ増え、約16.5年で倍になると推定されています[3]。父親側からの伝わり方は自閉症・発達障害は父親から遺伝する?で、母親側は自閉症・発達障害は母親から遺伝する?で詳しく解説しています。
倍率ではなく「もともとの頻度」で考える
「1.66倍」「1.15倍」は、もともとの頻度に掛かる倍率です。米国疾病予防管理センター(CDC)の調査では、2022年に8歳の子どものうち約31人に1人(1,000人あたり32.2人)が自閉スペクトラム症と把握されていました[4]。これは「診断・把握された子どもの割合」で、国や調査の方法によって値は変わります。仮にもともとの頻度がこの程度だとしても、倍率が1.15〜1.66倍になったときに自閉スペクトラム症と診断されるお子さんは一部で、大多数のお子さんは自閉スペクトラム症ではありません。
また、これは多くの人を集めた集団の数字で、「あなたのお子さんの確率」をそのまま示すものではありません。年齢ごとの詳しい数字や、研究ごとの違いは高齢出産で発達障害・自閉症の確率は上がる?で整理しています。
3. 自閉症の遺伝子検査でわかること・わからないこと
自閉症の遺伝子検査は、自閉スペクトラム症との関わりが報告されている遺伝子に、病的な変化があるかを調べる検査です。自閉症そのものを診断する検査ではありません。このご夫婦が受けたのは、ご両親の遺伝子を調べる検査で、胎児の遺伝子を直接調べる検査ではありません。ご両親に病的な変化が見つからなくても、お子さんで新しく起こる変化(de novo変異)などは評価できず、「お子さんが自閉症にならない」とは言えません。
自閉症には遺伝の影響が大きいが、原因は1つではない
スウェーデンの双子とその兄弟姉妹(双子3万7,570組、きょうだい約264万組)を調べた研究では、自閉スペクトラム症の遺伝率は0.83と推定され、残りは家族で共有しない環境の影響(0.17)とされました[5]。遺伝の影響は大きいものの、その中身は多くの遺伝子の小さな影響の積み重ねや、新しく起こる変化などさまざまで、1つの遺伝子の変化だけで説明できる人は一部です。
原因がはっきりわかる例もあります。原因がわからない発達の遅れ・知的障害・自閉スペクトラム症・先天異常のある方を染色体マイクロアレイ検査で調べると、約15〜20%に原因となる染色体の微細な欠失・重複が見つかると報告されています[6]。裏を返せば、多くの方では検査をしても原因がはっきりしません。
当院の自閉症の遺伝子検査について
当院の自閉症の遺伝子検査(遺伝子パネル検査)は、自閉症との関連が報告されている122遺伝子を調べる検査で、自閉症と診断された方や、自閉症・発達障害が疑われる方などが対象です。結果が出るまでは3〜5週間ほどかかり、保険の対象にならない自費診療です。検査ページには、次のような限界も書いています。
💡 自閉症の遺伝子検査の限界
・遺伝子検査で自閉症を診断することはできません(診断は医師が行います)。
・陰性は「調べた遺伝子と検査法で見つけられる範囲」の結果で、遺伝との関係が否定されるわけではありません。
・病気との関係がはっきりしない変化(VUS)が見つかることがあります。
・脆弱X症候群の原因になるFMR1遺伝子のくり返し配列の伸びは、この検査では調べません。
脆弱X症候群は、FMR1遺伝子リピート伸長検査や保因者検査で調べます。ご家族に自閉スペクトラム症の方がいて、遺伝する確率が気になる場合は自閉症ASDが親から遺伝する確率をご覧ください。
「陰性」は「自閉症にならない保証」ではない
このご夫婦の結果は「調べた遺伝子に病的な変化がなかった」というもので、お子さんが自閉スペクトラム症にならないことを保証するものではありませんでした。遺伝の影響の多くは1つの遺伝子では説明できず、環境の影響もあるためです[5]。遺伝子検査を考えるときは、「見つかったら何がわかるか」と同じくらい、「見つからなかったときに何が言えないか」を検査の前に知っておくことが大切です。
4. 妊娠中にわかる自閉症の原因はある?当院のNIPTで調べられること
自閉症そのものを妊娠中に診断する検査はありません。ただし、自閉スペクトラム症の特徴を伴うことがある一部の病気は、当院のNIPTで生まれる前に調べられます。エコーやお母さんの体調から、赤ちゃんが自閉症かどうかがわかることはありません。
🤰 当院のNIPTで調べられる、自閉症の特徴を伴うことがある病気(主なもの)
※ここに挙げたのは一部です。プランごとの調べる範囲と料金は各プランのページと料金ページでご確認ください。
父親の年齢が上がると新しく起こる遺伝子の変化が増えるため[3]、単一遺伝子の病気まで調べるダイヤモンド・インペリアルという選び方もあります。ただし、どこまで調べるかは押しつけるものではなく、検査前の遺伝カウンセリングで、調べる範囲が広がると陽性や確定検査の場面も増えることを含めて考えていただきます。NIPTと自閉症の関係は一部の自閉症・発達障害の原因はNIPTでわかるで詳しく解説しています。
⚠️ NIPTで必ず知っておきたい限界
・NIPTは確定診断ではありません。陽性なら確定検査(絨毛検査=妊娠11〜13週、羊水検査=妊娠15週以降)で確かめます。
・微小欠失・重複は、数の異常より陽性的中率が低めです(項目によって60〜70%程度)。
・陰性でも、自閉症・発達障害・知的障害がないとは言えません。多くの自閉スペクトラム症はNIPTで調べられる原因によるものではありません。
・症状の重さは、検査では予測できません。
当院でNIPTを受けた方は、陽性の場合も確定検査(絨毛検査・羊水検査)まで院内で受けられます。主要な検査項目は3日以内に、マイクロアレイ検査は2週間ほどで結果が出ます。精度の考え方はNIPTの精度(陽性的中率)にまとめています。
5. 高齢出産で自閉症が不安なときに考えたいこと
不安を感じたときは、①数字を倍率ではなく実際の頻度で見る、②検査でわかること・わからないことを知ったうえで選ぶ、③ひとりで抱えず専門家と整理する、の3つが手がかりになります。このご夫婦も、インターネットで読んだ「リスクが高まる」という言葉が、実際の数字よりずっと大きな不安になっていました。
妊娠中に受けられる検査と時期
当院のNIPTは、通常妊娠9週から受けられ、妊娠6〜8週は臨床研究として受けられます。受けられる時期の上限は特に設けていません。妊娠中に調べられるのは、染色体の数の異常や微小欠失・重複、一部の単一遺伝子の病気で、自閉スペクトラム症そのものではありません。当院のNIPT(新型出生前診断)や遺伝子検査は自費診療です。
ご家族に自閉症の方がいる場合
ご家族に自閉スペクトラム症の方がいて原因となる遺伝子の変化がわかっている場合は、その変化を調べられることがあります。常染色体潜性(劣性)遺伝やX連鎖遺伝の病気が気になる場合は、両親の保因者検査(女性787・男性714、女性1009・男性911遺伝子)や、NIPTと同じ日に採血できるご夫婦の保因者検査「ファミリーセーフティ プラス」も選択肢になります(NIPTの一種ではなく、単独では受けられません)。
診断や支援は専門の医療機関で
自閉スペクトラム症の診断は、生まれたあとに小児科・児童精神科・発達外来などの専門医が行います。当院は自閉症・発達障害の診断・療育・薬の治療は行っていません。当院が担うのは、遺伝カウンセリングや遺伝子検査・NIPT・保因者検査など、遺伝の面からの整理です。オンラインの遺伝カウンセリングは料金を事前にお支払いいただく形です。
🩺 院長コラム【「リスクが高まる」という言葉の重さ】
「高齢だとリスクが高まる」という一文は、読む人によっては「高い確率でそうなる」と受け取られてしまいます。実際には、倍率が上がっても大多数のお子さんには当てはまりません。数字の意味を正しく知るだけで、不安の大きさが変わることは少なくないと考えています。
そのうえで、それでも心配が残るなら、検査の限界を知ったうえで受けるという選択も尊重されるべきだと思います。大切なのは、検査を受けるかどうかよりも、ご夫婦が納得して次の一歩を決められることです。
よくある質問(FAQ)
Q1. 高齢出産だと子どもは自閉症になりやすいのですか?
親の年齢が上がると、子どもが自閉スペクトラム症と診断される割合は少し上がると報告されています。5か国・約577万人の研究では、20代の親と比べて父親50歳以上で1.66倍、母親40代で1.15倍でした。ただし大多数のお子さんは自閉スペクトラム症ではありません。
Q2. 自閉症の遺伝子検査で異常がなければ、子どもは自閉症になりませんか?
いいえ、保証にはなりません。遺伝子検査の陰性は「調べた遺伝子に、検査法で見つけられる病的な変化がなかった」という意味です。自閉スペクトラム症には多くの遺伝子と環境が関わるため、陰性でも自閉症にならないとは言えません。
Q3. 妊娠中に赤ちゃんが自閉症かどうかわかりますか?
自閉症そのものを妊娠中に診断する検査はありません。ただし、22q11.2欠失症候群など自閉スペクトラム症の特徴を伴うことがある一部の病気は、当院のNIPTで生まれる前に調べられます。陽性の場合は確定検査で確かめます。
Q4. 父親の年齢も関係しますか?
関係すると報告されています。父親の年齢が上がると、精子ができる過程で新しく起こる遺伝子の変化が1歳ごとに約2個ずつ増えると推定されています。大規模研究では、父親50歳以上で自閉スペクトラム症の割合が20代の1.66倍でした。
Q5. NIPTが陰性なら、自閉症や発達障害の心配はありませんか?
いいえ、そうとは言えません。NIPTで調べられるのは染色体の変化や一部の遺伝子の病気で、多くの自閉スペクトラム症はNIPTで調べられる原因によるものではありません。脆弱X症候群のように、FMR1遺伝子リピート伸長検査や保因者検査で調べる病気もあります。
Q6. 自閉症の診断や療育はミネルバクリニックで受けられますか?
当院は自閉症・発達障害の診断・療育・薬の治療は行っていません。診断は小児科・児童精神科・発達外来などの専門医が行います。当院では、遺伝カウンセリング、遺伝子検査、NIPT、保因者検査など、遺伝の面からの相談と検査を行っています。
まとめ
40代後半で思いがけず妊娠し、「高齢だと自閉症のリスクが高まる」と悩んだご夫婦は、NIPTと自閉症の遺伝子検査を受け、どちらも病的な変化は見つからず、お子さんは無事に生まれました。親の年齢が上がると自閉スペクトラム症の割合は少し上がりますが(父親50歳以上で1.66倍、母親40代で1.15倍)[1]、大多数のお子さんは自閉スペクトラム症ではありません。
自閉症の遺伝子検査は自閉症を診断する検査ではなく、陰性でも自閉症にならない保証にはなりません。妊娠中には、22q11.2欠失症候群など自閉症の特徴を伴うことがある一部の病気を、当院のNIPTで調べられます。わかること・わからないことを知ったうえで、納得できる選択をしていただきたいと考えています。
📅 高齢出産で自閉症が不安な方へ
一部の自閉症・発達障害の原因は、当院のNIPTで生まれる前に調べられます。陽性でも、確定検査(絨毛検査・羊水検査)まで院内で受けられ、主要な検査項目は3日以内に、マイクロアレイ検査は2週間ほどで結果が出ます。90分の受診枠の中で、常駐する臨床遺伝専門医が遺伝カウンセリングを行い、どのプランが合うかを一緒に考えます。まだ決めていない方は、NIPTの費用・料金や各プランのページからご覧ください。
参考文献
- [1] Sandin S, Schendel D, Magnusson P, et al. Autism risk associated with parental age and with increasing difference in age between the parents. Mol Psychiatry. 2016;21(5):693-700. [PubMed 26055426]
- [2] Sandin S, Hultman CM, Kolevzon A, Gross R, MacCabe JH, Reichenberg A. Advancing maternal age is associated with increasing risk for autism: a review and meta-analysis. J Am Acad Child Adolesc Psychiatry. 2012;51(5):477-486.e1. [PubMed 22525954]
- [3] Kong A, et al. Rate of de novo mutations and the importance of father’s age to disease risk. Nature. 2012;488(7412):471-475. [PubMed 22914163]
- [4] Shaw KA, et al. Prevalence and Early Identification of Autism Spectrum Disorder Among Children Aged 4 and 8 Years — Autism and Developmental Disabilities Monitoring Network, 16 Sites, United States, 2022. MMWR Surveill Summ. 2025;74(2):1-22. [CDC MMWR]
- [5] Sandin S, Lichtenstein P, Kuja-Halkola R, et al. The Heritability of Autism Spectrum Disorder. JAMA. 2017;318(12):1182-1184. [PMC5818813]
- [6] Miller DT, Adam MP, Aradhya S, et al. Consensus statement: chromosomal microarray is a first-tier clinical diagnostic test for individuals with developmental disabilities or congenital anomalies. Am J Hum Genet. 2010;86(5):749-764. [PMC2869000]






