目次
いざ中絶手術を受けようと思っても、痛みや費用など様々な不安が頭をよぎりますよね。そして想像するほど不安感は増し、どうして良いか分からなくなります。
そこでこの記事では、中絶手術の基礎知識として以下の内容をお伝えします。
- ・人工妊娠中絶の基本
- ・手術までの流れと手術方法
- ・人工妊娠中絶の費用
- ・よくある6つの質問
中絶手術に伴う痛みや合併症・費用など一通りを学べる内容となっています。最後まで読むことで安心感を得られるだけでなく、今後あなたがすべき行動を明確にできます。
1人で悩む時間は終わりにして、あなたにとって最良の選択ができるようにご活用いただけると幸いです。
人工妊娠中絶とは?
予期せぬ妊娠や経済的な理由など様々な理由から中絶を希望する方がいます。そしてそんな方にとって人工妊娠中絶は何をするのか気になるところです。
そこでこの章では、人工妊娠中絶について調べた方でも概要が掴めるように、以下の内容をお伝えします。
- ・人工妊娠中絶とは?
- ・母体保護法|妊娠22週が期限である理由
- ・必要書類
中絶を受ける時期や書類について詳しく知らずに希望すると後悔することになります。この章で前提知識を学び、あなたにとって最良の選択ができるようになりましょう。
人工妊娠中絶とは?
人工妊娠中絶とは、何らかの事情で妊娠継続を断念することや、それに伴う手術のことです。手術により成長中の受精卵〜胎児を除去をすることで妊娠を強制的に中断させます。
厚生労働省のデータによると、令和元年の人工妊娠中絶の件数は「156,430 件」で、最も多いのは20歳未満の「12,678件」となっています。このことより、予期せぬ妊娠や出産後の経済的な不安から人工妊娠中絶しているケースが多いと予測可能です。
個人差はありますが、中絶自体が身体的・精神的な負担が大きく、責任感で押しつぶされそうになる方もいます。
中絶を決意するまでの経緯は人それぞれであり、中絶自体に良し悪しはありません。しかし、中絶することで本人の心に大きな傷跡が残り続けないように、中絶後の自分についても考えた上で臨むようにしましょう。
次に中絶の根拠となる法律や考え方など概論についても触れていきます。
参考資料
厚生労働省/令和元年度 衛生行政報告例 概況
公益社団法人 日本産婦人科医会/人工妊娠中絶について教えてください。
母体保護法|妊娠22週が期限である理由
人工妊娠中絶手術は「母体保護法」という法律により定められており、妊娠22週以降は胎児として命が成立する時期とされています。妊娠22週になると胎児はまぶたの奥で目を動かしたり、お母さんのお腹を蹴ったりと少しずつ赤ちゃんとしての反応を見せます。
簡単に言うと、姿・形や各組織が外の世界に出ても大丈夫な状態に成長し始める時期なのです。
母体保護法では中絶について「妊娠の継続又は分娩が身体的又は経済的理由により母体の健康を著しく害するおそれのあるもの」に適応となり、お母さんの生命を守ることに主願をおいています。
妊娠21週6日までに本人・配偶者の同意のもと、母体保護法指定医のいる病院もしくはクリニックで人工妊娠中絶をします。ただし、何らかの事情で配偶者が居ない時は、本人の同意のもと手術を行うことも可能です。
また手術希望者が未成年であれば、親の同意が必要になります。中絶も立派な手術であり、命を危険に晒すリスクも十分考えられるからです。
引用資料:公益社団法人 日本産婦人科医会/母体保護法
必要書類
妊娠中絶を行うには、以下の書類が必要です。
- ・中絶手術の同意書
- ・保護者の同意書(未成年の場合)
- ・身元確認ができる書類(免許書や保険証)
同意書は基本的に受ける本人・パートナーのサインが必要です。しかし、妊娠の発覚後に相手と連絡が取れなくなってしまったなどの理由があれば、本人の同意だけで中絶もできます。ただし、未成年だと親の同意が求められる点に注意しましょう。
事情によって親に内緒にしたいという方も少なくありませんが、中絶は立派な手術行為です。麻酔をかけて行う上に出血などの合併症にならないとも限りません。
早い時期に中絶することで母体への影響を最小限に抑えることができるので、意志が固まり次第、早急に産婦人科を受診することをおすすめします。
人工妊娠中絶の手術までの流れと手術方法
当たり前ですが、人工妊娠中絶も立派な手術です。そのため、事前準備や手術の流れを理解しておく必要があります。
特に初めて手術を受ける方は、手術内容や痛みの程度など気になることが多く、とても不安に感じるかもしれません。
そこでこの章では、中絶手術に関する以下の内容を解説します。
- ・人工妊娠中絶の手術までの流れ
- ・手術方法や伴う痛み
- ・術後合併症について
中絶手術に関する知識を深めると当日までのイメージを持ち、不安を軽減できます。
人工妊娠中絶の手術までの流れ
中絶をするには手術が必要と聞くと身構えますよね。
- 「準備するものは?」
- 「当日することは?」
- 「術後はどんな感じなの?」
想像し始めると様々な不安が頭をよぎり、切りがありません。
気になる手術までの流れは、以下の通りです。
- ・予約と手術前の検査
- ・手術当日(注意点あり)
- ・手術
- ・手術方式によっては入院
- ・術後のメンタルケア
まずは産婦人科を受診して中絶について相談しましょう。中絶をするなら身体的な負担を考慮してできる限り早い時期に行うように進められます。中絶手術前の検査は以下の通りです。
- ・問診
- ・経腟超音波検査(エコー検査)
- ・血液検査
- ・性感染症検査(HIV・梅毒・クラミジア感染症など)
当日まで体調管理を徹底して、万全な大勢で手術を迎えられるようにしましょう。また、前日から絶食や内服中止などの指示があれば厳守です。詳しくは手術先の医師の指示に従ってください。
合併症に注意しながら手術が行われます。手術方式により当日帰宅、もしくは数日間の入院が必要になるため、念のため入院セットを多めに準備しておくと安心できるでしょう。
術後は身体的な負担に加えて、精神的なダメージが大きいことも予測されます。そのため、可能なら医師や看護師、臨床心理士などの専門家のメンタルケアを希望しましょう。
中絶したことに責任を感じる方も多いのも現実です。サポート制度を利用しながら中絶した事実を受け入れていけると良いですね。
手術方法や伴う痛み
人工妊娠中絶には手術が必要と聞いて「恐い」「痛みなく中絶する方法はないの?」と感じた方も多いのではないでしょうか?
手術をする以上、痛みや苦痛・不快感が伴うのは仕方ありません。ただし、最近では全身麻酔による「無痛中絶」を推奨している病院やクリニックもあるので、ご安心ください。
手術方式は行う時期により以下の違いがあります。
- ・妊娠12週未満:掻爬法 or 吸引法
- ・妊娠12〜22週:子宮収縮剤による人工的な流産
妊娠12週未満に適応される「掻爬法」や「吸引法」とは、あらかじめ子宮口を開き、静脈麻酔後に人工的に掻き出したり、吸引にて回収したりする手術方式です。
手術時間は10〜15分と短く日帰りであること、手術操作による子宮内膜の損傷などがない限り、出血や痛みも少なく済むメリットがあります。
一方、妊娠12〜22週の方は子宮収縮剤を使って陣痛を誘発し、人工的に流産させます。陣痛に加えて、流産時の出血など身体的な負担が大きいことから数日間の入院が必要です。
参考資料:公益社団法人 日本産婦人科医会/人工妊娠中絶について教えてください。
術後合併症について
手術方式により合併症や発生頻度が異なります。
妊娠12週未満の人工妊娠中絶手術の合併症は、以下の通りです。
(公益社団法人 日本産婦人科医会/妊娠12 週未満の人工妊娠中絶手術による合併症(日本産婦人科医会調 査結果より)より画像引用)
子宮内遺残は「吸引法のみ」の手術よりも「吸引法+掻爬法」や「掻爬法」の方が多いことが分かります。子宮内遺残は「術後出血の助長」や「遺残で子宮内の衛生状況の悪化」などの合併症があります。そのため、確実に取り切れる「吸引法」を選びましょう。
妊娠12〜22週で子宮収縮剤による人工的な流産の合併症は、以下の通りです。
(公益社団法人 日本産婦人科医会/妊娠12 週未満の人工妊娠中絶手術による合併症(日本産婦人科医会調 査結果より)より画像引用)
妊娠後期のように子宮が柔らかくはないため、子宮穿孔(子宮に穴が空くこと)のリスクがあります。子宮穿孔すると開腹もしくは腹腔鏡下手術で子宮修復をしなければいけません。また腸管損傷で最悪の場合、人工肛門(ストーマ)の造設を余儀なくされます。
このように中絶手術は命を危険にさらす合併症が伴うことを知っておきましょう。
参考資料:公益社団法人 日本産婦人科医会/妊娠12 週未満の人工妊娠中絶手術による合併症(日本産婦人科医会調 査結果より)
【保険適応外】人工妊娠中絶の費用
人工妊娠中絶の費用は、手術方式や受診する病院・クリニックにより違いますが、平均で「10〜15万円」が相場です。中絶手術は保険適応外である上に自由診療であるため、中には「20万円以上」に設定しているところもあります。
そこで「手術費用が高額で中絶が難しい」と思った方もいるのではないでしょうか?
実は中絶手術を希望する方の中で、以下の条件を満たす方は「出産育児一時金」の対象となります。
- ・健康保険の加入者
- ・妊娠12週以上の中絶手術
これらの条件を満たす方は、流産・死産・中絶により助成金を受け取ることができます。出産育児一時金を申請することで、1児につき一律「42万円」が支給されます。ただし、出産育児一時金の支給を目的に、中絶の時期を遅らせるなどの行為は控えましょう。
中絶により傷つく母子のことを考えると1日でも早い手術が望ましいことに変わりはありません。
参考資料:厚生労働省/出産育児一時金の支給額・支払方法について
病院選びの3つのコツ|中絶をできる病院を早く見つけたい方へ
中絶手術を受ける覚悟が固まると次に行うのは病院探しです。
そこで「できるだけ早く、最小限の苦痛で手術をしてもらいたい」と考えた方向けに、病院選びのコツを3つお伝えします。
- コツ①:母体保護法指定医師がいる
- コツ②:最短で中絶できる
- コツ③:できるだけ自宅から近い
中絶手術において病院選びは非常に重要です。というのも中絶手術ができる産婦人科は限られており、術式や費用が全く異なるからです。また、受ける時期により身体的・経済的な負担も違います。
現在のあなたにとって最も良い病院を選ぶための参考にしていただけると幸いです。
コツ①:母体保護法指定医師がいる
意外かもしれませんが、すべての産婦人科医が人工妊娠中絶手術を行えるわけではありません。
大前提として、人工妊娠中絶を受けるなら「母体保護法指定医師」がいる病院やクリニックを受診する必要があります。人工妊娠中絶手術は非常にデリケートな医療処置であるため、母体保護法で指定された専門医のみが行えるのです。
母体保護法指定医師のいる病院やクリニックを探したいなら「〇〇県 中絶ができる病院」とインターネットで調べるか、お近くの産婦人科で相談しましょう。相談するのは勇気が入りますが、中絶を希望する以上、必ず通る道です。
参考資料:公益社団法人 日本産婦人科医会/母体保護法指定医師のご案内
コツ②:最短で中絶できる
最短で人工妊娠中絶ができる病院やクリニックを選びましょう。
1日でも早く(特に妊娠11週6日まで)中絶することで、以下のリスクを避けられます。
- ・痛みや精神的ダメージを最小限に抑えられる
- ・経済的な負担を軽減できる
- ・術後合併症のリスクを減らせる
- ・役所への届け出が不要
はじめに、痛みや精神的ダメージを最小限に抑えられます。妊娠週数が12週以降になると、子宮収縮剤により人工的に陣痛を誘発します。分娩時の陣痛よりは痛くないものの、痛いことに変わりはありません。
一方、妊娠12週未満だと手術に伴う痛みや術後合併症のリスクもほとんどありません。当日帰宅もできる上に、中絶した胎児の状態からも精神的ダメージを最小限に抑えられるでしょう。
また手術費も1/3程度で済んだり、役所への届け出が不要だったりと手術後の負担も軽減できます。妊娠12週以降になると死産届と死産証明書を役所に提出して、死胎火葬許可証を受けなければいけません。
これらを考慮すると中絶をすると決めたなら早い時期にすべきでしょう。
コツ③:できるだけ自宅から近い
できるだけ自宅から近い病院を選ぶのも病院選びのコツです。
手術方式によっては子宮内遺残や出血などの術後合併症があります。これらを合併すると長期的な通院が必要になります。手術後で身体的・精神的ダメージをおった状態で、遠い病院に通うのは負担が大きいでしょう。
また、合併症の悪化により急遽入院が必要になった際、近くの病院であれば家族や知人の協力を得られやすいメリットもあります。
一方で、中絶をする多くの人は周りの人には知られたくないと考えています。そのため、近い病院だと知人と遭遇する可能性があるので、あえて遠い病院を選ぶというのも選択肢の一つです。
人工妊娠中絶に関するよくある6つの質問
人工妊娠中絶を受けたいと思い、色々と調べても不安が解消されないと感じている方もいるのではないでしょうか?
そこでこの章では、そんな方のよくある質問をまとめました。
- 質問①:中絶薬による中絶はできますか?
- 質問②:未成年でも中絶手術を受けられますか?
- 質問③:2回以上、中絶を受けられますか?
- 質問④:受診当日に手術は受けられますか?
- 質問⑤:手術中やその後の痛みはありますか?
- 質問⑥:手術後、いつから生理になりますか?
不安が尽きることはありませんが、少しでも安心して中絶手術の日を迎えられるようになりましょう。
質問①:中絶薬による中絶はできますか?
中絶薬による人工妊娠中絶は日本では認められていません。2021年に経口妊娠中絶薬の販売の申請がされましたが、現在のところ承認許可はおりていません。
一方の海外では内服方法に制約があるものの、身体的な不負を大幅に減らせることから、一般的な中絶法として普及しています。有名な薬として「ミフェプレックス(MIFEPREX)」があり、日本でも不正に購入されることも…。
しかし、厚生労働省は中絶を目的に国内では内服しないよう注意喚起しています。日本で認められているのは、掻爬法や吸引法、子宮収縮剤による中絶だけなので注意しましょう。
認可されていない方法で安易に中絶すると、合併症やその他の弊害があった時に守ってもらえません。
参考資料:厚生労働省/ミフェプレックス(MIFEPREX)(わが国で未承認の経口妊娠中絶薬)に関する注意喚起について
質問②:未成年でも中絶手術を受けられますか?
はい、受けられます。
ただし中絶も立派な手術であり、必ず両親の同意が必要です。
「親だけには中絶を知られたくない」、中絶を考える方の多くが一度は感じることでしょう。親に無駄な心配はかけたくない、中絶をしなければいけなくなった経緯を知られたくないという思いが強く、同意書を取れない方もいます。
一方で同意を取るにあたって気持ちの整理と中絶への決意を固められます。そして、あなたの最大の理解者は両親です。話づらい内容ですが、勇気を持って相談しましょう。
質問③:2回以上、中絶を受けられますか?
2回以上、中絶手術を受けることも可能です。
そして、2回以上の中絶手術を経ても妊娠をすることはできます。つまり、中絶手術が原因で不妊症になることはないということです。ただし手術操作によっては、以下の合併症も考えられるため、安易に中絶という選択をしないようにしましょう。
- ・大量出血
- ・子宮穿孔や腸管損傷による緊急手術
- ・術後の感染症…etc
また「中絶に制限はない」と安心するのではなく、望まない妊娠を避けるための適切な避妊の努力をしましょう。
質問④:受診当日に手術は受けられますか?
初診当日に手術を受けて帰ることはできません。
なぜなら、手術をするのには事前検査や入念な準備が必要だからです。
例えば、以下の事前検査を行います。
- ・問診
- ・経腟超音波検査(エコー検査)
- ・血液検査
- ・性感染症検査(HIV・梅毒・クラミジア感染症など)
これらに加えて、中絶を受けるカップルの同意、未成年の場合は両親の同意を取らなければいけません。
また、術前指示(前日から絶食など)や手術方式によっては当日前処置が必要です。手術を受けるまでには様々なステップを踏まなければいけず、当日手術をするのは現実的に難しいでしょう。
質問⑤:手術中やその後の痛みはありますか?
痛みに対しては麻酔を使うため、ほとんどありません。ただし痛みの感じ方は人によって違うため、あくまで参考程度に留めておきましょう。
また、子宮口を広げる前処置で痛みを伴うこともあります。前処置は病院によって「する」or「しない」があるので、気になる方は確認しておきましょう。
手術操作やご自身の状況によっては、術後合併症を発症する可能性もあります。代表的なものだと子宮内遺残による大量出血があり、最悪のケースだと入院しなければいけません。
質問⑥:手術後、いつから生理になりますか?
人工妊娠中絶後、最初の生理は「30〜50日後」が多いようです。
妊娠により乱れたホルモンバランスを戻すのに時間がかかることが原因と考えられています。妊娠・中絶が原因でこれまでとは違う生理周期になることもあります。
性行為に関しても医師の許可が出るまでは控えましょう。中絶手術により子宮や膣道が傷ついていると性行為による感染症のリスクが高まります。感染症になると発熱や痛みなどを伴い、術後の精神的ダメージと合わさって、過度なストレスになりかねません。
また中絶手術後の生理では、今までよりも痛みや出血量の程度が変わることも考えられます。ただし、術後数日間の出血は中絶手術による合併症の可能性があるため、必ず産婦人科を受診しましょう。
これほどまでに妊娠や中絶は、あなたの体に大きな変化をもたらすのです。
もう一人で悩まない!中絶に関する3つの相談先
中絶は非常にデリケートな悩みです。それゆえに相談相手がおらず、1人で悩んでいる方も多くいます。しかし、1人で悩み続けても解決することはありません。
そこでこの章では、中絶に関する以下の3つの相談先があるとお伝えします。
- ・相談先①:家族・知人
- ・相談先②:産婦人科
- ・相談先③:自助グループ
各相談先の特徴やどんな状況の方に合っているかについても解説しています。ご自身の状況に合わせて最適な相談先を見つけるヒントにしていただけると幸いです。
相談先①:家族・知人
まずは家族や知人など近い存在に相談しましょう。特に家族はあなたの良き理解者であり、最も身近な存在でもあります。
【補足情報】
中には以下の理由のように家族に相談しづらいこともあります。
- ・未成年・未婚で妊娠した
- ・胎児に障害が発覚した
- ・大学在学中に妊娠した…etc
▶︎特に未成年の妊娠は家族や知人には相談しづらいデリケートな問題です。しかし、人工妊娠中絶をする以上、未成年であれば親の同意が必要です。家族に相談するのも時間の問題であることを考えると、早めに相談しておくに越したことはありません。
嘘・偽りなく正直に話して、あなたの良き理解者であってもらいましょう。
相談先②:産婦人科
中絶に関する正しい情報を集めたいなら、医療機関へ相談しましょう。
世の中には様々な情報が出回っています。しかしその情報が正しいかどうかの判断は、あなたに委ねられています。つまり前提知識がないと、間違った情報を鵜呑みにしてしまう危険性があるということです。
偶然にも正しい情報であれば良いですが、中には間違った情報があるのも事実です。
そこで産婦人科へ相談することがおすすめです。受診費がかかることや受診までのハードルが高いデメリットがある一方で、、医者や助産師・看護師などの医療のスペシャリストによる情報を入手できるメリットがあります。
医療機関なら信頼性が高い上に治療に関する具体的な相談もできるため、確実に不安の軽減ができるでしょう。
相談先③:自助グループ
「相談相手がいない」「近しい人には相談できない」という方は、自助グループを活用すると良いでしょう。
自助グループに相談するメリットは、以下の通りです。
- ・実際に経験した方の話を聞ける
- ・中絶を考えていることが周りにバレない
- ・電話やメールなど家にいながら相談できる
未成年や大学で遠方住みの方は、相談相手がいないと悩むケースがあります。また、初めから家族や知人・産婦人科へ相談するのはハードルが高いと感じる方も多いようです。
自助グループなら中絶の経験者に相談することもできるため、ご自身の状況をしっかりと理解した上で親身に相談にのってもらえます。中絶を経験した人だからこそ分かる苦痛や痛み・葛藤を聞き、あなた自身が最善の選択ができるようになりましょう。
参考資料
セルフヘルプグループPERCH | 活動内容
NPO法人FOSC(フォスク) /相談活動・自助グループ
まとめ: 不安解消の秘訣|正しい知識を学び中絶に臨もう
以上、人工妊娠中絶を考えている方向けに中絶に関する基礎知識を解説しました。
最後にこの記事でお伝えした内容を一緒に振り返りましょう。
- ・人工妊娠中絶とは妊娠を強制的に中断させること
- ・中絶手術は妊娠22週までしかできない
- ・妊娠週数により手術方法が異なり、早い時期の方が負担が少ない
- ・保険適応外であるため高額な手術費が予測される
- ・中絶手術ができる病院やクリニックは限られている
- ・中絶について1人で悩んでも解決はしないため相談先を上手く活用すること
人工妊娠中絶とは妊娠継続ができるにも関わらず、強制的に中断させる行為です。そしてそのためには中絶手術が必要となり、パートナーや未成年なら両親の同意が必須です。
予期せぬ妊娠で戸惑う中、中絶という選択を強いられている方にとって非常に辛い局面になり、不安も大きいことが予測されます。
しかし中絶できる期間が限られており、早いほど身体的・経済的な負担は少ないです。そのため、早い時期から周囲に相談しつつ、あなたにとって最良の選択ができるようになりましょう。
もし相談できる相手がいないなら、この記事でお伝えした相談先を活用することをおすすめします。というのも、中絶のように非常にデリケートな問題は1人で悩んでいても解決することはないからです。
この記事が、中絶を受けるか悩んでいる方の後押しになれば嬉しいです。